FAIRY TAIL 天空に煌めく魔導の息吹 作:天狼レイン
いやー、いろいろと化け物なオリ主を書いてしまう癖が治りません(笑)
今回常識はずれなレインが出ます、お気をつけください。
「さて…と。ウェンディ、一人で我先にって行っちゃダメだろ?」
「ごめんなさい……」
「ホントよ、もう。コイツがいなかったら、アンタは売り飛ばされていたかもしれないのよ!?」
「ごめんなさい……」
怒りを顕にしてウェンディを心配しながらも、叱っているシャルルを見て、レインは素直じゃないなぁ…と思いながらも目の前にいる義理の妹をしっかりと忠告しておく。
次第に涙ぐんでいくウェンディ。それに気がついたシャルルは少しずつ叱るのを止めていく。それを見越し、レインは一歩前に歩み出て、今にも泣いてしまいそうなウェンディの頭に手を置いた。それからすぐに少し手荒いが撫でてやり、笑って見せる。
「――でも、ウェンディが無事で良かった」
「うぅ……お兄ちゃん……ありがとう……」
涙を目尻から流しながら、感謝を伝え、レインに抱きつき、泣き始めるウェンディ。抱き締めたときの温もりは何よりも自分の目の前に大切な妹がいるという実感を湧かせてくれる。
ゆっくりと頭を繰り返し撫でながら、泣きじゃぐるウェンディを落ち着かせていき、励ましていく。なんだかこんなことが昔にもあった気がする。そんな思いを抱えながら……。
その後、泣いたことで目元を赤くしたウェンディがレインの横に並び、微笑んでくれるとついつい、レインは意地悪なことをしてしまいたくなったが、なんとか耐える。
懐かしい感覚というのは、堪えるのに結構な我慢強さがいる気がする。そんなどうでも良さそうなことすら大切にも感じる。
それはともかく、そろそろジェラールを探さなければならないなと思い、魔力の感知を再開する。すると、付近……とまでは行かないが、一部の魔力が消えたような辺りがあることに気がつく。予想通りならば、エルザとジェラールが最後の一人であるミッドナイトを倒したのかもしれない。
そう期待を寄せながら、ウェンディとシャルルをその場所へと案内する。
いざそこへ向かってみれば、見覚えのある緋色の長髪を靡かせる女性と青色の短めの髪にコートを羽織っている男性がそこにいた。
見覚えのある緋色の長髪を靡かせる女性はこちらに気がつくと、その名を呼んでくれた。
「ウェンディ、それにレイン。無事だったか」
「エルザさん! 無事だったんですね」
「エルザも無事みたいだな。その感じだと……ミッドナイトは撃破済みかな?」
「ああ……。ところで、お前レインなのか? 雰囲気や髪の色まで違うが……」
「ん? ああ、こっちが本来……って言っても分かりづらいか。まあ、気にするな。オレはレインで違いないしさ」
「なんだか強気に感じるが……まあ、いい。こちらもなんとかジェラールと合流してたのでな。大丈夫だ、今は敵じゃない」
「……………」
「ジェラール?」
「君は……?」
そう言われた途端、ウェンディは少し後ずさった。覚えていないのかと思ったのだろう。しかし、即座にエルザはそれについて捕捉した。
「実は、ジェラールは今、記憶が曖昧なんだ。わたしのことも……君のことも覚えていないらしい……」
「そうだったんですか……」
「………」
「どうしたんだ? レイン」
考え込むレインに不思議そうな顔をするエルザ。それに気がついたウェンディやシャルル、さらにはジェラールも不思議そうにする。だが、オレ――レインは少々驚きを隠せなかった。それもそのはずの出来事があったからだ。
以前起こったラクサスによるギルドの不祥事たる『バトル・オブ・フェアリーテイル』の後、レインはいつの間にか姿を消していたミストガンを追跡し、訪ねにいったことがあった。
不自然と帽子を深々と被り、彼本人からは感じられなかった魔力に違和感を覚えたからだ。そう思い、それを隠さずに尋ねたところ……彼はオレの正体にも変なものを感じたらしく、それを条件に互いの情報を交換したことがあった。
その際にオレは見たのだ。
それを知っているからこそ、目の前にいるジェラールに疑問を抱いた。記憶をなくした目の前のジェラールと、ミストガンを名乗るジェラール。
二人に共通することは、顔と声が似ていると言うことだ。だが、してきた行いは全くもって逆である。だが……、それ以前に可笑しいことがある。
ミストガンの彼は記憶が確かに存在し、ずっとギルドの仕事をしていた。だが、目の前のジェラールは今日出会うまで“楽園の塔”におり、それから行方不明だった。
つまりここから導き出される答えは、目の前のジェラールとミストガンのジェラールは全くの
ここからさらに推測されるのは……この世界とは別の反転世界のような世界が存在するということ。それがミストガンのジェラールが魔力を持たない理由なのではないか……そう考えが次々と作り上がっていくが……。
「(――って言ってもあれだよなぁ…。証拠なんて無いしなぁ……)」
「どうかしたの? お兄ちゃん」
「あー、いや、なんでもない。それはともかく、ジェラール……だったな。
そう尋ねるとジェラールは少し俯く。この感じだと、もしかすると対抗策がないか……または記憶がないせいで方法が分からないかということしか考えられなかった。
それに対して、シャルルは強く責めいるが、ウェンディがそれを静止しようと頑張る。
――だが、それどころではないことが起こる。
動きを再開していたニルヴァーナが突然動きを止め、前方に強大な魔力を蓄積させ始めたのだ。それに気がついたエルザが叫んだことによってオレたちに焦燥感が募っていくが……、よく見れば前方にはウェンディたちのギルドが見える。
もう……間に合わない。それを知るとウェンディはズルズルと座り込んでしまう。
「いやぁ……、止めて……」
ウェンディの悲痛な声が少しずつ漏れていく。目尻に涙が溜まっていき……
その時、オレの中にある苦悩が宿る。
オレは何のために、ウェンディに約束したんだ?
