人は何かを目標に生きている。
それが達成されればそれは爽快
できなかったらなんか不快だ。
…とまではいかなかったりするけど
後味は残るかな。
私は、忘れた。
前にはあった。何故か忘れた。
こんなアラガミの徘徊する世の中で生きる事を考えないといけないのに
私はずっと喉の奥が引っ掛かってる感じがする。
ー贖罪の町ー
「…これで最後、かな。」
最後のアラガミが死んだのを確認し、黄色いの神器使い、ハルオミは神機を肩に乗せる。
『ハルさんのアラガミで最後になります。付近にアラガミの反応はありません。第一部隊、第四部隊の皆さんお疲れ様でした。』
耳に付けた通信端末からオペレーターのヒバリの情報報告が聞こえてくる。
「お疲れ、帰投地点は何処だ?」
『現在、帰投のヘリをエリアCに向かわせています。第一部隊、第四部隊はエリアCに合流して下さい。お帰りを御待ちしてますね。』
「さてと、行くか…。」
ハルオミは帰投地点に向かって歩き出した。
「あっ、ハルさーん!こっちです。」
ハルオミが帰投地点に着くとピンクポニテの女性が手を振って呼んで来る。
「カノンお疲れ、どうだった?今日の戦果は。」
ハルオミがそう聴くとカノンは難しそうな顔をした。
「はい、ええと、いつの間にか終わってました。」
「おぅ、そりゃ残念だったな…。」
その報告に「またか…。」と思い周りを見渡す。
「照れることはないぞ、我妹エリナよ。騎士にも休息の紅茶は必要だぞ。」
「エミール煩い!それにこの後ムツミちゃんと用事があるって言ってるでしょ!」
「あぁもう、二人とも言い争いは帰ってからにしろ。」
視界には相変わらず第一部隊のエミールとエリナは言い争いし、それを第一部隊隊長のコウタが止めている。更に横を見ると、目的の人物を見つけた。
「…モグモグ…。」
瓦礫の上に座り神機を地面に置いて持参したおでんパンとやらを少女は食べている。旨いのか、それ。
「よぉ、どうだった?カノンの戦果は。」
「…この姿を見れば分かると思いますが?」
よく見ると服のあっちこっちがボロボロになっている。誤射姫、今回も現るか。
「敵味方の攻撃の嵐、お腹空きました。御飯奢ってください、ハルオミ教官。」
最後に皮肉を付けられた、手厳しいな。さっきまで食べてたおでんパンがいつの間にか無い。
「ほんじゃさっさと帰って、カノンも一緒に…。」
『第一部隊、第四部隊。付近にアラガミ反応を感知。警戒して下さい。』
通信端末から来た内容に全員が神機を構え直す。
「ヒバリさん、何処から来るんですか。」
『南西方向から来ます。大型種1つ、中型種2つ。一緒に来ます。』
「…はぁ、ハル隊長。」
「なんだい…。」
「奢り、2倍分頂きます。」
そう言って彼女は紫色のバスター型神機を片手で振り上げ 先端の"塊"を先程座っていた瓦礫に合わせて降り下ろした。瓦礫は重い音と振動と共に砕け散った。
「お、御手柔らかに、頼みます…。」
俺の財布があの瓦礫と一緒になりそうだな。
彼女の名前は香月マリ
第四部隊新人の今にも俺の財布を食い潰そうとしハンマー型バスター神機を操る腹ペコ大魔人少女だ。
追記…俺の財布の前にアラガミの顔面が完全に陥没していたと述べておく。