FAIRY TAIL 天空に煌めく魔導の息吹 作:天狼レイン
それとオリキャラ早めに出すことにしました。
まあ、色々と察してくれたら助かります、はい。
「……………なんでこうも揃わないんだ?」
そう呟くレインが手に持っているのは今ギルドの恒例イベントの中身の一つである“ビンゴ”大会のビンゴカードである。
ただ一列揃えばいいだけのこのゲーム、意外と運と根気強さもいるために白熱すること間違いなし……らしい。
先程からレインは出てきた数字全てが出てきている。それならば、もうクリアしているのではないか?……と思われるのだが。
彼が持っているビンゴカード、器用なのか不器用なのか分からないが、四つの角以外はほぼ全て空いているのだ。
ただし全部ビンゴにはなっておらず、3つリーチがたくさんあり、角の付近さえ出ればビンゴなのだが、さっきから急に数字が当たらなくなってしまったのである。
「……………なんだろうな、すごくやる気無くす」
「あ…はは……、次はきっと来るんじゃないですか? レインさん」
「ソーダナ、ウン、キットソウダナー」
ついに棒読みになるまで心が折れそうになるレインを見て、となりに座っていたウェンディは苦笑しか出来ない。先程から次々とビンゴになった者たちが景品を取りに行くのだが、一向にレインもウェンディも…さらにはシャルルもビンゴにはなっていない。
向こうにいるミラがそろそろ景品が少なくなってきました~と言っていたが、あとどれくらい残っているのだろうか?
正直、当たる確率があっても来ないことに呆然としそうである。気のせいだろうが、後方の桜の木付近でエルザが枯れた薬草を持って凹んでいるのだが……。
マスターマカロフ曰く、どうやら急に暖かいところに持ってきたせいで枯れてしまったらしい。ちゃんと向こうで加工保存や、ちゃんとした対策を講じていればよかったのに……と、カバンをガサガサッ…と漁って、同じ薬草が入った小瓶を見てからそう思った。
「……まあ、仕方ないか。ビンゴってこのゲームも所詮は運試し、そうそう当たる訳が……」
――出ました、67番でーす♪――
「……………あ、3つ同時にビンゴした」
言われた番号に穴を開けると綺麗に三列同時にビンゴするレイン。さっきとは違う意味で呆然としながらも、前に待つマカロフとミラの元へと向かっていく。
気のせいだろうか、向かった先に本らしき何かが見えるのだが……。そう思いながら、レインは小走りで向かっていく。
通りかがる途中、レビィが「あれは欲しかったなぁ……、うぅ……」と言っていたが、なんのことだろうか?
ふと考えているうちに、マカロフの前まで辿り着くと、ミラはそれと同時に景品を覆っていた
布を一気にひっぺがし、その正体を顕にした。
結構積まれていたのは、本。3段に積まれ、縦横両方に3冊ずつ。合計にして恐らく1段9冊の3段のため、多分27冊だろうか?
近づいて見てみると、どれもこれも古い古文書やら魔導書である。多分、ギルドが保有していた古い書ばかりだ。そう思いながら、マカロフに訊ねると……
「持って行け、それが景品じゃ」
「景品は古文書と魔導書27冊セットでーす♪」
「……………」
人って、すごく嬉しいと言葉が出なくなるものだなと思った。――いや、まあ、一応身体は悪魔になってしまったんだが……。
そんな下らないことを考えつつも、27冊の本を全てカバンに予め入れておいた風呂敷に包むと、ウェンディのいる席まで戻ることにした。
その道中……、適当に古文書を読んでみると
「………あ、これオレの必要としてるヤツじゃないな」
そう呟くと、途中で座り込み、本を軽く下見した。どれもこれも大事な内容だが、正直レインが欲しているものとは遥かに違い、知っているものが多すぎている。
ある程度魔導書や古文書を選んでいると、自分には不必要なものが増えてきてしまった。さて……これをどうしようか?
