FAIRY TAIL 天空に煌めく魔導の息吹 作:天狼レイン
いやー、ワクワクしますね。このワクワク具合はモンハン×レベルww
そういえば、お買いになった方々はどこまで進みましたか?
作者はこれを書きつつ、頑張りまして、ガルルガ一式です。HR3なので、結構頑張ったかな?
まあ、それはさておき、本編どうぞ!!
その日は訪れるべくして訪れた。
あらゆる魔導士ギルドにも存在するしきたり――それがS級魔導士昇格試験だ。
半年前にもS級魔導士昇格試験が何処かのギルドで行われたようだが、相変わらず合格者は1人のみという結果だ。
そうでなければ、面白くない。そう言ってしまえば、話は終わるだろうが、それ以前にS級魔導士昇格試験はギルドの株を上げるための推進力、闇ギルドが攻めてくる確率を減らすための抑止力にもなる。
それ故に厳正に執り行うのが本来だ。そして、新たに上ってきたS級魔導士昇格試験合格者もそれ相応の実力を持たなければならない。
当然、それがS級としての覚悟、プライドである。強き者は弱き者を守るべく、今まで以上に強くならなければならないのも真実。
弱き者も強き者にいつまでも守り続けられるのは許されない。弱いのならば、強くなればいい。それが結果的にギルド本体の平均値を上げる効率のいい方法となる訳だ。
そうして、今日。
あのフィオーレ1騒がしいギルド――《
――◆――◇――
「なんだか皆さん、ソワソワしてますね」
「そうよね。昨日ミラさんが言ってたことに関係あるみたいだけど……」
ほとんどのギルドのメンバーがこの日、ギルドに集まっていた。来ている全員が同じように酒場の奥にあるステージの方を向き、ある者はソワソワしており、またある者はいつも通りだった。当然藍色の長髪の少女――ウェンディもまた他の者たちに混ざっていた。
少し前に入ったばかりの少女の隣には少女よりも前に入った、同じく新入り枠にいる金髪の女――ルーシィがいる。
ウェンディが抱えているのはパートナーであるエクシードの白猫――シャルル。彼女は相変わらずの雰囲気を放ちつつ、周りの様子を伺い、予測をつけようとしていた。
そんな少女と白猫の左隣――ルーシィは右隣――にいるのは淡い青色の髪を持つ人であり、人でない齢5歳の少女――フィーリがいた。
――ほんの少し不機嫌そうだったが。
まだギルドには加入していないものの、フィーリの実力は既存メンバーですらも認める程であり、不意討ちであってもナツを一撃で沈めたことや、数日前――レインの家でのハプニングより後――で執り行った軽い勝負では、見事対戦相手であったルーシィを撃破している。
――まあ、ルーシィは色々と不運だった。それも一番最初が酷かったと言えよう。
いきなり本気で倒そうと召喚したロキ(レオ)が突然フィーリにベタベタと話しかけ、見事に一撃で返り討ちを喰らい、消滅。
続いて召喚したタウロスも、アックスでの強烈な攻撃が当たったように見えたのだが、軽々と受け止められ、眼を紅く輝かせたフィーリの“炎狼の
結局その後、肉弾戦となり、鞭で迎撃しようとしたルーシィの攻撃は避けられ、首もとに落ちていたフォークを突きつけられ、終了してしまっている。
そんな狼少女――フィーリは“姉”と慕うウェンディに寄りかかり、頬をプクッーと膨らませ、愚痴るように言った。
「パパ、消えた……。…何処、行ったのかな……」
「ホントだね、フィーちゃん。レインさん、何処に行ったのかなぁ……」
「ま、大丈夫なんじゃない? わたしたちには予想できないことしてみせるアイツなら」
シャルルがそう言い、それにはウェンディとフィーリ、ルーシィが賛同するが、確かに何処に行ってしまったのだろうと思ってしまう。
数分前、突然レインは何かを思い出したようにため息をつき、それからフィーリをウェンディに託すと、何処かに行ってしまった。
恐らく何か用事でも思い出したのだろうかとウェンディは思ったが、フィーリはなんだか置き去りにされたことに怒っているらしい。
「大丈夫だよ、フィーちゃん。レインさんはちゃんと戻ってくるから。だから、それまで一緒に居ようね」
「……がう。…お姉ちゃん、…優しい…、……………好き」
「ふぇ?」
突然フィーリが“好き”と発したことでさしもの《天空の巫女》も度肝を抜かれ、変な声を出す。数秒後ほど頭の中でその言葉を巡回させ、ウェンディは少しずつ顔を赤くしていく。
「ふぃ、フィーちゃん!?」
「どうか…したの、…お姉ちゃん?」
「そ、そういうのは…本当に好きな人に……」
「本当に…好きな人…?」
初めて聞いたのか、その言葉に首を傾げ、ゆっくりと考える。“好き”という単語は分かるため、それを発展させて考えていき、フィーリは口を開いた。
「…つまり…恋人…とかのこと…?」
「う、うん…」
