FAIRY TAIL 天空に煌めく魔導の息吹 作:天狼レイン
次回はあれかな?えーっと……、多分エルザと合流……って前書きになぜかいてるかを
聞きたそうですね(笑)
えーっとですね、執筆中に間違えて書き込んだんですが、直すのが面倒になりました(笑)
7年前、“
身体を取り戻す前のオレは一人の少女と横にならんで綺麗な月を眺めていた。後ろには優しげな眼差しを向けた一頭の美しい竜、名は“グランディーネ”。
今思えば、すごく幸運だったのかもしれない。一生に一度、竜を見られる訳でもないのにオレはたまたま拾われたことで、かなりの間はその竜を見ることが出来ていた。
ごく普通に考えれば、それだけで記念である。でも、当時のオレは身体を取り戻す前のオレですらない、ただの中身のない人間のようでもあった。
今もなお、途絶えてしまっている記憶。魔導士ギルド《
レインという名前以外は何もかも忘れ、魔法の一つすら使えなくなったあの頃、記憶なんて空っぽだ。空虚以外の何でもないくらいにオレはオレですらなく、ただの記憶喪失のガキにしか見えていなかっただろう。
そんな空っぽの器同然のオレに必要以上の声をかけ、ともにいてくれた少女、ウェンディ・マーベル。彼女がいたからこそ、今のオレ――一部の記憶を取り戻し、身体も取り返した今の自分――にまでなれたのだろう。感謝の気持ちは今もずっと……。
おそらく記憶を失う前と同じぐらいに喋れるようにもなったのは確か……グランディーネが姿を消す三ヶ月前だっただろうか?
それほどまでにオレはほぼ全ての記憶を失い、精神ともに病んでしまっていたのかもしれない。そんなオレをよくウェンディは気にかけてくれたものだ。
さらにいってしまえば、よくもこんな素性も知れぬ見た目少年、中身のほとんど悪魔なオレを拾って助けてくれたものだ、グランディーネも。
――いや、だからこそ、オレは自分を取り返すことに成功したのかもしれない。天狼島の事件以来、人の心を……、何かに愛されるということを知らなかったオレ。
そこにオレの姿と声を模した別の誰かが愛情やら友情やらを感じていたとしても、その感情は全てシャットアウトされていたのに関わらず、それすらも突き抜けて直接オレに届かせた一人の少女と一頭の竜。
ある意味では、オレに喰い殺された悪魔も予想だにしなかった
さて……それはともかく、あの日交わした約束は今も忘れていない。幼い頃のウェンディと交わした小さくも弱々しさのある他愛ない約束。
――お兄ちゃん、月が綺麗だね――
――うん、そうだね、ウェンディ――
――……、あの……えっと……――
――どうかしたの? ウェンディ――
――お兄ちゃん。わたし……、少し怖い。いつかグランディーネとも……お兄ちゃんとも……離ればなれになっちゃう気がする……――
――かもしれないね……。ボクもそんな気がしてる――
――わたし、そんなの嫌だよ……。ずっと一緒にいたいよ……――
――ボクもそう思う。でも、いつかはボクもウェンディも大人になると思うんだ。グランディーネはボクにとったらお母さんだけど、竜でもある。ボクたちは人間、悔しいけどその違いは埋めれない気がする……――
――そう……だよね……――
――でもね、ボクはウェンディと同じ人間だよ。だから約束するよ、離れてもきっといつかまた会いに行くって。ウェンディが悲しい時、ツラい時、ボクが励ますって。ボクが覚えたこの魔法は、ウェンディやウェンディの大切な人たちを守るために使うから!!――
――ホント……? お兄ちゃん――
――うん、だから安心して? ボクはウェンディを守るから――
――うん!! 約束だよ、お兄ちゃん――
あの日の前日の夜、月の光を背にオレはウェンディと約束を交わした。それを見て微笑むグランディーネの姿を見た。だけど……
オレはその日の夜に姿を消すことになった。その際の記憶は全くない。何故ウェンディの前からオレが姿を消し、そのあとにグランディーネたちも姿を消したのか。
思い出せない――いや、元からそこまでの記憶が嘘だったかのように、オレを否定しようとアイツはそう記憶を改竄したのだろう。
それに耐えきった結果が、その部分の記憶がないことに繋がったのかもしれない。でも、約束は強く胸の奥に焼き付いていた。
