FAIRY TAIL 天空に煌めく魔導の息吹 作:天狼レイン
久々ですね、みなさん!! 身体の調子はどうですかって?
HA、HA☆HA☆HA~!!! 悪いまんまです。ちっとも良くなりませんでした、
特に最近は下痢気味です。それにしても、最近“英雄伝説”の小説を別シリーズで
投稿し始めようかなと考えていたりします。まあ、気まぐれ投稿でしょう、多分。
「――ってな訳があってなぁ……。結局踏んでたよ、アイツら……」
「…あはは……、評議院のみなさん、踏んじゃってたんですね……」
「オレはちゃんと忠告したんだがなぁ……」
腕を組んで染々と呟くレイン。その隣ではレインのコートを羽織り、身体を暖めていたウェンディが苦笑している。
二人の目の前には同じギルドの仲間であるナツやグレイ、エルザが歩いており、どれもこれもこの雪山での寒さなど全く動じていなかった。
一方、後ろには時計型の星霊である“ホロロギウム”の中に退避したルーシィが毛布にくるまり、凍えていた。
ハッピーやシャルルは悠々と空を飛んでおり、こちらも対して寒くはなさそうであった。まあ、それでもウェンディの格好はワンピースのようなものなので、見た目的にもここには適していなさそうだった。
ちなみにレインはと言えば、いつも通りの青いTシャツと長ズボンを着こんだ服装をしており、さらにそこへ今ウェンディが羽織っているモコモコとしたコートを被っていたらしい。
――と言ってもだ、レインはどこでだってこんな服装をしている。つまり、彼は暑すぎる砂漠でさえも、この格好をし、平然としているのである。
「えーっと……、お兄ちゃ……レインさん」
「ん? どうかしたのか、ウェンディ」
「寒くないんですか?」
「ああ、別に気にしなくていいよ。前に経験したヤツより全然お遊びクラスの寒さだからな」
「ど、どんなところに行ってたんですか……?」
「そーだなー、氷で包まれた魔境的な白銀世界、見渡す限り全て吹雪で視界が潰されて、クレバスがそこらじゅうに穿たれているようなところだったなぁ……意識奪われるから、もういく気がない」
嫌そうな顔をしながら乾いた笑いをこぼすレインに、ウェンディは「うわぁ……」と言いながら、遠慮したそうな顔をする。
確かに今の格好のウェンディが向かった場合は、即座に凍りつき、しまいには氷塊の中から何年後……、いや……何十年後に発見されてしまいそうだった。
「まあ、夜になってから吹雪が一時的に止んだ時に見えたオーロラだったか……。あれは綺麗だったなぁ……、記録ラクリマ忘れたことに嘆いたぐらい」
「とっても綺麗なんですね、そのオーロラ。わたしも見てみたかったです」
「ちょっとアンタたち。また仲良さそうに兄妹話かしら?」
「まあ、そんなところだ」
「…あはは……」
悪びれずに即座に答えるレイン。そんなレインを横目で見ながら、ウェンディは回りの景色を確認する。一面雪に覆われ、木々は雪を被って雪化粧をしていた。
レインがこの依頼についての説明をする時に言っていた通り、ここハコベ山は銀世界が広がっているようだ。
「――それにしても、前の三人はなにやってんだ? バカ火の玉と半裸王子が喧嘩し出したらエルザが止めて、また喧嘩したら止めての繰り返しだよな」
「れ、レインさん……、なんですか……、その渾名」
「いや…、なんか丁度良さそうな渾名だと思ったんだよ、昨日。特攻するナツは火の玉で、すぐに半裸になるグレイは半裸の王子ってことで」
「強ち、間違ってはいなさそうね、アンタのつけた渾名」
「そういうことだ。――さて、と。コートにしてて正解だったろ? ウェンディ」
「え……?」
そうウェンディが疑問符を頭の上に出しそうな雰囲気をした時、後ろにいたルーシィ――を寒さから守っていた“ホロロギウム”が突然「時間切れです」とだけ申し上げると、たちまち消え去ってしまった。
その直後、雪の上に放り出されたルーシィは毛布にしがみつき、ブルブルと震えだした。そんな寒そうルーシィの姿を見たウェンディはホッとしてコートを着直した。
レインが言っていた通り、時間制限がある以上はいつか外に出されるのが当たり前らしい。コートを羽織って少しでも外気に馴れたのが本当に正解だったようだ。
「ま、依頼が終わるまで寒さは永遠に襲ってくるんだ。当然、あとのこと考えれば、これが最善だなっと、モグモグ……」
「そういえば、さっきから時々何か食べてませんか?」
「ん? ああ、梅干し」
「ひえええええええ!!!」
その食べ物の名を聞いた途端、咄嗟にウェンディはレインから距離を取った。ウェンディが嫌いな食べ物ランキングのトップたる存在、それが梅干しだ。
