潮田渚はあるベッドの上で大の字になっていた。
誘拐されたわけでも、手足を縛れたわけでもない。
自分からそうしていた。
なぜ彼はベッドの上で大の字にならなければならないのか。
そしてその意味とは......。
少しヤンホモなカルマとなっております。
残酷な描写はありませんがご注意ください。
今までの僕の作品と比べると少しハードかもしれません(笑)
最後まで読んでいただけますと幸いです。
後日pixivにて誤字を再訂正したものを投稿します。
内容は変えるつもりはありませんが表現が変わる可能性はあります。
僕は今、ベッドの上に大の字で仰向けになっている。いや....させられている。
別に腕を縛られてたりとか体が痺れて動かせないとかではなくて、動けない。
カーテンは閉まっていて部屋は薄暗い。別に誰かに誘拐されてとかでもなくて......。
「ねぇ、渚くん。どうしてこうなっているか分かる....よね?」
ベッドの横にカルマ君が歩み寄る。
「う、うーー」
「どこ向いてんの?俺の方を見てよ」
カルマ君が僕の頭を鷲掴みにして無理やり目を合わせる。
「そう、渚くんは俺だけを見ていれば良いんだよ」
カルマ君がボソッと何かを言っていた。
どうして僕がこうなったのか。
こうさせられているのか....それはカルマ君の家に来る数時間前まで遡る。
僕とカルマ君は洋服を買いに洋服屋さんに来ていた。
僕は白いズボンをカルマ君は黒いワイシャツを探しに来ていた。
ズボンとワイシャツは別々の場所にあってお店がとても広かったから別々に行動することになった。
「じゃあ渚くん。また後でね!....あ、迷子になったらお店の人に言うんだよ?」
カルマ君が振り返って余計な一言を言う。
「なっ!ならないよ!!!」
周りにいたお客さんの視線が僕に集まる。
「す、すいません....」
僕は心の中で頭を下げた。
そして早歩きでその場を離れてズボンのコーナーに避難した。
僕は候補のズボン四つくらいに決めて試着室に向かおうとした。
ズボンを持ち直すためにしゃがんでいたら僕の頭の上から......
「お客様、お持ちしますよ」
と、声が聞こえた。
見上げて見ると若い男性が僕に手を差し伸べていた。
その人は茶色い髪で黒いズボンに白いワイシャツのシンプルな服装をしていた。
首から「及川」と書かれた名札をかけていたから、ここのお店の人だとすぐに分かった。
「えっと、大丈夫です。一人で持てます」
僕はズボンを四つ持って及川さんの正面に立ち上がった。
あ、この人カルマ君よりも少し背が大きい。体はカルマ君みたいに細いけど。
「そうですか。失礼いたしました。でもお客様、試着室はご存知でしょうか?」
その人は少し膝を曲げて僕の目線の高さに近づいた。
「....分からないです」
僕は周りを見渡してからそう答えた。
「では案内致します。ついでにそちらもお預かり致します」
「えっあぁ」
その人は僕の返事を聞く前にズボンを僕から取っていた。
「ではこちらです」
「は、はい。ありがとうございます」
及川さんは僕のとなり、よりも少し前に立って試着室へ進み始めた。
及川さんに案内されてあっという間に試着室にたどり着いた。
僕一人だったらどれだけ時間がかかっただろうと感じた。
「では、お客様こちらになります」
及川さんが試着室のレースを開ける。
「ありがとうございます」
僕は及川さんの腕の下を通って試着室に入った。
「試着するズボンはどうなさいますか?」
及川さんがズボンを両手に乗せて差し出す。
「ぼ、僕が持ってます」
「かしこまりました。ではこちらに置いておきますね」
僕が受け取ろうとすると及川さんは僕の足元にズボンを置いた。
「何かありましたらお声かけください。失礼します」
そう言うと及川さんはレースを閉めた。
僕は一人の空間になってホッとした。誰かに見られなくて安心した。
ううん、正確には違う。『誰か』じゃなくて『カルマ君』に見られなくてほっとした。
僕は
いつライオンが茂みから出てくるか分からない。
という、まるで草食動物のような気持ちだった。
特にワイシャツのコーナーを通る時は本当に怖かった。
だって、カルマ君にこの状態を見られたら何を思われる分からないから。
カルマ君は僕のことを大切に思ってくれていて、「好き」って思ってくれている。
だからこそなのかもしれないけどたまに、
だから僕はカルマ君の前ではなるべく人に冷たく接するようにしている。
僕もカルマ君を「好き」って思っているからカルマ君を裏切らないようにしたいんだ。
本当は及川さんにもっと暖かく接してあげたい。
優しそうな人だったから尚更そう思う。
けどそれは、カルマ君を裏切る行為になっちゃう。
だから二人きりで歩いている姿なんて見られてはいけない。
そのためにも速く試着してカルマ君と合流しないと!