「…むぅ……、そんな人…できるかな…わたしに……、こんな姿なのに…」
その言葉にウェンディは固まった。確かにフィーリの姿は以上とも言えなくもない。人間には本来ついていない頭上から飛び出した対の狼の尖った耳。
大体尾てい骨から生えるフサフサとした柔らかくもしっかりとした尻尾。それらは当然ウェンディには存在しない。
魔法により増えたのか、そう言われたら確かにそうかもしれないが、彼女は本当に魔法抜きで生えている。恐らくは人間の母と狼の父から誕生したハーフの人狼とレインは予想しているが、その通りなのかもしれない。
――となれば、この異形を好きになってくれる人などいるのだろうかと考えてしまうのだ。
「……好きになってくれる人……いるかな……」
少し落ち込み気味なフィーリ。そんな彼女にウェンディは優しく励ました。
「きっといるよ、フィーちゃんを好きになってくれる人。だから大丈夫、安心していいんだよ」
「へぇー、アンタ、そういうの分かるのね?」
「そ、そういう訳じゃ……」
シャルルに指摘され、ウェンディはなにを考えたかのかは不明だが、顔を赤くし、狼狽える。そんな“姉”をジーっと眺め、急に可笑しくなり、微かに笑うとフィーリは元気よく言う。
「ふふ……、お姉ちゃんのこと…信じる。わたし…好きになって貰えるように…頑張る。――でも、いざとなったら……パパを好きになりたいかも…」
「え……?」
――◆――◇――
少々ウェンディとフィーリのちょっとした会話があった後、漸くしてギルドで起こっていた仕事仕事~!現象の正体が分かる時がやってきた。
下ろされていた横断幕がゆっくりと上がり、そこには小さな老人と茶髪の男性、緋色の髪を持つ女性、白色の髪を持つ女性――そして、淡い金髪に藍色の一房がある少年が立っていた。
「あんなところに…いたんだ、…パパ」
「どうしてあそこにいるんだろう…?」
そんな二人の疑問は小さな老人――三代目ギルドマスターマカロフ・ドレアーにより、明かされた。
「コホン、《
「うおおおおおおおおおおお!!!!!」
待っていたとばかりにステージを見ていた者共は歓声を上げた。あまりの歓声に二人は呑まれそうになるが、右隣にいたルーシィが驚愕の声をあげた。
「S級魔導士昇格試験!?」
「だから皆さん忙しくしてたんだ……。――あれ? それじゃあ、なんでS級のレインさんもバリバリ仕事に行ってたんだろ…?」
ふと考えようとするウェンディだったが、あまりの歓声にマカロフの後ろにいたエルザ、ギルダーツの叱責によって全員は再び静けさを保つことになった。
再びマカロフに全員が意識を集中させ、彼の言葉を待つ。――そして、言葉は発せられた。
「各々の力、心、魂!! わしはそれをこの一年、見極めてきた。参加者は8名!!」
8名――その言葉に多くのメンバーは多いと感じただろうか。それとも少なく感じただろうか。しかし、それはともかく“この8名”に自分が入っていることを祈るだけである。
それぞれが期待と一抹の不安を背負い、マスターの言葉を待つ。その雰囲気を感じ、マカロフは口を開き、叫ぶように発表する。
「ナツ・ドラグニル!!」
「うおっしゃあ!」
まずは最強チームの一人である火の
ウェンディは聞いただけに過ぎないが、闇ギルドの長との勝負に勝ち、同じ滅竜魔導士のガジルにも勝ち、さらには共闘ではあるが、雷の滅竜魔導士のラクサスを撃破しているそうだ。
それに加え、六魔将軍の時にも“ゼロ”を破り、エドラスでも大きな活躍を見せた。恐らくそれが認められたのだろう。
「グレイ・フルバスター!!」
「漸くこの時が来たか」
最強チームのメンバーである彼も同じく大きな活躍をあげている。実際竜鎖砲の鍵を壊してくれたのも彼だそうだ。
「ジュビア・ロクサー!!」
「え? ジュビアが?」
彼女はウェンディの慕うレインと同様、元《
「エルフマン!!」
「漢たる者、S級になるべし!!」
エルフマン。以前は不可能だったらしい全身接収も達成し、ナツたちがいない間にも仕事をガンガン受け続けていたようであり、元より実力もある方だそうだ。
「カナ・アルベローナ!!」
「………」
ルーシィの同世代では一番古くからギルドにいる猛者で、すでに何回も試験を受けているとレインから聞いている。ギルドでの争乱の時には負けてしまっていたようだが、それでも実力はレインも認めており、ナツたち同様にS級魔導士候補だそうだ。
「フリード・ジャスティーン!!」
「フッ、ラクサスのためにもS級魔導士にならなくてはな」
彼は雷神衆の筆頭であり、意外にも料理上手ということは以前の大仕事の時に知っている。――その後、色々と大変だったことは言うまでもないのだが。
「レビィ・マクガーデン!!」
「やった!!」
術式や古代文字――つまり文字などに詳しい彼女とウェンディは“あること”を切っ掛けに仲が良い。それもあり、友達が試験に出られるのは嬉しいことだった。
