☆
えーと
ご報告なんて言いましたけど、「わたし」が話す以上あまり
まずは「たまちゃん」について聞いて下さい。
事の
今から約1年前のことです、「わたし」達の町ではお呪いが流行りました、この町の中学生の大半がお呪いに手を出したという事ですから、空前の大ブームと言っても過言ではないのかな?
逆に言うと、お呪いに手を出さなかった「わたし」などの方が
そして「わたし」がお呪いに手を出さなかった1番の理由ですが、…「わたし」には友達がいないという事です。
なんだか悲しくなってきたので続きを…。
皆の感情を「わたし」が言うというのも・ちょっとひけ目を感じなくもないのですが…。
始めのうちはお呪いに手を出すということに
占いとお呪いは別物です、占いというのは今まで
呪いとは人の意思によって行われた特定の儀式のことで、その儀式によって自然界のものに
自然界は自然の
さて「わたし」たち中学生は進んで『ズルをするか?』と問われた場合、大半の人達は『しない』と答えます、これは別に中学生が
今も言ったように、自然の法則は捻じ曲がったものを元に戻そうとします、それがどんな形で元に戻そうとするかと言えば
例えばAさんがBさんに不幸になる呪いを
バランスの悪い状態と言うのは人でも自然でも気持ちが悪いものですよね、なので元のバランスの良い状態に戻す力が働くのです、つまりBさんが不幸になる呪いによって
勿論その逆も有ります、AさんがBさんに幸せになって欲しいと願うものです。
この場合もAさんの願いが
でも人生において幸・不幸の分量は決まっているという
すみません…
えーと…何が言いたかったかと言うと、「わたし」たち中学生の認識としてはお呪いがズルだという事はたぶん理解していました、ズルをすれば必ずしっぺ返しが来ることも知っています、なのでこの町の中学生に大ブームを起こしたのはお呪いではなくて、占いです、中身は『キューピットさま』や『エンジェルさま』と名前を変えた【こっくりさん】ですけど、皆の認識としては占いです、よく当たる占いとして流行ったそうです。
さて「わたし」がその『エンジェルさま』や『キューピットさま』にどうして手を出さなかったのか、こんな言い回しの必要などないのですが、誰からも
んーん・気を取り直して行くぞー。
つまり『エンジェルさま』や『キューピットさま』は1人では行わないものなので、それらのお呪いを行う為には友達を誘う必要があります、なので「わたし」は手を出せなかった、そして友達付き合いの多い「たまちゃん」が手を出したのは、必然だったのでしょう。
はじめは仲のいいクラスメイト3人に誘われて、放課後の教室で『キューピットさま』を行ったそうです、その時は4人でシャーペンを握ってとのことなので、
しかし、回数を重ねるうちに質問の内容はエスカレートしていきます、クラスの誰が誰を好きだとか・また誰は誰を嫌いかなどということにまで
とは言え「たまちゃん」の場合「わたし」とは違って2・3度お呪いをしています、つまりクラスメイトにとって「たまちゃん」は
あからさまな虐めという形にはならなかったみたいですが、「たまちゃん」の好きな人は誰かなどといったことが
「たまちゃん」の性格はとても開放的です、なので「わたし」も
結果を先に言ってしまえば、そのことがお呪いの
そして、絶句した「たまちゃん」に対してクラスメイトは悪乗りをします。
『当たりかよ相馬ー』『ちょー顔真っ赤じゃん』『珠美、もうバレバレなんだから告っちゃえばいいじゃん』
などと・皆が
『お前らいい加減にしろよ!!占いだか何だか知らないけど、そんないい加減なもので人の気持ちが分かる訳ないだろ!!』
「たまちゃん」と一緒に
『相馬、気にしなくていいぞ、俺は占いなんて信じてないから』
『翔琉ー
『いい加減にしろよ…、当たるか当たらないかなんて関係ない、お前たちがしていることは単なる虐めだろ』
