FAIRY TAIL 天空に煌めく魔導の息吹   作:天狼レイン

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すいません、今回でコブラKOしておきます(笑)

いやー、コブラ長引かせる余裕がありませんでした(笑)

さて、楽しみですね~。冥府の門から一年後のウェンディがどこまで強くなるか!!

いやー、まさかドラゴンフォ……◆ネタバレ警告線◆……



この空に舞う竜

日が暮れ、あれほど人々に暑さをもたらしていた太陽も今日の仕事を終えるかのように沈み始め、今はすでに地平線の彼方ですら姿を拝めなくなっていた。

太陽が沈んだ後、その空を占めるかのように今度は月が昇ろうとしている最中、一人の少年と一人の少女、一匹の猫は足が6つあるクラゲのような何かが向かう先を見て、言葉を失っていた。滅竜の魔を習得した一人の少年、レインの眼にはこの先に大きな湖があるのが見えていた。……いや、その先にある集落の存在すらをも見通していた。

開拓された土地には猫のような形をしたテントがたくさん張られ、それらの回りには小さな光が点々と輝いている。

おそらくは焚き火などで起こせる炎の輝きだろう。しかし、それは人間以外の生き物にはなかなか起こせるような代物ではない。

つまり、あのテントには人々が暮らしている。それにレインはそのテントなどのある集落事態が何なのかを知っている。

あれこそが、となりにいる少女と猫、ウェンディとシャルルが所属している知名度のなさそうな魔導士ギルドである《化猫の宿》、“ケットシェルター”である。

だが、そこへと向かうクラゲのような何かは現在4つのギルドが連合を組んで阻止しようとしていた“超反転魔法ニルヴァーナ”そのものだ。

それを操縦している者、それこそが今回の目的たる“六魔将軍”、オラシオン・セイス。そのリーダー、コードネーム“ブレイン”だ。

彼を止めぬ限り、作戦の成功もなければ、このままでは地獄絵図が完成してしまうだろう。それを理解するや否や、レインの眉間に深々とシワがより、怒りが込み上げた。

 

「狂ってやがる………!!!」

 

「……そんな……わたしたちのギルドが……」

 

「う、ウェンディ……急いでみんなに伝えましょ!!」

 

シャルルがこれからの目的を纏めるとすぐに、座り込んでしまったウェンディを起き上がらせようとする。そんな瞬間(とき)だった。

すぐ後ろの方で砂煙が立ち上げ、衝撃波を具体的に現してくるような突風が吹き荒れる。どうやら、誰かが戦っているらしい。

その突風、その範囲、その砂煙。それらが現す連合軍の魔導士と言えば……

 

()()しかいないよなぁ…、ホント」

 

「ナツさんがですか?」

 

「そうなんじゃない? あんなに暴れる人、他に……いたわね」

 

シャルルはそう言うとすぐにレインを見る。こちらを向かれたレインは首を傾げた後、思い当たる何かを思いだし、空笑いだけを浮かべる。

そういや、自分の身体を取り戻す前のもう一人のレインが大暴走起こしてたような……と。当然、その場にいたシャルルは覚えている。

逆にすでに連れ去られていたウェンディは知るよしもないだろう。

まあ、兎に角だ。あそこに向かえば、近くに何かがあるだろう。ナツと言えば、レインにとってたら“トラブル製造機”、“トラブルメイカー”、“トラブル発展装置”でしかない。

まるであれだ。三点セット付きの定食か、豪華三点盛りのどんぶりである。レインとしては本物の美味しいヤツが食べられるのなら嬉しい話だが、ここでは完全に美味しいものではなく、とっても危ないものに他ならない。

本当にここが街や村でなくて良かったと思わざるを得ない。もし街や村ならば、現在のギルドマスターであるマカロフ・ドレアが顔面蒼白にして、手を震わせながら請求書を眺めるしかないだろう。ああ、なんと悲しいことか……と思ったが、まあそれでこそあのギルドである。

 

「さて…と、それじゃ、ウェンディ、シャルル。ナツと合流するか」

 

「あ、はい!!」

 

「そうね」

 

全員の了承を取ったところで、レインはウェンディとシャルルと共に先ほど砂煙が上がったところを目指し、駆け出す。

――のだが、焦れったくなってしまい、結局二人――と言えるかどうかは分からないが――を抱えるとすぐに先ほどの光速移動を取ることにしてしまった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

砂煙発生地点、ナツ&ハッピーVSコブラ&キュベリオス

 

 

 

「クソッ、さっきから身体が言うこと聞かなくなってやがる……!!」

 

「お、オイラも……」

 

「へえ、まだ動けんのか? お前、意外とタフじゃねえか」

 

「シュルー……」

 

先ほどの毒ブレスを浴びてしまったナツとハッピーはすでに身体が毒に汚染され、動きが少しずつ鈍くなっている。

それとは違い、コブラは両手を毒々しい鱗で纏い、平然と空飛ぶ毒蛇キュベリオスの上で余裕を見せていた。

どうみても完全にナツが劣性だが、ここで諦めるようなナツではないだろう。まあ、それも身体が動けるのならであるが……。

それに現在ナツは“ニルヴァーナ”の上では立つことすら出来ない。それも“乗り物酔い”のせいなのだが、結構ナツの方は激しい“乗り物酔い”のため、動くことすら儘ならなくなる。