オレは何のために、悪魔になってでも生きることを選んだのか?
オレの覚悟はこの程度のものなのか?
オレが手にしてきた数多くの魔法は、なんのために必要だったのか?
オレの名前は……オレの名前は……オレの名前は……オレの名前は……オレの名前は……
「オレは何のために、約束したんだ!!」
そう叫んだ時には、オレはウェンディの側から離れ、ニルヴァーナの前門――発射前の反転魔法の前に立ちはだかっていた。
それに気がついた時、丁度反転魔法は放たれる。迫り狂う善悪をひっくり返す最悪の魔法。それの圧力にオレは自分が消えてしまいそうな感覚を味わった。
自分の中の光と闇、それら全てが形すらない空白へと塗り変わっていくような……――
「――ただ、やられる訳が……ねえだろうがああああああ!!!」
自分の中に渦巻く巨大な魔力、それらを両手に絞り出していく。昂っていく感情に感化された身体、魔力が増幅され、次第にレインの左手は白銀の竜の鱗が姿を現し、巨大な竜の片腕を連想させる。レインの両肩からは竜と同じ翼膜が姿を現すと、足首、手首からも輪のように鱗が突きだし、次第に身体が竜へと近づいていく。
以前にも同じ現象を人為的に発動させたことがあった。――だが、今自分に起こっている身体の変化は人為的に発動させた時よりも明らかに違う何かを感じた。
身体から次々に溢れだし、自分の力が何倍にも膨れ上がる感覚、滅竜魔法の最終形態たる“ドラゴン・フォース”。
今までも強制的には発動させてきた。でも、それはあくまで自分の力をある程度まで増幅させるだけに過ぎない。いつかは限界が来る、限界値が設定された“ドラゴン・フォース”だ。
でも、今感じている“ドラゴン・フォース”は違った。どこまでも……どこまでも……強くなれる。そんな気がする、そんな思いが、強く……、強く……、躍動する!!
「哀しみを……哀しみを知らないヤツに……、オレは負けるつもりはねええええ!!!」
血のように紅く輝いていた瞳の光は、その思いに共鳴するように紅い瞳は突如、白銀色の光線を空中に軌跡を残し……、咆哮した。
レインの覚悟は神々しい輝きを放ちながら、大きく……、大きく……、その形を創っていき、その形は“天空を支配し、荒ぶる竜どもすらを押さえつけ、それらを従わせる天空を支配する白銀の竜王”。まさにその姿は……“天竜王”
「そんな魔法、オレが吹き飛ばしてやる!!」
レインの想いと願いはそのまま形となり、あらゆる障害を切り裂く咆哮と化す。
「滅竜奥義・改!! 双刃破・天竜王無双穿!!!」
白銀の竜王と化したレインが撃ち出す、今の自分に出せる最高威力の滅竜奥義。対象へと向けた自身の手から暴れ狂い、制御を拒んでいくような荒ぶり続ける天津風。暴風の如く、気高く、神々しく、竜を……、神をも殺し、立ちはだかる全ての者共を葬り去るような大竜巻。
双刃を思わせるような、その風はレインごと包み込んで反転させようとするニルヴァーナの波動に衝突し、それすらをも押し返し始める。
天剣の如く、勢いを増していく天津風はニルヴァーナの前門に大爆発を起こし、消え去った。
それを放ったレインは突きだしていた両手はズルズルと下へ力無く……伏せられ、身体から姿を現していた鱗や翼膜は霞んでいくように消えていき……レインは空中から墜ちていく。
「お兄ちゃん!?」
ウェンディの驚愕の声が意識を失っていくレインにも届くが……そこで彼の意識は暗転した。
――レイン……、レイン・ヴァーミリオン。いい名前ね――
――そうだろう? レイン、“雨”を意味する名前は哀しみを意味するんだ――
――どうして?――
――雨っていうのはなんとなく哀しいイメージを考えさせる。だからこそ、この子には誰かの哀しみが誰よりも分かってほしいんだ――
――誰よりも哀しみや痛みのツラさを知り、誰かのために強くあろうとする……そんな子になってほしいってことね?――
――そういうこと。この子がそんな子に育ってくれるといいね――
「(父さ……ん……、母さ……ん……?)」