そう思った時、ある人物を思い出した。
「あ、レビィがいた」
そう考え付くと、レインは高めに跳躍し、レビィの前付近でクルリと回転してから着地する。ジェットとドロイはひっくり返ったのだが、レビィは目を丸くして固まった。そんな彼女に、レインはさっき自分には不必要と判断した本を差し出した。
「ほい、オレがほしいヤツじゃなかった。それと、以前に書庫入れてもらった借り。返しておくよ」
「……あ、ありがとう…」
レビィが本を受けとると、レインは必要な魔導書だけを手に取り、残りを風呂敷ごと置いていく。あの風呂敷も対して需要が無かったものだし、別に回収する必要もなかった。
必要だった魔導書、合計3冊を手にレインはウェンディの元に戻ると、“風詠みの眼鏡”を取りだし、かけると魔導書を読み始めた。
「ふむふむ……、あー、“天空の造形魔法”の魔導書本体って《妖精の尻尾》にあったんだな…。しまった…、覚えたばっかりじゃねえか。あとにするか……」
「れ、レインさんはすぐに本を読んでおきたい人なんですか?」
「ん? まあ、そんなところかなぁ。保存するにしても、結構スペース無くなってきたしなぁ、いざとなったらギルドの書庫に寄付して無限ループさせる」
「それって意味無いんじゃ……」
「少なくとも、来年の“花見”まで所持する必要はなくなる。それに来年また手に入れられるとは限らないしな」
「アンタ、そういうのは考えてるのね」
「ま、そう言うことだ。ちなみに次回は参加する気無し。確実に本を保存する気はない」
そう言いながら、レインは次々と魔導書を読み漁っていく。だが、知っている魔法やらすでに会得した魔法の情報が多すぎたために、読む気が無くなってしまった……。
“風詠みの眼鏡”を外し、魔導書を脇に寄せると、レインはうつ伏せに寝転び、ただボーッとし始めた。
「あー―――――」
「だ、大丈夫ですか?」
「大丈夫、大丈夫、きっと大丈……あー――――――――」
「完全にショックを受けたみたいね、コイツ」
「ち、治癒魔法でどうにかなるかなぁ?」
「ならないわよ、だって精神的なダメージだし」
「あー―――――、マジかぁ―――――、どれもこれも外れじゃねえか―――――」
ブツブツと文句を言いながら、レインはボーッとすることを続けるが、そろそろノドが渇いてきたなぁと思い始める。
突然、姿勢を戻したレインにビックリしたウェンディだったが、彼がキョロキョロしていることに気がついた。
「どうかしたんですか?」
「いやな、そういや、飲み物って何処かにあったっけなぁ…って。オレの天然水誰か飲みやがったからさー、……ってあれ、酒か」
レインが回りをキョロキョロしてから見つけたのは空いていない酒瓶に入ったアルコール度数軽めのお酒。それを見つけるや否や、レインはそれを手に取り、まわりのラベルとかを確認する。
「……アルコール度数10%以下……、微炭酸……、天然水から作りました……か。よし、これ飲むか」
「だ、ダメです、レインさん!! まだ一歳足りてません!!」
「う、ウェンディ……。えーっとなぁ……、これ天然水」
「わたしでもそれを見て天然水だと思えないんですが……お酒、ですよね?」
「………否定はしない」
「じゃあ、ダメです!! これはわたしが預かります。お兄ちゃんが持ってたら飲んじゃいそうなので」
レインから強引に酒瓶を奪い取り、両手で抱え、絶対に渡さないと言わんばかりに防御行動を取るウェンディ。そこにレインはさっきの呼び方のことを言う。
「おーい、まだ呼び方戻ってるぞ~?」
「あ、あわわわ。また、言っちゃった……」
「隙あり!!」
油断したウェンディから酒瓶を取り返し、すぐさまレインは酒瓶に入ったお酒を自分のコップの中に注いでいく。
取られたことに気がついたウェンディがそれを阻止しようとしていたが、レインはのらりくらりと避け続け、コップにお酒が満たされた。
「さてと、それじゃ、飲もうかな~」
「だ、ダメですー!!!」
そう言いながら勢いのままにレインに突っ込んできたウェンディ。完全なる不意討ちだったせいか、レインも避けきれず酒の入ったコップを傾けてしまう。
「あ……」
「冷た……」
当然、突っ込んできていたウェンディの身体に溢れる。冷たそうにしてから、酒を溢してしまったことに気がつくと、レインに頭を下げて謝る。
「ご、ごめん…なさい…」
「………ま、いいか。さて…と、ウェンディ。ミラのとこ、行って着替えてきたら?」
「あ、はい。あの……怒ってないんですか?」
少し聞きずらそうにするウェンディ。だが、レインは一回だけため息をつくと……
「まあ、悪ふざけしたオレが悪いし。さて、家にでも帰ってゆっくりとするかな」
「よいしょっ…と」と言いながら立ち上がると、少しの間だけ桜を眺め、瞳を伏せたあと地面を強めに蹴り飛ばし、飛翔を開始した。