――と言うよりは、基本的に酸っぱいものが嫌いらしい。急に距離をとったウェンディを見て、少しため息をつくとレインは飽きれ気味に言った。
「好き嫌いはダメだぞ、ウェンディ。眠気覚ましにも梅干しは結構使えるんだからな?」
「そ、そんなこと言ったてぇ……」
「仕方ない……、ウェンディ、上を見てみろ」
「え……? あ、はい。う~ん? なにもないですよ?」
言われた通りに不思議そうに空を見上げるウェンディ。すると、レインはニヤリと悪そうな顔をして、即座にがら空きのウェンディの口に梅干しを放り込んだ。
すると……
「す、酸っぱいですうううぅぅぅ!!!」
そう叫びながら走り回るウェンディ。その光景に誰もが唖然とし、シャルルに至ってはため息をつく。だが、レインはそこに付け加えた。
「それ、ホントに酸っぱいか?」
「……あれ? 酸っぱくない?」
首をかしげて梅干しを食べるウェンディ。さっきからあまり酸っぱさは感じない。感じたとしてもほんの僅かである。
それが不思議でウェンディはレインに訊ねた、すると……
「ウェンディが梅干し嫌いって聞いたからなぁ……。この間、知り合いのヤツに酸っぱくない梅干しを売ってもらったんだよ。まあ、対して高くもなかったしなぁ……」
「そうだったんですか……。これなら食べれそうです♪」
先程とは全く違うテンションで梅干しを食べるウェンディを見て、少しため息をつくとレインはまた腰にさげていたポーチから今度は本を取り出した。
適当なページを開き、“風詠みの眼鏡”を取り出してかけながら読み始める。そこに書かれているのは、ここ最近出没しているという悪党または闇ギルドの魔導士、評議院から指名手配されている犯罪者の類いである。
「………少し減ったか。そりゃそうか、“六魔”がやられたんだからなぁ……」
「どうかしたんですか?」
「ん? ああ、闇ギルドとかの指名手配のヤツをな。少し数が減ったらしくてな、どうやら前回の“六魔”の傘下が中心に減ったらしい」
「そうなんですか。確かにみなさん、大暴れでしたし……」
「その大暴れした人の一人を助け、今も延命させたのはどこかの少女なんだけどなぁ……」
「あはは……」
とりあえず、わざとらしく誰とは言わずに呟いてみるレイン。それを聞いて苦笑したウェンディ。どうみても目の前にいるこの子である。
そして、ウェンディが助けたといっても過言ではないのが、前を歩いている緋髪の女性エルザと言うわけだ。
さも自分はなにもしていませんと言わんばかりの遠慮がちなウェンディには感心するが、少し遠慮し過ぎているなぁと思う。
そんなことを思っていると……
「おお、この匂い!! 薬草の匂いじゃねえか!!」
「アンタ、本当に鼻がいいのね……」
と依頼に示されていた薬草か何かの匂いに反応するナツと、それを見て感心しているのか呆れているのか分からないシャルル。
それを聞いたレインも試しに鼻で匂いを追ってみるが、微妙に匂った。――と言っても、レインは鼻が常人よりは良いだけでナツよりは良くない。
――だが……
「ん? 山の山頂、確かになんか生えてるな、草っぽい見た目しているぞ」
「み、見えるんですか!?」
レインは眼力に特化している。天候条件が上手く揃っていれば、山の山頂までの途方もない距離も目を凝らせば、難なく見ることだって出来る。
そんないい目を持っているが、戦闘ではいつも気配を感じなから戦っているので対して戦闘には向いていないのだが……。
「おっしゃああああああ!!! 行くぞ、ハッピー!!!」
「アイサー!!!」
猛スピードで山頂へと駆け出していくナツ。それを追うハッピー。そんな二人(猫一匹を含む)に飽きれながらもレインたちは少しずつ山を登り始める。
そんな中、レインは嫌な予感を感じていた。そういや、雪山と言えば、“雪崩”とか、あとは……などと考えていると
「よっしゃあああ、薬草見つかったぞ!!!」
「見つかったよー!!」
いち早く登っていたらしき、ナツとハッピーが薬草を発見した。それを聞いて余計な考えだったかと思うレインだったが……、突然上から暴風が襲ってきた。
宙を舞ってからすぐに降り立つナツ。すると、そのナツに襲いかかろうとする巨大な何かが目に入った。
「なるほどなぁ……、まさか予想通りか。確かあれ、白ワイバーンで知られる“ブリザードバーン”だよな。それも意外とでかいな、はは」
「わ、笑ってる場合じゃ……」
「まあ、そうだよなぁ。あれ、気を付けないと依頼の薬草を食べ尽くすからなぁ……。あの巨体で草食だし」
「あわわわわわ……」
慌て出すウェンディ。よくよく見れば、ルーシィも大慌てである。だが、目の前に立っていたグレイやエルザは完全に戦闘スイッチでも入ったかのようにやる気満々で白ワイバーンと敵対していた。その理由はというと……
