FAIRY TAIL 天空に煌めく魔導の息吹 作:天狼レイン
今回の小説はソードアート・オンライン同様に投稿予定だったはずのモノを再度復元。
並びに編集を繰り返して復活させたものとなります。
ちなみに上手い話を書こうというつもりはありません。ただ、暇潰しに読んでいただく
ためのものなのでご了承ください。では、ごゆっくりどうぞ。
一人のS級と幼き幽霊
X784年 ギルド《
ギルド《
静かで平穏なその島、その名は《天狼島》。
かつては二つのギルドが争い、村が滅ぼされたなどという話を耳にした島。
現在は、ただただ広い陸地と島の回りは見渡す限りの絶界が広がる大海しかない静けさを保つ、そんな静かで平穏な無人の島。
…いや?無人ではないのだ、何故なら心配事とか暇すぎたせいで元気が有り余っている女の子の幽霊が島をさ迷っているからだ。
そんな数々の不思議や謎を隠していそうな《天狼島》に銀髪の首筋まで伸びている髪を垂らし、見た目的にも筋肉が発達しているわけでもない、なんの変鉄も無さそうな少年はやって来ていた。左手の甲にはすでに薄れかかり、すでに消滅したギルドである《
つまり、少年はこのフィオーレ王国に存在する魔導士の一人なのだ。
しかし、この《天狼島》は彼がいたらしい《
普通ならば禁忌に触れかねないようなことなのだが、彼はある意味では特別な魔導士なのだ。
そう…この《天狼島》に住み着いている…というよりは暇で仕方ないのにゆっくり好きなことを一人でしている女の子の幽霊に来ることを認められているのである。
幽霊に認められなくてもいいだろう?そう思われてしまいそうだが、その幽霊がただ者ではない幽霊ならば、話は別だ。
そう思いながらもいつも通りの定期報告のために彼は、その女の子のお墓の前へと歩み寄る。
歩み寄ってみれば、待ってましたとばかりに女の子の幽霊はニコニコしながら嬉しそうに少年の前に現れ、話しかける。
『どうでしたか?ここ最近の《
「はは、いつも通りですよ。相変わらず元気が有り余っているようで、ごく普通に問題事を起こしては直ぐに平常運転を決め込んで、いつも通りのどんちゃん騒ぎです」
『それでこそ、ギルドですよね♪あー、わたしも混ざって遊びたいなー、今の《
羨ましそうに指をくわえる女の子の幽霊。いつも通りに落ち着きがなく、フラフラと空中を飛び交いながらも両足を交互にジタバタさせる。
そんな彼女にクスリと笑いながらも銀髪の少年は話を続けることにする。
「流石にダメでしょう?貴女は幽霊なんですよ?突然ギルドに現れて「わぁ!」的なことでもしたら大問題どころかギルド全体がうるさくなってしまいますって」
『えー、そんなぁ。わたしだって《天狼島》にずっといるの飽きちゃうんですよ?たまに来てくれる貴方が居てくれるから我慢しているレベルなんですよ?』
「それはそれは。有難いお言葉ですよ、お姫様」
『………お姫様は恥ずかしいです、貴方は相変わらずお世辞が上手いんですね』
「あれ?お世辞って思われてました?結構本気で言ったつもりなんですけどねー」
『むぅ…。なんかいつもいつも振り回されている気がするんですが…』
「気のせいだって、
銀髪の少年がその言葉を向ける先は空中を飛び交う女の子の幽霊。
そう彼女こそ、現在マグノリアの街が誇る魔導士ギルドである《
名前でそう呼ばれたことにより、女の子の幽霊…メイビスはぱぁっと表情を明るくし、顔を綻ばせる。彼女にとって名前で呼ばれることはかなり今では珍しいことであり、久々感のある嬉しいプレゼントに他ならないに違いない。
…と言っても初対面の人物、はたや親しくもない人物に名前で呼ばれるのは早々気の良いものではないだろう。彼女だって死んでしまってはいるが、一人の女の子なのである。
見た感じの様子では、結婚や成人などはしていなそうにも見える、その若さであり、見た目は本当にただの子供に他ならないのだ。
そう言っても彼女を侮るのは命知らずのやることでしかないし、その瞬間に“敗北”の二文字は確実のものへと成りうるのである。
そんな彼女が名前で呼ばれて嬉しそうにしているわけは簡単である。
つまり、ここにいる魔導士である銀髪の少年は友達、言ってしまえば親友なのである。
