FAIRY TAIL 天空に煌めく魔導の息吹   作:天狼レイン

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エドラス編最終回です。

次回から天狼島編ですよー。

まあ、投稿遅れてしまったら申し訳ありません。



エドラスからの帰還

エドラスから帰還して数日が経った。

あの戦いのことは忘れるには口惜しい気がする。向こうの世界を精一杯生き抜こうと必死だったもう一人の自分たち。

無限とも言える魔力を持つこの世界と反した、向こうの有限の魔力を持つあの世界。それはこの世界にいる魔力を持つ人々に考えを一新させる働きを持ったのかもしれない。

 

――まあ、向こうで戦っていた《妖精の尻尾(フェアリーテイル)》のメンバーのほんの一部に過ぎないが。

 

それに加え、向こうで巨大ラクリマにされていたメンバーは向こうで何があったかなどは知らない様子であり、どうやら時間の流れが飛んでいるようだった。

 

他にも様々なことがあった。

 

死んでしまったと思われていたリサーナの生存。

ギルドの誇るS級魔導士ミストガンことジェラールの突然のギルド脱退。

ガジルにパーティーエクシード、元王国軍第一魔戦部隊隊長パンサー・リリーがついたこと。

ルーシィが自分で戦えるように、エリダヌス座の星の大河を手にいれたこと。

そして……

 

レインとウェンディが未だ不完全でありながらも合体魔法(ユニゾンレイド)を使って見せたことだった。

 

この話を聞いた現在のマスター、マカロフ・ドレアーは少々唸っていたが、結局のところ実力も上がったなどの理由でよく考えないことにしたらしい。

 

――いやいや、もっと事の重大さとか考えてくれよ。

 

と思うレインだったが、それより先に焦ることがあり、天狼島へと急行していった。

 

理由は事前に預けていたフィーリ・ムーンを引き取るためだという。

 

 

 

 

 

 

 ――◆――◇――

 

 

 

 

 

レイン自宅にて

 

 

 

「まあまあ、怒るなって、フィー。いや、その……、わざとじゃなくてだな…」

 

「……むぅ……、パパとお姉ちゃん……お出かけ……羨ましい……」

 

「いや、お出かけじゃないんだが……(汗)」

 

「…別の世界……行ってたんでしょ…? …お出かけ……じゃない……の?」

 

「え、えーっとなぁ……」

 

あれから数日間。レインは朝起きてご飯を作り、二人で食べる時には毎度のように訊ねられる。それもそのはずだ。

フィーリはいくら“天狼島”にいたとはいえ、気配などの察知能力は人を遥かに上回っている。向こうの方で何か異変でもあれば、それに気がつかない訳がない。

それに“天狼島”には結界が張られている。それもあってか、特殊な時間のズレは無効化されているために、他のギルドのメンバーとな違い、時間の流れに異変はない。

そうなれば、レインが迎えに来なかった時間の間、ずっと待っていたことになる。だからこそ、気になっているのだろう。向こうで何があったかを。

 

「……はぁ……。そんなに知りたいのか?」

 

「がう」

 

「分かった……。とりあえず、ご飯食べたら話すから、先にな」

 

「(コクン)」

 

頷くと、フィーリはいそいそと食べ始める。しかし、途中で喉に詰まらせかけたのか、見悶えたのでレインも焦り、なんとか飲み込ませ、難を逃れた。

 

「急ぎすぎてもダメだぞ、フィー」

 

「……分かった。…ゆっくり…食べる…」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「……という訳だ。何か気になったことはあるか?」

 

食事を終え、レインはさっき挙がってきた話をフィーリに話した。最初は色々と首を傾げていたが、徐々に理解し、最後には何故か眼を輝かせていた。

昔話か、英雄譚のように聞いていたのかもしれないが、大した話ではない。そんな風に言ったのだが、結局彼女の考えは変わらなかった。

 

それはさておき。

 

そろそろレインもギルドに行かなければならない時間だった。そう思い、いつも通りの服装に着替え、準備を終えたのだが、予想以上に早くフィーリが待っていた。

ちゃんと服を着替え、問題のない格好。恐らくはウェンディがちゃんと教えてくれていたからだろう。ふとそんなことを考えつつ、二人はギルドへと向かう。

 

 

 

 

 

「…パパ」

 

「ん?」

 

突然フィーリが呼び掛けてきた。いつもなら呼び掛けてくるのはギルドの前ぐらいに来た時だけだった。

だが、今日は違った。マグノリアの街の商店街――レインの家からギルドまでの通い道――、その道中だった。

 

「…私にも……もっと魔法、教えて……」

 

「へ…?」

 

「…もっと強くなりたい……、私、パパやママ…お姉ちゃんの…背中…、守りたい……。お留守番ばっかり…したくない…」

 