霞んだ意識に浮かび上がった自分が知ることができないはずの景色とその場の願い。自分の名前、“レイン”の意味。それはずっとレインが知りたかったことだった。
霞んでしまっている両親の顔……、8歳になった頃、自分が行方不明になってしまう寸前まで見てきた両親の顔は今では思い出せない。
けれども、暖かい。暖かい自分の両親の願いと思いは悪魔になってしまったレインの心にも届いた。自分がそう願われて育ってきたのだと……それを知って……。
「――ちゃん!! お兄ちゃん!!」
突然聞こえてきたウェンディの泣き声。懇願するような叫びは頭にズキンズキンと響いてくるが、暗転していたレインの意識を呼び起こすには丁度いいぐらいだった。
空気に匂いがあり、冷たい地面も感じられる。自分がまだ生きていることを伝えてくれる。そう感じると共に、レインは閉じていた目蓋を開け、目を開く。
掠れた自分の声に苦笑したくなるも、笑うことすら出来そうにない。全身が痛みに襲われ、再び感覚が遠ざかりそうになるのを必死に食い止め、泣きじゃぐるウェンディを落ち着かせる。
「……はは……、ウェンディ……、ギルドは無事か……?」
「う……うん!! で、でも……お兄ちゃんが……」
「……一回分は……防げたんだな……あとは……本体を……止めないとな……」
「何を言ってるんだ、馬鹿者!! お前、さっきので魔力を全部使い切っているんだぞ!!」
エルザの叱咤に今頃気がついたレイン。確かにさっきので残していた魔力は全消費した。これ以上の魔力は残ってはいない。――だが……
「……残ってないなら……ここで貯め直せばいいだろ……?」
そういうとすぐさま、レインは深呼吸を始め、周辺の空気をドンドン吸い込んでいく。いっきに回りの酸素が薄くなるが、それはやむを得ないだろう。
空っぽだった魔力は驚かざるを得ないほどの速さで回復し、身体の痛みは無くならないだろうが、なんとか魔力さえあれば、立つことぐらい出来る。
強制的に魔力が完全に元通りになると、レインは一人でフラフラと足元が覚束無いながらも立ち上がり、空笑いを浮かべて見せる。
「別に立てないわけでもないし……、ここで大人しく寝ているつもりもないさ……」
「お前……」
「アンタ、そんなことしたら死んじゃうわよ!!」
「そ、それならわたしが治癒を……」
すぐにレインに治癒を施そうとするウェンディを止め、レインはボロボロになったカバンからヒビが浅く入った小瓶を取りだし、一息に煽る。
「……ふぅ……、なんとかこれで動ける」
「さっき何を飲んだ?」
「痛み止めだ。しばらくなら持つ。それにオレは滅竜魔導士だ、別にこんな傷、直撃してるよりもマシだ、マシ」
「でも……無茶はダメだよ、お兄ちゃ…」
最後まで言い切る前にレインはウェンディの前に拳を突き付け、そのあと指を三本立たせて笑う。その三本の指が意味する何かはエルザやシャルル、ジェラールには分からない。
それでも、ウェンディには理解できた。あの時の約束を意味する“三本の指”。
つまり……
「オレはそう簡単に死ぬつもりもなければ、ウェンディの仲間を見殺しにするつもりもない。子供の誓いだろうが、何だろうが。オレにとったら死ぬより大事な約束だ、兄貴を信じろ、な?」
無邪気な笑顔を見せるレインは、昔のレインとは雰囲気も違えば、姿も変わっている。それでも、あの時に抱いた安心感と信じてもいいという実感だけは変わらない。
そんな無茶苦茶、無軌道、常識はずれな
……いや、あの…そのですね…許してくださいいいいいい!!!
えっと、ふざけた訳ではないんですが、殴り書き的な感じになりすぎました。
ホント、すいません。次回はあれですね、ナツメインで書くことになりそうです、はい。
頑張ります、色々と次は内容が長くなりそう……。
いつも5000文字なんですけどね……次だけ7000とか……(笑)
基本的に5000文字って読みやすいですね、個人的にそう思います。
長々としてなくて、あとの文が書いてる側としても適当になりづらいので。