らくえんぐらし!   作:カレーのぐざい。

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既に投稿していた「にちじょう」です。少しだけ文を追加して変わりましたが、殆ど一緒です。
文字数の関係で1話だった「にちじょう」を、何話かに分けることにしました。
次話からは文の変更はありません。

ややこしくなって本当に申し訳ありません。


本編
日常 清純家族交流


「お兄ちゃん、そこに落とし穴があるよ。」

「え?どこだよ。」

「だから、その辺りだってば。」

「どこにあるんだよ・・・・って、あーっ!?」

「だから言ったのに・・・・・」

 

暗転。そして、画面にはGAMEOVERの文字。

俺の操作していたキャラクターは、見事落とし穴のトラップに引っかかってHPバーを0にした。これで3度目のゲームオーバーだ。やってらんねーっすよ。持っていたゲーム機を机に置いて項垂れる。

 

ぞんぞんパニックが起きてはや数ヶ月。俺達の生活もだいぶん落ち着いて、身の回りの清潔や、娯楽を求めるといった事にも手が回るようになってきた。

バリケードや籠城する為の物資の調達など()()あり、生活を安定させることが出来た。

 

「ここのトラップ、見分けるのが難しいんだよ・・・・」

「ちゃんと教えてあげたのに。」

(なぎ)のアドバイスは『この辺り』とか『そこらへん』とかが多くてよくわからないんだよ。」

「普通わかるでしょ。」

「わかりませんー!」

 

横からゲームに口を挟むこいつは、俺の妹の乃至(ないし) (なぎさ)。誤字とかではなく、コイツの名前は正真正銘「なぎさ」だ。かといって、俺の呼んでいる「なぎ」の方が誤字なわけではない。「なぎ」というのは(なぎさ)のニックネームというやつだ。だが、俺以外が「なぎ」と呼ぶのは嫌っている。何でだよ。

身内びいきかもしれないが、俺の妹はかなりの美人さんだ。

髪は薄い銀色をしていて、光に反射して雪のように白く輝いたりする。目は少し青の濃い紫・・・・杜若(かきつばた)色だっけ?そんな色をしている。

 

「まーたお前らゲームやってんのか?好きだねえ。」

「そう言うくるみも、相変わらずシャベルと共にあるって感じだな。」

「おうよ!これはあたし愛用のメインウェポンだからな!」

 

そう突っかかって来た彼女は恵飛須沢(えびすざわ) 胡桃(くるみ)

濃紺の髪を左右で2つに結び、ツインテールにしている。

綺麗な顔立ちだが、少し男勝りな性格で口調もなんだか男っぽい。

 

「くるみちゃん。もうすぐご飯だから、そのスコップは置いておいてね。」

「ちぇー。わかったよ、りーさん。」

 

くるみが名残惜しそうに、本当に名残惜しそうに、置い、置い・・・・・置こうとしている。

 

「早く置けよ。置いたって言えないだろ。」

「なんのことだよ・・・・・」

 

スコップを壁に立て掛け、俺と(なぎさ)の真正面に座るくるみ。

ちなみに、俺とこの妹はいつもこの場所に隣同士で座っている。席がくっつくほど近づいているのはご愛嬌だろう。

 

「くるみさん。お兄ちゃんの言うことは、無視してもいいんですよ。」

「なんだそれ、いじめか?」

「そうしようかな・・・・」

「お前も真剣に悩まなくていい。」

「あっははは!冗談だよ。でも、本当に風鈴(ふうり)は変な事言うよな、たまに。」

 

風鈴(ふうり)、つまり俺のことだ。自己紹介が遅れたな。

俺の名前は乃至(ないし) 風鈴(ふうり)だ。この学校の風紀委員長であり、ここ、学園生活部で唯一の男子でもある。

 

「たまに?過大評価ですよ。」

(なぎ)ちゃんってば、本当に減らず口の減らない子だよな。」

「ほら、また変な口調になった。」

「変じゃないだろ。」

「あたしからしたら、(なぎさ)も十分変だと思うけどな。」

「わ、私のどこが、どこが変なんですか!?」

「ああ、例えば・・・・言葉と行動が一致してないところ、とか。」

 

俺たちを指さして答えるくるみ。(なぎさ)は俺に抱きついたまま、顔をくるみに向けて質問を返す。

 

「何かおかしなところ、ありますか?」

「いや、おかしいだろ!何で抱きついたまま罵倒してるんだよ!」

「?何かおかしい?」

「いや、おかしいところはないな妹よ。」

「そうだと思った。」

「自己完結するなよ!大体風鈴(ふうり)、お前は風紀委員だろ!学校での不順異性交遊は厳禁だろ!」

「これは兄と妹のスキンシップであって、不純異性交遊ではない。つまりこれは不純ではなく清純だ。」

「そういう事。」

「どういう事だよ!」

 

乃至(俺たち)兄妹がくるみにサムズアップを送ると、すかさずくるみが叫ぶ。

 

「あら、喧嘩かしら?喧嘩する子は、朝ごはん抜きよ。」

 

先程まで台所に立っていた悠里が、騒ぎを聞きつけて来る。顔は笑顔なのだが、纏っている雰囲気は修羅か悪魔のものだろう。なぎさとくるみは焦って弁解を始める。

 

「け、喧嘩じゃないよな!ただ、話してただけだって!な!?」

「そ、そそそそそうですよ!!仲良く話してただけですって!!」

「あら、そうなの。仲が良いのは、いい事だわ。」

 

悠里の纏っていた雰囲気がふわっと消え、いつもの調子に戻る。その瞬間、2人も安堵のため息をついた。




このシルバーウィーク、実家の稲刈りをするので潰れました
この連休はゲームを頑張ろうかと思います・・・・
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