まさかの志村ダンゾウに憑依   作:けらけた

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最強の触手決定戦(半ギレ&嘘)
後、戦闘描写が下手くそな作者ですまない…本当にすまない…。


第2話 不穏な足音

 

「………これは一体。」

 

森の中を進んでいる最中、長年の忍としての勘で異常を感じ取った角都は、忍連合の里に向かう歩みを止め、部下たちに制止を促す。滝隠れの命により角都は千手柱間の暗殺のため、感知能力の高い千手扉間やうちはマダラが任務で里を抜けている間に、監視の薄い里外れの森を通って、忍連合の里に侵入し、柱間の暗殺を実行しようとしている道中だった。

 

「角都様、どうかされましたか?」

「この森……何故、忍術が発動している訳でもないのにチャクラが大地に渦巻いている…」

 

部下の言葉に返答する訳でもなく、角都は一旦、木から降りると、地面に手を当てる。別段、角都は感知に長けている訳ではない。良くて並みの忍達よりも少し上なだけである。そんな彼ですら大地に居渦巻くチャクラに気が付き反応した。それ程まで渦巻いているチャクラは強大なのだ。

その瞬間だった。瞬く間に周囲の木々が蠢き、枝葉を伸ばし始め、空を覆うように忍連合の里に向かうための道である木々の隙間を閉ざしたのは。

 

「チィ!既に発動していたか――――来るぞ!!」

 

そんな彼の怒号と共に、目の前で木々の枝葉が成長したことで、木遁だと確信し、暗殺対象である千手柱間がやって来たと勘違いした部下たちは背中を取られぬよう周囲の警戒し始める。そして、ソレは音もなく、森を傷つけることもなく、大地を滑るようにやってきた。

彼らの目の前に現れたのは―――――ゆったりとした黒い着物を身に纏った子供だった。

彼らは警戒しながらも静かに相手を静観する。

―――――男…いや、女?

顔だけ見るのならば、女として判断できる。艶のある肌に、柔らかい印象の顔立ち。しかし、胸元や腰骨はゆったりとした着物に隠されているのもあるが幼いためか、男女どちらとも受け取れる。どちらかは分からない―――ただ、確信して言える事は実に端麗な顔立ちをしている事だけだった。

 

角都もそうだが、その部下たちも謎めいた子供に警戒する。普段ならば、歳のいかない子供などあっと言う間に殺していただろう。しかし、目の前に居る子供は唯の子供では無い。音もなく、気配を感じさせず、何処からともなく、暗い森の奥から自分たちの前に現れたのだ。

両者の間に沈黙が続く。ソレを破ったのは角都だ。

 

「千手柱間ではないな……奴は何処だ。そして、貴様は何者だ?」

「残念ながら、千手柱間ではなく忍連合の里に住む忍見習いです。その額宛を見るに滝隠れの忍とお見受けします。柱間様に会いたいのなら、里外れの森から向かうのではなく、夜が明けてから、再度、正門から里に入る事をお勧めします。」

 

殺意をにじませ睨み付ける角都に対し、その子供は怯える事もなく実に柔らかく中性的な声と丁寧な言葉使いで警告した。此方が敵であっても、刺激しないよう静かに、ただ無駄な争いを起こさないため、言葉を選びながら遠回しに帰るよう説得している。

 

「ほう…目上の人間に対する、それなりの礼儀作法は心得ているようだ。しかし、この形を見て、ただ忍連合の里を観光しに来たと思うか?」

「えぇ、勿論。こんな夜中に、里外れの森に侵入しているのもそうですが、貴方がたの身なりを見れば、何をしに来たか想像できます。けれど、引き返した方が貴方がたのためだ。」

 

部下の一人が子供を馬鹿にしようとしたが、子供は真剣に語り続け、思わぬことを口にする。

 

「…この森は全て私の支配下にあります(●●●●●●●●●●●●●●●●)。柱間様を暗殺しようとしている忍であるからに、私以上の戦闘経験とそれ相応の実力、頭脳を持っているのでしょう。ならば、分かる筈です…この意味が、どういう事なのか。」

 

