今更ですが、話の内容はフィクションであって、私個人が考える設定ですので、現実との対比は行わないで下さい。
話の内容はどうも自分に対して書いている節が多く、不快な場合は申し訳ございません、ご容赦願います。
どうやら、去年この町の中学生の間で流行したお呪いは「コックリさん」だったみたいですね、「わたし」は【
なので・あまり語りたくは無いのですが、「わたし」世代のひと達にとって「コックリさん」というモノはあまりご存知ないと思いますので、
えーと・その前に、去年二年二組で流行っていたお呪いは「キューピッドさん」もしくは「エンジェルさま」というモノでした、内容自体は「コックリさん」と同じだったと思います、この辺からしても「貝木さん」が言っていた恋愛に対してのニーズに応えたネーミングなのでしょうね。
では「コックリさん」のやり方ですが、白い紙にまず【はい】と【いいえ】を書きます、その間に鳥居を書いて、その下に数字0~9を書きます、またその下にひらがなで50音を書きます、そうしたら鳥居の上に十円玉を置いて、その十円玉を2・3人が人差し指で押さえます、準備が出来ましたら「コックリさん・コックリさん・おいでください、おいでくださいましたら【はい】へお進みください」と言います、それで十円玉が動いたら成功です。
なにが成功したかと言いますと、狐の低級霊の
今「わたし」は簡単に説明をさせて頂きましたが、「コックリさん」というのは低級の怪異である妖狐を降霊させて、十円玉に
仮に本物の「コックリさん」を行ったとして、数人の人差し指が、小さな十円玉を押さえ続けるというのは相当に疲れると思います、まー鉛筆やボールペンでも同じでしょうが、「コックリさん」の制約として・儀式が終わるまでは絶対に十円玉から指を離してはいけないというのが有ります、その他には・一人で遣ってはいけない、途中でやめてはいけない、「コックリさん」にお戻りくださいとお願いして【はい】と答えるまで何度もお願いし続けなくてはいけない・というのが有ります、理由は「コックリさん」が怒って
そもそも初めの質問で【はい】に動いたのも簡単に説明できます、こんな占いをしようと思っているひと達が集まってるんですから、当然【はい】に動いて欲しいですよね、質問に対して勝手に動いたというのは・一人で遣っている訳じゃないというのがミソということになりますし、自分が知らない答えが返って来るというのも・自分以外の人が知っていたことならば不思議はないですね、なかなか
とまー僭越ながらと・ご大層に説明を始めましたが、結果から言いますと「貝木さん」が広めたお呪いは完全な偽物でした! めでたしめでたし、なんとも締まらない内容で申し訳ありません。
因みに・当時の「わたし」は他人に興味が無いので、当然・他人の秘密などにも興味が有りません、つまり「わたし」は「キューピッドさん」も「エンジェルさま」も遣ったことが有りません、「わたし」が説明したのはあくまでも本から得た知識ですので、内容に違いが有りましたらごめんなさい、でも全部が偽物なのですから・間違っていても良いですよねー。
『僕の推論を話す前に聞かせて貰えるかなぁ、今までにいったいどの位の子供達が怪異と遭遇したんだい』
あれー、偽物の儀式だというのに怪異と遭遇なんてするのでしょうか?
『そおだなぁ、少なく見積もっても千は居たなぁ』
怪異と遭遇していました、しかも千というのは千人ってことですよね…、
『なるほどねぇ、つまり貝木君は千匹の怪異を復活させたという事になるねぇ、まったく・君って奴は本当に仕事熱心だよ』
そんな
『俺が遣っていることは単なる金稼ぎだぁ、狐に憑かれたガキ共から・また金をせしめて
やっぱり「貝木さん」は悪い人なんですね、自分でばら撒いたお呪いで怪異に遭遇した人達から、またお金を貰ってお祓いをしているんですから。
『だが、君の行動で救われついる子供達だって
『勝手なことを言うなぁ、俺は詐欺師だぁ・偽物では有るが偽善者じゃあねぇ』
『怪異に遭遇した子供達に君はこう言うのさぁ、世の中には科学では測れないモノが有る、中途半端な気持ちで呪いに手を出したお前が悪い、今回の教訓は「
『あぁそうだ、少しでも恨みを買わない為の
流石は詐欺師です、すべて「貝木さん」が原因だというのに最後に説教までしますか。
『君は偽悪者だったねぇ、貝木君は自分の信念に従って悪を行っている、云わば悪を行うことこそが君の正義だと言えるんだぁ、僕はその点を尊敬しているんだぜぇ』
偽悪者っていったいどうゆう人なんでしょう…、偽物の悪なんだから…本当は良い人ってことになるのかなー、でも悪いことをする人はやっぱり普通に悪人としか見えない訳だし…、なんで「忍野さん」は悪いことをする「貝木さん」を尊敬出来るのでしょうか?
