FAIRY TAIL 天空に煌めく魔導の息吹 作:天狼レイン
さて、ちょーっとレインのあるヤツへの関わりを一部出しておきます。
それにしても東方っていいですよねー。←どこかの“神”がついたグループじゃないですよ?
個人的には“古明地さとり”や“フランドール・スカーレット”ですかね。まあ、人それぞれです
「――さてと、ギルダーツ。話ってなんだ? またどうせあれか? 旅先で可愛いお嬢さん見つけました的な報告か? それでまたタブらかしてきたのか? オレにはそんな趣味趣向は一切合切無いからな? ついでに言えば、その趣味趣向を会得する気すらないぞ?」
「何も言ってねぇだろ!?」
ギルダーツの家に着くや否や、即座に彼の痛い弱点――つまりなところ“女癖”――を耳が痛くなるほどに指摘するレインに、ギルダーツは思わず叫びながら批判した。
まあ、それを批判されようと事実である以上は仕方がない話である。実際、この男は数多くの女と交際やらタブらかしたりしていたことが幾度となくあり、レインもまたそれを見ていたり、風の噂で聞いていたりしたのである。
そこへ、レインのとなりにいたナツがどうでも良さそうな顔をしながら、話題を切り替えた。
「そーいや、レイン。お前、ギルダーツと知り合いだったのか?」
「ん? ああ、大体……3年前くらいか。S級魔導士資格を取ってから大体2年。その頃に一度あのクソギルドに旅に出てくると言って、出ていったんだよ。
そしたら、この女癖男が丁度旅先の街でな。酒場で酒飲みながら色々としてたりしてて……。あと、荷物を思いっきり何かの手違いで粉砕したからなぁ……。それ以来の付き合いだ」
「いや、あれはわざとじゃねぇんだが……」
「そうか? でも酒飲んでて、その酒を落としそうになった時に片手をついたら周辺のものをバラバラに粉砕してただろ。無意識に使いすぎだっての」
「ふーん、そうか。――んで、ギルダーツはレインに負けたのか?」
事情を知ったナツはギルドを騒がせた“レインがギルダーツより強い”と言うことを聞いてきた。別に対して面白い話でも何でもないのだが、まあ、別に構わないだろう。
そう思い、レインは口を開いた。
「ああ、一度だけ洒落にならなく許せない時があってなぁ。さっきとは別の街で出会った時に街ごとオレの大切な懐中時計を粉砕してくれたから、思いっきり殴った。ただそれだけ」
「あのなァ、あンときのパンチ痛すぎるだろ。しばらく頭痛くて酒飲めやしねぇ」
「それの方が良いだろうが、酒飲み。お前、カナ見たいに結構飲みすぎてんだよ」
「カナ、そんなに飲んでンのか!? ギルドの酒無くなりはしねぇよなぁ……」
「まったく……」
完全にナツが空気と化しかけるほどに会話が熱中するレインとギルダーツ。途中から完全に話の進行方向が大きく逸れたような気がしたのだが、まあ、気のせいとしておこう。
ため息をつきながら、レインはギルダーツの簡素な家の内部を見渡した。よくわからない掛け軸に酒の瓶、ベッドにその他諸々と言ったところだろう。
ふと、そんな風に考えつつも、レインの意識はやはりギルダーツの身体――ギルドの時に匂っていた金属らしき何かがありそうな場所――を見ていた。
すると、そのレインの視線に気がついたらしき、ギルダーツは苦笑しながら答えた。
「――どうせ、気になってンだろ? オレの身体によ」
「ああ、なんで
「ん? (クンクン) ホントだ。ギルダーツ、なんで金属の匂いすんだよ!」
「ああ、それはこれを見れば分かるだろ」
そう言うと、ギルダーツは自分の着ていたマントを外し、自身の身体を見せた。相も変わらず筋肉隆々としており、健康そうに見えるギルダーツの身体。
しかし、ギルダーツの身体の一部だけはそれを言えなかった。
「……やっぱりか」
「な…!?」
驚愕するナツと金属の匂いの理由を予め予測していたレイン。彼らが見たのは、ギルダーツの半身――左手と左足の部分にあった金属の義手と義足だった。
本来、義手も義足もその部分を無くし、生活などが不自由になるのがツラいと言う者が代わりにつけるものである。
つまり……
「誰に殺られた、ギルダーツ。お前にそのレベルの怪我をさせるような達人級の魔導士なんかいないと思うが……」
「――いや、魔導士じゃねぇ。
