らくえんぐらし!   作:カレーのぐざい。

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よんっ!とうらい

「今日は学校サボる!?」

「ああ。通販の荷物が届くしな。」

「お兄ちゃんがグレた・・・・!!」

 

顔を青く染めながら呟く渚。

 

「やっかましいわ!!

・・・・という訳で、今日は一緒に登校出来そうにない。ごめんな。」

「・・・・ふん。いいもんね、一人で行くから!行ってきます!!」

 

 

急に不機嫌になり出ていく渚。玄関のドアが、バタン!と勢いよく閉められる。いつまでたっても兄離れの出来ない奴だ。

まあ、妹離れの出来ていない俺が言えることでは無いが。

 

俺の妹、乃至(ないし) (なぎさ)(誤字にあらず)は、俺たちの通う巡々丘学院高等学校男子生徒の中では、ちょっとした有名人だ。

元々顔面偏差値の高い学校だが、その中でも飛び抜けて整った顔の持ち主である。

女子に口外厳禁の、巡々丘学院可愛い女子ランキングのトップ5に君臨する我が校の女の子代表だ。

ちなみにそのトップ5の中には、他に俺の幼なじみもランクインしていたりする。

そんな妹を持てて、とても幸せに思う。

 

 

 

 

 

私のお兄ちゃんの話だ。

 

私の兄、乃至(ないし) 風鈴(ふうり)は、私たちの通う巡々丘学院高等学校女子生徒の中ではちょっとした有名人だ。

私は別にそうは思わないけど、友達に言わせると整った顔の持ち主らしい。私は別にそうは思わないけど。思わないけど。

男子生徒には口外が禁止されている、巡々丘学院かっこいい男子ランキングのナンバー1に君臨する我が校のイケメン男子、のようだ。

「少し変わってはいるが優しくてかっこいい風紀委員長」というのが女子生徒の見解らしい。全くどこがいいのか。誠に遺憾ながら、優しいのは事実であるために全否定はしかねる。無念。

あ、ちなみにお兄ちゃんは風紀委員長だ。言ってなかったっけ?

いつまでたっても妹離れの出来ない兄ではあるけれど、だがしかし、私はそんな兄を持てて、とても、とても、幸せである。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ただいまー。」

「お、帰ったか(なぎ)。」

「・・・・帰ったよ。」

 

それから数時間後、放課後になったのだろう。妹が帰宅した。

 

「今日は部活行かなかったのか?」

「行かなかったよ!!」

「まだ怒ってるのか?」

「怒ってない!!」

「さいで。」

 

俺が学校に行かないのがそんなに嫌か。

 

「なあ、渚。」

「・・・・・何?」

「今から兄ちゃんは荷物運ばなきゃなんないからさ、通販の荷物が届いたら貰っておいてくれないか?」

「何で私が・・・・・」

「頼むよ、な、お願い。もうほとんど来たからあと1つ2つなんだ。」

「・・・・・わかった。」

「ありがとう渚!これでお金払っといてくれ。」

 

ポケットから財布を取り出し、妹に渡す。

 

「・・・・これ、私の財布・・・・」

「ああ、そうだよ。貸してくれて助かった、ありがとう。」

「ほぼすっからかんなんだけど・・・・何を買ったの?」

「だいたい予想はついてるんだろ?」

「・・・・・その箱の山?」

「そういうこと。こっちからタブPCに携帯ゲーム機、音楽プレーヤーだろ、」

「ちょ、ちょっと待って、そんなの買ったの!?」

「そうだけど?」

「じゃあ、お兄ちゃんお金がたまってからでも良かったんじゃないの?」

「それじゃダメなんだ。」

「・・・・・何がダメなの。」

「あー、それは、一身上の都合というか・・・・・」

「つまり、『言えません』って事?」

「平たく言えばな。」

「・・・・・はあ。わかったよ。荷物運ぶんでしょ、早く行ってきたら?」

「おう!」

 

まずは何を持っていくか・・・・運ばれてきた順番でいいか。

 

「じゃ、行ってくる。何回か往復して持っていくからそのつもりでな。」

「わかったってば。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「おい、乃至。」

「な、ナンデスカ、先生・・・・・・」

「それは何だ?見たところ、機械のように見えるが。」

「こっ、これは、技術部の機材らしいデスヨ?」

「部活か。でも、何で陸上部のお前が技術部の手伝いをしてるんだ?」

「それはー、その、技術部に知り合いがいまして、その手伝いで・・・・・」

「そうか。大変そうだが頑張れよ、うちのエース。」

 

ぽん、と肩を叩いて笑いながら立ち去る教師。名前は忘れたが、確か英語科目の教師だったはずだ。

バレずにすんでよかったぜ。これが私物だと知られたら、没収されるのが目に見えてるからな・・・・

そんなことを考えながら、目指すは最上階の空き教室。

 

ガラガラガラ

 

今日で通算何度目かの入室だ。慣れた動作で足を使って扉を開け、中にあるロッカーに持ってきたものを仕舞う。

 

「・・・・こんなもんかな。」

 

まだ家に残っているのは、缶詰めの箱だけだ。もうひと頑張り行きますか、と鼓舞したその時。

 

「きゃあああああっ!?」




これまでのオリジナル設定まとめ。


【乃至 風鈴】
主人公。巡々丘学院の2-B。風紀委員長であり、陸上部の期待のエース。2年生が風紀委員長になるのは初。
巡々丘学院かっこいい男子ランキングで堂々の1位。生徒から、主に女子からの人気が高い。
ここまで見ると完璧超人のようだが、国語及び社会苦手科目。特に地理はさっぱり。
性格は明るくて優しく、気分屋。名前を「ふうりん」と間違えられると怒る。正しくは「ふうり」である。
強くてニューゲームよりも地道にレベル上げの方が好き。


【乃至 渚】
妹。巡々丘学院の1-C。あまり書くことがない。入学早々例の現象に巻き込まれる。
部活には入っているようだが、何部かは不明。すぐに学園生活部へ転部。
兄によく懐いている。母のように慕っている。兄にせがまれると全財産を渡してしまうほど。
兄以外に「なぎ」と呼ばれると怒り、訂正を要求する。名前は「なぎさ」です。
巡々丘学院可愛い女子ランキングの第3位。


【りーさん】
乃至兄妹、特に兄の方とは幼少の頃からの長い付き合い。幼馴染み。


【くるみ】
中学の頃に見かけた後輩の風鈴にめでたく(?)一目惚れ。巡々丘学院を選んだのも、陸上部に入ったのもそれが理由である。(風鈴が中学時代陸上部だったことから)
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