『いい加減にしろぉ、俺が俺のことを偽物だと言うのは悪行に対してのことじゃあねえ、忍野・お前が本物であることに対して俺が偽物だと言ってるんだぁ、だから本物であるお前が・俺を尊敬する物など何もない、お前はただ一人の孤高の天才だぁ、お前は誰からも
『はっはぁ、随分な言われようだねぇ、親友から言われるとさすがに
『誰が親友だぁ、そんなものになった覚えはねえぞぉ、お前と俺の関係は云わば
『まったく君ときたらいつもこうさぁ、僕を寄せ付けまいと距離を取る、いったい何がいけないんだろうねぇ』
『お前の・その見透かした喋り方が気に入らねぇ、それだけだぁ』
『分かった・以後気を付けよう、さて・僕はつねづね君の悪行について思っていた事が有る、聞いて貰えるかい?』
『勝手にしろぉ』
『今この国では年間3万人以上の自殺者がいるよねぇ、あくまでも自殺と認定されている人の数だから・実際にはその3倍もしくは5倍だとしてもおかしくは無い、自殺の動機は人それぞれに違うだろうが、その人数には驚かざるおえないよ、交通事故の死者数って年間4千人台だからねぇ、これは
『この自殺者の増加については色々な説と、また人それぞれが違った
『まわりくどいぞぉ、俺の悪行に対しての話じゃあねえのかぁ』
『気を付けた話し方をしてるからねぇ、気に入らなかったかい』
『めんどくせぇ、いつも通り喋れぇ』
『それじゃぁ、貝木君の悪行とはさぁ、子供達に畏れを教えることだと僕は解釈している』
『………』
畏れ…見えないモノへの畏れ、怪異に対しての畏れ、そして死後に対しての畏れ、それを「貝木さん」は「わたし」達に教えている?
『最近はメンタルヘルスといったものが取り上げられるようになって、精神への健康管理なんかも注目されるよね、そして精神
『うつ病・人格障害・
『カトリック教会では憂鬱とは【七つの大罪】である【
『忍野さん・うつ病が悪魔憑きなんですか、つまり怪異現象ってことですよね…、たしかうつ病患者って100万人位いますよ、その人達がみんな怪異と遭遇したのでしょうか?』
『それは無いね、原因の特定できるものは怪異とは関係ないだろう、先天的か後天的かは分からないが・大抵は現代社会の中でのストレスが原因さぁ、それとは別に・あきらかに原因不明のうつ病、どうしてこの人がうつ病になったのだろうと言われる人達っていうのは、怪異に遭った可能性が高いんだ』
納得です、いくらなんでも多過ぎますからね。
『さて・自殺者が多いという話に戻そう、自殺の原因でもっとも多いのが健康問題だが、その中でも一番多い病それが【うつ病】さぁ、現代の医療では投薬治療と精神治療である程度の効果を得ているようだけど、それらは今も言った通りで原因が分かるものに限られる、だが・うつ病に罹った原因が分からないものに対してはあまり効果が得られない、当然さぁ・カトリックで言うところの【悪魔憑き】なんだからねぇ』
『でも【悪魔憑き】のうつ病と、普通のうつ病って見分け方はあるんですか?』
『そうだねぇ、正直なところ一般人には見分けられないかな、調子が悪いのであれば病院に行くのは当然だしね、さっきも言ったように最近は精神の病も立派な病気として扱われるからさぁ、なおさら分かりにくくなっているのかもしれない』
『だが怪異との遭遇が無い人生というのは実は
『気が付くというのは、うつ病の症状になった時に・その原因が怪異現象だと思うかってことですか?』
『うつ病に限った事じゃないけど、未知なるモノとの遭遇に対して畏れを抱く気持ちは大事さぁ、動物の本能だからねぇ、そしてその畏れは大抵の場合当たっている、科学では対処しきれない現象・怪しくて異なるモノとの遭遇、怪異との遭遇に気付くことが出来れば、対応のしようがあるだろう、僕達のような専門家に相談するという選択がねぇ』