それを聞き、角都は戦慄する。嘲笑を浮かべようとした部下たちも一瞬で凍りついた。

子供の言葉通りならば、大地に渦巻くチャクラも、自分たちの行く手を阻んだ木遁の木々も、目の前に居る子供が出したものだ。柱間が作った罠では無い。ソレが何を意味するか―――分からぬほど、愚かでは無い。この森は目の前に居る子供のテリトリー。此処で戦うと言う事は、即ち、自殺行為なのだ。幾ら、目の前にいる子供より戦闘経験があると自負していても、森を支配し、知り尽くしている子供からすれば、森を深く把握していない自分たちを乱し、罠にかける事など容易いだろう。今の状況を例えるならば、のど元に白刃を突き付けられている状態と言っても良い。

 

―――――何時でも殺せる。

 

口に出さないが、そう子供は言っている。だからといって、引き下がるほど角都たちは軟では無い。

 

〝柱間の暗殺〟

 

それが滝隠れからの任務であり、この先の滝隠れの里の命運をかける戦いであり、その任を目の前に居る子供を畏れて引き返せば滝隠れの精鋭として集められた自分たちや里の誇りに泥を塗る破目になる。戦わずして引き返すなどという愚かな選択は無い。

 

「言いたい事は分かるが、引き返すつもりは無い…道を開けないのならば貴様を此処で殺すまでだ。」

「そうですか―――それは、残念だ。」

 

角都の言葉を聞き、子供は黒く肩まで伸びている髪を夜風に靡かせながら、心底残念そうに返事をした。

 

 

 

 

 

 

目の前に居る滝隠れの小隊――――7名で組まれている隊の筆頭…。

変なマスクとスネイプ声で気付いたが、ブラック忍里滝隠れ出身の角都が襲い掛かってくるとは……雰囲気からしてまだ闇落ち…金に執着しているように見えず、一端の精鋭の様だ。ナルトス界では、千手柱間の暗殺(自殺行為)を強要された人として不憫な忍という印象が広がっている…。型月で例えるなら、星の抑止力―――ガイヤのバックアップを一身に受けているであろう柱間と戦うなんて無理ゲー。

にしても、殺気に屈さず、変に相手を刺激せず、温和に対応したオレを褒めてくれ。内心、死ぬほど怖くて心臓がバクバクして、逃げ出したくて堪らないけど、顔に出さないで余裕ぶってる今のオレはアカデミー男優賞受賞してもいいと思う。

 

ちなみに、ダンゾウの思考の中に森の中を逃げ回るという選択肢はない。

自身の父親と忍術学校で口を酸っぱくして言われた事柄――――敵に背を向けるな。背を向けると言う事は、即ち、死ぬと同意義であると。理由は至極簡単である。背を向けると〝顔〟が見えないので相手からすれば殺しやすいのだ。ゆえに、歴史上の戦争では敗走中に追撃され、大体の兵士たちはそこで命を落としていた。夜の森に逃げ込んだとしても、森ごと忍術で破壊されたり燃やされたら問答無用で死ぬ。そのため、ダンゾウは相手に背を見せたり隠れたりせず、夜の森を利用して、翻弄させながら速やかに角都以外の忍を生け捕りにしようと考えている。人間は本能的に暗闇を畏れる。そんな暗闇に引き摺り込れたら動揺し怖がるだろう、幾ら歴戦の忍といえど、人間の本能には抗えない筈だ。

 

そうこう考えていると、先手を打ったのは角都たち滝隠れの忍びたちだ。物の試にクナイを数十本を四方から投げられた。それをみたダンゾウは、自身の足を大地と同化させる。その途端、周囲の土が蠢き、ダンゾウの身体の一部の様に、土が無数の触手となって動き始めた。印も組まずに高速でソレを起動させたのをみて、角都たちは目を見開く。ダンゾウは顔色一つ変えず、自分に向かってくるクナイを触手で全て防ぐと、飛んできたクナイを触手を用いて器用に投げ返す。

 

