FAIRY TAIL 天空に煌めく魔導の息吹   作:天狼レイン

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投稿遅れましたー、本当にスミマセン。

そう言えば、オリキャラに募集一人ほど案をくださいました。

感謝感激雨霰です。ぜひオリキャラ案を考えるのが苦手な作者に力を貸してください。

(力と言うよりは読者の皆様の地力を)

――さて、今回は前回のウェンディたちの前に立ちふさがったレインが試験官としての

判断を下す回です。恐らく駄文ですが、それでも良い方はゆっくり読んでくださいな。




S級魔導士の実力

「――運がなかったな、二人とも」

 

それは目の前に佇む一人の少年によって告げられた。

彼の容姿はちょっと見た程度では、恐れるに足らない歳相応の姿見である。特徴を挙げるとするならば、淡い金髪に一房だけが藍色に染まっているという髪色。ヘアスタイルも極々一般的な髪型に過ぎない。

他にも白銀色に装飾された飾り気は少ないものの丁寧に作られているコートを羽織っていることや、腰に巻いたポーチという服装だけだ。

――普通に見れば、ただの少年としか分からないだろう。だが、そこが彼の武器の一つだ。

 

見た目に反して、彼は魔導士ギルド《妖精の尻尾(フェアリーテイル)》に所属するS級魔導士。当然実力はS級の名に恥じないモノであろう。

それに加え、彼には様々な魔導士から憧れや嫉妬を抱かれているほどの実力者。伊達に《天空の刀剣》や《天竜》の異名を持つだけのことはあるほどに。

それ故、彼は強く簡単に越えられるような相手ではない。それは魔導士でも、一般人でも理解できるだろう。

――だが、彼はそれだけではない。事実彼の恐ろしい所はただの実力ではない。彼が持つ巨大すぎる魔力と魔法を使わなくても並みの魔導士ですら圧倒する体術と剣術。

それを踏まえた彼自身の総合的な実力は恐らく、このフィオーレ広しと言えど、彼を越える魔導士など両手の数にも満たないことを示している。

だからこそ、S級魔導士を目指そうと今日まで奮闘してきた者たちにとって、彼とは当たりたくはない。もう一つ言えば、彼と互角に渡り合った男とも当たりたくはないだろう。

 

「それにしてもなぁ……。ルートが8つもあるのにオレに当たるって言うのは、ウェンディとメストは強運なのか、それとも凶運なのか……。ま、試験だし仕方ないか。一次試験に“運”って項目あるしな」

 

「なんてこった……」

 

「レインさん……」

 

二人が思わず後退りを微かにし、一応試験の場である地底湖の様子を確認する。地底……、その名に反しないようにここは当然ながら地下だ。

ここから距離を取り、広い場所で戦うという手段は取れないだろう。それに加え、ほぼ奇襲も掛けられない。当然彼は自分たちより先に来ているのだ。地形の把握にはあちらに軍配が上がるだろう。

 

――となれば

 

「…やっぱり、真っ正面から戦うしかないか…」

 

「分かりました。わたしは援護に徹します」

 

真っ正面から戦うことを選び、二人は自らの役割を簡単に分担すると、防御重視の構えを取り、レインの動きを観察する。

それを見て、彼は一時的にキョトンとしたが、逆に何かのスイッチを入れてしまったらしく、ワクワクが身体から溢れ出しているような雰囲気を醸し出し、同じく彼も腰を落としつつ、構え――こちらは攻撃重視――を取った。

 

「それじゃ、試験開始と行こうか。一応魔導士としての戦い方の講義も一緒にしてやるから、ちゃんと聞きつつ、勝機を見出だせよ?」

 

その瞬間、レインが靄のように身体の輪郭をブレさせ、その場から消え去った。小さな旋風を残し、消えた彼の姿に驚きを隠せず、二人はすぐに目で追って探そうとするが……

 

「――ま、それじゃ及第点にも行かないな」

 

その声が耳元で響くように聞こえ、聞こえたと同時に二人は後ろから爆風を受け、前方に吹き飛ばされ、倒れた。

 

「きゃっ!?」

 

「なッ…!?」

 

すぐさま先にメストは立ち上がり、レインの姿を探そうとするものの、見当たらない。何処を見ようと、何もないか、すでに旋風だけが残されている始末だ。

遅れてウェンディも立ち上がり、同じように周りを見渡すが、見つからない。ふと先程の爆風が何だったのかと気になり、彼女は振り返る。

 

「え……?」

 

振り返った彼女の前には本来爆発物などが破裂した際に出来るだろうクレーターが全くなく、傷は付いているものの地面に大きな損傷が見られなかった。

事実、ウェンディとメストには全く怪我らしい怪我がない。ならば、どうやったのかと考えそうになる思考をどうにか止め、少し瞳を伏せた途端、彼女は何かの流れに気がつく。

 