力強い眼だった。それも何かを失いたくないと願う、力強いのに何故か寂しい眼だった。過去に何かあったのかと思えたが、エドラスに向かう前に彼女に訊ねた時には何も覚えていないと言っていた。

思い出したのだろうかと思ったが、それよりも彼女は“天狼島”で待っていたことがツラかったのだろう。

 

「(コイツも、やっぱり守りたいって思ってたんだな)……そうだな。今度、ウェンディと一緒に魔法覚えてみるか?」

 

「…! がう!」

 

「偉い、偉い。それじゃ、そろそろギルドに本格的に向かうか」

 

「(コクン)」

 

 

 

 

 

 

 

 ――◇――◆――

 

 

 

 

 

「おー、やってる、やってる」

 

「…美味しそうな…匂い…いっぱいする…。…うたげ…かな?」

 

今日は丁度エドラスから帰還したナツたちと生きていたリサーナのお帰りパーティーがギルドで行われていた。

少々遅れぎみだが、レインたちも漸く合流となる。早速ギルドに入れば、すでに喧嘩は勃発しており、モノがよく宙を飛び交っている。

ナツに関してはただ殴るというよりは“火竜の鉄拳”を惜しみ無く使っている気がする。まあ、どいつもこいつも固さでは負けず劣らずなため、怪我してもすぐに完治するだろう。

そんな中、危険区域から離れたテーブルに座る一人の少女と一匹の白猫を見かけた。ひょい、ひょいと散らかっているモノたちを避け、そこまで辿り着くと話しかけた。

 

「ごめんごめん、遅れた。フィーにエドラスのこと聞かれてな」

 

「あ、レインさん。フィーちゃんもおはよう」

 

「がう」

 

「あら、アンタはあっちに混ざらないの?」

 

白猫――シャルルは向こうで暴れているナツたちを指差し、訊ねた。

 

「いやいや、朝から暴れるほど子供じゃないさ。別にオレはあいつらみたいに常時、(たぎ)ってる訳じゃないしな」

 

「あはは……。ナツさん、結構怪我してたのに平気なんですね」

 

「大丈夫じゃないか? 前にラクサスにズタボロにされたのに結構すぐに完治したし」

 

「どうしてこうも滅竜魔導士(ドラゴンスレイヤー)って元気なのかしらね――この子は除くけど」

 

「うぅ……」

 

「ま、女の子なんだし、お淑やかでいいんじゃないか? エドラスのルーシィみたいに喧嘩早いというか、男勝りなのは結構……見てる側としてもツラいし」

 

「それもそうね。この子が強気になるって結構思い付かないし」

 

「しゃ、シャルル~!!」

 

「冗談よ」

 

「お姉ちゃん……男勝り……可愛い…」

 

「ふぃ、フィーちゃん!?」

 

何を考えたか知らないが、嬉しそうに微笑むフィーリを見て、顔を赤くするウェンディ。ふとレインも思い浮かべてみたが、中々に面白かった。

 

――それを見ていたらしいウェンディに何回かポコポコと叩かれたのだが。

 

「そういえば、エドラスのレインさんはどうなったんですか?」

 

ウェンディはふと気になっていたことを思い出し、訊ねてきた。確かにそうだ。向こうの自分は一応犯罪者である。それも死刑は免れないような状態だ。

あのあと、捕まったとエドラスから戻る際に聞いているが、どうなったのだろう。しかし、レインは逆に笑って答えた。

 

「ま、アイツのことだ。どうせ死刑よりもツラい何かをさせられてるんじゃないか? そうだな、例えば――剣術指導役の任を受けていたりとか、街の復興に大きく活躍するように仕事を言い渡されていたりとかな。ジェラールのことだ、どうせ生き恥を晒す罰を与えるだろうしな」

 

「へぇ~、アンタ何か頼んで見たの?」

 

「――いや、なにもしてない。ちょこっとジェラールに伝えただけだ。アイツが守っていた存在のことをな」

 

嬉しそうに語るレインの姿を見て、自然にウェンディも微笑んだ。何故か優しい顔をしている兄の姿に自然と誘われたのだろう。

それを見ていたらしいフィーリは頬をプクーと膨らませ、ウェンディに飛び付いた。

 

「び、びっくりした……。どうかしたの? フィーリちゃん」

 

「パパとお姉ちゃん……ズルい。お出かけ…ズルい」

 

「お、お出かけ?」

 

「あー、朝からな、フィーがエドラスでのことを“お出かけ”って言ってるんだよ。あれがお出かけなら結構スリル有りすぎる気がするんだけどなぁ」

 

「あはは……。フィーちゃん、今度一緒に何処かにお出かけする?」

 

「ふぇ? ……いい…の?」

 

「うん、いいよ。レインさんも一緒に行きませんか?」

 

