北白蛇神社までの
「神原さん」は、ここに至るまでの疲れを
「わたし」はと言いますと、「神原さん」に手を引かれながら、一歩一歩を全力で登ってます。
正直なところ、記憶の戻った「わたし」としては、この北白蛇神社は自分の家に等しいぐらいに思っていましたが、参道を歩くのがこんなにも
『ハァ・ハァ・ハァ…』
『すまん、ちょっとペースが速かったかな』
『い・いえ・そんな・ことは・ハァ・ハァ…』
実際にそんなことは無いのです、「神原さん」は「わたし」の足の運びに合わせて、一歩一歩を確認しながら歩いてくれています、おかしいのはきっと「わたし」の体の方です。
『少し休憩をしよう、見ての通り、
「神原さん」は左腕を「わたし」の前に伸ばしながら言います。
『すみま・せん…』
そのまま「わたし」は階段にへたり込みました。
『うっ・きゃーーーーー』
『どうした!』
『く・クモ・
『刺されたのか、ならばすぐに吸い出さないとな、服を脱がすぞ』
「神原さん」は言葉が終わる前に、「わたし」のワイシャツを
『きゃーーー、ち・違います・違います、刺されて無いです、服を脱がさないでーー』
上半身のチェックを終えた「神原さん」は、次に「わたし」のスカートへと手を伸ばしていました。
『なに、違うのか、ならば大声で
『蜘蛛がわたしの目の前に、つーーって降りて来たので、ビックリしただけです』
そう説明する間も、「わたし」はスカートを必死で押さえています。
『なんだ、それは
いま(残念)って言いましたよね、それにスカートを握った手もなかなか離してくれないし。
『考えてみれば、この辺に毒蜘蛛などは居ないのだけどな、まー用心にこしたことはないからなーはっはっはー』
なんだかとっても身の危険を感じました、どうか気のせいであって欲しいものです。
『しかし…、ク・ク・クックックックッククク・アハハハハハハー、そうか千石ちゃんは蜘蛛を見て悲鳴を挙げたか、そうかそうか』
どうしたのでしょう? 「神原さん」は何が可笑しくて笑ったのか、「わたし」には理解できません。
『いや・すまない、ちょっと安心したというか…、正直に言おう、私は隠し事が出来るタイプではないのでな』
「神原さん」の表情が変わりました、「わたし」は剥ぎ取られたワイシャツの袖に手を通しながら聞き耳をたてます。
『私達が去年、この神社で会った時のことは覚えているな』
忘れられる筈はありません、去年の
呪いなどというものに、いっさい
『私は正直、
「わたし」が本屋さんで読んだ一冊の中に【
『北白蛇神社の
そう、その儀式の方法は、蛇をぶつ切りにして磔にすることでした。