FAIRY TAIL 天空に煌めく魔導の息吹   作:天狼レイン

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サブタイトルがなんかカッコ良さげなのに中身はなんとギャグとか入ってます(笑)

まあ、ギャグというか小ネタというか(笑)



聖十の肩書

月はいつものように明るく人々を……、植物を……、湖や海を……、岩や石を……、暗く染まった色の無い真っ黒な空を照らしてくれる。

まるで月は真夜中の太陽であるとも言えるだろう。それは間違いでは無いのかもしれない。確かに太陽と同じように光を放つかのように月は輝いてくれる。

――だが、太陽とは違って暖かさは人々には伝えてくれない。ただ真っ暗闇を照らす光を生み出し、迷える者たちを案内してくれるだけだ。

それでも月は無くてはならない。月があるからこそ、魔法の極限も存在している。あらゆる“魔”を浄化する“月の雫(ムーン・ドリップ)”。されど、月は万能にあらず。

その逆も存在す。月の効力は一点に集中させれば、素晴らしい威力を発揮するが、広範囲に発揮し、一つの大きな存在をも狂わせる。

その現象はこうも言われる。《月蝕狂乱(ルナティック)》と……。それを知らぬまま、人々は禁じられた“魔”を行使し、それの影響によって滅びを知ることになろうとは思わないだろう。現にここにいるレインもそれを見たことはない。

しかし、そうなる可能性だけは否定しない。ガルナ島への偵察をしたときにはレインはコートなどを深々と被るはめになった。

それも自身の身体が悪魔となったからだろう。まあ、それはさておくべきだとして……。

 

 

 

こうも月が眩しいと鬱陶しくて仕方がないが、別に今は差ほど気にしている必要もあるまい。そう自分に言い聞かせ、空を見上げていたレインは月を見るのを止め、そばにいるウェンディとナツ、ハッピーとシャルルの方へと向き直る。

となりに気絶しているコブラが気にはなるが、別に気絶しているなら何もできまいと考え、辺りを見渡す。どうやら敵はいないようだ……、そう思い、身体の力を少しだけ抜いて息を吐く。警戒心が強いと言うか、猜疑心か強いと言うか……結構念には念を押すタイプであるレインにとって、静寂ほど怖いものはない。

――だが……

 

常闇回旋曲(ダークロンド)!!!」

 

「ちっ!! ウェンディ、ちょっとすまん!!」

 

「え……? きゃ!?」

 

突然現れたウェンディとレインを目掛けて襲い狂う怨霊のような複数のエネルギー。それを咄嗟に避けるために、即座にウェンディを抱き抱えながらナツは適当に左足で蹴り飛ばし、ハッピーとシャルルたちには回避指示を出すレイン。

すぐさま高めのジャンプを繰り出して怪しげなエネルギーを回避する。その爆撃に危うく飛ばされそうになるハッピーを仕方なく支えるシャルル。

レインに蹴り飛ばされたナツは無惨にも付近にあった建物に突っ込み、砂煙を盛大に上げるのだが、対して蹴った本人は気にしなかった。

あの程度で怪我するような柔なヤツじゃないと分かりきっているからだろう。

それはさておき……

 

「ウェンディ、大丈夫か?」

 

「あ……その……はいぃ……」

 

顔を真っ赤にして身体を硬直させるウェンディに理由がわからなく首をかしげるしか出来ないレイン。だが、自分の手に触れている優しげな感触に気がついた途端……

 

「……ああああ!? わ、悪い……ウェンディ……そういうつもりじゃ……」

 

「い、いえ……その……わたしこそ……」

 

即座にウェンディを下ろしつつ、頭を下げる。下げているせいでウェンディが何しているかは全く分からないが、どもっていることから顔が赤くなっているのだろう。

だが、流石に咄嗟に抱えた後が悪かった……。そう思いながらも、とりあえず回りを確認……

 

「……………(ジー)」

 

「……………(ジー)」

 

「……………(ジー)」

 

「……………おい、お前ら、いつから見てた?」

 

物陰に隠れ、先程の様子を見ていたルーシィとグレイ、さらにはジュラを発見したレイン。完全に先程の襲撃者のことを素で忘れている状況だが、それどころではない。

さっきの“アレ”を見られているとすれば、言い訳が完全に難しくなる気が……と思っていると、ジュラが……

 

「……すまないが、レイン殿。さっきのは流石に……」

 

「うぎゃああああああ!?!?!?」

 

見られていた。完全に一部始終見られていた。恥ずかしいミス+やってはいけなさそうな行為全てをじっくり拝見……もとい、観察されていた。最悪だ、それ以外のなんにでもない。