少しずつ下にいる仲間たちやウェンディ、シャルルの姿が薄れていき、桜の木の桃色だけが見える高さになると、次は家がある方向へと空気を蹴り、駆け出した。
「それにしても、ウェンディって……、なんかあれだな。少しずつグランディーネに似てきたりして……。ま、そんな訳ないか」
ブツブツと言いながら、颯爽と空を駆けて行く。綺麗な晴天に微かな白い雲、懐かしいその感覚に身を委ねるのもアリか、そう思いレインは少し立ち止まって瞳を伏せ、空気の流れを感じることに専念する。
「(涼しい風とポカポカと暖かい日射し……。時折匂うのは……海から流れてくる塩の匂いか? それにしても、少し暑いな…。あ、そういや、前にウェンディたちに言われてたなぁ…。コートなんか着ていて暑くないんですか…って)」
今ごろ気がついたのか、レインはコートを脱ぎ、コートをカバンの中に入れた。コートを脱いだ途端、極端に涼しくなった気がする。
そりゃあ、そうである。何故なら、コートの裏地はモコモコとした分厚い毛で覆われている。完全に真冬用のコートをほとんど毎日着ていたりしたのである。
「さて……。なんかコート無いとなんか足りない気がするが……、まあ、いいか。どうせ、メイビスがオレの家で好き勝手に何かしてそうだし、早めに帰るか」
「ただいま……って、は? どうなってんだ、これ」
急いで家に帰って来たレイン。家の戸を開け、元気よく「ただいま」を言ってから部屋を眺めて見ると、そこには何故か“狼”がいた。
しかも結構大きい。なのに、何故か家のなかは散らかっていなかった。それどころか、モノに触れる瞬間、“狼”がすり抜けていた。
つまり……
「メイビスの魔法……か。多分あれだな、“天狼”」
魔法の正体を見破ってから、自室へと行ってみるとそこには元気そうにしているメイビスが誰かと話しているようにも見えた。
「おーい、メイビス。誰と話してるんだ?」
「あ、お帰りなさい。花見はどうでしたか?」
「あー、うん。いろいろあった。ところで誰と話し…て……は?」
自分の部屋に入ったレインが目にしたのは、頭から獣のような耳が生え、腰の下ぐらいからフサフサした尻尾が生えた女の子。裸だったのか、メイビスがレインの捨てる予定にしていたコートを被せていた。
「その子、誰?」
「さっき兄さんの家にやって来たときに、近くの茂みに潜んでいたんですよ。それも一人で。見たところ魔法じゃないのに耳や尻尾が生えてたので、きっと人狼的な感じかなぁ~って」
「………マジか、人狼っているのか……」
「むぅ、そんなこと言ったら妖精もいますよ、きっと!!」
「あー、懐かしい、父さんと母さんの話のあれか。確かにギルドの名前もそれが由来だっけ?」
「そうそう。そんな訳で、この子を拾ったんです」
「どんな訳で!?」
理由になっているのかさえ、不明な解答に呆然とするレインだったが、人狼の少女がズボンの裾を掴んでいることに気がつくと、試しに微笑みかけてみる。
すると、少女も少しだけ笑ってみせ、ほんのすこしだけ言葉をしゃべった。
「……がう」
「………メイビス。どこから言葉を教えた?」
「えーっと、そうですねー。さっきのからです」
「………いや、意味がわからん。――というか、この子に名前あるのか?」
「さっき言葉を少しだけ教えてみたら“フィーリ”とだけ言ってくれました♪ 下の名前は無いみたいです」
「へー……(大抵のことで驚かなくなってきてしまった気がするが……まあ、いいか)」
ふとそう考えていると、フィーリが微かに頭から生えていた獣耳をピクピクと動かし、千切れそうなぐらいにブンブンと尻尾を動かし始めた。
どうやら少しだけでも言葉を知れたことに喜んでいるらしい。だが、下の名前が無いのは結構不便なこともある。そう思いながら、レインは考え……今フィーリか着ている捨てる予定だったコートに書かれた月を見て思い付く。
「フィーリ・“ムーン”ってのはどうだ? “月”って意味だし、狼って月好きそうだしな」
「少しベタですね」
「メイビス、それ言えることか? 結構変な名前つけただろ、昔」
「むぅ……」
「……“ムーン”……」
やけに真剣な表情で自分の名前――になるかもしれない名前を何度も言ってみるフィーリ。少しずつ言い方に固さが取れていき、そして……
「……がう」
「さっきので良いみたいだな」
「ふふ、そうみたいですね」
フィーリが嬉しそうに頷いたことに少し嬉しくなるレインとメイビス。しかし、思いもよらないことがフィーリの口から告げられた。
「……パパ」
「は?」
「……ママ」
「え?」
「「えええええええええええ!!!!????」」
……駄文(涙)
最近テスト勉強で忙しくて投稿出来ても駄文になるかも……。