いじめ?俺には関係無いな   作:超P

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未来ちゃんと頑張るお話です。

数少ない救済話となっておりますので他の胸糞で気分が悪くなられた方ほ是非こちらで休憩して行って下さい。
途中でも結構見てらんないシーンがありますが………未来ちゃんは頑張ろうとしてるんです。
一歩ずつ、達也と歩いて行ってるんです。

未来ちゃんは立ち直る為に前を向くのです。

頭の中でアヤネの幸福理論、もしくはダンゴ大家族を流しながら見てください。




俺はお前を拒まないから。

未来「ここが未来達のお部屋なんだね」

 

達也「……………どうやらそうみたいだな」

 

 

中谷の様子は今の所大丈夫なようだ。

と言っても油断は禁物だ。

 

先程まで震えていたのだ、いつ馬鹿な行動をとるのか分からない。

昨日の夜、乱暴されたばかりなのだ。普通なら発狂してもおかしくないし、普通の状態でいる事こそあり得ない。

 

気丈に振舞っていても女の子。

俺に出来る限りの事をしてやらなきゃならない。

 

 

未来母「お着替え、ここに置いておきますね」

 

達也「……………どうも」

 

 

 

 

 

未来母「………正直、貴方が憎いです」

 

 

 

 

 

達也「…………」

 

未来母「でも貴方は悪くないのも知ってるの…………」

 

達也「…………俺は」

 

未来母「………貴方がいなくても、あの子はいじめを見て見ぬ振りはしなかった筈」

 

達也「…………」

 

未来母「達也君、あの子を頼むわね」スタスタ

 

達也「…………………」

 

 

 

 

今日は部屋の模様替えだ。

この部屋は精神衛生上の為、壁も床も天井も真っ白だ。

この殺風景な部屋を未来の好きな色に変える必要がある。

 

 

達也「中……………未来、何色がいい?」

 

未来「うーん…………このままでいいの」

 

達也「なぜだ?お前、ピンクとかオレンジとか好きだっただろ?」

 

未来「確かに好きだけど………未来の意見だけっていうのは不公平だと思うな」

 

達也「俺は白か黒のどちらかしか好きじゃないんだよ」

 

未来「じゃあこのままでもいいの!」

 

 

その夜未来は母親と寝る筈だったのだが、俺がベッドの隣で座って一晩中手を握っている事になった。

 

 

 

 

今日は絵を描く事にした。

 

未来は想像力豊かで、見てもないのにウサギをその細かく書いていた。

俺はあまり絵を描くのが得意ではないので、魚のようなウサギを描いていた。

 

その日も未来は俺の手を握っていた。

 

 

 

 

今日は歌を歌う事にした。

 

未来の歌はとても上手だった。

聞けばアイドルになりたかったらしい。

 

だが今となってはそれも叶わぬ夢。

途中でそれに気いたのか未来は、残念そうな顔をして歌うのをやめてしまった。

 

 

その夜、風呂場で手首を切っている未来を発見した。

耐えきれなくなったのだろう。

母親と一緒にすぐに治療棟に連れて行った。

 

 

俺はその日、未来を抱きしめて寝た。

次第に未来の体は震えるのをやめた。

 

 

 

今日は未来を一日中抱きしめる事にした。

 

母親は未来に、未来の小さい頃の写真を見せていた。

小さい頃の未来はとても可愛らしい笑顔をしていて、どこに行くにもスカートを履いている女の子だった。

 

未来は次第に涙をこぼして、俺に二度と自殺なんてしないと誓ってくれた。

 

俺は未来を信じる事にした。

 

何気に初めて他人を信用するので少し緊張するのだが………それでも俺は未来を信じて待つ。

 

 

 

今日は中庭で遊ぶ事にした。

 

未来は踊るのが得意で、綺麗な創作ダンスを俺に見せてくれた。

心が透き通るような何かを感じた。

その時の未来はとても綺麗で、まるで天女のようだった。

 

俺はこの笑顔を二度と曇らせたくない。

 

 

 

 

今日は写真を撮る事にした。

 

未来の親父さんも写真を撮りたがっていたが、未来はそれを拒むので遠近法を使って一緒に映るようにした。

未来は親父さんに遠くから謝っていたが、親父さんは写真を撮れただけで満足だったようだ。

 

 

最後に俺に見せたあの顔は忘れられない。

 

俺は自分のした事の重大さを、今になって理解できたような気がした。

 

人間とはあそこまで悲惨な顔をできるのだと、初めて知った。

おばさんはどう思っているのだろうか?