クナイに気を取られた忍達の足元から土が隆起し触手が素早く飛び出す。気が付かず反応に遅れた4人をダンゾウは触手で絡み上げ、術を使わせないよう手足を縛る。その後は問答無用で夜の森の中に引きずり込んだ。案の定、触手に捕まった忍たちは各々、触手を振りほどこうともがくが、もがけばもがくほど絡まる触手と夜の森に引きずり込まれる恐怖や手足を縛られ忍術が使えないこともあり半狂乱になり始め、最後は何の術も発動することなく、そのまま森の奥へと引きずり込まれていった。ちなみに、角都は捕まることなく軽やかに触手を躱している。そんな中、森の奥に響く部下たちの悲鳴を耳にし、角都は不機嫌そうに呟く。

 

「チィ…使えん奴らだ。にしても、千手柱間でもないのに木遁を使い、先ほどの触手も高速で展開するとは…貴様、唯の忍見習いではないな。忍でもないのに此処まで戦うとはな。」

 

そう角都は言うと雰囲気が変わり、手が徐々に黒く変色していく。ダンゾウは目を細め再び自身の触手を展開し始める。

 

「(土遁で手を硬化させたか…接近してくるな。先ほどの不意打ちで滝隠れの忍を減らしたは良いが、不利なのは変わらないし、今のままでは里の忍たちが来るまで時間を稼げない。アレを使うか。)」

 

すると、ダンゾウの操る大地の触手の先端が、剣や槍、あるいは盾などの武具に姿を変える。といっても、いまダンゾウが一度に出せる武具の数は6本程度。本来ならば、15本程度生みだせたが、森の結界に重点を置いてる為、多くの武具を生み出すことは出来ない。しかし、それで十分だった。

 

角都を含め、触手を逃れた滝隠れの忍2人はその武具を見て、驚きで息を呑む。

その武具の一つ一つが神気とチャクラを帯び、人が生み出したとモノとは思えぬほど卓越した作りの剣や槍などだ。その一本、一本が醸し出す圧力に気圧された滝隠れの忍2人は、自身の仲間が森に引きずり込まれていった恐怖や緊張感、極度のストレスの影響で反射的にダンゾウに襲い掛かった。顔に表さなくともチャクラの乱れで動揺しているのが分かっているダンゾウは落ち着いて触手で二人を絡めようとした時だ。

彼らの背後にゆらりと角都が現れたのは。

 

「風遁・圧害 !」

 

角都の口元から人を引き裂きズタズタにするには十分な爆風がダンゾウを含め滝隠れの忍たちを襲う。即座に『盾』を展開したため、ダンゾウには傷一つないが、襲い掛かって来た2人の滝隠れの忍は、口にするのも憚るような酷い肉の塊に成り果てていた。足元で血溜りが徐々に広がっていく様を見て、ダンゾウは恐怖で立ちすくむ。当たり前だ。ダンゾウは自分の手で人を殺した事は無いし、人が目の前で死ぬのも慣れてはいない。もとより、人殺しの訓練など受けていないため、どんな危機に立たされても人を殺す勇気はダンゾウにはない。森に引きずり込んだ滝隠れの忍たちだって、触手で蛸殴りにして気絶させ、縛り上げているだけである。何の迷いもなく自身の部下を切り捨てる角都に対し、ダンゾウは嫌悪の眼差しで睨み付けた。

 

「仲間を犠牲にするとは……卑劣なッ!」

「この程度で動揺する部下など柱間暗殺の邪魔になるだけだ……にしても、人死にに慣れていないのか…。貴様の素振りを見る限り、他の部下たちも死んでいないようだ。お前が忍見習い(●●●●)だったことに感謝しよう。」

 

そう角都は分析し終えると、人が死んだ事に動揺しているダンゾウを尻目に、瞬身の術で『盾』の内側に回り込み土遁で硬化させた拳をダンゾウの腹部に叩き込む。

 

「ガハッ!!」

 

ダンゾウは口から血を吹き出しながら、何の受け身を取る事も出来ず勢いよく飛ばされ、樹に叩きつけられる。そのまま、角都は止めと言わんばかりに、硬化させた手で急所を突き刺そうとした時だ。突如、空から飛来した剣が腕諸共、角都の太腿に突き刺さったのは。

 

「グオォッ!!この剣は……!!!」

 

飛んで来た剣は先ほど、ダンゾウが起動させていた触手の先端に付いていた武具だ。硬化させていた腕を貫かれるとは思っていなかった角都は目を見開き、あまりの痛みに体をワナワナと震わせ、怒気のこもった眼差しでダンゾウを睨み付けると、剣を引き抜き振り上げた。