「…!? 後ろです、メストさん!!」

 

「なにッ!?」

 

「気がついたんだな、ウェンディ。でも気がつくのが少し遅いッ!」

 

背後に暗殺者よろしくと言わんばかりに現れたレインがメストの視界ギリギリに姿を見せるが、咄嗟のことで反応しきれない彼は勢いのついたレインの回し蹴りをマトモに受け、吹っ飛ばされた。

 

「ぐあっ!?」

 

「メストさん!!」

 

「――ウェンディ、一応相方狙われた時には自分の身を守ることも忘れずにな?」

 

吹き飛ばされたメストを心配してレインから目線を反らしたウェンディの背後に彼が忍び寄り、忠告を踏まえた声が彼女に届くと同時に右手を手刀の型へと変え、ポスッと頭に落とす。

 

「あぅ…!?」

 

「ふむふむ……。ウェンディ、頬っぺた柔らかいな~」

 

にゃにしゅるんでしゅか(何するんですか)…!?」

 

頭にチョップを入れられたウェンディが両手で頭を押さえた隙を狙い、レインは彼女の頬をつまみ、フニフニと触る。意外と伸びたり、柔らかいことに驚きつつ、感触を楽しむ。

当然そんなことをずっとしている訳にもいかず、少し怒ったウェンディが反撃をするべく、空気を吸い込んだのを見て、距離を取る。

 

「うぅ~……/// 天竜の…咆哮ォ!!!」

 

「うわっ……と――って危なッ!?」

 

顔ギリギリを狙った咆哮で頬に小さな傷を付けられるものの、それを避ける。避けられたことに驚いたウェンディだったが、突然自分の視界がクルリと一回転することに気がつき、直後にお尻をドシンと地面に打ち付けた。

 

「あぅっ!?」

 

「足元も注意しないとな、ウェンディ。あと、頬っぺた柔らかいな~」

 

「もう/// ふざけてるんですか!?」

 

「ん? 別にそんな訳ではないけど? そろそろメストも復帰するだろうし、一旦距離を……!?」

 

ヒョイヒョイとウェンディの攻撃を避け、後ろに下がるレイン。しかし、彼の言葉を遮るように、足元には攻撃を仕掛けようとしていたメストが準備しており、彼の拳がレインの喉元目掛けて放たれる。

――だが

 

「――ま、及第点ってところか……」

 

スレスレでそれを躱し、その反動を生かし、レインは頭を下にするように一回転し、両手で地面に手をつくと、そのままヘッドスピンを開始した。

 

「なっ!?」

 

「すごい……」

 

「ほらよッ!!」

 

ヘッドスピンにより、勢いがついた蹴りがメストの胴に直撃し、あまりの勢いのせいか、彼は再び吹き飛ばされる。

綺麗な反撃を決めた後、両手で地面を押し上げ、上手いこと起き上がると、頬についた小さな傷から流れた鮮血を手で拭い、息を吐く。

 

「ふぅ……。流石に至近距離の咆哮は避け切れなかったかなぁ……。メストもさっきのは良かったぞ~。あとは攻撃をどう当てるかの正確さ、攻撃自身の速さだけだな」

 

「ぐっ……。なんて強さだ……」

 

「大丈夫ですか、メストさん」

 

戻ってきたメストに近づき、ウェンディは治癒魔法で彼の傷を癒す。緑色の光が彼の傷の付近を覆い、すぐに見えていた傷は塞がった。

 

「ありがとう、ウェンディ」

 

「いえ、こちらこそです。――ここからですね、メストさん」

 

「ああ」

 

態勢を取り直した二人が構え、レインを見据える。先程とは目の色が変わったのを感じ、試験官であるレインもまた、嬉しそうに笑うと、次は構えを一切取らず、指先を曲げる。

 

「挑発しているのか…!?」

 

「(あの動き……前にも見たような……)」

 

記憶の片隅で思い当たる何かが出掛けたウェンディがそれを思い出そうとするが、――少し遅かった。となりにいたメストは警戒しつつも、レインに迫っており、自分が反撃しやすいように軽い攻撃を彼へと向けていた。

その瞬間、以前見たある光景が既視感(デジャヴ)としてフラッシュバックを起こした。天狼島に来る二週間前の稽古で見せた、カウンターのパターンを。

 

「メストさん、気をつけて!!」

 

「――ウェンディ、思い出すのが少し遅いな。あとメスト、油断大敵だ」

 