初代ギルドマスターのメイビスと、一人の魔導士である銀髪の少年。
考えてみれば釣り合うわけの無いような二人なのだが、仲が良い理由は色々とあるのだ。
『いやぁー、久々に呼ばれた気がしますねー♪嬉しくて仕方ないですよー♪』
「はは、つい二週間前にも呼んだと思うよ?やっぱりそれほどまでに退屈なのかい?一人って言うのはさ」
『う~ん?そうですねー、確かに退屈でやることがドンドン無くなっちゃうんですよね。この間は一日中大空を流れる雲を眺めていたり。綺麗な満天の夜空がやって来たら日が昇ってしまうまで星を数えていたりとか。最初は楽しかったりするんですけど…途中から飽きてきちゃうんですよね~』
「うん、普通に気が遠くなるような作業にしか聞こえないよ、先程の2つ。ボクも結構やっていたときもあったけど飽きちゃったんだよね…」
『ですねー、貴方がここに来てわたしと暮らしてくれるのもいいかもしれませんね♪』
「流石にそれはボクも干からびちゃいそうだなぁ。一応海の魚や生えている食べれる草とかで生活は出来そうだけどね。それにボクは魔導士だし、仕事しないと意味無さそうな気がしちゃうからさ」
『うぅ…、たまには遊びに来てくださいよ?レインさん』
「分かってるよ、メイビス」
銀髪の少年…レインは飛びっきりの笑顔をメイビスに嬉しそうに向ける。その笑顔に驚きながらも嬉しさを感じたらしいメイビスは少し顔を赤く――したように――しながら、レインから顔を背けて両手で顔を覆う。そんなメイビスの様子がよくわからず、レインは首を傾げながらどうすればいいか分からなさそうな顔をする。
一方のメイビスは当然のように…
『(あ、あの笑顔は反則ですよ…。見てるこっちが恥ずかしくなるじゃないですか…。本当に罪深い方です、レインさんは。でも、喜んでくれているなら、わたしとしても嬉しいですね…♪)』
内心では嬉しそうにしながらも恥ずかしがっていたようで、顔から湯気が出そうになっていた。幽霊になってしまった彼女でも、恥ずかしがることや嬉しくなること、もしかしたら恋などをすることもありえてしまうのではないかと思える。
まあ、先程述べたようにレイン本人はメイビスがどんな気持ちを思っていたか、またまたどんなことを考えていたことなど知るよしもない。
そんな中でレインは本題の話をメイビスに聞かせることにした。
「それじゃ、本題の経過を伝えるね、メイビス」
『はい、どうぞ』
「まずは一つ、バラム同盟の一角である《
『ええ、プレヒトが堕ちるとは計算外でした。もっとわたしがしっかりしていればぁ…』
「え…?」
『うわああああああああん、グスン…わたしがもっとしっかりしていればあぁぁ…』
「ええ…!?(ま、また泣いちゃったの、メイビス!?)」
突然声が弱々しくなったかと思えば、メイビスは大声をあげてワンワン泣き始める。正直に言ってしまえば、初代ギルドマスターとしての貫禄などは何処にもなく、この様子やいつもの行動を見たら、ただの見た目通りの年相応と言える女の子に他ならない。
ごく普通にワンワンと泣き続け、涙を流すこの始末。メイビスは自分が関係していた人物に何かあったりすれば、自分が悪いんだと言って大泣きするのである。
ちなみにレインはメイビスが大泣きするのをすでに50回以上は目撃しているのである。
そして当然のように泣き止ませるのもレインの仕事に等しく、同じく50回以上は泣き止ませているのだ。
「はぁ…。メイビス、泣いてたって問題は解決しないよ?」
『グスン…そ、そうですね…わたしがしっかりしないと行けませんよね…』
「幽霊にしっかりするってあるんだね……」
『あれ?知りませんでしたか?』
「うん、普通にはじめて聞いたし。それに幽霊が成仏すらせずにこの世を満喫しているなんて話はここだけだと思うよ?」
『ふっふ~ん!それだけわたしが元気ってことですね♪』
「まあ、
『あー、呆れたように笑いましたねー!』
元気を取り戻したのは良いが、やっぱり元気が有り余りすぎてはしゃぎすぎているようである。それであって久々に――といっても二週間ぶりなのだが――レインがやって来ていることも相まってメイビスのテンションというか気分は最高潮に達てしているのだろう。