『違うよ、ねー、珠美が告白できないから、代わりに私たちが教えてあげてるだけだよー』
「賀茂くん」は「たまちゃん」に視線を移します、「たまちゃん」は唇を噛んで涙が流れない様にこらえました。
『嘘を付くなよ、相馬はそんな奴じゃない! 伝えたいことはちゃんと自分で言える』
『ヒューヒュー・翔琉も相馬のこと好きなんじゃねー』『マジでー、両想いなら付き合っちゃえばいーじゃん』
『
「賀茂くん」はとても
『あ・あのさ…、なんかごめんねー、あたしのせいで巻き込んじゃって、あたしさ・最近みんなと付き合い悪かったから…、ちょっとした嫌がらせだったみたい、ほんとーごめんね…あたしに好かれてるみたいなこと言われて…、迷惑かけちゃって…』
『なんで相馬が
『あーうん、でも翔琉に迷惑かけちゃった訳だし…』
『迷惑じゃないよ、嫌いだって言われるんだったら迷惑かもだけど』
『でも翔琉は好きな子いるんでしょう』
『あーうん・まー…、片想いだけどね』
『だったら・やっぱり迷惑だよ…』
『別に付き合ってる訳じゃ無いし、そこまで考える必要は無いかな』
『でも・さっき翔琉…怒ってた』
『それは・あいつ等が人の秘密を言いふらして、おもしろ
『そう…なんだ』
『そうだよ』
『翔琉は凄いね』
『え? 何が…』
『自分の気持ちをちゃんと言葉に出来る』
『うーん…相馬の方こそ出来るだろう』
『……うん、そうだよ』
『ならば同じじゃん』
『まあっねー、あたしは好きな人が出来たらちゃんと告白するよー、だから誤解しないでよねー』
『そんなこと・とっくに知ってるよ、さっきだって相馬は頭に血が上ってたから何も言い返せなかったんだろう』
『そーそー・ちょーあったまきたー、みんな適当なこと言ってくれちゃって~……』
『無神経すぎるよな! 人の感情が分からないやつ等は無視だ・無視!』
『うん……』
『あのさ…、翔琉の好きな人って…』
『あーーそこに
『いやー話の流れ的にさー、興味あるじゃん…』
『うーーん、まーー…相馬にならいっか』
『うんうん、いいよいいよ、聞かせて聞かせて』
『内緒にしてくれるよな』
『もっちろん、絶対に内緒にする~』
『…千石…撫子』
『え……と…、あーーあーー千ちゃんかー、へーそうなんだーそう言えば1年の時同じクラスだったっけー』
『うん…、小6の時も同じだったけどね』
『あーそうそう・そうだそうだ、でもあの頃はあまり接点なかったけど、ひょっとして去年なにかイベントでも起きたのかな~』
『ないない、てゆうかほとんど会話もしてない』
『うっそ、えっじゃーどうして千ちゃんのこと好きになったの?』
『一目
『それって…、小学生の頃から好きだったってこと…』
『まーうん・そうだね』
『………』
『相馬は気付かなかった?』
『いやーごめん・まったく…』
『そっかー、さっき俺のこと自分の気持ちをちゃんと言葉に出来るって言ってくれたけど、そうでもないんだ…、正直にいうと告白をする勇気が無い』
『だ…大丈夫だよ、翔琉なら言えるよ、あたしが協力するから、だから頑張って』
『本当に…』
『うん
『ありがとう相馬、本当に・ありがとう』
・
その日を境に「たまちゃん」と「賀茂くん」は2人きりでよく話すようになったそうです、「たまちゃん」はその時間が楽しかったと言ってましたが・たぶん嘘ですね、自分が好きな相手とする恋愛相談なんてとても辛かったと思います。
「賀茂くん」は「たまちゃん」の本当の気持ちを知らないので、「たまちゃん」が応援するという言葉を
でも、それでも思ってしまいます、なんで「賀茂くん」は「たまちゃん」の気持ちに気付いて挙げられなかったのかって…、勝手なのは分かってます、でも………。
『あのね、あたしは、好きな男の子がいるんだー、すっごいがんばり屋でさー、頭も良いし・スポーツも万能で、女の子に対しても優しいし、ルックスだっていい線いってるよ、でもさ、残念ながらその男の子には、片想いの相手がいるの、だからあたしのことは、話しやすいただの友達』
