ないない尽くしで転生   作:バンビーノ

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StS編予告
StS編予告


 ジュエルシード事件、闇の書事件と他人に言えない後ろめたいことは多くありながらもハッピーエンドにこぎ着けた。

 それから、しばらくは平穏な時を過ごす面々であった。

 

「これで本当にお別れだな」

 

「これで……これでようやく主も守護騎士たちも、闇の書の呪いから解放された。本当に感謝する」

 

「炬燵ぬくーい、これにも魔力があるよね」

 

「夜天の書が遺してくれたこの子からリインの妹、ツヴァイをつくろうか」

 

「いってきます!」

 

「執務官試験は難しいからな。一度で受からなくても落ち込みすぎないことだ」

 

「カートリッジシステム! 安いよ! 安いよ!」

 

「本当にやるのか……?」

 

「ユニゾン――イン! 」

 

「うわぁ……うわぁぁぁ」

 

「いくよ、ナナシ! アリシア! これが私たちのコンビネーション!」

 

「ちょ、おまっ……オワタ」

 

「カートリッジシステムでぼろ儲け!」

 

「ん、疲れたわ。愛娘たちで回復しないとやってられないわね」

 

「んー、魔法って難しいんやなぁ……あ、綺麗な流れ星や」

 

「はやて、あれナナシとアリシアだぞ」

 

「試験、落ちちゃった……」

 

「泣きっ面に蹴りだよ!」

 

「なのは国語駄目すぎだろ、おい」

 

 ――穏やかに過ぎていく日々。

 目標に向けて努力する少女たち、変わらずダラダラし続ける少年たち。

 

「私も聖祥小学校に入るんや」

 

「ユニゾンデバイスもうまく仕上げて特許取れたら大金持ちだよね……」

 

「楽しいな、こういうどたばたした日々も悪くない……」

 

「ツヴァイはロケットパンチ着け……あ、ごめんはやて嘘だからシュベルトクロイツ下げてお願い!」

 

「旅行かー、大人数だね」

 

「はやてちゃーん! お鍋から火が!?」

 

「フランベされる! シグナムと模擬戦とか死ぬぅ!」

 

「ハァァァ! 紫電一閃――!」

 

「豚にこば……あ、真珠!」

 

「あれでも中学生。運動音痴、略してうんちです」

 

 

 けど、そんな日々は長くは続かない。ジュエルシード事件のように、闇の書事件のように。

 否――それを遥かに凌ぐ最悪の舞台が幕を開ける。

 

 

「いいなぁ! 欲しいなぁ! 死者蘇生の素体! その(かなめ)! 聖王に負けずとも劣らぬ魅力じゃあないか!」

 

 尽きぬ果てなき無限の欲望。

 

「死した者の蘇生、自然の摂理への反逆――そのようなモノは『正義』として認められない」

「ならばどうするか」

「簡単だろう。元通りにすればよい――元通り亡い者へとすればな」

 

 管理局の最深に潜む正義()

 

「なーんかキナ臭いんやけどなぁ……」

 

「陸と海が手を合わせるための機動六課かぁ、はやてちゃんのお願いだからね! 全力全開でお手伝いするよ!」

 

「案内はツヴァイにお任せなのです!」

 

 とある目的を裏に設立される古代遺物管理部機動六課、通称六課。

 

「ナナシ! 姉さんが! ……あれ、ナナシどこ?」

 

「ごめんなさいねぇ~、邪魔者は処分するに限るのよぉ。名・無・しの僕ぅ?」

 

「ごふっ……ナナシだっての、カヒュッ……んの、クソが」

 

 今までの日常を塗り潰す死の感覚――再び『やり直し』が始まる。

 

「あの小僧はなんだ、我々の動きを先回りしているのか……ならば先に消すのみだ」

 

「大衆の正義前に小さな犠牲は仕方なきものよな」

 

「返しなさい、私の……私の愛娘(アリシア)を返しなさい……返せぇぇぇぇぇぇぇぇ!」

 

「逃げて! アリシアぁ!」

 

「――ガッ!? ぁんで! 局員が邪魔して来んだよ!? いづぁ……しかも非殺傷設定じゃねぇのかよ……!」

 

 少女を中心に全てを巻き込む混乱が引き起こされる。

 

「答えてナナシくん! 何を知ってるの!?」

 

「ここを通りたくば答えろ、さもなくば斬り倒してでも聞き出させてもらう」

 

「ふははは! 仲間割れとはおかしいなぁ! 既に探し人はイナイ(・・・)というのに」

 

「………………は?」

 

「――ッ! あかん! 誰かナナシくん止めぇ!」

 

「……じゃあな、やり直しだ」

 

 初めて自ら行った『やり直し』――そして気の遠くなるほど繰り返される『やり直し()』の迷路に迷い混むこととなる。

 見いだせない活路。

 

「何回繰り返したらッ、どうすりゃいいんだよ……この『やり直し』は何なんだよ……! 」

 

「ナナシ、貴方『やり直し』てるわね。何度目なの、何度貴方は繰り返してるの――話しなさい」

 

「ひとりじゃないんだよ、ナナシ。皆がいるし……どんな話だって私は信じるって誓うよ」

 

 気づかされた仲間の、家族の力。

 

「アリシアちゃんを取り戻しにいくで!」

 

「あたしとなのはで道は開いてやらぁ! 轟天爆砕! ギガントシュラーク!」

 

「うん! ブラスターリミット1リリース! 全力全開でいくよ! ディバイィィンバスタァァァァァァァァ!」

 

「ちょ、待っ!?」

 

「ナナシぃぃぃ!? なのは、ナナシも巻き込んでるよ!?」

 

 取り戻し始めた、いつもの流れ。あとは相棒(アリシア)を助け出したら元通りである。

 そのためならば――その邪魔をする、立ちはだかる全ての障害は砕くのみだ。

 

「アインス……いや、リインフォース。ユニゾン頼む」

 

「制限時間を忘れるな」

 

「もちろん、制限時間内に全部ブッ飛ばしてやらぁ! んでアリシア取り戻す!」

 

「あぁ、それで……ハッピーエンド――」

「「上等だ!!」」

 

 ないない尽くしでは終わらせない。手に入れたいものを手にするための物語。

 

 

 

 

 

 ――何度死んででもアリシア(お前)を救ってみせる。

 

 

 

 

 

 

 

 

▽▽▽▽

 

 

 

 

 

 

 

「な……ナナシ?」

「どうも、通りすがりの魔法使いです……アリシア、助けに来たぞ」

 

 

 

 

 

 

 ジュエルシード事件(無印編)闇の書事件(A`s編)()()仮初めの平穏(空白期)を経て始まる。

 

 世界を敵に回してでもひとりの女の子を救うための物語(StS編)

 

 始まります。




現在、頭のなかで大筋から台詞集のような形で、書かせていただいた予告編です。
今までのギャグ主体の話から流れが変わっていきます。
ナナシが転生してきた理由、『やり直し』とはいったい何なのか。
そして、不可逆を可逆とし生き返ったアリシアの運命は。

StS編で物語は加速します。























     *      *
  *     +  うそです
     n ∧_∧ n
 + (ヨ(* ´∀`)E)
      Y     Y    *

まぁ、嘘予告です。ええ、ごめんなさいすいません申し訳ない。
つい、久かたぶりにやりたくなったんです。
『我輩は逃亡者である』を読んでくださっていた方は、確実に途中から察しておられたでしょうがお付き合いありがとうございます。

もちろん、空白期だろうとStS編だろうと今までと変わりませんとも。シリアスさよならバイバイ。むしろまともなStSかすら、怪しいです。

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