東方お仕事記   作:TomomonD

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今回は、unicorn様、二里ツカサ様のお二方とコラボさせていただきました。
ありがとうございます。

このままのペースだと夏が終わってしまう!
しかし、速度を上げると、せっかくコラボしていただいたのに、内容が薄くなってしまう……。(いや、手遅れかも……)
な、何とかしないと、本格的にマズイ。

まだ、自分のコラボキャラクターが出ていないという方。
ただいま全力で書き上げております。
寛大な心でお待ちいただけると、作者である私も心が休まります。
もう暫し、お待ちください。


unicorn様、二里ツカサ様。
なにぶん、拙い文章ですので、修正箇所等がありましたら、メッセージをいただけると幸いです。


夏季特別企画六話 三姉妹ではない、別世界でもない

博麗神社の中に連れ込まれた一璃菜。

流石に一十百が着替えを手伝うわけにもいかなかったので、霊夢に頼んだようだ。

その間、一十百は外で待つことにした。

 

「……勝ったわね」

「な、何の話よ?」

「何でもないわよ~」

「さっきから、ある一部分しか見てないじゃない!」

なにやら、霊夢と一璃菜の話し声が聞こえる。

着替えに勝ち負けなんてあるのかなぁ?

 

そんなことを考えていると、なぜか勝ち誇ったような表情の霊夢と、ムッとした表情の一璃菜が出てきた。

一璃菜の服装はしっかりと浴衣に変わっている。

紺色の布地に賽子が描かれている、ちょっとした賭博少女を思い浮かべる浴衣だ。

「一璃菜。よく似合ってるよ」

「え? あ、ありがと……じゃなくて!」

一瞬頬を染めた一璃菜だが、何か文句を言いたくなったのか、ダンと一度大きく地面を踏む。

そして、いつものように足を抱えて蹲った。

 

「……くぅ」

「いい加減学習しなさいよ。妖怪『むねたりない』さん」

「なあっ!! 私は妖怪『いちたりない』よ!!」

キッと一璃菜は霊夢の事を睨み付ける。

霊夢は何食わぬ表情でその視線を受け流す。

 

「えと、一璃菜。何か言いたいことがあったんじゃ?」

「そ、そうよ! なんで、アンタは私の、その……た、体型を、しってるのよ」

「えっ? 見ればわかるけど……」

「ななな、何よ、それっ!!」

バッと胸を隠すように両手をクロスさせる。

そして、じーっと一十百の事を睨み付けた。

「も、もしかして、その、スリーサイズとかも……筒抜けだったりする?」

「上から7……むぐぅ」

一璃菜が慌てて一十百の口を抑える。

「だだだ、誰にも言うんじゃないわよ! いい!!」

一十百がコクコクと首を縦に振る。

 

「ふぅ……。そ、それじゃ、私は畏れを集めに行くから」

そう言うと、一璃菜は足早に露店並びの方へと歩いていった。

一璃菜の姿が見えなくなると一十百がポツリとつぶやく。

「そんなに気にしなくてもいいと思うけどなぁ……」

「そういうのは人それぞれよ」

「そうなんですか……」

難しいですと言いながら、一十百は腕組みをするのだった。

 

 

祭りもかなり賑やかになってきた。

一十百の思っていたよりも多くの人が訪れているようだ。

人里の人間、幻想郷の妖怪、多数の妖精、そして異世界の方々……。

思いつきで始めた祭りは、すでに皆が楽しめる大きな祭りになりつつあった。

 

さて、そんな中、一十百は露店並びを歩いていく。

すると、変わった三人組が目に付いた。

一人は金色の髪、黒い薄手のロングコートを羽織った少年。

パッと見では、少年なのか、少女なのか、ほとんど分からない容姿だ。

もう一人は銀色の髪のポニーテールの女性だ。

背丈は金色の髪の少年とあまり変わらないくらいで、青色のチェックの洋服を着ている。

最後の一人は、銀髪の三つ編み。

他二人に比べると、とても背が低く、黒い布地に水玉模様のワンピースを着ている。

 

三人とも幻想郷に売っている服とは違う……、という事は、お客様?