メストの放った拳が簡単に躱され、隙だらけの二の腕をレインが掴む。たった一瞬で腕を掴まれたメストは驚愕したが、彼の視界はグルリと一回転を起こした。

掴んだ二の腕を利用し、メストを自身の背へと回すと同時に勢いよく巴投げを放ったからだ。

ドシンと背中を打ち付け、視界が一瞬だけ赤く染まるメスト。援護に入ろうとしたウェンディが視界の端ギリギリでレインによって足をかけられ、転ぶところが見えた。

 

「反撃っていうのは攻撃の次いでにやるもんじゃない。反撃は反撃単体でこそ生きる。隙だらけの攻撃なんぞオレにはただ“殴ってください”と言わんばかりにしか見えないな」

 

「…なんてヤツだ……」

 

「うぅ~……、やっぱり手加減してませんか、レインさん!!」

 

いち早く起き上がったウェンディが試験官の彼に向かって叫んだ。確かに攻撃らしい攻撃を彼はウェンディに加えていない。

それどころか、ただ遊ばれているようにしか見えないのも現実である。それなら、確かに彼女が起こる理由は明確だ。

しかし、レインは悪びれもせずに、答える。

 

「別に攻撃していない訳じゃないぞ?」

 

「嘘ですよね。さっきからわたしの頬っぺた触ったり、転ばせたりだけじゃないですか!?」

 

「――いや、すでにウェンディはオレの魔法を受けてるけどな」

 

そう呟くと同時にウェンディの動きが突然止まり、身体がプルプルと震えながら硬直した。驚愕する彼女の首や腕、足には蛇のような紋章が浮かび、まるで縛り付けているようだった。

 

「な…なんですか……これ…」

 

「“拘束の蛇(バインドスネーク)”。捕まったジェラールが使っていた魔法の一つでな。一定時間、対象の動きを完全に封殺する魔法だ。頬っぺた触ってた時に使わせてもらった」

 

「うっ……動けない……」

 

「まあ、普通にはそれ壊せないしなぁ……。――さて、と。ウェンディは一時的に戦闘不能。正直なところ、すでに試験終了してる訳なんだけどな」

 

「なんだと、そんな訳が……ぐっ!?」

 

同じくしてメストの身体にもウェンディと同じ紋章が浮かび、二人して動けなくなる。恐らくだが、先程の巴投げの時に付けられたモノなのだろう。

二人揃って動けないことを確認し、試験官の彼はため息をついた後、どうしようかと考え込もうとして一度距離を取り直した。

先程まで彼がいた地面が突然風のブレスによって抉られたからだ。その瞬間から、レインの彼らを見定める目付きが一変した。

 

「そういや、そうだったな。――ウェンディは“静”。状態異常無効化(レーゼ)…か。支援特化型だったのを忘れてたな、もう少しで食らうところだった」

 

「わたしだって、戦えます。甘くは見ないでください」

 

ウェンディの目付きは力強く前を見据えたそれへと変化し、その目からレインは彼女にも覚悟があることを悟った。確かに少し手加減していたのかもしれない。

遊びすぎていたのかもしれない。――なら、少しぐらい見せてもいいだろう。

その判断がレインの中に渦巻いていた躊躇いの鎖にヒビを入れ、自身の中で眠っている悪魔としての破壊衝動の一端が力の制限を一つ上に持ち上げた。

 

「分かった……。――なら、怪我することは承知しておけ…挑戦者(チャレンジャー)共。これより先は次の世界へ(今より先の魔導)の一端だ。生半可なもんじゃないことを理解しておけ……」

 

静かに。ただ静かに忠告する彼の姿。一見は物静かな者が忠告してくる様子と酷似しているだろう。しかし、明らかに違う。

彼から溢れ出るのは高密度、高濃度、高出力の魔力。溢れ出る魔力が彼の実力、実績、背負った覚悟の大きさ、未来を望むことへの渇望、培ってきた多くの経験を具現化している。

それこそが彼。それこそがレイン・ヴァーミリオンであることの証明なのだろう。ならば、自分たちも覚悟を示さなければならない。

少しでも届かせなければならない。彼の言う通り、今まで自分たちが見てきた魔法――魔導の世界はあくまでも端っ子に存在する下級のものから中級のものだろう。

いくら太古の魔法(エンシェントスペル)、いくら失われた魔法(ロストマジック)と言えど、使うものの経験、実力でその威力と出来ることの幅は大きく広がる。

目の前にいる彼はウェンディの知らない先を知っている。だからこその忠告であり、彼自身が門番なのだ。

――それだからこそ……

 

「わたしも知りたい……。レインさんやナツさんのいる場所(せかい)まで…!!」

 

「オレもここで終わるつもりはないさ。悪いが、通らせて貰おう…!!」

 