そして、勢いよくダンゾウを切り裂く―――――が剣の先端が土塊(●●)に戻っていた。そのため、ダンゾウには傷一つない。

 

「何ィッ…!」

 

驚きの声をあげた直後、背後から武器が再び虚空を走ってきたことに角都は気が付き、飛び去った事により何とか回避したが、腕を潰されたことや戦闘経験が少ない忍見習いに翻弄され苛立った憤りがじりじりと胸の奥に食い込む。

 

「ゲホッ!ゲホッ……ハァハァ……。」

 

一旦、角都が離れたことを確認し、血の混じった唾を吐き、ダンゾウは息を荒げ殴られた腹を手でさすりながら立ち上がる。角都に殴られた直後、腹部の骨諸共を敢えて柔らかい泥に変えた事により臓器や骨への損傷を最小限に留めたが、ダメージは残っており、角都の強さを示していた。しかし、ダンゾウが弱っている隙を見逃す筈もなく角都はすでに目の前におり、土遁で硬化させた手を虚空へと振り上げている。

 

「これで終わりだ――――死ね。」

 

そう手を振り下げようとした角都の目に映ったのは、死を目前としているにも関わらず笑っているダンゾウの姿だった。

 

「何が可笑しい?気が狂――――」

 

そう言いかけた瞬間、爆発音と共に真横から巨大な木々がうねりを上げ角都を飲み込んでいく。そして、落ち着いた静かな声音が夜の森に広がる。

 

「すまんの…遅れてしまって…もう、平気ぞ。」

 

声が聞こえた方を振り向けば、長い髪を夜風に靡かせ紅い鎧を身に纏った千手柱間とうちはマダラの姿があった。彼らを見てダンゾウは自分の役目は終わったと確信し、身体は一気に緊張感が解け、疲れと極度のストレスで気絶し、そのまま地面に倒れそうになった。そんなダンゾウの体を支えたのは柱間だ。

柱間がダンゾウの身体を抱きかかえた直後、ドゴォン、と木遁の木々を破壊し、その合間から角都が這い上がってきた。その身には傷一つついておらず、至って健全。そんな角都を一瞥すると柱間はダンゾウをマダラに渡す。

 

「――――マダラ…ダンゾウの奴を任せたぞ。」

「フン……とっとその砂利を片して来い、柱間。」

 

ダンゾウの小さな体を柱間から渡されるとマダラは、肉親のように断ち切りがたい絆を持つ朋友に雑兵を任せ、夜の森へと消えた。己がなすべきことをするために。

 

 

 

 

 

 

夜の静けさを破る爆発音が遠くの方で聞こえると共に、大地に自分以外のチャクラが混じりあっているのをほんの少し不快に感じたダンゾウは目を開く。すると、其処には自分の苦手とする男―――うちはマダラの顔があった。彼はダンゾウが目覚めたことに気が付くと静かに質問してきた。

 

「…起きたか。襲い掛かって来た砂利はアレだけではないだろう。他はどうした?」

「…えっと、生け捕りにしました……その辺に伸びてる筈です。案内します。」

 

角都に殴られた腹部の傷も痛まなくなったため、その事を伝えるとマダラはそっとダンゾウを降す。そして、滝隠れの忍たちを捕まえている森の奥まで案内した。其処にはダンゾウが生み出した大地の触手に縛られ、顔中あざだらけにして気絶している男が4人いた。

その一人にマダラが歩み寄ると足蹴にして無理やり叩き起こす。すると、男は苦虫を潰したような顔をしながら目覚め、マダラを見た瞬間、零れんばかりに目を見開いた。

 

「き……貴様は…うちはマダラッ!!!」

「さて、お前たち何を企んでいるか吐いてもらおうか。」

「吐くと思っているのか!?」

「そうだな、馬鹿な質問をした。ならば、無理やり吐かせるまでだ。」

 

そうマダラが言った瞬間、彼の瞳の色が赤く染まり、勾玉のような模様が浮かび上がった――写輪眼だ。その瞳を見た瞬間、滝隠れの忍の目は虚ろになり、ぼそりぼそりと語り始めた。

 