同じく酔うレインでも、ここまでは激しくは酔わない。――と言うよりは、近頃ずっと浮いたままのため、酔うことがないのだが……。

 

「さあて、そろそろ終わらせてやるよ、旧世代!!」

 

「んなろー、調子に乗りやがって……」

 

「あ、アイぃ……」

 

すでにハッピーは結構毒が回ってしまったのか、苦しそうにも見える。しかし、ハッピーもナツには迷惑かけまいと耐え続け、現に彼の体重を支えたまま飛行を続けていた。

一旦回りの安全を確認しようと思ったのか、ハッピーは辺りをキョロキョロと見渡す。そんな時だった。突然、ナツたちから見て東の空から何かが飛んでくる。

それは何か、少女と猫を抱えているようにも見えた所で、接近してきた少年が……

 

「一旦、毒を治してからに……しやがれ!!」

 

と言って、ナツとハッピーを同時に地面へと叩き落とした。地面に落ちるや否や、ナツは“乗り物酔い”になり、ハッピーも力が出なくなったか、翼も消えて這いつくばる。

すぐさま、飛んできた少年は両手を離し、少女と猫を空中で解放、その二人に「飛べ!!」とだけ叫び、威嚇射撃と言わんばかりに適当にブレスを吐き散らす。

空中で解放された少女は空を飛ぶ猫によって、ゆっくりと地面へと落下していき、足がつくとすぐに叩き落とされたナツたちへと駆け出した。

 

「だ、大丈夫ですか、ナツさん!?」

 

「う、ウェンディ……? うぷっ……」

 

「オスネコもだらしないわねぇ……」

 

「あ、アイぃ……」

 

「ウェンディ、すぐに二人に治癒魔法で解毒してくれ!! 解毒が済んだら、ナツに“トロイア”をかけて置くんだ!!」

 

「わ、分かりました!!」

 

飛んできた少年、レインはウェンディに即座に指令を飛ばした後、目の前にいる毒蛇と魔導士を視界におさめる。どうやら相手側も驚いているらしい。

それはそうだろう。戦っていた相手が急に地面に叩き落とされ、治療を受けさせられ、相手がガラリと変更されたのだから。

まあ、それでも相手は余裕を無くさないだろう。だって毒という間接的であっても効力を発揮すれば、有利に立ち回れる武器を持っている。

だが、しかし……目の前にいるのは最初の戦いで自分たちを圧倒して見せた化け物だ。油断すれば、即座に無双されかねない相手、それを意識するや否や、コブラは冷や汗を掻く。

 

「へえ、仲間を叩き落としたか……。お前さん、無慈悲だな?」

 

「ん? 無理してバカやってるんじゃねえって手っ取り早く教えただけだ。毒に犯され、すでに満身創痍なのにマトモに対策すら取らねえのを確認したからなぁ……」

 

「なんかお前……、()()()()()?」

 

「別に? 変わったんじゃないな、もとに戻ったって言うべきだな。それはともかく……」

 

そう言うと、レインはチラリとコブラの両手を確認する。毒々しい鱗に包まれたその両手からはすでに嫌気がさしそうなぐらいに毒煙が出掛けており、近寄りがたい気がする。

それを確認するとレインは小さく呟いた。

 

「……“状態異常完全無効(フルレーゼ)”、付加(エンチャント)……」

 

「あ? 聞こえてるぜ? 付加師(エンチャンター)かてめえ」

 

「ああ、そんなとこだ。ちなみにさっきのは“あらゆる状態異常を無効化、さらには耐性を付ける”ヤツだ、これで毒は無駄だな」

 

「な…!?」

 

本来の“レーゼ”は対象者の状態異常を回復させるものなのだが、レインはそれを改良し、すでに様々な状態異常を取り込み、耐性をつけている。使わなくとも実際は毒など体内で分解し、意味を成さなくするのだが、一応しておくのが懸命だと判断した。

そして理解した。コイツは“とんでもなく耳が良い”と。まあ、思いっきり叫んだりすれば、何かあるんじゃないかとは考えたが、別にそれをしなくたって構わない。

滅竜魔導士(ドラゴンスレイヤー)同士で戦うのが楽しみで仕方ないからだ。そう心のなかで呟くとすぐに魔力を高めていく。

片手に魔力を集めていき、即座にコブラのいる方へと巻き起こさせる。

 

「天竜の波颪(ナミオロシ)!!!」

 

片手から撃ち出すように解き放たれた巨大な竜巻はすぐさま、コブラへと向かっていき……毒蛇キュベリオスとコブラを()()()()()

 

「(き、聞こえねえ……だと!? アイツ、竜巻の進行方向定めてねえのか!?)」

 