だからウェンディと離ればなれになってからS級魔導士に昇格して、天狼島でメイビスと出会ってから思い出せるようになったのかもしれない。
結果的に連合軍結成の今日の日、小悪魔のような笑みを浮かべてタロットを見せたメイビスの言葉通り、再会した。
それに雪崩れ込むようにオレは自分自身を取り戻した。もしかしたら繋がるように仕向けられていたのかもしれない。それでも嬉しかった気がする。
小さな小指を互いに絡ませ、指切りの約束を結んだあの日。それはまるで、運命がそう導いてきたかのようで……。
今もそれは間違いのない現実で……、歪まされていない記憶で……、他愛ない約束なのだろう……そう思える。
「……なんかかなり懐かしいこと思い出したなぁ」
「どうかしたの? お兄ちゃん」
「あー、グランディーネがいなくなる前に月を見ながら話したなぁって」
「あ……、おぼえてたんだね。約束……守ってくれてありがとう、お兄ちゃん」
「ああ、別に妹との約束忘れたら洒落にならないからな」
「ホント、アンタたち仲良いのね」
寂れたような古代都市の中にいるだろう人物を駆け足で探すレインとウェンディ、シャルル。
あのあと、すぐさまニルヴァーナ停止を実行しようとしたのだが、どうやら“自動制御”にされてしまったらしく、それを止める作戦を考案していたのだが、ウェンディが心当たりあったらしく、レインはそれに着いてきた。
最初はシャルルがウェンディを持ち上げて空から探していたのだが、魔力が限界だったらしく地上からへと変更され、今に至る。
そんな訳で、探している合間にレインは懐かしい記憶が込み上げたので染々と呟いていたのだが、シャルルからすれば仲のいい兄妹の話でしかないらしい。
まあ、それはともかく後方で起こった大爆発はどうせナツたちがトラップか何かにかかったのだろうとしておき、こちらはこちらで探さなければならないと思い、捜索を再開。
――だが、この付近に来てから妙な魔力を感じる。それも2つ。三人ほど近くにいるのだが、一人はエルザだと思える。そうなれば、近くに目的の人物であるジェラールがいるのではないかと思う。しかし、もうひとつの判明していない魔力はなんだろうか?
もしかすれば、先ほどブレインが言っていたミッドナイトなのかもしれないが、それならそれでめんどうな気がする。
多分相手側は話通りならば、記憶を失ったジェラールを何かに利用しようと企んでいる可能性がある。そうなれば、こっそり尋ねることも出来ないだろう。
相手からすれば、知られると厄介な上に逃げられたくもないだろうしな……などとレインは考えるのだが、こういうときに限って当たる気がする。
それはさておき……
「ウェンディ、昔交わした約束の内容、覚えているか?」
「あ、はい。確か……
それを聞いた途端、レインはすかさず……
だが、レインの眼は氷のように冷たく、心も落ち着いていた。
「ちょ、ちょっとアンタ!? ウェンディに何をするのよ!!」
「シャルル、さっきのはウェンディじゃない。敵だ、本当のウェンディなら約束の内容を
そういうとともにレインは後方の建物に向かって“天体魔法”の“
意識は無いようだったが、怪我もなくただロープで身体を縛られていただけだった。
「う、ウェンディ!?」
「やっぱりな。あの時、何か閃いたウェンディはオレとシャルルを置いて、真っ先に階段を駆け降りた。その時にウェンディを眠らせてすり代わったんじゃないか? 六魔将軍の傘下の闇ギルドさん?」
そういうと同時に後ろや前、さらには建物の上や中から続々と怪しげな格好をして、如何にも悪そうなヤツらを思わせる魔導士たちが姿を現す。
どうやらここに誘い込んで偽物のウェンディが建物か何かに入ってから倒壊などで大ダメージを与えて倒すor殺すという作戦を立てていたのだろう。
本物のウェンディが縛られているのは、多分売り払ってお金にでもしようと闇ギルドらしい最低な資金集めの犠牲にしようとしたに違いない。
オレがこういうのも何だが、確かにウェンディは可愛い。多分売り払ったりなどすれば、結構な値をつけられてしまうんじゃないかと思うぐらいにだ。
先にいっておくが、オレは“ロリコン”ではない。
