FAIRY TAIL 天空に煌めく魔導の息吹 作:天狼レイン
えーっと、後半駄文かもww
まあ、許してヒヤシンス(^_^;)
連合軍と再会
《
そこでは適当に用意したボロくなった机と2つの椅子。そこに座る一人の少年と少女の幽霊。片方の少年は片手に本を手に、読書に勤しんでいたが、もう片方の少女……の幽霊の方はと言うと……。
『う~ん………』
目の前に並べた怪しいカードを睨み、どれを選ぼうかをずっと悩んでいた。一応先ほど、読書に勤しんでいた少年――レインが手取り足取りまでは行かないが、とりあえず目の前の怪しいカード――タロットカードの使い方を教えておいたのである。
それで今日や明日の運勢を占おうとしているらしい……――少女の幽霊であるメイビスが。まあ、タロットカードなどは所詮気まぐれであり、必ずしも当たると言うわけではない。
――そう言っても、“運命の輪の逆位置”や“死神の正位置”、“悪魔の正位置”や“審判の逆位置”などは真っ平ごめんである。何故かと言われれば、簡単だ。
とんでもなく不吉でしかないからである。特に“死神の正位置”など死んでも願い下げだとレインは思っている。
そんな中、やっとこさ悩み悩んだメイビスが一枚だけを選んで綺麗にひっくり返す。描かれているのは、太陽の絵が記されたカードで、真っ直ぐ自分の方に文字やら番号が書かれた方が向いている。つまり、“正位置”でだろう。言ってしまえば、当たりである。
そのカードの意味はと言えば、幸福やら身体の好調やら健康やら……。まあ、悪いやつが全くないという意味になる訳だ。
それが“逆位置”でなくて良かったと忘れていた呼吸を再び始めて、息を吐いて胸を撫で下ろすメイビス。こう言うところは本当に昔から変わっていない。
そう思っていると、こちらの視線に僅かながら気がついたらしいメイビスは、椅子から腰を上げて、となりに駆け寄ってくる。
『どうかしました? レインさん』
「なんでもないよ。ところでタロットカードは上手くいったみたいだね」
『結構緊張しました……。ドキドキしますね、タロットカード♪』
「う、うん。(別にドキドキするためのやつじゃないんだけどなぁ……まぁ、いいか)」
一人で小さく納得するレインだったが、急にとなりにいたメイビスがタロットカードでまた占い始めたことに内心驚く。
しかし、これで驚いていてはメイビスという少女には絶対に付き合いきれないだろう……そう確信しているレインだからこそ言えることだが。
『ふふ~ん♪』
「えーっと……何してるの、メイビス?」
『レインさんを占いたくなりました~♪』
「へえ~………え?」
その瞬間、レインが完全に固まる。他人にやってもらうタロットカードほど怖いことはないと知っているレインにとっては、今のメイビスの行動がすでに恐ろしいのである。
まあ、予想通りだが、メイビスは気ままにこちらを気にせず、『どれにしましょうか~♪』と言いながらタロットカードに人差し指をちょんっと乗せては離し、今度は別のカードに人差し指をちょんっと置いていく。
あれは完全に選んでいるパターンである。この時だけだが、レインの眼にはメイビスが“審判”を降す神様か何かに見えていたのは彼女が知るわけもなく……。
選び終わったメイビスは、なんの躊躇いもなく勢いよくカードを引いて確認した。『なるほど~、レインさんはそうなんですか~♪』と怪しげに呟きながら、眼を光らせて見ているこっちがゾッとするような笑いを浮かべている。
「(ああ~、ものすごく怖い人に見えるよ、メイビス……)」と内心が涙目になっているレインが乾いた笑いを浮かべていると、元気が有り余っている彼女はこちらに尋ねてきた。
『何が出たと思いますか? レインさん』
「……“星の正位置”かな?」
『ハズレです、正解は~』
「………」
ゴクンと生唾を飲み込むような緊張感を感じながら、メイビスが告げるタロットカードの内容をこの耳で聞こうとするレインと、すでに逃走したいレインが頭の中でぶつかる彼だったが、即座にメイビスは言った。