僕は白を探しに来たつもりだったけれど選んだのは結局黒色。
やっぱり黒は何にでも合うよね!
白は僕には合わない気がしたし、赤は派手だし、青は上着で持ってるし....
僕は黒のズボンを履きながら鏡をじっと見つめていた。
「これにしました」
僕はレースを開けて及川さんを呼んだ。
「黒ですね!お似合いです!ではこちらは戻しておきましょうか?」
及川さんは僕の足元で雑に畳まれて置いてある三つのズボンをすくい上げた。
「あっ、お願いします」
「お客様、その前に裾のお直しを致しましょうか?」
及川さんが僕の足の指まで隠れているズボンを見ながら言う。
「え。あぁ。お願いします」
僕は見られて恥ずかしくなった。
「では、お客様。鏡の前に立ってください」
及川さんは持っていたズボンを置いてレースを全開にした。
僕は鏡の正面に立って足元を見た。
......僕は
「お客様、正面を向いてください。あ、こちら側です!」
鏡に映っている及川さんが手で向きを変えるようにジェスチャーしている。
「え!?あぁすいません!」
あれ?裾直しって店員さんの方を向いてやるんだっけ?
久しぶりに買ったから僕は忘れていた。
周りの試着室を見てみたけどそんな都合よく裾直しをしている人はいなかった。
僕の正面の試着室もその右も左も全部、レースが閉まっていた。
「では、失礼いたします」
及川さんが僕の腰より下にしゃがんで裾を調整しだした。
ち、近い!僕の腰の前に及川さんの顔がある。
「長さはこのくらいで良いですか?」
及川さんが僕のことを見上げる。
「え、はい!大丈夫です」
僕は足元を見てられなかった。
だって及川さんの顔が近くて恥ずかしかったから。
「じゃあここで止めておきますね。針を使うので動かないでくださいね!」
及川さんの顔が僕の足元を向く。
「はいっ」
僕は早く終わらないかなと正面を向いていた。
なんとなく目線を下げて正面の試着室に置いてある靴を僕は見た。
そして僕はそれを見て絶望した。
その靴には見覚えがあった。偶然であって欲しいと願った。
あの赤い靴は......カルマ君の靴だ。
僕は
あの靴はカルマ君の......。
だとしたらさっきからの及川さんとのやり取りは知られている。
ワイシャツコーナーにいないと思ったら、ここにいただなんて。
最悪のタイミングだ〜。こんなところ見られたら。
「お客様どうかしましたか?」
及川さんが僕のことを見上げていた。
「えっ!?いや!ななな、なんでもないです!」
僕は正面の試着室を気にしながら言った。
「そうですか。あ、止め終わりましたよ。このままレジまでお持ちください」
及川さんが置いてあった三つのズボンを持って立ち上がる。
「はっ、はい。ありがとうございます!」
「ではこちらのズボンは戻しておきますね!」
及川さんはそう言うとこの場から離れていった。
それと同時に正面のレースが半分開いて中から赤髪の....うん、カルマ君が出てきた。
僕もこの場から離れたかった。
「あ、かっ!カルマ君!偶然だね!僕は決まったよカルマ君はきき、決まった?」
僕は後ずさりしながら不機嫌であろうカルマ君に話しかけた。
「うん!決まったよ。ほらこれ、どう?似合う?」
カルマ君は真っ黒なワイシャツを僕に向けた。
それはカルマ君の心の状態が表れているような色だった。
まるで本気で怒った殺せんせーみたいに真っ黒だった。
「渚くん。楽しかった?俺はあの後一人だったんだよ?渚くん」
カルマ君はそう言いながら赤い靴を履いて僕の正面に来た。
「違うんだよ!あの人は店員さんで僕は裾を直してもらっただけ....で」
「ふ〜ん。でも一緒に歩いてここに来たよね?裾を直す時に呼べば良いよね?」
カルマ君は靴を履いたまま僕の試着室に入って来てレースを閉じた。
「た、確かにそうだけど僕ズボンを一人で持ちきれなくて....」
僕は鏡に背中が付いた。もう後ずさり出来ない。
「一人で持てなかった?なんで買い物カゴを使わなかったの?ねぇ?」
距離を詰めてきたカルマ君の息が、僕の鼻に当たる。
「うぅ....カルマ君ご、ごめんね!でも僕は及川さんのことなんともーー」
カルマ君の腕が僕の左耳を
カルマ君は鏡に両手をついて僕の頭を挟んだ。
「渚くん。今なんて言ったの?オイカワさんって、なに?」
しまった!つい、心の中の声で喋ってしまった!