「おいおい、どうした? オレは適当に魔法を放っただけだぜ? 元より耳が良いなら、その耳潰してやろうかと思ったが、なにも考えてなければ、対して意味がないんだな?」

 

軽く挑発してから、右手を握ると共に竜巻は中から爆散し、コブラと毒蛇キュベリオスを吹き飛ばす。わざと爆散させるのもレインのオリジナルである。

これの方が効率がいいと言うべきか、手っ取り早いと言うべきか……、まあ兎に角だ。その方がいいと判断したに過ぎない。

吹き飛ばされたコブラはなんとかキュベリオスに乗り直し、体勢を建て直すが、身体には無数の切り傷が生まれていた。

竜巻による暴風による鎌鼬(カマイタチ)、さらには爆散したときの大ダメージのオマケ付きだ。当然それぐらい受けて貰わなければ困ると言うもの。

それのダメージに驚きを隠せないコブラにレインは右手を向け、クイックイッと指を曲げて挑発する。

 

「てめえ、調子に乗りやがって……!!」

 

「調子に乗らせるお前もお前だ。どうした? お得意の毒と耳が使えなくなったら、これか? 案外、お前らの“祈り”ってのも大したことないのか?」

 

「黙れ!! てめえに何がわか……」

 

「言いもしないヤツが何を言ってんだ、バカ野郎が!!」

 

「なんだと…!?」

 

少し下を向いて俯くとレインは静かに言う。

 

「“祈り”ってのはな…、本来願うことだ。強制的に叶えることもあれば、自然と叶うこともある。だがな、闇に堕ちたヤツに“祈り”が叶うと思ってんのか!! そんなに苦しんでるなら、オレが楽にしてやる、とっととお前らの計画を無駄にしてやるよ、ほらこいよ?」

 

そう言うとレインは即座に魔法陣をコブラの回りに展開する。それも全て()()でだ。

 

「五重魔法陣 “御神楽”!!!」

 

「ぐおおおお!?」

 

あらゆる方向から発動した“御神楽”による光線がコブラとキュベリオスを包み込み、爆発させる。あまりの威力にふらつきながらも立つコブラ。

だが、すでに目の前には“化け物”が迫っていた。血のように紅い瞳の光は空中に道筋を描くように軌跡を生み出し、すぐさまくコブラの腹部には衝撃が突き刺さる。

めり込むレインの片手。それは勢いよくコブラを撥ね飛ばすように高々と空へと打ち上げると共に、上がりきったコブラの背中を地面へと叩きつけるようにして、レインは先にコブラが現れる地点に先回りし……

 

「天竜の砕牙!!!」

 

強靭な天竜の脚に見立てた左足がコブラの背中にかかと落としを食らわせ、墜落させる。とんでもない威力と共に落下し、地面に激突したコブラは大の字になっており、砂煙が高々と上がってから消えるまで動けなくなっていた。

そしてピクピクとしか動けないコブラだったが、瞬時にレインを襲撃しようとしていたのか、ギラリと光る鉤爪がレインの目と鼻の先で軌跡を描いた。

――が、当たらなければどうと言うことはない。完全に鎮圧するべく、レインは不適な笑いを浮かべたあと、至近距離で……

 

「天竜の咆哮!!!」

 

強力な風のブレスはたちまち、コブラを包み込みながら地面を砕き割り、メキメキと毒竜の異名を持つ彼ごと地中へと少しずつ沈めていく。

その後、完全にコブラが動くことすら儘ならない状態だと確認し、そのとなりに立つや否や、レインはコブラを見下ろすと小さくため息をつき……、静かに呟いた。

 

「この阿呆が。逆にその耳を使って“評議院”で仕事見つければいいものを、結構頼りにされるだろうになぁ……勿体ない」

 

そう言った後、最後にまだ微かに意識があったコブラの腹部に一撃重たいのを見舞い、完全に気絶させる。多分今頃、向こうにも変化はあるだろう。

それはさておき、ウェンディの元へと駆け寄る。どうやら治療は済んだらしい。少々ナツが不機嫌そうだが、まあいいか。

ただ一言だけ……

 

「よくやった、ナツ。お前のお陰で色々と助かった、本陣叩くのは任せてやるさ」

 

とだけ伝えると、ナツはニンマリと笑って見せた。どうやら本陣叩かせてくれることに機嫌を良くしたらしい。なんともチョロいヤツだ。

――とは思うだけで口で言わなくて正解な気がする。さて……あと六魔将軍は何人だろうな…と考えながら、レインは真っ暗な空を見上げる。

“この空を舞うのはどの竜か”……前にそう、ガジルが言っていた気がする。それなら……少しぐらい付き合ってやるか。

そう思いながら、レインは目を閉じ、微かな笑いを浮かべる。

 

 

 

 

 

ああ…、今日の夜はいつもよりも騒がしくなりそうだ……。

 




なんかネタバレ警告線が(笑)

まあ、ホントすいません。油断すると言いたくなってしまって(涙)

それはともかく、次はジュラの無双かな?いやー、頑張ります、はい!!

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