「近々、大国……同盟国である土の国が戦争を始めようとしている……その前に、邪魔となるであろう忍里の長―――千手柱間を殺すとが滝隠れの精鋭である我々の任む――――。」

 

任務、と滝隠れの忍が言いかけた瞬間、マダラは持っていた鎌で忍の首を刎ね落した。そんな返り血を真面に浴びてしまったのと、何の躊躇いもなく人を殺したマダラに対しダンゾウはショックのあまり口をパクパクさせ、他の忍を殺そうとするマダラの腕をつかみ声を震わせながら抗議した。

 

「そ、そんな、どうして……どうして、殺したんですか!?殺すつ必要なんて無かったのでは!?捕虜にして引き渡せば…!」

「何を言っている…殺しておいた方が、この砂利共のためだが?」

「な、何を言って…!」

「ふむ……戦場に出ていると聞いていたが、基礎的な事は父親から教わっていなかったのか…?アレほどの力を使えておきながら、人を殺すことに臆するとは…勿体無い。」

 

マダラは深くため息を吐くと、ひんやりと冷めた口調で淡々と話し始めた。

 

「まぁ、良いだろう、教えてやる。基本的に忍は一度、受けた任務を投げる事はできん。何であれ、最後まで任務を命がけで全うするのが忍だ。命を落としてでもな。それが出来なければ――――里や一族から信用を無くし、挙句の果てには汚名を着せられ、最悪、自らの手で死ぬ羽目になる。特にこの砂利共のいる滝隠れの里は、恐らくこれから先、起こるであろう戦で有利になるため、里の威信にかけて〝柱間暗殺〟を掲げ、精鋭を向かわせたのだろう。そんな奴らが柱間に負け命かながら逃げ出したと他里……同盟関係である岩隠れに知られれば、里の威信を落すことになる。里の威信を落した忍がどう扱われるか――――幼いお前とて想像出来る筈だ。」

 

里の威信をかけた任務に失敗すれば、里の者たちから白い目で見られたり、罵られ、社会的地位が落ちるのは必定。それが重要であれば猶更だろう。ダンゾウは掴んでいたマダラの手を放して呟く。

 

「……ひどい仕打ちを受ける前に死んだ方がマシだって言うんですか。」

「あぁ、そうだ。敵と戦って死んだなら兎も角、捕虜になって引き渡された場合、この砂利共は里では碌な目に遭わん。それに近々、戦が起こるのは周知の事実だしな。その戦の敵になるであろう忍を生かす通りもない。」

 

そう抑揚のない声でマダラは言うと慣れた手つきで他の忍達を殺し始めた。そんな光景に耐えられず、ダンゾウを目を逸らし、先ほど顔にかかった返り血を拭い始める。滝隠れの忍を始末し終えた後、マダラはふと疑問に思いダンゾウを呼び掛ける。

 

「………ダンゾウ」

「な、なんですか。」

 

鋭い目で睨まれダンゾウは大きく仰け反る、さながら蛇ににらまれる蛙だ。マダラは滝隠れの忍に巻きついている触手を一瞥しながら言った。

 

「この触手もそうだが、お前がさっき使っていた奴は何だ?あの強力な森の結界や武具もそうだが唯の忍術ではないな。木遁かと思ったがチャクラの流れと言い柱間の忍術とは原理が違う。答えろ。」

「そ、それは……大地と自分の体を同化させて森とか地面の土を操ってるだけです。ソレっぽい事はできますが、木遁とかの凄い忍術ではありません。」

「そうか…では、あの武具は何だ?どうやって生み出した?貴様の言葉通りならばアレはお前の()から出来てるのか?」

「…えぇ、そうなります。」

 

先程までの、淡々とした語り口ではなく、一気に捲し立てる様に疑問に思った事をマダラはダンゾウに投げかけた。

さながら、尋問のようだが、それに対してダンゾウはなるべく真実を答えた。本来ならば正直にFateの錆のエルキドゥの能力です、と答えるべきだろうが言える訳がない。ダンゾウからソレを聞いた後、マダラは目を地面に伏せ、ブツブツと呟き始めた。

 

「志村にそんな血継限界があるとは聞いたことが無い…いや、待てよ…それと似たような物なら…。」

 