一十百はそう考え、三人のほうに歩いていく。

別世界の人をこの祭りに招待したのは一十百自身。

故に、なるべく出会った異世界の人には挨拶をしているのだ。

 

「あの~……」

「うん? なんだ?」

金髪の少年が振り返る。

やはり、幻想郷の人々とは少し雰囲気が違う。

異世界人特有の雰囲気のようなものを纏っている。

「えと、もしかして、大きな花火を見て、来てくれた方ですか?」

「あァ、そうだが……」

どうやら、思っていた通り異世界からのお客のようだ。

一十百は片手を胸に置き一礼する。

 

「秋夏祭りにようこそ! 主催者の一十百です」

「俺は、鈴科 七月輝。それで、こっちの二人が……」

「鈴科 月光です」

「鈴科 月影だよ」

そう言って三人が自己紹介をする。

 

三人とも、すでにこの祭りに来てからそれなりに経っているようで、月影の手にはリンゴ飴とかき氷、月光の手には焼きイカが握られていた。

「お祭りを楽しんでいただけているようで、何よりです」

「せっかく来たンだ。楽しめるだけ楽しんでいくさ」

かき氷を持っているという事は、チルノの露店に行ったようだ。

チルノの事が少し心配だったけど、ちゃんとできているみたいで一安心。

やっぱりまかせて正解だったみたい。

一十百はホッと胸をなでおろした。

 

 

「そういえば、えと、皆さん同じ苗字ですけど、兄妹でしょうか?」

一十百が何気なく尋ねる。

七月輝は少し考え、口を開いた。

「いや、月光と月影は俺の愛刀の付喪神だからなァ。兄妹ではないが、家族ってところだな」

「なるほど……」

 

そんな話をしていると、月光と月影が少し驚いた表情をしながら一十百に話しかける。

「珍しいですね……。お兄様の性別を間違えないなんて」

「お兄ちゃんって、いつも女って見られるもんね」

ある意味、同じ悩みを抱える一十百だからか、性別を間違う事はなかった。

しかし……。

「ま、まあ、確かに美少女……にも見えますけど、それはそれでいいんじゃないでしょうか?」

フォローの仕方を間違えたようだ。

七月輝はがっくりとうなだれると、大きくため息を吐いた。

「……せめて、カッコよく見られたいンだが」

 

立ち話をしていると、七月輝の袖がくいくいと引かれる。

引っ張ったのは月影。

どうやら、次の露店へ行きたいようだ。

せっかくの祭りの中、立ち話で時間を費やすのは少しばかりもったいない。

「あ、立ち話で時間を費やすのはちょっともったいないですね。それでは、お祭りを楽しんでください」

「うん! お兄ちゃん、はやく行こう!」

「お、おい、そんなに引っ張るなって。ま、そういう事で、それじゃな」

七月輝は軽く手を振ると、月影に引っ張られるような形で露店の方へと向かっていった。

それに付き添うように、月光も歩いていった。

 

 

七月輝たちと別れた一十百は露店並びを歩いていく。

自分で企画した祭りなのだが、どこにどの露店があったかまでは覚えていない。

印象深い露店は覚えているのだが、他は曖昧だ。

そろそろ、祭りも本番。

お客も十分集まってきたので、すべての露店を開こうと露店並びを走る。

 

そんな中、一十百の視界の隅に変わった影が映る。

足を止め振り返る。

すると、幻想郷らしからぬ格好の少年が露店並びを歩いているのが見えた。

色の抜けた白い髪が印相的だが、Tシャツに長ズボンという、外の世界の格好だ。

別世界のお客であることは間違いない。

となれば、挨拶するのが礼儀。

 

一十百が駆け足で近づく。

「こんばんは。別世界からのお客様ですよね?」

「別世界? ……ああ、まあ、そうなるのか」

何やら、今までの人たちとはちょっと違った反応だ。

「あれ? えと、別世界の幻想郷から来ていただいた方……じゃないんですか?」

「いや、ちょっと違うな。外の世界から来た、外来人って奴だよ。大きな花火が上がったと思ったら、こっちに来てたんだ」

「えっ!? 僕の打ち上げた花火って、外の世界にも届いているんですか」

 

別世界のお客様を呼ぼうと思って打ち上げた花火は、どうやら外の世界にも影響したようだ。

つまり、今日初めて幻想郷に足を踏み入れる人もいるのかもしれない。

そんな人たちにも、このお祭りを楽しんでほしいなぁ。

 

「あっ、自己紹介が遅れました。僕は一十百、今回のお祭りの主催者です」

「俺は日向 煉。まあ、さっきも言った通り外来人だ」

二人が自己紹介をしていると、足元に何かが転がってきた。

細やかな彩色がされたボールのようなものだ。

「これは手鞠でしょうか?」

「転がってきた方から考えると……、あの子か?」

視線の先には、辺りを見回している小さな女の子がいる。

落としたであろう手鞠が人ごみに紛れて見つからなくなってしまったのだろう。

日向煉はそっと手鞠を拾い上げると、その女の子の所に歩いていった。

 