力強い瞳を見せ、全身全霊をかけると言わんばかりの二人の姿に、レインは正直なところ胸を打たれていた。この二人なら、合格を言い渡してもいいと。

しかし、試験官であり、この島の間接的な管理者でもあるレインとして……認められない。理由など明確だ。

 

 

 

 

 

――そこにいる者が《妖精の尻尾(フェアリーテイル)》の者ではないから、ただそれだけ。

 

 

 

 

 

 

 ――◆――◇――

 

 

 

 

 

 

目を開ければ、そこにはいつもの優しい兄の姿があった。苦笑しつつ、彼は何かをしていた。怪しげな何かではなく、暖かくて優しい力を自分に与えてくれているような感覚が身体に染み込む。その感覚に目を覚ましたばかりの少女――ウェンディは思わず眠ってしまいそうになったが、何とか意識をハッキリとさせた。

 

「……ここ…は…?」

 

「さっきいた所と変わってないよ、ウェンディ。まあ、気絶してただけだったしな」

 

「…気絶……? …なんで……」

 

呟いた瞬間に、目を覚ましたばかりのウェンディの脳内である光景が微かながらも再生されるように出てきた。

 

飛びかかっては軽々と返り討ちにされ、身体に傷を作っている自分とメストの姿。

 

無表情のまま、襲いかかる自分たちをあしらい、強烈な反撃を一撃ずつ入れるレイン。

 

最後の最後まで力を振り絞り、二人同時に襲いかかるが、見事にスレスレの所を躱され、力尽きかけた自分たち。

 

そして……

 

 

 

恐怖を抱くしか無いほどの強烈で強力で強大な彼の魔力による絶対的な絶望感。身体の中に溶け込み、身体能力全てを凍りつかせ、動きを完全に封殺してしまうような戦慄が全身に走った時の気味悪さ。

自分の魔力とは比較にならないほどの強大さ故に自意識が朦朧とさせられた感覚。それから伝わったのは冷たく硬い地面の感触。

 

「…あ……」

 

負けたのだ。完膚なきまでに。最後の最後、とんでもない威圧による失神で、自分たちは気絶していたのだ。あれからどれほどの(とき)が過ぎたのだろうか。

それほどまでに記憶の断絶がある気がするが……不思議と長い時間気絶していたような感覚がしない。浮かび上がる疑問で思考がフル回転を始めようとした時……、目の前にコップが差し出された。

 

「まだ眠たいんじゃないのか? それでも飲んでゆっくり休むのも一つの手だ、ウェンディ」

 

「……ありがとうございます。頂きます」

 

礼を告げ、ウェンディはコップに入った液体を口に含む。思ったよりも冷たいことに驚いたが、それがただの水であることに気がつくと、すんなり飲み込めた。

キョトンとした彼女の姿を見て、渡した本人も何故かキョトンとしており、首を傾げていた。――が、すぐに何かを理解し、頭を抱えてため息をついた。

 

「なんで水を渡したんだ、オレ……。こう言う時はやっぱり回復力促進の効果が期待できる飲み物なのに……。はぁ……、怪我人の始末くらいつけないと行けないのに」

 

「あ、あの……。レインさん……?」

 

「ん? どうかしたのか、ウェンディ」

 

「えっと……、これ美味しいです」

 

視線を落とし、手に持ったコップの中身を見る。その様子を見て、レインも静かに息を吐くと、小さく呟いた。

 

「途中、手加減出来なくなった。ごめんな、ウェンディ。身体、痛まないか?」

 

「大丈夫です。ちゃんと治療してくれたんですよね、レインさんが」

 

「まあ、結構簡素だけどさ。メストの方は気絶したままだ。――いや、その方が良いかも知れないな」

 

「え……?」

 

ふと呟いたレインの言葉が飲み込めず、ウェンディは首を傾げる。だが、彼の雰囲気は変わらないのに何故か緊張感が空気を通して彼女にも伝わった。

ゆっくりと口を開き、レインはその言葉の理由をウェンディに伝えた。

 

 

 

 

 

 

「メストは《妖精の尻尾(フェアリーテイル)》のメンバーでも、ミストガンの弟子でもない。ギルドの内部を探りにきた評議院の一人だ」

 

 

 

 

 

 




さて、次回はメスト追っかけよ~♪ですね。まあ、途中で……なんでもないです。

前書きに書いたように作者に皆様のオリキャラをお願いします。本当に作者は

並みの方よりも平均して能力地低いです。運動なんて水泳以外何にも出来ません。

まあ、そんな作者ですが、頑張っていきます。次回は何と50話目です。やったぜ。

始めた日からそろそろ3ヶ月と¼が経過しました。まあ、それでも作者は元気に頑張ります。

次回もご期待あれ。
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