『おめでとうござます~♪ “女帝の正位……』
「うぎゃああああああああああああ!!!」
両耳を押さえて「聞きたくない聞きたくない……」と呪詛の如く、唱え続けながら転がり回るレイン。正直一番心当たりがありそうで、出てきてほしくない内容が来たんじゃないかという恐怖心が彼を追い詰めていく中、メイビスはクスリと小悪魔的な可愛らしい笑みを浮かべて、タロットカードをレインに見せる。そこに書かれているのは優しげな表情の女の人ではなく、魔法陣のように丸い円のなかにたくさんの模様が書かれている歯車のような絵だった。
記憶通りならば、多分それは“運命の輪”のカードである。
そう思っていると……
『ふふ、レインさんが慌てているところ、すごく可愛かったですよ?』
「嵌められたぁ……」
『本当のカードは、“運命の輪の正位置”です。何か良い出会いがあるかもしれませんね、レインさん♪』
「……なんかすごく疲れた気がする……。ボク、タロットカードされるの嫌いだよ……ホント……」
『なにか、昔あったんですか? 嫌な思い出になるくらいのタロットカード』
「ま、まあ……一応。……メイビスも占ってあげようか?」
『え……えーっと……遠慮します……(汗)』
メイビス用にあげたタロットカードではない同じものをポケットの中から意地悪そうに取り出すレインは、クスクス笑いながらシャッフルしたカードの山から即席で一枚を抜き出して、メイビスを威圧する。
「……ヘー、ナルホド~。メイビスッテソウナノカー」
『れ、レインさん!? 棒読みですよね、棒読み!?』
「ふっふっふ……何かなぁ、メイビス?」
『ぐぬぬ……』
「……ということがありましたとさ。まあ、さっきまで遊んでたんだよ、友達と」
「へえ~」
「相変わらず気ままなものだな」
「それはさておきだが……何故、レインはナツみたいにならないのだ?」
ガタンゴトンと揺れる馬車……ではない何かに乗る五人。エルザに何故か先ほどまでしてきたことを詰問されたためにしぶしぶ話すレイン。それはともかく、今回の作戦に参加することになった《
基本的にはいつもの《最強チーム》とやらにレインが加わった感じであるが、多分戦力としては申し分ないではないレベルとなっているだろう。
それはさておきだが、ガタンゴトンと揺れる室内にて滅竜魔導士であるナツは当然のようにぐったりして酔っているが、何故か同じ滅竜魔導士のレインは酔っていなかった。
不思議そうにするルーシィたちにレインは即座になに食わぬ顔で答える。
「一応これでも、少しだけ空中に浮いてるけど?」
「う、浮いてる~!?」
ビックリしたルーシィとグレイ、「なるほど」と頷くエルザ、その横で気持ち悪そうにするナツとは違ってレインは「あれ? そんなに不思議か?」的な顔をしている。
念のためにレインはルーシィたちに自分も普通に馬車などに乗れば、乗り物酔いをすることを先んじて教えておき、その後は眠たそうに欠伸をする。
「ところで、今回の相手の《
「確かに。わたしも知らないなぁ…、エルザは?」
「まあ、聞いただけだが、少し」
「んじゃ、説明した方が良さそうかな?」
やっと役割が来たかのように欠伸するのを止めたレインは、ルーシィたちに今回の相手のことを説明する。
「《
それとメンバー全員はコードネーム、つまり偽名だ。それにリーダーである“ブレイン”は確か“
簡単に話すレインもそうだが、どうやってこれほどの情報を集めたのか気になるエルザだったが、突然ガタンっと乗っていた乗り物が揺れる。
よくよく見れば、前の方にはゴリラのような敵――以前ナツやルーシィが依頼で倒したようなやつの近縁種――が立ちはだかっており、それも結構多かったことに気がついた。
「ちぃっ! またアイツに似たやつか!」
「わたしが片付け……!?」
すぐにエルザやグレイが迎撃のために飛びだそうとしたのだが、すぐ側から急に物凄い風が吹き抜ける。後ろを振り返れば、レインが姿を消しており、敵を追いかけ回していた。