「ほら、この手鞠。君のだろう?」

「あ、うん! ありがと、お兄ちゃん!」

少し屈んで、日向煉は手鞠を女の子に渡す。

女の子はにっこり笑うと、鞠をつきながら別の露店の方に向かっていった。

「次は気をつけろよ~」

日向煉は軽く手を振る。

それを見て、一十百は嬉しそうに微笑む。

やっぱり、今日のお祭りにいらっしゃる方々は、皆さんとても良い方達です。

お招きしたかいがありました。

 

「煉さんはこれからどうします?」

「そうだな……。まあ、別に急いでるってわけでもないし、せっかく来たからな。いろいろ見て回ることにするよ」

「わかりました。ぜひお祭りを楽しんでいってくださいね」

「ああ!」

日向煉はそのまま博麗神社本堂の方に向かっていった。

 

 

さて、一十百が別世界の三人や外の世界からのお客に会っている頃……。

浴衣姿になった一璃菜は一十百とは別の露店並びの辺りを歩いていた。

「まったく、あの巫女……。べ、別にいいじゃない、大きくなくたって……」

自分で言っていて悲しくなったのか、少し項垂れて歩いていく。

 

妖怪『いちたりない』として、畏れを集められるようなそんな露店を探す。

くじ引きとか、賽子とかでおまけしてもらえる露店がベストなんだけど……、ないわね。

少し残念そうにあたりを見回す。

 

その時、自分の横を金髪の少女が歩いていった。

すれ違う時、ハッとする。

明らかに人間とは違う気配が通り抜けていったのだ。

妖怪だからこそ分かった、強い気配。

 

一璃菜は、足を止め振り返る。

背丈はそれほど高くない。

金色の長い髪が腰まである少女だ。

「か、関わらないほうがいいわね……」

一璃菜はその場から駆け足で去っていった。

金色の髪の少女は辺りを見回すと、フッと微笑んでゆっくり露店並びを歩いていった。

 

 

「まったく、さっきのは何なのよ」

足早にその場から離れた一璃菜はもう一度振り返る。

さすがに追いかけてくることはないだろうが、一応確認といったところだ。

先ほどの金色の髪の少女は人ごみに紛れて見えなくなっていた。

ほっとして、一璃菜は歩き出す。

しかし、いきなり歩き出したのがまずかったのか、ドンと人にぶつかってしまった。

 

「いたた……。どこ見て歩いてんのよ!」

「いや、突っ込んできたのはお前さんだろう?」

「ま、まあ、そうとも言うわね」

確実に自分の方に非があるので、視線を合わせないようにする。

ぶつかった相手は、やれやれと言ったように軽く一璃菜の頭を撫でた。

「ちょっ……」

「これだけ人が多いんだ、気を付けたほうがいいぞ」

そう言ってぶつかった相手は自分の進んできた方向とは逆の方へと向かっていった。

突然のことで顔は見えなかったが、夕焼け色の長い髪の男性だという事だけは分かった。

まったく、なんなのよ、ほんとに……。

一璃菜は小さくの文句を呟きながら、露店並びを歩いていった。

 

 

同じころ、アリスの露店では……。

「こんな人形作ったかしら?」

「ダカラ、オ前ガ御主人ジャネエッテ言ッテルダロ!」

「自立思考してるし……」

「オイ! 話ヲ聞キヤガレ!」

緑色の髪の人形と話し込むアリスの姿が見受けられたそうな。




今回の出来事・一十百メモ帳より抜粋

異世界のお客様5:鈴科七月輝、鈴科月光、鈴科月影の三人です。月光さんと月影ちゃんは付喪神で、元は七月輝さんの刀だったそうです。三人ともとても仲のいい家族です。七月輝さんは一見すると女性に見えますが立派な男性だそうです。同じ悩みを持つ者として頑張ってほしいです。by一十百  どうしても、女に見られるンだよな……。by七月輝  お兄様は今のままで十分だと思うけれど……。by月光  今のままでいいと思うよ、お兄ちゃん!by月影

異世界のお客様6:日向煉さんです。Tシャツに長ズボンという外の世界の服装をした、白い髪の少年です。別世界の幻想郷から来たわけではなくて、外の世界から来た外来人さんです。困っている人がいたら、すぐに手を貸す優しい方です。by一十百  急いでないし、のんびりと露店を見て回ることにするよ。by煉
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