『あぁ…、貝木さんがわたし達に畏れを教えているというのは…』
『そういうことだろう、君が低級の怪異を子供達に遭わせているのは、本当に困った時には何を頼ればいいかを教える為さぁ、痛みを伴わない教訓というモノはすぐに忘れてしまう、だからあえて本物だけど深い傷が残らないモノを選択して与えた、違うかい』
『随分と良い解釈だなぁ、俺にとっては好都合じゃねえかぁ、だがよぉ忍野ぉ、仮にお前の解釈が当たっていたとしてだぁ、それでも俺は商売
『人は1人で勝手に助かる・というのが僕の持論だがぁ、人は1人で勝手に業を背負って生まれてくるものさぁ、つまり怪異との遭遇というのは生まれながらの業でもある、自分で背負った業については自分で理解しなければならない、理解して解決することで本当の意味で助かったと言える、だから僕は手を貸すけれど・助けない! 自分の背負った業だと理解するまではねぇ』
『何が言いたい…』
『僕の遣り方だと救える人間はとても少ない、だが貝木君・君の遣り方ならば沢山の人間を救えると思うし、また・怪異も殺さずに済む』
『それはお前の考え方だぁ、俺はそんなこと考えてねえよ、俺はただ金儲けの為に都合がいいから遣っているだけだぁ、人間も怪異も関係ねえなぁ、俺は自分に都合がいいように立ち回るだけだぁ、結果がどうなろうが知ったことかぁ、それが俺の答えだ』
『分かった・この話はここまでにしよう』
『分かりません、貝木さんは本当は良い人なんですか、それとも本当に悪い人なんですか、わたしは貝木さんに助けて貰いました、だからわたしは貝木さんが本当に悪い人だとは思えません…』
『千石ぅ・人間ほどあてにならない生き物は居ないぞ、人間なんていうのはその時々で善にも悪にも成る、それに正しさなんてもんもころころ変わって掴みどころがねえぞ、人間を信用するなとは言わねえ、だが善だの悪だのってゆうよお・縛られた見方で相手を見るもんじゃあない、
そうか…そうなんですね、「貝木さん」は人間だから善い時もあれば悪い時もあるんですね、悪いことをする時もあれば善いことをする時もある、当たり前の事でした、そうすると・今の「貝木さん」はどっちなのでしょう? 善い時…悪い時…。
『1つだけ訂正させて貰うよ、人の本質というものはそうころころと変わるものじゃない、善と悪が変わるのは受け手の問題さぁ、受ける側にとって都合が良い者が善人になり、都合が悪い者が悪人になったりする、善悪の判断というものが不変的でないのはその為さぁ、自分の正しさを主張する場合、相手の正しさを否定してしまうことなんて日常さ』
『それは違うぞぉ、人間の本質なんてもんは
「忍野さん」と「貝木さん」どちらが言っていることも正しいと思います、「わたし」としては人の本質は正しいことをしたいと願うものであって欲しいですが、「貝木さん」にそのことを言えば否定されてしまうんですよね…。
『分かりました、わたしにとっての貝木さんは善い人です、だからわたしは貝木さんが善い人だという願望を押し付けます、裏切らないで下さいね』
「わたし」は出来うる限りの小悪魔的な笑顔を作り、「貝木さん」に言いました。
『な…千石ぅ…』
「貝木さん」は「わたし」を睨みますが、たぶん照れ隠しですね。
『はっはぁ、やるねぇ・元照れ屋ちゃん』
うーん…、なんだか一番の悪人は「わたし」のような気がしてきましたが、でも【堕天使☆小悪魔ツインズ】なんてことをしているんです、この位は
長々と書いたわりには…。
結局何が言いたかったかと言えば「貝木さんは良い人です」byなでこ。
伝わっていれば幸いです。
今話に懲りずに、次話もよろしくお願いします。