「えっと....さっきの店員さんの名前です」
「なんで俺の前で俺以外の
カルマ君の表情は優しいままだけど、目は人を襲うような魔物の目だった。
「ご、ごめんなさい。僕はカルマ君だけが好きだから!安心して!」
「あの店員さんの名前を心でそう呼んでいたから」なんてことは言えなかった。
「.....そう?なら今は許してあげる」
カルマ君の両手が鏡から離れた。
「ありがとうカルマ君」
「うん、今はね。....早くそのズボン履き替えてレジ行くよ」
今はってことはまだ許してくれてないんだな。
でも、とりあえず普通のカルマ君に戻って安心した〜。
僕はカルマ君がレースの方を向いている間に元のズボンに履き替えた。
「カルマ君?着替え終わったよ」
僕はカルマ君の背中を呼ぶ。
「ん?あぁ、じゃあ行こっーー」
カルマ君が僕の方に振り返った時
「お客さま〜?どうかしましたか?大丈夫ですか?」
及川さんの声がレースの奥から現れた。
まずい!今レースを開けられたら変に思われてしまう。
それにカルマ君が何をするか分からない。
僕は「大丈夫でーす!」って言おうとした。
けどカルマ君が僕に近づいてきて耳元で
「ちゃ〜んと返事しないと、ダメだよ渚くん」
と言った。僕には意味が分からなかった。
「えっ!?カルマ君それってどういうこと?」
僕が質問するとカルマ君はニンマリと笑ってこう答えた。
「ん〜?こういうこと」
カルマ君はそう言うとあっという間に僕の唇にその閉じた口を当ててきた。
「んんっ!」
僕は色々言おうとしたけど鼻から高い音が漏れるだけだった。
「お客さま〜!平気ですか〜?」
及川さんにレースをめくられるのも時間の問題だと思った。
「はは、渚くんほらオイカワさんにちゃんと返事して」
カルマ君の熱い息が顔にかかる。
僕は呼吸を整えるのに精一杯で返事を言えなかった。
「しょうがないな〜。俺が返事を言わせてあげるよ」
カルマ君は僕の左肩に右手を置いた。
「へっ?ど、どういう....」
「ん〜?こうすれば声!出るでしょ!」
カルマ君は左手で僕の胸を服の上から摘んだ。
「ひゃっ//」
「良かったね渚くん。いい声出せてたよ?」
「スースー」と僕は呼吸をすることしか出来なかった。
「あ、お客さま!大丈夫ですか?」
「だっ、だいじょうぶです。すぐに出ます」
僕はなんとか声を出した。
「そうでしたか。失礼致しました」
及川さんの足音が移動していった。これでなんとか一安心。
僕はその場に座った。
「渚くん、痛かった?」
カルマ君が僕の前にしゃがむ。
「え、ううん。平気だよ。いきなりでビックリしただけ」
本当は少し痛かったけど今は我慢だ。
「渚くんほんと乳首弱いよね〜」
カルマ君が僕の胸を見ながら言う。
「ちっ、ちくびとかそういうことは言わないで!」
僕は胸を両手で隠した。
「も〜渚くんは子供だな〜。ほら、レジ行くよ」
「子供じゃないよ」
僕は立ち上がってズボンを持ちカルマ君の案内でレジへ向かった。
幸いなことにどの店員さんにも声をかけられなかった。
多分カルマ君がそういうオーラを出していたからかもしれない。
「求めていた服買えて良かったね〜!」
僕たちはお店を出て帰り道を歩いていた。
「そうだね。ところでさこの後俺の家に来てくれない?」
カルマ君は拒否権を与えないような目で見てきた。
「え、うん。行きます」
「ありがとう渚くん!俺今日はまだ渚くんと一緒に居たかったんだ」
カルマ君が夕日を見ながら笑う。
なんだそれならもっと気軽に言ってくれれば良いのに。
あんな怖い目で脅さなくても僕は断らないよ。
「ぼ!僕も!まだカルマ君と一緒にいたい!」
こうして僕はカルマ君の家に向かった。
「おじゃまします」
カルマ君がドアを開ける。
「あぁいいよ。親いないから」
カルマ君がドアを閉めながら家に入った。
「俺の部屋に来て」