顔面が蒼白になっていたであろうオレに顔真っ赤で後ろに隠れるウェンディ。

ここで助け船かと思ったが……

 

「み、みなさん……お、お兄ちゃんはわたしを……助けてくれたんです……少し場所が悪かっただけで……」

 

「……………終わった……」

 

最初は良かった。最後で叩き落とされた感じが半端ではない。精神的に大ダメージな気がする。それを見越してジュラは隠れるのを止め、レインのそばにやって来ると肩をポンポンと叩いて襲撃者探しを始めた。

明らかにあれは“ワシにはどうすることも出来ない、後はなんとか耐えてくれぬか?”と言わんばかりの行動だ。“慰める”というのはどうやら存在しないらしい。

すると、後方からは聞き覚えのある()()の怪しげな笑い声が……

 

「ブフフ……」

 

レインの後ろにいたのはナツの相棒、青猫のハッピーだ。さっきの爆風とかからはなんとか逃れ、地面に着陸し直したのだろう。だが、こういうときに限ってヤツは最悪だ。

ヤツのたちの悪さはこう言うときこそ真価を発揮する。どこで覚えてきたのかすら分からないというナツの言葉通り――いや、情報通りというべきか――ならば、ヤツがここでいう言葉は……と思っていると、その言葉は来てしまった。

 

「どぅえきてるぅ~」

 

「……………ハッピー」

 

「アイ、どうしたの? ブフフ…」

 

「ここで死ぬか、魚の餌になるか、選べ」

 

「あ、アイ!?」

 

冷や汗をダラダラと垂らし続けるハッピーに対し、レインはすでに殲滅でも始めるかのように完全に目が本気になっており、身体が“天体魔法”にある“流星(ミーティア)”の輝きを放っていた。明らかにあれだ、コンマ数秒で“悪・即・斬”的なあれだ。

まあ、ここでは“猫・即・斬”な訳だが……。それはともかく、ハッピーに照準を合わせ、今にでも襲ってしまいそうな雰囲気を醸し出すレインに……。

 

「ほほう、今のを避けたか。どうやら最初の時よりは冷静らしいな?」

 

と言いながら出番待ちしていたブレインがやってきた。少々顔がピクリピクリと苛立っているらしく、結構出るタイミングを待っていたのだろうなぁと思う。完全にレインたちのせいだ。

闇ギルドのくせして出番は気にするのかもしれない。――いや、闇ギルドだからこそかもしれない……などと面白味すらないことを考えていたレインたち。

なんというか……

 

「(あれ、絶対ボッチだよな……、出番探しに必死な……)」

 

「(で、あろうな。ワシらのせいなのかもしれないが……)」

 

「(ジュラのオッサンが気にする必要ねえだろ、そこの二人が楽しんでただけだろ?)」

 

「(楽しんでない!!)」「(楽しんでません!!)」

 

常闇回旋曲(ダークロンド)!!(怒)」

 

怒声を含んだ声で先程の魔法を飛ばしてくるブレイン。どうやら無視されたことに苛立っているのかもしれない。そんなことはさておき、飛んでくるエネルギーをジュラはすかさず……

 

「岩鉄壁!!」

 

によって現れた固くなった土の防壁で防ぐ。相変わらず防御力面でジュラに勝る者はなかなかいないだろう。だが、ジュラは防御力面だけではない。それはレインが一番知っている。

それを知らないブレインは別の魔法を撃ち込んでくる。

 

常闇奇想曲(ダークカプリチオ)!!!」

 

謎の杖から回転し続けたまま放たれた怪しげなエネルギーはジュラの作った岩鉄壁にヒビを作り出しながら次々とヒビを深め、ついには重ねてあった土の壁の一枚目を貫通する。

それに気がついたジュラは貫通性の魔法であるそれを土の壁の方向を変えることで弾道を反らして見せる。驚愕するルーシィとグレイ、ウェンディとシャルル、それに現在絶賛苛められているハッピー。

レインはハッピーを苛めながらも感嘆の声を漏らす。一歩も動かずに相手するつもりなのではないかと予想しながらも単純にジュラと久しぶりに戦ってみたいだけなのだが、それは置いておこう。――さて、弾道を曲げるだけでは勝てないこの状況。

一応パッと見た感じでは押されているのはジュラだ。余裕綽々としているブレインがそこにいるが、その顔が苦痛で歪むのが楽しみになりそうだと意地の悪いことを考えていると、それを悟られたのか、ウェンディがゾッとしていたので考えるのを止める。