「たまちゃん」はどんな気持ちでこの言葉を言ったのでしょう…、「賀茂くん」が片想いしている相手が「わたし」だってことに、気が付かなかった「わたし」の方が罪深いのですが……。
そして「わたし」は大罪を
勇気を出して告白をしてくれた「賀茂くん」を…、「わたし」はこっ
その結果に責任を感じた「たまちゃん」が「わたし」を恨んだのは当然です。
でも「たまちゃん」の本心は・少しだけ安心したようです、けれど・その安心した気持ちは「賀茂くん」を裏切る行為だと考えた「たまちゃん」は「わたし」に呪いを懸けました。
そして呪いを懸けたことを「たまちゃん」に告げられた「わたし」は、またしても
皆さんもご存知の通り「わたし」が懸かった呪いは【蛇切縄】です、でも「たまちゃん」が懸けた呪いは『恋を引き裂く』というものでした。
「たまちゃん」の心情としては、「わたし」が「賀茂くん」に味あわせた痛み、つまり恋愛感情が
でもそれって何もしなければ何の効力も無い呪いです、だって「わたし」には恋人なんて居なかったのですから。
しかし「わたし」は呪いを解くために行動しました、【蛇切縄】の
さて、「たまちゃん」が懸けた呪いはというと、鏡に「わたし」と「暦さん」の名前を書きその鏡を神社で割るというものです、割れた
偶然なのか・それとも必然だったのか、事の始まりはいつもあの場所・北白蛇神社で起こります、「たまちゃん」は
北白蛇神社のご神木に「わたし」と「暦さん」の名前を書いた鏡を吊るします、「たまちゃん」の手には【殺生石】という名の石が握られていました、当時の北白蛇神社は
境内のいたる所に
鏡に
【よかろう・わっちにそなたの体を貸しなんせ・さすればわっちはそなたの望みを
恐怖心が最高
その後「たまちゃん」は家に帰るまでの行動についてはあまり覚えていないそうですが、ひとつだけ【殺生石】を鏡に投げつけたのだけは覚えているみたいです、「わたし」の名前と「暦さん」の名前が粉々に砕けたのだけは・ハッキリ見えたと…。
・
以上が、「たまちゃん」が九尾の狐である妖狐【玉藻前】と
こうして「わたし」が「たまちゃん」の話が出来るのも、今朝から永遠と語られたからなのです。
完全に
「神原さん」は「たまちゃん」に
『うん、可愛いな! こんど時間が合ったら遊びに行こう』
「神原さん」は場違いな台詞を残して、そのまま帰ってしまいました。
『千ちゃん』
『はひっ』
噛んでしまいました。
『…早くしないと学校遅刻するよ』
『あ・うん…』
『待ってるから、急いでね』
『あ・ありがとう』
『ううん』
「たまちゃん」ははにかみながら応えました、どちらかと言うと「わたし」の方がドギマギしていたと思います、
『あのね…あたし…、翔琉に告白するよ』
『………』
『千ちゃんの影はもう追わないから』
『うん…うん、うん…うん…うん…』
『ごめんね』
『ううん、わた・わたしこそ…ごめんなさい』
『えへ、ライバルだからね、千ちゃん』
『う…ん…?』
『よし・先手必勝だー!』
良かったよー、本当に…本当に…。
『こらーあたしは
『してないよ…、ぜんっぜんしてないよー、だから…絶対に
『分かってる、あたしはもう絶対に…千ちゃんにも翔琉にも遠慮をしないから、あたしはあたしの気持ちに嘘を付かないよ』
『うん…うん…約束だからね』
『うん、約束したよ』
・
その後はずっと、これまでの1年間の経緯を話し合いました、ここではその一部を
いま「わたし」は放課後の教室で1人窓の外を眺めています、そして今頃「たまちゃん」は体育館裏で「賀茂くん」に告白をしている筈です、どんな結果に成ったとしても「わたし」は「たまちゃん」を温かく
相変わらず
皆様もお呪いには気を付けて下さいね。
えーと後日談らしきものが続いてます、本編は終わっているのに…。
あと少しだと思います、どうかあと少しだけお付き合いくださいませ~。