「食費が稼げるじゃねえか!!」
「金稼ぎ!!」
「ケーキ!!」
と様々であり、本人たちの目は完全にそれぞれの欲しがるものへと変化していた。それはさておき、あれはあれに任せるとして……
「この感じだと、オレたちは薬草の採取みたいだな」
「あ、アンタ、物凄く強いんじゃなかったっけ……」
「ん? 別に強くたって好戦的じゃないんだよ、オレは。必要以上に戦うつもりはサラサラないしな」
「あ、あれは必要な戦いじゃ……」
というウェンディに、レインは……
「それじゃあ、ルーシィもウェンディも、ハッピーやシャルルも弾幕飛び交う戦場を走り回りたいのか? それならオレはあっちに混ざって……」
「い、いえ、わたしたちの方でお願いしますぅぅぅ!!!」
必死に向こうへと行ってしまいそうなレインを止めるウェンディ。ルーシィも大きく首を縦に振って戻ってきてと言わんばかりの顔をしていたので仕方なくレインは戻ってきた。
向こうでは激戦?状態に入る一方、こちらはウェンディとルーシィが「ひええええええ!!!」という情けない声を出しながら四つん這いで移動していく中、二人の後ろをついていくハッピーとシャルル。ごく普通に立ったまま、二人と二匹の後をついていくレインという構成だった。
すると……
「火竜の煌炎!!!」
ナツの両手から放たれた火の玉は白ワイバーンに肉薄していく。――が…しかし、難なく白ワイバーンの方は大きく翼をはためかせ、ナツの魔法を跳ね返した。
「ナツさんの魔法が!?」
「跳ね返されたの!?」
と二人は言うものの、跳ね返された煌炎が向かう先に自分達がいることを気づくと叫びながら避けた。――のだが……
「セイッ!!!」
レインは飛んできた煌炎をこちらも難なく右足で蹴り返し、ナツに直撃させた。爆風が来ないことに気がつき、ウェンディたちは顔をあげ、その光景を見ていたのだが……
「け、蹴り返しちゃった……」
「あ、アンタ……ホント、何者なのよ……」
「ん? 何って普通の魔導士」
「の訳あるかああああ!!!」
真顔でボケるレインに全力で突っ込むルーシィ。一方蹴り返された煌炎が直撃したナツはレインに叫んで文句を言うが、本人は何にも聞いていない。
そして、また……
「
グレイの放った氷の無数の槍は同じく白ワイバーンへと炸裂しようとするのだが、こちらも跳ね返され、またもやウェンディたちの方向へと。
今度こそ、当たると思ったウェンディは、緊急回避しようとするのだが、雪の上でツルンと転ぶ。そんなウェンディ目掛けて降り注ぐ氷の槍。
シャルルの叫び声などが聞こえるなか、レインは舌打ちをしてからウェンディの前に立つと……
「纏めて吹き飛べ。天竜の……咆哮!!!」
軽く息を吸い込んだあと、即座に強烈なブレスを氷の槍を巻き込みながら白ワイバーンへとぶつける。とんでもない爆音が鳴り響き、白ワイバーンは墜落していく。
そんなレインの背を見ながらウェンディはなにもすることは出来なかったが、何故か目標ができた気がして……。
そう思っていると……
「やったー!!! わたしだって《
と誇らしげにするルーシィを見つける。――のだが……、レインは「うわぁ…」と呟くとともにウェンディの腕を握ると、即座に空中へと飛んだ。
あまりのことにビックリして身体が硬直するウェンディだが、即座にその行動の真意を知ると、ルーシィに向かって
「ルーシィさ~ん、逃げてくださ~い!!!」
とだけ伝えた。それがよくわからず、ルーシィは首を傾げたが、すぐ後ろの方から聞こえる轟音に「え?」と声を漏らした。
地面へと着地していたナツたちとともに振り返ってみると、向こうから突然雪崩が押し寄せてきていた。
「えええええええええ!!!」
「あ~あ……。予想通りの結果ばっかだなぁ……、雪山で暴れたら当たり前だろう……」
「えーっと……、最後にトドメ指したの……。レインさんですよね……?」
「否定はしないな、別に薬草が欲しかった訳じゃないが……」
そういうとレインは空いていた片手を持ち上げてウェンディの前へと出してみる。すると、そこには瑞々しいぐらいに新鮮な薬草が握られており、それも結構多めだった。
「えーっと……、欲しかったんですよね…?」
「……まあ、そうかな…。色々と試したいことあったから……」
その後、なんとか雪崩は止まったものの、ナツは乗り物酔いを起こし、ルーシィは雪に埋もれたらしい……。
はい、次回は花見会場でのビンゴです。最後にちゃっかり薬草を頂いたレインの行動にも
ご期待あれ。前に出てきた痛み止めとかも関係してます、では次回~♪