自らの傷たる義手と義足を見ながら呟く。人間でもないと言われ、レインも少々内心では焦ったのだが、ある結論が浮かび上がり、無意識に身体が怒りの感情を沸き立たせた。
そんなレインを見ながら、ギルダーツは自分をこんな目に遭わせた敵のことを告げた。
「ドラゴンだ。それも全身に怪しげな模様の入った、漆黒の竜だ」
「ドラゴン!?」
驚くナツだったが、突然となりにいたレインの足元にヒビが入り、地面が揺れ動き始めた。そんなレインから放出される膨大という言葉すらをも凌駕してしまいそうな強大すぎる魔力の渦を放つレインにナツは恐怖を抱いた。
流石のギルダーツでさえ、冷や汗が止まらないほどに……だ。
すると、レインはその謎の模様を持つ漆黒の竜の名を怒りを秘めた声とともに告げた。
「アクノロギアか……!!!」
「アクノ…ロギア?」
その名に聞き覚えのないナツは恐怖を微かに抱きながらも不思議そうに呟いた。すると、ギルダーツはその名前を首肯する。
「ああ、オレのこの怪我はヤツに殺られたものだ。たった一瞬の間にこのザマだ」
「ギルダーツが!?」
「……当たり前だ。アイツは……ドラゴン殺しのドラゴンだ。たかが人間が勝てる相手じゃない……!!」
悔しげに呟きながら両手を強く握り締めるレインの手から血が少しずつ滲んでいく。相当悔しい出来事か何かがあったのかと思うギルダーツだったが、ナツの言葉に驚いた。
「なんでドラゴンが!? ドラゴンがそんなことするわけねぇ!!」
「甘ったれたこと言うんじゃねぇ、ナツ!!」
現実を受け入れまいとしたナツにレインは叱咤する。その声に思わず身体がビクッと強ばったが、そうナツを叱咤したレインの眼は底冷えするほどに冷たく暗いものに成りかけていた。
「ヤツだけは手……絶対にオレが葬り去ってやる……!!! 絶対に……!!!」
悔しげながらもそう呟くレインにギルダーツは思わず……
「レイン、お前はそこまで言うアクノロギアを……」
そう言いかけたところで、ギルダーツの声を遮るようにレインは叫んだ。
「アイツに、天竜グランディーネは魂を奪われ、身体の一部を千切られ、姿を消したんだ!!!」
レインの怒りが混ざった怒声は一瞬の沈黙をその場に作り出し、ナツとギルダーツは驚愕せざるを得なくなった。
すでに戦った――いや、一瞬で蹂躙された――ギルダーツならば分かってる。自分をあんな目に遭わせたアクノロギアの実力は同種のドラゴンさえをも凌駕するものだと。
以前、聞いていた親のような存在だったドラゴン――天竜グランディーネが消えた理由。それを全てレインが思い出していたことを知ったのだ。
その一方、ナツは親であったドラゴン――炎竜王イグニールが消えた理由、その他にも様々な憶測が頭のなかを駆け巡るせいもあり、反論すら出来なくなっていた。
「……ギルダーツ」
「………」
「ヤツは……、アクノロギアは……どこだ?」
「………」
「どこで会ったんだ……!!! 教えろ、ギルダーツ!!!」
「いい加減にしろ、レイン!!」
胸ぐらを掴みにかかろうとしていたレインの隙だらけの胴体に回し蹴りを見舞い、家の外へと吹き飛ばすギルダーツ。
吹き飛ばされたレインは無様に地面を転げ回り、最終的にギルダーツの家の付近をあり、そこを流れている水路へと落ちた。
「やりやがったな……ギルダー……ぐうっ…!?」
全身ずぶ濡れになっても水路から上がり、ギルダーツへと向かおうとするレインだったが、途中突然の頭へと走る激痛に顔をしかめ、再び水路へと転落する。
「ヤバイな……これ。…意識……霞んで……来やがった……」
激痛に耐えられず、レインはそのまま朦朧としていた意識を手放してしまい、そのまま意識を失った。
――7年前のドラゴン消失より1ヶ月前のこと
「………操竜…魔法…?」
聞いたことがないその魔法の名を口にしながら、その頃のレインは首を傾げた。
まあ、聞いたとがないのは当然だ。何故、記憶がないのかは分からないが、その頃のレインも、今のレインも記憶は完全ではない。
それはさておき、首を傾げたレインにそばにいた白く優しげな雰囲気を醸し出すドラゴン――天竜グランディーネは続けた。
『ええ、そうよ、レイン。この魔法はわたしたちドラゴンを操る魔法なの』
「…う~ん…? でもさ、正直…グランディーネを操れる気がしないよ?」
『まあ、ちゃんとした鍛練は必要よ。それにかなり疲れるのも難点ね』
