お付き合い頂きました方々に感謝しつつ、50話投稿致します。
ご一読よろしくお願いいたします。
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『賀茂くん、こんな
ここは、1年前に「忍野さん」が
『………』
「賀茂くん」はぼんやりと「わたし」の方へ視線を向けていますが、何も応えてはくれません。
『あの・わたし印象が違うから…、誰だか分からないかな…』
とってもばつが悪いです、いまだに白いシュシュを巻いた右手で、髪を触りながらはにかみました。
『相馬…珠美…』
『へぇ……?』
いま「賀茂くん」は「わたし」のことを「相馬珠美」と言いました…。
『違うよ、わたしは千石撫子だよ』
『嘘を付くなよ、またお前は俺を
ぼんやりと見ていた「賀茂くん」の目が見開かれました、ちょっと前までと違って・意思のある・
『わたしは…賀茂くんに
『止めろよ! お前が千石に嘘を付いて、あんな酷い事を言わせたのは知っている、でも千石はその後に本当の事が分かって
どういう事…、なんで「わたし」が「たまちゃん」だと思われているの…。
【シャッシャー・簡単な話じゃねーかー・珠美は
存在そのものを入れ替えたって…、いくらなんでもそんなこと出来る訳ないよー。
【なでこちゃんはよー・去年の二学期から登校拒否をしてただろーがー・それに珠美にしたってよー・すぐになでこちゃんの容姿になれた訳じゃーねーだろー・なでこちゃんが姿をくらませた間によー・珠美はなでこちゃんと入れ替わったんじゃーねーのかー・シャッシャッシャー】
「たまちゃん」は「わたし」に成りすまして「賀茂くん」と会い、「賀茂くん」に謝った…、
『その…賀茂くんは、たま…千石…さんのことを許しているの…』
「わたし」に・千石撫子に成りすました「たまちゃん」を、「賀茂くん」は許したの…、
『当たり前だろう、好きな子が自分の為に一生懸命に
そうか…「たまちゃん」は「賀茂くん」のことを誰よりも心配しているよね…、
『それに・千石にあんな
『……相馬…珠美を…、賀茂くんは憎んでいるの…』
たまちゃんは…、自分のことを「賀茂くん」に憎ませたの…、
『千石の名前を
「賀茂くん」の目が怪しく光ります、その「賀茂くん」の変化と
『賀茂くんが・わたしの事を許せないのは分かるよ、でもね・怒る相手が違うよ、いま賀茂くんの
『あっはは・あっははははははははははははぁ』
「賀茂くん」が急に笑い出しました…、夜空の月を見上げながら・とても楽しそうに笑っています。
『賀茂くん・どうしたの?』
『やっぱり千石はすげーや、本当に千石の言った通りだったよ、いつか相馬が現れて千石が偽物だって言うってさ、あっははははははははは』
『そんな…たまちゃん…、そんなことしたら・たまちゃんは
『いい
『それは無理だよ賀茂くん、…わたしは千石撫子だもん…相馬珠美じゃない、賀茂くんが
『
【まずいぞ・なでこちゃん・今すぐお守りに願えー・
で・でもー、「賀茂くん」は人間なんだから、
【バカヤロー・賀茂の後ろを
「賀茂くん」の背後から白い煙が二つ立ち昇っています…、
その煙はだんだんと
一つの像は・大きな
もう一つの像は・四本の手に
煙だった二つの像が
☆
『さて・貝木君が動いてくれたことで僕達の遣るべきこともハッキリしたねぇ、呪いをカケル君の【蛇切縄】を解くとしようかぁ』
北白蛇神社で「貝木さん」を見送る「わたし」達ですが、「忍野さん」はその場の空気に似合わない、軽い口調で言います。
『忍野さん、貝木さんは大丈夫なんですよね…』
「わたし」はやっぱり「貝木さん」の事が心配です。
『
『そんな…じゃあこのまま行かせたらダメですよ!』
『無駄だよ、貝木お兄ちゃんは誰の言うことも聞かないさ、性格が
『だが・貝木だって、忍野さんと同じく怪異の専門家なのだから、何の勝算もなく【玉藻前】に
『そうだねぇ、貝木君なりに準備はする筈さぁ、しかし彼の遣り方というと・まずは相手を見ることから始めるのがセオリーなんだぁ、たぶん貝木君は
『いきなり・たまちゃんと会って大丈夫ですか、たまちゃんはもしかしたら貝木さんのことを知ってるかもしれません』
『そのことについてはあまり心配しなくてもいい、貝木君は詐欺師だからねぇ、自分の正体がバレることに対しての危険は重々