やはり切り替えの速さは流石初代ギルドマスターだなぁと感心せざるをえないのかもしれない。まあ、メイビスが元からそんな人物なのかもしれないのだが。
「まあ、それはさておき。二つ目のことなんだけどね、《
『ふふ、あの魔法が家族を守るために役に立っているのなら満足です♪それに
「はは、まだボクの手には余ってしまうような大切な魔法ですよ、そんな使うなんて恐れ多いよ。それにボクはプレヒトと違う意味で魔導の行く先を見届けたいんだ、それにメイビスも期待してるんだよね?妖精たちが如何に立ち向かって強く育っていくのかを」
『ええ、それに関しては本当に楽しみです。でも、楽しみの範囲には貴方も含んでますよ?レインさん』
「ふぇ……?」
『貴方があくまでも
「そ、そうなんだ。なら…がっかりはさせないように生きてみるよ、この命は君や彼のお陰であるようなものだしね。それにグランディーネには伝えたい言葉があったから…絶対に伝えておきたいよ」
『そうですね、わたしもドラゴン見たかったです♪頼んだら乗せてくれたんですか!?』
「な、なんでそんなに興味津々なの?」
メイビスのハイテンションに追い付けなさそうな顔をするレインとは違い、メイビス自身はドラゴンがどんな感じなのか…とかドラゴンの手触りがどんなのとかを想像しては楽しそうにしていた。どうやら妄想を広げるのも好きなようだ。そう思っているとレインのお腹がグゥ~と鳴った。それに気がついてレインが少し恥ずかしそうにするも、メイビスはクスクスと笑っては嬉しそうにする。
お腹の鳴ったレインは軽食代わりに自分で作ったばかりの昼御飯をカバンから取り出した。
開けてみればホクホクと湯気が立ち上がり、見ているだけでも美味しそうな白御飯や、熱々の一口ハンバーグを4つ。他にも栄養価の高そうなサラダを昼御飯に持ってきていた。
早速サラダを少しだけ食べて瑞々しさに美味しさを感じながらも、ハンバーグをガブリと食べて白御飯をゆっくりと食べる。
そんな中で昼御飯に結構な視線が寄せられていることに気がつき、仕方ないなぁと言わんばかりにため息を少しだけついたあとに、視線の送り主であるメイビスを見つめてから一言だけ唱える。
「ミルキーウェイ」
そう唱えた途端に周りの雰囲気が変貌し、幽霊でしかなかったはずのメイビスが一時的に実体化する。レインが使うミルキーウェイはオリジナルをさらに発展、強化させた代物で、選んだ残留思念などを散らすことなく、一時的に実体化させて自らも自由に動けるのだ。
そのお陰で、すでにヨダレが垂れかけているメイビスの口許にナプキンを持っていき、拭ってやることもできる。
「まったく…本当に食いしん坊なんだね、幽霊なのに」
『だって美味しそうじゃないですか、レインさんが一ヶ月前に食べさせてくれたもの以外は何も口にしてないんですよ?』
「いやいや、それが普通だと思うよ?それにボクの使うミルキーウェイがここまでのレベルあるから良かったけど、無かったら“食べる”なんてこと出来ないからね?」
『分かりました。それでは、食べさせてください♪』
「切り替えの速さは《
そんな風にお互い軽口を言い合いながらも和気藹々と仲良さそうにする二人。熱々の一口ハンバーグに関しては気を付けてといったはずなのに火傷しそうな勢いで食らいつき、「あついいいいい!!!」と叫んで転げ回るメイビスを見てレインはクスクス笑う。そんな二週間または三週間に一回の休日。いつもはS級魔導士であるから忙しいレインの唯一の騒がしくても楽しくて仕方がない日。
そう…一人のS級魔導士と幼い《
ああ、今日も青空が何処までも広がり…悲しみを取り払っていく…。
如何でしたか?お分かりの方なら分かったと思いますが、ヒロイン一人目はメイビスです。
いやー、はしゃいでる彼女を見て可愛いと思いましたね。結構あれですね。
「あ、可愛いな。この元気さと幼さとか合ってる」的な感じになってFAIRY TAILでは
お気に入りキャラの上位三位以内に入ってます。当然一位は…後程お話ししましょう。
とりあえず、もう一人のヒロインは結構あとの方なのでご了承ください。
では、次回も心待ちにしていただけたら幸いです。