カルマ君は後ろから僕の腕を掴むと目指す場所へと引っ張った。
「じゃあここで大の字になってて」
「うわっ」
僕は腕を引っ張られたままベッドへと放り投げられた。
「渚くん。許すのはもう、終わったからね?」
カルマ君の目は魔物に戻っていた。
僕は全てを察した。これからが本当の
「じゃあ俺手を洗ってくるから。そのままで待っててね」
カルマ君が不機嫌そうな低い声で言う。
「は、はい....」
僕はこれからどうなるのか不安だった。
それと....「早く仲直りしたい」と思った。
「ねぇ、渚くん。どうしてこうなっているのか分かる....よね?」
戻ってきたカルマ君はそう言うと首を横に曲げた。
首の骨が折れたんじゃないかと心配になるくらい素早かった。
僕は怖くてカルマ君を見ていられなかった。
「う、うーー」
「どこ向いてんの?俺の方を見てよ」
カルマ君はボールを片手で掴むように僕の頭を鷲掴みにした。
そして僕の頭を自分の方に向けた。
「そう、渚くんは俺だけを見ていれば良いんだよ」
カルマ君は口を動かして何かを言っているようだった。
「カルマ君、ごめんね!僕ほんとうにあの
僕はカルマ君に誤解を解いてもらいたくて目で訴えた。
「渚くん。そんなのは当たり前だよね?」
カルマ君が僕の頭をさらに強く握る。
「うっ....カルマ君のこと好きだよ!好きだから!大好きだよ!」
髪の毛も掴まれて痛かったから「痛い」って叫びたかった。
でも僕は気持ちを伝えた。
「....渚くん。ほんと?ほんとうに俺のことだけが好き?」
カルマ君の手が僕の頭を離れて
今度は優しく撫でるように触れてくれた。
「うん!ほんとうだよ!カルマ君以外に好きな人なんていないよ!僕はカルマ君だけが好きだよ!」
あんまり大きな声では言えなかったけど、なんとか聞こえる程度には言えたと思う。
カルマ君は頬に触れたまま僕の顔から目を逸らしていた。
「......じゃあさ、渚くん」
カルマくんは僕の体を見ながら口を開いた。
「んっ?なにカルマ君?」
気のせいかもしれないけど少し嫌な予感がした。
「俺にしか見せない渚くんを見せてよ。そうしたら俺、安心するからさ」
カルマ君は両手で僕の頬に触れた。
その両手はいつもは温かい筈なのに冷たかった。
まるで、血が通ってないんじゃないかと思うくらいに。
「えっ!?カルマ君にしか見せない僕?....でもどうすれば良いか分からないよ」
「簡単だよ渚くん。俺の
カルマ君の目と口が虹のような形になった。
これは悪いことを考えいる時の顔の中でも最上級だと僕には分かった。
だってこんな不気味な笑顔は初めて見たから。
「か、カルマ君のものになるってど、どうすれば良いの?」
僕は冷たい手を感じながら恐る恐るに聞いた。
「ん〜っとね。俺が
カルマ君は手を離すと、僕の左腕を枕にするようにしてベッドに横になった。
左腕はカルマ君の髪の毛でチクチクした。
時々触れるカルマ君の耳や肌はヒンヤリとしていて少し気持ち良かった。
「かっ!カルマ君!ちち、近いよ!」
カルマ君は動いてないけどその顔が徐々に近づいてくるように感じた。
「別に近くないよ渚くん。もしかして俺と近距離は嫌なの?そうなの?」
カルマ君は悲しそうな目を演じていた。
「違うよ!そうじゃなくてはずかしく....て」
腕に何か粘り気のある水分を僕は感じた。そして少しくすぐったい。
もしかしてとカルマ君を見たらその通りだった。
カルマ君は僕の腕を舐めていた。
反射的に腕を上げそうになったけどカルマ君が体重をかけていて出来なかった。
「カルマ君!?な!なにしてるの!?」
僕は当然質問した。
「.....んっ?これが俺にしか見せない渚くんだよ?他の誰も渚くんを
カルマ君は濡れている僕の腕を見ながら嬉しそうにしていた。
「そ、そうだけど....」
「渚くん。すぐに終わるから俺を安心させて。俺こうやって渚くんを感じないと不安になるんだ」