似たような物――――ソレを聞き、ダンゾウは目を見開く。自分と似たような力を持った人間がこの世界にいたのか?そうマダラに対し問おうとした時だ、彼が――――千手柱間がやって来たのは。

 

「ここに居たのか…マダラ。それと、ダンゾウ―――何故、まだお主がここにおる?」

 

柱間は先程までの安心させるための声ではなく、低く威圧のある声で、早く家に帰れ、此処にいるべきでは無い、そう言われているような気がした。ダンゾウが答えようとした矢先に、マダラが話し始めた。

 

「お前が倒した奴以外にも砂利がいてな。此奴が生け捕りにしていたから其処まで案内させた。ついでに、滝隠れの忍共は情報を吐かせて殺した。弱い癖にお前を暗殺しに来たようだ…近々、起こる戦を有利に進めるためにな。」

「そうか……にしても、マダラ…まさか、ダンゾウの目の前で殺したのか?!」

 

ダンゾウの返り血のかかった姿を見て、眉を潜めながら柱間は声を荒立てが、マダラは意に返さず言葉を紡ぐ。

 

「それがどうかしたのか?」

「ダンゾウはまだ子供ぞ!?こんな物を目にする必要はまだ……」

「何れ見る事になる。今、見ようが見まいが関係無いだろう。先に知っていた方が此奴のためだと思うが?もとより、この里に来るまでにダンゾウは戦場を見ている。隠した所で何の意味もなさ無い。」

「だが、しかしだのう……。」

「そんな事よりも、さっさと死体を部下に処理をさせて、里の警備を強化させろ。来る可能性は低いが第二波が来るかもしれんからな。」

 

マダラは柱間の言葉は区切り、今すべき事を提示した。それに対し、何か言いたげだった柱間は渋々、了承すると後から来た部下の忍に死体の処理するよう命令していた。

体をバラバラにされ、モノのように処理されていく忍たちをダンゾウが茫然と眺めていたら、柱間に「もう、見るな。」と言われ彼に手を引かれながら、その場を去った。

 

柱間と共に里に帰れば、ホッとした顔をした父親と叩かれたのかは知ら無いが頬を赤く腫らして涙でグチャグチャになったヒルゼンとカガミがおり、血に濡れたダンゾウの姿を見て号泣しながら勢いよくダンゾウに抱き着いた。

勿論、ダンゾウに二人を受け止める体力はなく、真面に彼らを受け止めたため、そのまま押し倒され、彼らを見た安心感もあり気絶した。耳元でヒルゼンが「ダンゾウが死んだ!」と喚いているのを聞きながら、ダンゾウは瞳を閉じる。こうして、ダンゾウにとっての、夜は終わりを迎えた。

 

 

 

それと何故、滝隠れの忍が柱間を暗殺しに来たのか、その真相をダンゾウが知るのはこれから先の事である。

 

 

 

 




上忍レベルなら複数性質変化を使えんやん…だから、秘術をもってない前でも風遁・圧害が使えても可笑しくないかなって…触手が無い角都の戦い難しいがな…秘術を使ってすまない…すまない…。
あと、ダンゾウが忍術を使ってないのは、基本的な事しか習ってないので、上忍レベルにソレをやっても効かない可能性があるのでエルキドゥさんの力を積極的に使ってます。
ちなみに今のダンゾウはチートじゃないです。まだ肉体が人間なのでエルキドゥの力をフルに使えません。エルさんが100%なら今のダンゾウは25%ぐらいです。
もし、エルキドゥの能力をフルパワーで使った時、彼の肉体はほぼ人間では無くなり、泥人形…即ち、兵器になって怪我をしなくなります。その代わり、天罰や神、呪い、とかそう言う系の忍術が苦手になります。

後、里抜け前のマダラはクレイジーじゃなくて、真面な忍として書こうと思ってます。
個人的にマダラは第一次忍界大戦を経験し、その間で里の闇を垣間見て、柱間たちが生きている時は兎も角、死んだら子供とかはまた戦場に駆り出されるだろうし、うちは一族も扉間の政策で潰されるだろうなとか、柱間よりも色々と黒い部分が分かってしまった所為で絶望したんじゃないのかなっていうのが…。

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