 

俺は未来のそばにいるべきなのだろうか?

 

 

 

今日は未来の前でうっかり昨日の事を言ってしまった。

 

未来は泣き叫んで『達也君がいてくれたから未来はここにいるの!』と言ってくれた。

それからそこら中の物を俺に向かって投げつけてきたのだが………最終的に許してくれた。

 

やはり未来は優しい子だ。

 

 

 

今日は室内プールで泳ぐ事にした。

 

だが未来は俺に肌を見せようとしない。

どうやら自分は汚れたのだと思い込んでいるのだろう。

そんな事はないのに。

 

そんな事では人は汚れたりしないのに。

未来は不安なのだろう。

もし自分の体を見せて俺が自分を拒絶したら、確かにそうなってしまったらもう未来は立ち直る事は無いだろう。

だが俺が未来を拒絶する事はない。

 

俺のたった一人の友人なのだから。

 

 

 

 

 

 

未来は最近、よく笑うようになった。

 

 

なんでもないただの会話の最中にもはにかむようになったし、俺がボケをかました時には突っ込む余裕も出てきたようだ。

このまま順調に良くなってくれればいいと心から思う。

 

 

 

 

 

最悪だ

 

未来が部屋を出て行くタイミングで親父さんが入ってきてしまった。

 

未来は気を失い、親父さんはそれを見ると泣いてしまった。

おれはすぐに治療棟へ電話を入れたが、未来は3日間目を覚まさなかった。

 

親父さんはその日からたった3日でやせ細ってしまった。

 

おばさんは親父さんの療養のために温泉へ連れて行くらしい。

 

 

 

 

未来が目を覚ました。

 

幸い、今回は幼児退行が出なかったようだ。

 

目が覚めたお祝いとして、未来も親父さん達とは違うの温泉へ連れて行く事にした。

未来はその日 、とてもテンションが高かった。

 

俺は未来の喜ぶ姿が見れて満足した。

 

………………最近、書き方がジジ臭い気がしてきた。

 

 

 

 

今日は温泉に行く日だ。

 

未来は俺の側だと安定していて、おばさんの側だと30分ぐらいは我慢できる。

親父さんは論外だが。

 

今日行く温泉は混浴があるようだ。

タオルの持ち込みはオーケーなので、俺は未来と一緒に入る事にした。

馬鹿をしないかとても心配だ。

 

普通の中学生なら興奮してそれどころじゃないだろう。

だが入るのは異常者と患者だ。

 

俺は未来の事が心配で体を見てもなんとも思わなかった。

未来は俺をどう思っていたのか知らんが。

 

……………………そしてここでは劣情を吐き出せない事に気付いた。

 

 

 

未来の症状は少しだけ収まっているようだ。

 

今では父親との距離が5メートルもあれば会話ができる。

親父さんは初めて俺に感謝をしてきた。

 

娘を助けてくれてありがとう、と。

 

俺は言い表せられない思いでいっぱいになった。

 

 

 

 

担任から電話があった。

 

真也が退院したらしい。

真也は荒れていて、以前の面影はまるでないらしい。

そして驚く事に、あの連中とつるんでいるのだとか。

亜利沙は俺の事で責任を感じ、生徒会長を辞めたいと騒いでいたようだが、担任がそれを止めてくれたらしい。

 

なんだかんだであの先生、俺と同じ匂いがする。

 

何にしてもここを出たら真也の頭を引っ叩いてやらんといかん。

 

 

 

 

未来は最近、性欲が溜まってきているようだ。

 

両親も連続して仕事を休むことが出来ず、俺もいるので数日間仕事に戻った。

未来はそれをいい事に劣情を吐き出したいようだ。

だがそれはトラウマを呼び出すことに繋がる。

そういう事に嫌悪感を抱かなくなるようにする為には1度全部忘れさせる事が重要だ。

 

俺は心を鬼にして未来を止めた。

 

 

 

 

そうして半年が過ぎた。

 

 

 




未来は達也に少し依存しています。

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