「……ところでさ、グランディーネ。なんでボクに教えるのかな…? ボクよりウェンディの方が成功率高いと思うのに」
ふと思い付いたことを呟くレイン。実際そばでスヤスヤと眠っている青い髪を持つ少女、ウェンディの方が攻撃専用たる自分の特徴よりもそっちの方面に適しており、彼女に教えた方が得策ではないかと思った。
すると、グランディーネはレインにこう告げる。
『そうかもしれないわね。それでも、貴方にこの魔法――操竜魔法などを解除できる《
「《
『いつかきっと…、貴方を助けてくれるはずよ』
そう告げるグランディーネは優しく暖かく見守ってくれているように感じた。
「――クシュンッ! ……………寝てたな、オレ。いや、気絶してたのか」
全身ずぶ濡れの状態となったレインは大きなくしゃみをしたあと、自分が落ちた水路の中で目を覚ました。
気づけば、ギルダーツに落とされて結構時間が経ったらしく、すでに夕方である。寝過ごしたか……と考えるが、事実激痛により気絶していたためにそれはないかと考え直し、水路から出ると、すぐ近くに青い髪の少女が見えたのに気がついた。
「ん? あれ、ウェンディか?」
そう思いながら、レインは地面を一度だけ強く蹴り、一瞬で距離を詰めると、その少女に声をかける。
「――やっぱり、ウェンディか」
「ひゃい!? ……あ、レインさん。――って、なんでずぶ濡れなんですか!?」
「川遊び」
「嘘ですよね……すごく分かりやすい気がします……」
「あ、やっぱり?」
「その前に、早く身体を暖めてください! 風邪引いちゃいます!!」
「あー、まあ、うん。分かった……って言ってもなぁ。どうやって暖めるんだ? 近くに焚き火できるようなものあったか?」
「うぅ……」
「まあ、いいか。ちょっと翔ぶとするか。ウェンディ、左手出して」
「え……、あ、はい。えーっとどうするんです……」
疑問に思ったウェンディがそれを言い切る前にレインは急上昇を開始し、ウェンディはその勢いに目を回した。
雲の上付近まで上昇し終わると、すぐに方向転換し、自身の家の方向へと翔ぶ。少しスピードが落としてあるためか、ウェンディも意識がハッキリし、下を見そうになるとすぐに顔を前に戻した。
その際、レインが握ってくれている左手が少し紅くなっており、何かと思っていると、それが血だと気がついた。
「れ、レインさん。怪我してますよね!?」
「ん? ああ、気にするな。別に大した怪我じゃないし、大丈夫、大丈夫」
「……、あとで治療するので大人しくしててくださいね」
「……ホント、ウェンディってグランディーネに似てきたなぁ」
そう軽口を少し叩いたあと、レインは“あること”をウェンディに訊ねることにした。
「なぁ、ウェンディ」
「? なんですか?」
「自分の目の前にさ。家族や仲間、大切な兄弟、大切に思った人、その他諸々の自分にとってはかけがえのない存在を傷つけたり、殺したりしたヤツがいたとき……ウェンディならどうするんだ?」
「え……?」
「ま、例えばの話だ。別に深い意味なんてないさ」
嘘である。深い意味があるからこそ、自分とは違う答えを持つかもしれない人物に訊ねているのだ。
同じ師の元で学び、暮らし、生きてきたほとんど同じ存在。兄妹のように仲が良かったウェンディにだからこそ、訊ねておきたかったものだ。
すると、彼女は答えた。レインがさっきまで考えていた憎悪、憤怒、復讐心とは一切関係のなく違う感情の内容のものを。
「わたしなら……――一度は戦うかもしれません。でも、その相手を酷い目に遭わせたくはないです。せめて、償ってほしい……、そう思います」
「……………」
言葉もでない。どうしてこうも優しく、素直でいられるのだろうか?そう思わざるを得なかった。ふと考えながら、レインはウェンディの方を見ると、彼女は笑顔だった。
そして……
「それにわたしだって、ただやられるつもりはないですよ? 強くなって皆さんを支えられるようになりたいです♪」
「……はは。ホント……、ウェンディって素直だなぁ、昔と何も変わらない気がする。――まあ、身長とか精神面は少し変わったかな?」
そう呟いたレインは数秒後、真っ赤になったウェンディに文句を言われるのだった…。
さて次回から本格的にエドラスですねー。
頑張っていきますのでヨロシク!!