「ん? ああ。最近依頼受けてないし、丁度しばらくは空いてるから、混ぜて貰おうかな」

 

「パパも一緒……やった…♪」

 

未だに言葉は途切れ途切れだが、嬉しそうに耳と尻尾をブンブンと動かすフィーリの姿に思わず二人と一匹は微笑んだ。

 

そんな中、フィーリを目掛けて何か大きなものが飛んできた。それもテーブルだ。かなり大きめの大体10人使用の大きめのテーブルだった。

流石のレインもそれには反応しきれず、どうしようもなかった。

 

「フィーちゃん、危ない!!」

 

咄嗟にウェンディがフィーリを庇おうと彼女の前に出ようとしたところで、何か雰囲気が一変した。人狼の少女の淡い青色の髪が逆立ち、瞳は紅く輝き、口許から小さな火がボッと溢れた。その姿はまるでドラゴンのように……、彼女は炎を吐いた。

 

「炎狼の……獄炎(フレイム)!!」

 

一瞬にして塵と火すテーブル。灰塵に帰したソレを見て、周囲にいたメンバーは呆然とした。以前ナツを不意討ちとは言え、倒して見せたフィーリ。その彼女が新しい魔法をここで行使して見せたのである。

 

――それもかなりの勢いを持った、一瞬で焼き尽くすほどの業火を放ったことで。

 

「フィーちゃん……?」

 

「……けぷっ」

 

口からモクモクと立ち上る煙。どうやらあまり得意ではなかったためか、魔法を最後まで出しきれていなかったようだった。

だが、威力はとてつもなかった。ナツでも粉砕するか、少し焼け残りを作るようなものを一瞬で焼き尽くしてたのだから。

 

「……フィー、それいつ覚えた?」

 

流石のレインも唖然として、ソレを訊ねた。すると、フィーリは普通に答えた。

 

「ママとお留守番してた時……、教えてもらって……覚えた…。まだ上手く行かない…けど」

 

漸く煙が消えたことでスッキリしたのか、フィーリは欠伸をした。よく彼女はスッキリしたときに欠伸をする癖があるのをレインたちは知っている。

すると、ウェンディがフィーリの頭に手を置いて撫でながら笑顔を見せた。

 

「良かったぁ、フィーちゃんが無事で。ところで、ママって誰なのかな…?」

 

気になっていたことが口に出るウェンディ。漸く我に返ったらしいレインの頭の中で警告音が鳴り響き、咄嗟に口止めしようとしたが、遅かった。

 

「メイビス……」

 

「めいびす?」

 

幸いなことにその言葉を聞いていたのはレインとウェンディ、シャルルだけであり、他の者たちは周りを喧騒に遮られていた。

 

「はぁ……、フィー、頼むからすぐに答えてしまうのを止めてくれ…」

 

「あ、あの…、メイビスって誰のことなんですか?」

 

「あ、ああ……えっとな。それについては今度話すから」

 

「ふぅ~ん、結構ここでは言いづらい話なの? まさかガールフレンドとかじゃないでしょうね?」

 

「しゃ、シャルル!?」

 

突然ビックリ発言を言い出す白猫にレインはため息をついた後、悩みに悩んでから答えた。それも結構言いづらそうな雰囲気で。

 

「誰にも言わないでくれ……。――本当の妹だよ。オレの本当の妹。漸く思い出したんだ」

 

「え……? レインさんの本当の妹さん?」

 

困惑するウェンディ。そんな彼女を見てから、レインは俯いた後、彼女の手を取り、外へと向かった。――シャルルとフィーリを置いて。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ど、どうかしたんですか?」

 

突然のことで驚くウェンディを連れ、レインはギルドの裏にある湖までやって来ると、動きを止めて彼女の方を振り向いた。

 

「……………」

 

いつになく暗い顔をするレイン。そんな顔つきを見て心配そうにする。何度も言おうと口を開いては止め、それを繰り返したが、彼は漸く告げた。

 

「メイビス・ヴァーミリオン。……《妖精の尻尾》初代マスター、それがオレの妹だ。――そして、オレもその時の創成期メンバー。言いづらいことだけどさ……オレ、大体120歳付近なんだ」

 

最初はウェンディもなんのことだが、わかってはいなかった。しかし、徐々にソレを理解していき、恐る恐る口を開いて掠れた声で言った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「レインさんが……――お、お兄ちゃんが……118年前の…人…?」

 

 

 

 

 

 

そして新たな時代の夜明けの前触れはやってくる…。

 





ちょいと強引過ぎた気がしますが、お許しください!

書いているうちになんか書きたい放題になってしまいそうになって抑制すると

こうなりました。ブレーキ弱すぎですね、本当にすみませんでした。

これからは色々と文章に気を使いたいと思います。
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