カルマ君が僕の腕を手で舐めるように触れた。
「カルマ君....不安にさせてごめんね。分かったよ。安心するまで僕黙ってるよ」
「すぐに終わる」と言っていた。
腕を舐めたり体に触れてカルマ君が安心して、僕を許してくれるならそれで良い。
と、思って僕はカルマ君の物になることにした。
それに僕だってカルマ君が好き。だから愛される行為をされるのは嫌じゃなかった。
「ありがとう渚くん。俺の方こそごめんね。痛いことはしないからさ安心して寝てて良いよ」
「えっ。あ、うん。寝れないとは思うけど目は閉じておくよ」
「ううん、口は閉じてて良いからさ目は開けておいて。渚くんの目、可愛いからさ」
カルマ君は僕の口に人差指を当ててそう言った。
多分もう「喋っちゃだめ」ってことだ。
僕は言われた通り目は開けて口を閉じた。
「じゃあ渚くん。今から俺の物ね」
左腕が軽くなったと思ったらカルマ君は起き上がった。
そしてベッドの上で立ち上がって僕を
起き上がったカルマ君は膝を曲げて僕のおへそ辺りを撫で始めた。
僕は無意識にお腹に力が入った。
するとカルマ君は撫でていた辺りに腰を下ろした。
「うっ」僕はお腹からこみ上げてきた息を漏らした。
カルマ君は全体重をかけずに座ってくれてるみたいだけど流石に重たかった。
今から何が始まるのだろうと僕は心配になった。でももう、戻れない。
僕の上にはカルマ君が乗っかっているし何よりさっき....「カルマ君の物になる」って約束したから。
「渚くん。ほ〜んと可愛いね。俺が今からもっと、可愛くしてあげるからね」
カルマ君は僕の顔を美味しそうな物を見るような目で見てきた。
「もっと可愛くする」ってどういうことだろう。
僕はどちらかというとカルマ君みたいにかっこよくなりたいんだけど....。
僕は少し楽しみだった。だって良いことをしてくれるんだと思ったから。
でも僕は異変に気がついた。カルマくんは僕の着ている服を手で舐め回していた。
そして着ているワイシャツのボタンを外し始めていた。
「なっ!....あ、ごめんね」
カルマ君は鋭い目で僕を睨んでいた。
そうだった。喋らないって決めたんだった。
「渚くんはこのままでも可愛いけど、
「やっ////うっ....ううっうっ」
カルマ君は薄い服の生地の上から僕の胸をハープを演奏するようになぞり始めた。
僕は声を出さないように必死に堪えた。
なぞられる度に背中が反射的に浮きそうになる、けどカルマ君の重さで出来なかった。
背中を浮かせた方がくすぐったいのを受け流せるから僕はそうしたかった。
くすぐったさが胸に蓄積していって僕は呼吸が荒くなってしまった。
「あっ!渚くん気持ちいんだね!すごい可愛い顔してるよ!」
僕はカルマ君の言葉は耳に入ってこなかった。
このくすぐったさに耐えることに僕は必死だった。
「あれ〜?渚くん。な〜んか俺のお尻に硬いものが当たってるんだけど?興奮しちゃた?」
カルマ君の右手が僕のおへその下辺りに触れているのを感じた。
「あっ!そこはだっ....ううっ」
「喋っちゃダメだよ渚くん。さっき約束したよね、俺の物になるって。物は喋らないんだよ?」
カルマ君は両手で僕の両胸をなぞり始めた。
僕はこれをされるとどうしても呼吸をするので精一杯になってしまう。
まともに言葉を発せなくなる。カルマ君はそれを勿論知っている。
「はっはっはっ」
「渚くん呼吸が荒いけど平気?苦しくなったら言ってね」
「あぁぁっ////」
カルマ君は今度は一本の指で僕の胸をドリルで掘るようにグリグリしてきた。
「ははっ!渚くん可愛い声だね!もっと....聞かせて」
「あぁぁぁっも、もうっ....うっ////むっ!」
僕はなんとか喋ろうとしたけど、どうしてもくすぐったさに負けてしまう。
「なあに渚くん?流石に死にそうになったら言ってよ?」
