らくえんぐらし!   作:カレーのぐざい。

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ななっ!ぼうへき

 

「渚、窓開けろ!」

「わかった!」

 

ゾンビを相手取りながら渚へ声をかける。幸い、コイツらは足取りがおぼつかないので引きつけるのは簡単だ。ただ、調子に乗って壁際などに追い詰められたら絶体絶命。その点、この学校は廊下が長いのでなんとかなる。挟み撃ちにされなければ。

 

「開けたよ!」

「ナイス!」

 

俺に手を伸ばすゾンビに足払いを仕掛ける。元々あまり足が強くないのか、上手く転ばせることができた。

そのまま倒れたゾンビの足を掴み、窓へと引きずって外へと放り投げる。3階から落としたゾンビは嫌な音を鳴らして地面へと激突したが、まだ死んだ様子はない。いや、既にもう死んではいるか、訂正。まだ動けるようだった。

 

「この階にはあんまりいなかったね。」

「最上階だからな。あいつらは階段を上るのが苦手だ。それに、放課後だからあまり教室に人がいなかったんだろ。」

「お兄ちゃん、なんで階段が苦手だなんて知ってるの・・・・」

「・・・・ん?今何か言ったか?」

「ううん、なんでもない!」

 

渚が何かぼそりと呟いたようだったが、あまりに小さく聞き取れなかった。

ちらりと外を見ると、さっき投げたゾンビは立ち上がってまた徘徊し始めていた。

 

「とにかく、3階にはあまりいないみたいだから大丈夫だ。渚、その教室から机を運んでくれ。」

「いいけど・・・・・何するの?」

「防波堤だよ。」

「防波堤?」

 

訝しがりながらも机を廊下に出す渚。教室を覗き、机の数を確認する。うん、このくらいの数があれば充分だな。階段へと近づくと、声か机の音に反応したのかゾンビたちが溢れかえっていた。だが、やはり階段を上るのは得意じゃないのか、階段の段差を少しでも登ってきている奴は5人もいないだろう。人?匹?どっちでもいいか。

学校の廊下は広い。横に並んで仲良く来られたら終わりだった。階段を下り、登ってきている奴らを蹴り落とす。

 

「全部出したよー、お兄ちゃん・・・って、階段なんかで何やってるの?」

「ああ、ちょっとな。出る杭を打ってた。」

「?」

「それよりこの机、使わせていただきますよーっと。」

 

廊下に運び出された机を持ち上げ、廊下へと落とした。勿論落としたので凄い大きい音が校舎に響き渡った。

 

「ちょっ、何してるの!?」

「言っただろ、防波堤だ。この階段で奴らの進行を妨げる。」

「そうだとしても、こんなに派手にやることないでしょ!こんな音がしたら集まってきちゃうよ。」

「落とした音した?」

「変な事言わないで!」

「俺渾身のダジャレが変な事だと!?」

「それはいいから!集まってきたらどうするの!?」

「大丈夫だ。その為の防波堤なんだからな。」

「防波堤って、波を防ぐ物でしょ?」

「ああ。防いでるだろ?人の波を。」

「もう、なんかどうでも良くなってきちゃった・・・・」

 

正確にはあれは人ではないけど。ゾンビの波?それはいいとして、残りの机も投げ捨てるか。

ガラガラガラと階段を滑り落ちる(滑ってはいないが)机に押され、潰されたり押し戻される。時には机の中から教本やノートなどが転がり出たりする。置き勉め、ちゃんと勉強をしなさい。

渚の持ってきた机を全て落とし終えれば、階段の下の方で机の山が出来上がっていた。ゾンビたちをなぎ倒し、下敷きにしたせいでこの階段は真っ赤に染まっていた。あれなら容易に突破できないだろ。俺が全て落とし終えたのを見て、渚が顔をのぞかせる。

 

「うわあ、地獄絵図。」

「大袈裟だろ。学校の外は、もっと酷いことになってるぞ。」

「そうかもしれないけど・・・・あの机は、綺麗にしたとしても使いたくないな。」

「なんにせよ、何年、最低でも何ヶ月かはこの学校に籠城する事になるだろうな。その為にも、3階、欲を言えば2階から安全圏にしておきたい。」

「・・・・これからどうなるのかな、私達。」

「大丈夫だ、お前を奴らの仲間にはしないさ。」

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