なでこ☆フォックス【狐物語】   作:TAINZ

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なでこ☆フォックス -38-

『やめてー! たまちゃん・わたしはちゃんと分かってるから、わたしが悪いってことちゃんと理解したから、だから・ららちゃんには何もしないで、罰はわたしがちゃんと受けるからー』

 

『ふざけないでよ、何処に居るのか知らないけど、自分は安全なところから高みの見物ー、なんで何時も・千ちゃんは何もしないでみんなに守られるのよ、こうやって・ららちゃんも千ちゃんの為にやって来るし、あたしだけが誰も助けてくれないなんて不公平じゃん、ずるいんだよー! 誰のことも好きにならないくせに、みんなに好かれるなんてさー、…こんな不平等な世界なんて…要らない…、消えてなくなればいい…』

 

『たまちゃん・わたしは………』

 

『元百合っ子ちゃん、携帯電話を貸してもらえるかな』

 

『無論だ』

 

…ピポポパパパパピピ・プピポパパポポピピ…

 

『送信っと』

 

『忍野さんは、携帯電話を使えるのだな』

 

『まぁねぇ・でもこのことは阿良々木君にはオフレコで頼むよ』

 

『元照れ屋ちゃん、阿良々木君の妹ちゃんにだけ聞こえるように伝えて、僕が合図を送ったら五秒後にその場で伏せるようにってねぇ、いいかい・タイミングを間違えないようにね』

 

「忍野さん」に言われた通り、小さな声で「ららちゃん」にだけ聞こえるように言いました。

 

『ねーたまちゃん、この世界が不公平で不平等なのってー当ったり前じゃん、人間だけを比べたってさー、生まれた国・生まれた家・生まれた性別・生まれた時代、何を取ってもさー不公平で不平等じゃん、そんな事を言ってたら切が無いってー』

 

『ららちゃん・五秒前・四・三・二…』

 

『あたしはー、それが嫌だってー、言ってるんだー!』

 

『一・〇…』

 

ズシャッ・ズッドーン・バシャバシャ…ズッシャーーー………

 

『た・ま・ちゃん…』

 

『ららちゃん、大丈夫だよね…、ららちゃん!』

 

『たま・ちゃん・が…ころ・され・た………いやーーーーーーーーーーーガシャッ』

 

えっ……なに………

 

【ほっほほほほほほほー・どこをねろおておる・わっちはここじゃー・ほおれほれ・よそ見をするでないわ・わっちはここにおるぞー・ほっほほほほ】

 

この話し方は「玉藻前」…。

 

【なんじゃー・人に・物の()に・半妖(はんよう)とな・面妖(めんよう)な組合せよのう・ほほほほほ・さあてどの(たま)から喰ろうてやろうか】

 

余接(よつぎ)っ』

 

アンリミテッド・ルールブック(例外の方が多い規則)離脱版(りだつばん)

 

ドンッ・ヒューーーーーー………

 

【なんのまねじゃー・物の怪を二つ逃がしておいて・人のそなたが残るのかえ・わっちを愚弄(ぐろう)するつもりなら・楽には死ねんが・よいな】

 

交渉(こうしょう)しようじゃないか【玉藻前】、いや【滝夜叉姫】』

 

【ほっほっほほほー・さて・命乞(いのちご)いならいざしれず・交渉とは愉快(ゆかい)なことを言う・そなたの魂・それ以外に・わっちが望むものがあるとは思えぬがのう】

 

『この刀は【妖刀(ようとう)心渡(こころわたり)】怪異のみを切る怪異殺しの剣だよ、そして・こっちの小太刀(こだち)は【夢渡(ゆめわたり)】といってね、怪異生かしの剣なんだ』

 

【わっちは九尾の妖狐じゃぞー・太刀なんぞに興味はないわ・仮にわっちがその太刀を欲したとしよう・その時はそなたを喰ろうてから奪えばよいではないかえ・ほっほほほほほほ】

 

キュイイイイイイイイイイイーーーンンンン……

 

『私はこの速度のまま、丸一日は刀を振り続けられるよ、この【心渡】の間合いに入って私の魂を奪えるというなら、交渉にならないね、でも、ほんのひと傷でも与えれば、その子の身体から【滝夜叉姫】あなたを引き離してみせる、よっ!』

 

キュイン…キン

 

小癪(こしゃく)な女よ・わっちの幻術を見抜きよって・まあよい・その妖刀を置いていね・この場は見逃してやるゆえ】

 

『私が置いていくのは、怪異生かしの【夢渡】の方だよ』

 

【両方ともじゃー】

 

『そんなことをしたら私が丸腰(まるごし)になるので却下(きゃっか)、それにあなたが欲しいのは【夢渡】の筈でしょう【滝夜叉姫】、あなたの父である【平将門】を復活させる為に』

 

【ほっほっほっほ・まったくもって愉快な女よなー・そなた名はなんという】

 

臥煙伊豆湖(がえんいずこ)・何でも知っているお姉さんさ』

 

【よかろう臥煙よー・結界は解いてやるゆえ・その小太刀を置いてゆくがよいわ】

 

『そうさせてもらうけど、追い打ちとかしないでね』

 

【わっちの気が変わらぬうちに・はようすればのー・ほっほほほほほ】

 

          ・

 

『もしもし・聞こえてたでしょう、千石撫子ちゃん、君の友達も【玉藻前】もピンピンしているよ、それから、もうすぐ余接が阿良々木月火ちゃんと一緒にそっちに着くから、後のことは頼んだとメメに伝えておくれ、この携帯は私が預かっておくよ、じゃあ…ツー・ツー・ツー』

 

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