らくえんぐらし!   作:カレーのぐざい。

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じゅうっ!いよいよ

 

 

「あ、お兄ちゃん、ここ・・・・」

「階段だな。」

「中央階段ですね。」

 

ここ、私立巡ヶ丘学院高等学校の本館には階段が3つある。左右に一つずつと、あとは真ん中だ。俺達は今、その中心にある階段に来ていた。俺たちが最初に駆け上がり封鎖したのは、学校を正面から見た場合の左側にある階段だ。

最初は正面玄関のある中央階段を使おうと思っていたが、正面玄関にはたくさんのゾンビがたむろしていて容易に突破できそうに無かった。なので、割合的に奴らの少なかった、左側にある窓から突入した。ちなみに、左側には職員用の駐車場があり、あまり視界が遮られてなかったというのも理由の一つだ。

中央階段から上がれればそのまま屋上へと直接行けたが、危険なら仕方がない。それに、遠回りになったが今来ることが出来たしな。

 

「蒼海には言って無かったけど、俺たちは屋上を目指してたんだ。」

「そうなんですか?」

「ああ。落ち着くまでは屋上で籠城する事になると思う。」

「じゃあ、これから屋上に行くんですね?」

「そうだ。だけど、その前に・・・・渚。」

「うん。」

 

中央階段は、確かに屋上へ繋がる階段だ。だが、2階へと繋がる階段でもある。それ故に、下から登ってくる奴がいたらすぐに屋上へと直通させてしまう。ここの階段も、早いところ塞いでおかなければならない。

 

「ただ、さっきみたいに派手にはできないな。ここが拠点になるんだ。階段を塞ぐとは言え、不用意にあいつらを集めるような事はしたくないし出来ない。」

「そうだね・・・・」

「さっきって、何ですか?」

「俺達は、あっちの階段を机で塞いだんだよ。その時は、投げたり落としたりしてかなり派手に塞いだんだ。机が落ちるような大きい音が聞こえなかったか?」

「もしかして、大きな音がしてたのはそれだったの!?てっきり私、あの人たちが暴れてるのかと・・・・」

「怖がらせちまってたか?そりゃあ悪かったな!」

「ち、違「お兄ちゃん、机出すの手伝ってよー。私にだけやらせて、自分は女の子とお喋りなの?」

「わかったよ、ちゃんとやるからさ。」

「えっ、えっ、わ、私も手伝います!」

 

 

 

 

 

 

 

「この階段には1人もいなかったね。」

「そりゃそうだろ。居られたら困る。」

「そうだけど・・・・なんでだろ?」

「折角あっちの階段に引き付けてたのに、こっちに集まってきて来てたら困るだろ。」

「机を投げ捨てて大きな音を出したのって、そんな理由があったんだ・・・・」

 

数分して、中央階段のバリケードを作り終えた。バリケードと言っても、机を積み重ねただけだ。

作ってる最中にゾンビはただの1匹もいなかったし、来なかった。学校の階段は折り返し階段だから、上手くすれば2階にいる奴らに見られはしないのだ。そして、音を立てなければ見つからない。ま、右側の階段に引き付けてなかったら階段にも奴らがいただろうけどね。

このバリケードは原作の縦に積み上げた高いバリケードとは違い、机を横に倒して何重か重ね、厚さも意識して作った。結果的にこちらからも2階には行けなくなったが、安全と便利では安全を優先するべきだ。背に腹は変えられない。それに、まだ右側の階段があるからそこを通れるように塞げば(通れるように塞ぐって難しそうだな)問題は無い。

 

「よし、ここは大丈夫だろ。じゃあ屋上へ行くか。」

「うん!」

「そうですね。」

 

 

さっきまで、下る方にしか行っていなかったので、初めて上る。渚が先に駆け上がろうとしたので、腕を引っ張り後退させる。そして俺が前へ出て、先頭になる。俺はここに入学してこの方1度も屋上へ入ったことが無い。だが屋上の形も、何があるのかもよくわかっている。それに、この屋上へ続く階段に、あいつらがいるであろうことも、だ。

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