「んで、まあ……。バレバレな訳だが、どうする? お前ら」
「チッ、聖十とは言え、不意討ち爆撃とかなら倒せると思ったのによ」
「さっきの男は見事に引っ掛かってやられちまったからなぁ」
「さっきの男?」
怪訝そうな顔で尋ねるレインに闇ギルドの彼らは平然と言い放つ。
「そうさ、ジャガイモみたいな頭した聖十の男だ!! ブレインの罠に見事に引っ掛かって戦闘不能らしいぜ、ガハハハッ!!」
「ほう……、そうか……」
下を見て俯いたレインに闇ギルドの彼らは笑いながらに「ザマァねえよなぁ」や「どうだ? 同じ仲間がやられた気持ちは!?」などと喚きながら嘲笑ってくる。
だが、レインは……
「――ねえ……」
「あん?」
「――ねえな、アイツ」
「なんつってんだよ、ガキぃ!?」
キレ始める彼ら。それに構わず、レインは息を吸い込んでから……
「どいつもコイツも鍛練が足りてねえつってんだろうがあああああ!!!」
と大声で叫んだ。あまりの声の大きさに誰もが耳を塞ぎ、ぐわんぐわんと揺れ動いてしまいそうな意識を必死に繋ぐ。その声は、まるで竜の雄叫び。
――その時のレインに後ろには微かにドラゴンの咆哮が浮かび上がっていたらしい。その声に驚き、目を覚ましたウェンディもまた耳を閉じていたが、自分が抱えられていることのほうが余計に驚いていた。
「お、お兄ちゃん!?」
「ん? ああ、目が覚めたか、ウェンディ。油断大敵だぞ、必ず一人では行かないこと。約束できるか?」
「……うん…」
少し落ち込んだような顔をするウェンディに対し、レインは優しくその頭を撫でて笑ってやる。そんないつも通りの義兄を見て、ついウェンディも微笑んでしまう。
そんな二人に茶々を指すものも当然いるわけで……
「なに、二人でニコニコしてんだ、てめぇ!!」
「構わねえ、あの娘ごとやっちまぇ!!」
その号令に従った彼らは次々とレインに襲いかかっていき、たちまち砂煙が状況を分からなくする。シャルルは二人の名前を叫ぶが、あまりのことで不安しかなかった。
――だが、砂煙が消え去った後には謎の風で作られた防壁が二人を囲んでおり、まったくの無傷だった。静かに防壁結界を解いてレインは呟く。
「天竜の羽衣……、オレの魔力が尽きるまではある程度の威力まで完全に封殺する防御専用の天空の滅竜魔法だ。結構覚えるのがハードでな、神経すり減らすかと思ったぐらいだ」
「か、完全に封殺しやがんのかよ……」
「そんなのアリかよ……」
「さて…と。ちょっと手荒く行かせて貰おう…か!!」
最後を強調して片足を上げてから地面を思いっきり踏みしめるレイン。次々とヒビが行き、とんでもない震動がニルヴァーナ全体を揺るがす。一見レインには到底あり得ない震動の巨大さだが、途方もない魔力を貯蓄しているレインには関係ない。一点集中で地面を踏みしめれば、どんな乗り物も地面にめり込ませることが出来る。
――言ってしまえば、ニルヴァーナだって……
「めり込ませることだって出来る訳だが、時間稼ぎに過ぎないな。さて……返り討ちに会いたいヤツから来い。相手してやるよ」
「そんなのアリかよ……」
「くそっ、まあいい!! やっちまえ、野郎共!!」
――だが、彼らの足は動かなかった。目の前にたつ
すると気がつけば、地面は謎の紋章を描いており、そこは眩しいほどに輝いていた。ある地方では“北斗七星”を現すその形は……
「悪いが、動けない時点でお前の敗けだ。さっさと失せろ!!」
そう言うと、レインはウェンディをすぐに下ろした後、両手を前に向けて“北斗七星”のような形を取るとすぐに魔法を発動させる。
「七つの星に裁かれよ!! “
その眩しいほどに強く輝くその光は彼らを包み込み……吹き飛ばす。空高く、流星の如く。流れ散るように……。
さ、さて…気を取り直しまして……。そういや、この小説なんですが、8/23に
書き始めたんですが、よくよく考えてみれば、まだ1ヶ月しか経ってないんですよね。
驚きです、今まで書いたヤツでここまで来るのに半年か3ヶ月以上はかかってたと
思います。これもみなさまのおかげです、ありがとうございます!!
これからもこの作品を読んでいただけると嬉しいです!!祝20話目!!