今度はまた胸をなぞり始めた。さっきよりも素早く僕の胸の上を、何度も往復している。
指が離れる瞬間と触れる瞬間の
「うっ、ああぁっ//も、もう!無理だよぉぉっ!!!」
僕の声が部屋中に響いた。カルマ君は止まっていた。
僕はその間に深呼吸をして呼吸を整える。
「カルマ....君。ぼ、僕おかしくなっちゃうよ」
僕は胸を守るように隠した。
「......そうだね。さすがに俺もやりすぎたよ。ごめんね渚くん」
「う、ううん。カルマ君が分かってくれれば良いよ」
良かった。もう許してくれたみたい。
「さすがに休憩無しは辛いよね〜。少し休憩しようか」
「えっ!?きゅ、休憩!?」
もう終わりじゃないの〜!? 僕は涙が出そうだった。
「あれ?休憩いらなかった?じゃあ始めて良い?」
カルマ君は胸を隠している僕の手を握った。
「ううんまって!休憩いる!」
「うん、おっけー!じゃあ俺飲み物持ってくるよ!」
「あ、ありがとう」
カルマ君が僕の上から立ち上がってお腹が楽になった。
それにしてもカルマ君まだ、安心してないのかな。
でも声は機嫌が良さそうで良かった〜。
「お待たせ渚くん!」
「あ、早っかったね。それで〜僕のは?」
カルマ君はペットボトルに水を入れて持ってきた。
でもペットボトルは一つだけ。やっぱりまだ怒ってるのかな。僕のはないのかな....。
「あ〜今あげるから待ってて」
カルマ君は一人だけ水を飲み始めた。
やっぱり僕のはないんだ。喉が渇いている僕に見せ付けているんだ。
「ふぁい。ふぃま。ふぁげるね!」
カルマ君は口に水を入れたまま何か喋った。
すると僕の上にまた、跨った。そして.....
「んんっ////」
カルマ君はそのまま僕にキスをした。
そして、水なのかカルマ君の口の中の水分なのか分からない物を僕は飲み込んだ。
激しい呼吸をしてカラカラになった喉がカルマ君のおかげで潤った。
「ふっ〜。渚くんどうだった?美味しかった?」
カルマ君が口から液体を垂らしながら僕を見つめる。
「////」
美味しかったなんて、恥ずかしすぎて言えるわけないじゃないか。
でもその目は「そう言え」ってことなんだよね。
「う、うん....おいし、かったよ。カルマ君の//....水」
「な、渚くん!なっ!何言ってんの!?」
カルマ君は自分で言わせたくせに顔が真っ赤だった。
「あのさ、カルマ君。もう安心してくれた?」
「うんうん。ぜーんぜーん。まだ渚くんを感じたりない」
カルマ君は僕のホッペに顔を擦り寄せてきた。
とても温かいほっぺだった。
「そ、そうなんだ〜って!もういつも通りじゃん!」
「っつ〜。渚くん耳元でそんな大声出さないでよ!ただでさえ声が高いんだからさ!」
カルマ君は上半身を起こして耳に手を当てていた。
「あっ....ごめんなさい」
「....許さないから」
カルマ君の低い声が聞こえて、僕は緊張した。
「えっ....冗談だよね?」
カルマ君は黙ったまま顔を見せないようにして僕の耳に息を当てた。
「大好きだよ。渚くん。さっきはごめんね。おかげでもう、安心したよ」
とても暖かい風を僕は耳に感じた。
緊張して冷えていた心もその言葉に包まれて溶けた。
「カルマくーん!!!」
僕は無我夢中でカルマ君のことを抱きしめていた。
カルマ君はたまに魔物に姿を変えてしまう。ううん。変えているのは僕の方かもしれない。
僕がカルマ君を不安にさせてしまってカルマ君は心を変えてしまうんだ。
これからもカルマ君を安心させてあげたいと僕はカルマ君を感じて思った。
〜終わり〜
読んでいただきありがとうございました。
次回は来月頃の投稿を予定しております。
何か....「こんなカル渚が見たい!」
というものがありましたら遠慮なく教えてください。
カル渚のネタが切れてきている私を
助けていただければと思っています(笑)
これからもよろしくお願い致します。