『そうだね、流石に前回の事は忘れていないだろうから、貝木お兄ちゃんの台詞的に言えば(今回の教訓は、俺みたいな恨みを買う人間は正体がバレると命取りだぁ、
「貝木さん」の変装といっても…、あのいかにも
『今言った通りでさぁ、貝木君は明朝には動く筈なんだぁ、つまりね・時間が無い、
『は・はい!』
そうでした、「貝木さん」の心配ばかりしては居られませんし、「貝木さん」が「たまちゃん」と会う前に「賀茂くん」から【蛇切縄】を取り
『これから元照れ屋ちゃんには呪いをカケル君を呼び出してもらう、場所はそうだなぁ、元学習塾の
『時間は今から1時間後にしよう、元照れ屋ちゃんは呪いをカケル君を
『これは・お守りですか…』
『そう・これはお守りだ、元照れ屋ちゃんの身が危険だと思った時に使うお守りさぁ、自分の身に危険が
その後「忍野さん」は「神原さん」から携帯電話を借りて、北白蛇神社から出て行きました。
「わたし」は「賀茂くん」の連絡先を知るために「ららちゃん」を起こします。
さて・準備は出来ました、後は「賀茂くん」を学習塾の跡地に呼び出すだけ…。
なんて言って呼び出したらいいんだろう…ええい・ままよー。
プ・プ・プ・プ・プ・プ・プ……プルルルルル…ピッ……『…賀茂です』
『わ・わたしは…せ・千石です…、千石撫子です』
『千石……、ビックリしたよー、知らない番号から掛かって来たからー、どうしたんだーこんな夜更けに電話なんて、
『あ・あのー、い・今から会えないかなー…』
『今から…、
『何年か前に潰れちゃったけど、この町で
『あー知ってるよ、家からわりと近くに在ったから』
『良かったー、あのね・1時間後にそこで会いたいんだけど…』
『分かった1時間後だな』
『うん・お願いします』
ピッ……
何でだろう…、どうしてこんなにも簡単に「賀茂くん」は「わたし」と会う約束をしてくれたのでしょう…。
☆
今「賀茂くん」にとっての「千石撫子」とは、「わたし」ではなく「たまちゃん」のことなんだね…、
だから「賀茂くん」は、あんなにも簡単に「わたし」と会うことを
そして「わたし」のことは「相馬珠美」だと思っているんだね…、
それじゃーまた騙されたって思うよね…、
ごめんね「賀茂くん」…、
でもこの嘘を付いているのは「わたし」じゃない…、
こんな悲しい選択をして「賀茂くん」を騙しているのは「たまちゃん」だよ…。
『だから・もう終わりにしないとね…、こんな誰も救われない嘘だらけの関係は、今日で終わりにしないとダメだよ・賀茂くん! お願い・クチナワさん・わたしを助けてー!!』
「わたし」は「忍野さん」から貰ったお守りを、両手で力一杯に
【まったくヒヤヒヤさせるぜー・えーなでこちゃんよー・まーいいぜー間に合ったんだからなー・シャーッシャッシャッシャ】
あれ? 何時もの「クチナワさん」とは違って、なんだか「わたし」の
『な・なんだよー、この
「賀茂くん」の叫び声が聞こえます、ゆっくりと目を開けた「わたし」の視界に映ったモノは…、「わたし」の周囲を取り
【こっちだぜー・なでこちゃんよー・俺様の頭はなでこちゃんの上だぜー・シャッシャッシャシャッ】
『きゃあぁぁぁぁーーー』
【オメー・ふざけてんのかー・あーん】
「わたし」を包み込む様にとぐろを巻いた大蛇が、今にも「わたし」を飲み込もうと
【んなわけあるかー・この
大蛇に
『ひいぃぃぃぃ…』
巨大な蜘蛛と目が合いました…、大きな蜘蛛が持っていた四本の鎌は、大蛇の鱗に深々と
【まったくたいした感想だなー・えーなでこちゃんよー・俺様が受け止めなかったらよー・オメーが
すげーなんて言ってますが、これが
【いーやそーでもねえぞー・シャッシャッシャー・こんな命を
『
【あのなーなでこちゃん・お前のそういうところが頓珍漢だって言ってるんだぜー・左右を見ろって言っただろー・ほーら左を見てみなー】
『うっわあぁぁぁぁぁぁあーーー』
槍が! 「わたし」に向かって一直線に飛んできます…、あーーー死んだ…「わたし」は今死にます…、思えば短い人生でしたが・それでも
【そういったことはよー・言葉にして言えってーんだ・シャッシャー】
【クチナワさん】のからだが
おそらく「わたし」の一命は取り止められました、竜巻が槍を吹き飛ばしたのが見えましたから、ですが・この状況を
でも・これは「わたし」の仕事です、「わたし」が任された大事な仕事なのです、必ず「賀茂くん」を北白蛇神社に連れて行き【蛇切縄】を解きます、例え力ずくであっても・必ず!