そして最後の一人は……
「メスト・グライダー!!」
「………」
頬に十字傷のある青年。選ばれると言うことはかなりの実力があるようだが、ウェンディはあまり関わりがない。
それはさておき。
周囲では選ばれたメンバーの喜びの声と選ばれなかったメンバーの悲痛な声が聞こえる。ウェンディもルーシィも選ばれなかったが、ナツやグレイたちが選ばれたことは嬉しいことだ。
そんな中、マカロフが説明を続ける。
「今年の試験会場は“天狼島”!!」
それを言われた途端、マカロフの背後付近に立っていたレインが府抜けた声を漏らした。
「へ…? て、天狼島?」
「そうじゃが?」
「いや、何でもない……。(メイビス、頼むから気づかれないようにしてくれ……)」
ステージでのレインの様子を見て、ウェンディとシャルル、フィーリが察し、ため息をついた。レインにより、少し方向がずれたが、マスターの老人は再び説明を続ける。
「我がギルドの聖地じゃ。試験は一週間後。参加者は各自体調を整えておくように!!」
マカロフがそう一旦締めると、次にしばらく黙っていたレインが口を開き、説明を開始する。
「初めてのヤツがいると思うから説明しておく。S級魔導士昇格試験の合格者一人だけだ。つまり、七人はS級魔導士になれない。
あと、パートナーを一週間の準備期間中に選んでおくことだ」
「ここでパートナーについてのルールを説明する。ルールは二つ。一つは、ギルドの仲間であること。二つ、S級魔導士はパートナーにできない」
レインとエルザによる忠告。それは今まで試験の内容を知っている者たちには気を引き締める物なのかもしれない。便りになるのは、自分の実力とパートナーとの連携。
それがこの試験においての最重要だと言うことになる。それを聞き届けたのを察すると、マカロフはさらに説明を付け加えた。
「今回の試験でも貴様らの行く先をエルザが邪魔をする」
それを聞いた途端、会場から「また、エルザが妨害してくんのかよ」と言う声が漏れる。しかし、今回はそれだけでは終わらない。
「今回はわたしも皆の邪魔する係をしまーす」
そう名乗りをあげるように言ったのは元S級魔導士であり、《魔人》という異名を持ったミラジェーン。それには流石のメンバーたちも“どよめき”を走らせた。
それな彼らに茶髪の男、ギルダーツが軽い叱咤を入れる。
「ブーブー言うな。S級になったヤツも通ってきた道だぞ」
そんな彼の姿。一部のメンバーがパターンを呼んだのか、青ざめて言う。
「ま、まさか……今回の試験の妨害者に……」
「ギルダーツが混ざってんのか……」
「ギルダーツも参加するのか!?」
「嬉しがるな!!」
青ざめほぼ10割、その中にたった一人ナツが嬉しそうにする。そんな彼にグレイも久しぶりに鋭いツッコミを入れるが、さらに嫌な予感が戦慄のように全員の背筋に走った。
「おいおい、まさか……」
一部がそう言うと、ステージに立つ一人の少年がニヤリと口角を吊り上げ、笑いつつ答えた。
「おう。今回はさらにオレも妨害メンバーだ。容赦なんて一切合切しないから宜しくな♪」
その瞬間、会場のメンバー全員が同じタイミングで「うわぁ……」と口から抜けた風のように言った。それほどまでにスルリと口から漏れたのだろう。
「(なんかさっきからオレとギルダーツ、文句言われてないか…)」
レインが向いている会場の中央からは、口々に「レインとか絶対無理だろ……」や「いやいや、ギルダーツでも無理だろ、普通」とか、「つまりあれだな、あの二人に当たったら御愁傷様ってことなんだな?」などが聞こえてくる。
さしものギルダーツもこの文句には苦笑するしかない。
片や《
それ即ち、強固であり、鉄壁の防壁である。――となれば、必然的に当たりたくないという欲が漏れ出すのだろう。まあレインとしても分かるのは分かるのだが、致し方ないことだ。
「試験は一週間後、参加者とパートナーはハルジオン港に集まるように、以上!!」
マカロフの号令により、終了を告げる参加者発表。しかし、それは新たな幕切れのスタートを切ることになるとは誰も予想していなかった。
そんなことを知らず、ただレインはたった一つだけ思った。
――色々と面倒なこと多すぎだろ、と。
う~む、3rd時代ぐらいに攻撃力と防御力低いなぁ、武器が……。
――おっと失礼、少し考え事を。
それにしても、アニメも大詰めですね。3期あるのでしょうか?
出来ればあってほしいですね、ウェンディの活躍とか期待してますし。
……ロリコンじゃないですよ? ロリコンじゃ……いや、ほんのすこしならそうかも(笑)
さてさて、天狼島ではレインに関わることが多く出るかもしれません。
それと天狼島が終われば、外伝が何話か続きますので悪しからず。