……やはり、身体が悪魔のせいなのかは不明だが、色々と暗いことを考えてしまうのかもしれない。まあ、それはなんとか慣れとかで治すようにして……。

 

「ジュラ、久しぶりに腕前見せて貰えるか?」

 

「フッ……、レイン殿に期待されているのは嬉しいことだな」

 

「ほう…、それではその男に失望される様にしてやろう、常闇奇想曲(ダークカプリチオ)!!!」

 

悪趣味な笑いを浮かべながら、先程同様に貫通性のアレを放つブレイン。それに対してジュラはまたもや一歩も動かずにさっきと同じ土の壁、“岩鉄壁”を連鎖で発動させる。

しかし、それは先程同様に次々と貫かれていってしまう。あれほどあった土の壁はついに残り一枚となってしまい、ジュラへとブレインの魔法が猛威を振るう。

グレイやルーシィ、ウェンディたちの叫びが聞こえるが、レインはクスリと笑ってからジュラに期待を寄せた。こう言うときこそ真価を発揮するのも、また聖十としての素質だ。

だからこそ……“岩鉄のジュラ”には期待ができる。

そしてついに破られた最後の岩鉄壁。狂喜の笑みを浮かべて勝利を確信するブレインだったが、急に目の前に砕かれていった石や岩が発光し、迫ってくるのが目に見えた。

しかし、今ごろ気がついても遅すぎる。ブレインへと襲い狂う石や岩たちは次々にブレインを閉じ込めるかのようにぶつかっていく。

その衝撃によって魔法の進行方向が歪み、ブレインの取っておきはジュラに間一髪と言えど、掠めて消えていく。その瞬間、レインはジュラの背中を見て微笑んで見せる。

かなり実力も上げたんだなと思いながらも、努力したことに敬意を心のなかで表す。そんなレインを見ていたのか、ウェンディは微笑んでいた。が、それにレインが気づくはずもなく…。

気がつけば、ブレインが先程まで立っていた場所には大きな石や岩で出来た山が完成しており、その前にたったジュラは魔力を高めたあと……

 

「覇王岩砕!!!」

 

と言いながら両手を打ち鳴らす。

その瞬間、小さめの石山は内部から爆散し、中から大ダメージを負ったらしきブレインがボロボロの状態で倒れ伏していた。

グレイはその実力に感嘆し、ルーシィは驚きながら喜んでいたが、ゾッとする。ウェンディも目を丸くして何が起こったかすら分かっていない状況だったが、すぐに理解してくれた。

さて……それはともかくだ。コイツには聞かなければならないことが一つほどあった。

そう思ってレインは真っ直ぐにブレインの方へと歩き出し、到着と同時にブレインの胸ぐらを掴んで強めに尋ねる。

 

「なぜ、ウェンディたちのギルド《化猫の宿(ケットシェルター)》を襲う気なんだ?」

 

「な…!?」

 

「うそ!?」

 

「それは(まこと)か!!」

 

知らなかったジュラたちはそれが本当なのかを確かめようと食い入ってブレインを見つめる。だが、ブレインはよくわからぬ怪しげな言葉を残していく。

 

「ミッドナイトよ……、そなただけはやられるでないぞ……。六つの祈りが消える時……あのお方が……」

 

「六つの祈り?」

 

「あのお方?」

 

「よくわからんな、レイン殿」

 

「ああ、だが、大体は予想できる。おそらく六魔将軍の人数と六つの祈りは一致している。一人一つの祈りを持ち、それが何らかの役割を持つ。そんな感じか……」

 

そう推理し終わった時、レインたちの目の前でブレインの顔にあった模様が一つ消え去った。それに感づいたレインは即座にアンバランスのようになっている模様を探し、残った人数を把握しようとする。それを見つけたと同時にレインは仲間たちに伝える

 

「残りは二人だ。おそらく“ミッドナイト”と“ホットアイ”か」

 

「リチャード殿なら、先程ワシらを行かせるためにその“ミッドナイト”と戦っておったぞ、レイン殿」

 

「……となると、ここでそのホットア……リチャードが勝てば、一件落着か。だが、まあ……」

 

「どうかしたの? お兄ちゃん」

 

「いやな……。あの“ミッドナイト”って魔導士。なんか面倒な魔法隠してそうな気がするんだよなぁ……」

 

そう呟くと、レインはあることを思い出した。

 

「そういや、ナツどこにいった?」

 




作者も書き終わってからあれ?って思いました。

ナツが消えたような……と。

そういや、壁にめり込んでましたね(笑)
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