どうやら暇すぎたせいでストレスか何かが溜まっていたらしい。
「とりあえず、みんなは先に行け。ボクがコイツらを狩り潰しておくからさ……!」
「な、なんかスイッチ切り替わったみたい…」
「分かった! お前も追いかけてこいよ!」
グレイがそう叫び、さっさと退散する中、レインは久しぶりに“刀剣”を抜けたことに喜びを感じながら敵であるゴリラたちを見定める。どれもこれも取るに足らないやつだ。
そう頭が判断した途端、すでにゴリラたちには殲滅のレッテルか何かが貼り付けられたようにレインの視界内でターゲットされていた。
それに臆することなく、飛びかかってきたゴリラたち。それを空中で迎撃、すれ違いざまに脇腹を軽く切り裂いて着地した頃には、ゴリラたちはすでに息を絶やしていた。
まさに一瞬のことだが、レインは別に気にすることなく欠伸をしたあとに“刀剣”を縮め、腰のホルダーに入れたあと、本を取って読書しながら歩いていった。
が……敵はそれを“良し”としてくれないらしい。後ろから迫り狂うゴリラたち、端から見れば、厄介すぎるがレインにはどうということがなかった。
ただ一つ、彼ら――とはいえるか、分からないが――「御愁傷様」と小さくレインは呟いたあと、ゴリラたちに殺到していくのだった……。
一方、そのころナツたちはすでに目的地である建物に着いていたのだが……。
まあ、過去に出会った者同士が会えば、時々起こるであろうことになっていた。そう……ちょっとしたいざこざである。
すでに両者がそれぞれ構えている状況で、今にも火蓋が切られる間近だったのだが……。
「やめい!」
という《
集合場所である、この建物に駆け寄ってくる小さな影。それは段々と大きさを増し、次には完全に人の形を帯びていく。ゆっくりと…、ゆっくりと…、そうやって迫ってきて……
「わぁ!?」
という可愛らしい悲鳴をあげ、転んだ。それも綺麗に前へと倒れ込む形で。ビタンっという音でも立てそうな転び方をした少女は痛そうにしながらも立ち上がって言う。
「あの……。遅れてすみません…、《
華奢で気の弱そうな少女――ウェンディを見つめる一同。その見つめる目は驚きを帯びており、周囲からは「女?」や「女の子?」という声が上がっていく。
そんな中、同じようにこっちに駆け寄ってくる者がいた。リオンのような白銀のコートを着て、読書をしながら前を見ずに歩いてくる少年。
その少年は先程転んだ少女――ウェンディのように……綺麗に転んだ。しかも前にビタンっ!という音を立てながらである。
思いっきり油断していた少年は読書していた本をすぐさまホルダーにしまい、軽く打った鼻を擦りながら立ち上がる。
「いてて……。なんかウェンディみたいな転び方したかなぁ…。もしかして何処から見てたりして……、はは、まさか、そんな訳……え?」
一人事のようにブツブツ言いながら立ち上がり、前を見て「え?」という声を漏らす少年、彼は先ほどナツたちを行かせるために遅れたレインなのだが、目の前にいたウェンディを見て目を疑っていた。
「う、ウェンディ?」
「お、お兄ちゃん……」
お互いを知っているかのような雰囲気を醸し出す二人とは違い、ナツたちは不思議そうに顔を見合せていた。そんな中、急に目尻から涙を溢れ出させるウェンディ……とレイン。
そして……
「ウェンディ!」
そう言って目の前にいた少女を抱き締めるレイン。ギュッと抱き締めるレインに抵抗せず、抱き締められたウェンディは嬉しそうに涙を流していく。
小さく弱々しい声で……ウェンディはそっと呟いた。
「レインお兄ちゃん……」
“運命の輪の正位置”……それが指していたのはレインにとってかけがけのない妹のように過ごしてきた少女との邂逅だった…。
はい、一応兄のような存在なので“お兄ちゃん”と呼ぶことにしました。
まあ、ギルドに入れば、“レインさん”で通らせますけどねww
てなわけで、今回からスタートです。“ニルヴァーナ編”!