・・・ありがたいけど最後は喜んでいいのか!?
四回場面の転回が有ります。ご注意下さい。
「総員突撃ーーーーー!!」
『『『『ウオオオオオッ!!』』』』
黄巾党との戦が始まり、早二刻。地の利、兵の質、量、どれも官軍が勝っていた。
抵抗する黄巾党は悉く斬られ、射られて絶命していく。楽蛟――――竜も、凪と共に曹操軍の先陣として戦場を掛けていた。
「鬼・・・斬りィ!」
「猛虎蹴撃!」
竜は一瞬で数十人を切り裂き、凪は一撃で数十人を屠る。一騎当千、無双な2人の攻撃に、黄巾党軍の一角が崩れていく。
「・・・何か・・・」
「兄様、どうしたんです?」
「・・・何か、おかしいんだよな・・・」
竜は、この戦場に違和感を感じていた。
「何か・・・とは?」
「分からん。ただ、何かしっくり来ねぇんだよな・・・」
言葉に出来ない、謎の違和感。分からない。でも、何かがおかしい。
「では、この戦を終わらせた後に、ゆっくり確認する事にしましょう。今気にしても、どうにもなりませんし、ねっ!」
と、後から襲い掛かって来た賊を殴り飛ばす。
「そうだなっと、オラァ!」
右手に持った「
違和感は拭えないが、この戦が終われば、何か分かるだろう。そう結論付け、竜は目の前の賊を左手の「
一方、黄巾党の首領と言われる、張三姉妹はというと。
「不味いわよ人和!もう官軍が取り囲んでるわよ!」
張三姉妹次女、地和こと張宝が天幕に怒鳴り込んで来た。
「どーしよ~、このままじゃ私達捕まって・・・」
「姉さん不吉な事言わないで!大丈夫よ!『あの人』が渡してくれた札が有るじゃない!」
長女の天和・・・張角が不吉な発言をし、それを三女の人和が諌め、解決策を提示する。
「あ、そっか!でも、私達に付いて来てくれた人は・・・」
「そっちも大丈夫よ。あの人が『白』だって断定した人達にも同じ物が配布されてるから。」
「確かにね。一度見せて貰ったけど、ちぃ達が持ってるのと同じ物だったわ」
「・・・よし!趙弘さん!銅鑼を鳴らして皆に伝えて!私達も行くって!」
天和は天幕の外に居る趙弘に呼び掛け、懐から一枚の札を取り出した。地和、人和も倣って札を取り出す。
「あいよ天和ちゃん!直ぐに呼び掛けらぁ!おい、銅鑼ぁ鳴らせ!札持ってる野郎共に伝えろ!」
「おいっす!天和ちゃん、地和ちゃん、人和ちゃん、無事で居てくれな!」
「ごめんね、ホントは私達が最後まで残らなきゃいけないんだけど・・・」
「気にしなくていいよ。俺達も直ぐに合流する。先に行って、『あの人』に伝えといてくれ!」
「・・・出来るだけ、死なないでよ!死んだって歌ってあげないから!」
「はっは!これじゃあオチオチ死ねなくなったな!」
「姉さん達、行こう!」
「うん!『飛雷神の御符』!」
そう叫んだ後には、張三姉妹の姿は無かった。
そして、戦が終わり、天幕。竜は凪を連れて、彼が感じていた違和感について話していた。
「人数が少ない?」
そう言ったのは曹操。竜が感じていた違和感を、彼女も感じていたのだ。後に控える夏候惇は気付いていなかった様だが。
「ああ。ここに居た黄巾党の数は八万。対して、捕虜になった奴、死んだ奴の合計人数は七万しか居ねぇ。残り一万、どこにも見当たらねぇんだ。おかしくねぇか?この包囲の中、一万もの人数が逃げ出したら嫌でも気付く。それなのに死体も何も残ってない。ここに来るまでに何十人もの捕虜に問い正してみたんだが、誰も分からないっつうんだ」
「確かに・・・幾ら散らばって逃げ出したとしても、後に控えている兵に気付かれない筈が無いわね・・・」
「絶対何か噛んでる。恐らく異能、呪術や妖術を使うような奴が一枚噛んでやがる。でなきゃこんな事は有り得ん。俺達も探ってみっから、曹操達も何か分かったら教えてくれ」
「分かったわ・・・って貴方達どこに行く気!?」
危うくすんなり納得しかけ、慌てて竜を問い正す。
「劉璋、というか厳顔の所だけど」
「・・・簡単に行かせるとでも?」
「ああ、引き止めても無理矢理行くから。『黄巾党との戦が終わったら行く』って約束しちまってんだ。今更反故に出来ねぇよ」
「・・・そう、それならしょうがないわね・・・いいわ、行きなさい。でも、貴方の事、諦めた訳じゃないから」
「オー怖い怖い。精々諦めて貰える様に頑張りますか。んじゃな~」
そう言って竜は凪を引き連れ天幕から退出、厳顔の所へと向かった。
余談だが、凪と夏候惇が一切喋らなかったのは、『一言でも喋ったら、金輪際可愛がってあげない』という竜と曹操の言葉が原因だったりする。
更に余談だが、夏候惇は竜を、凪は曹操を殺気を込めて睨み、途中からそれに気付いた凪と夏候惇同士で睨み合っていたりする。
更に更に余談だが、言い付けを守った御褒美として、その晩、凪は竜に、夏候惇は曹操に美味しく頂かれてしまったりする。
そしてここは、洛陽近くの山の中――――
「はーい重傷者から見ていってマース軽傷者は悪いけどもうちょっとだけ我慢してねー」
居たのは、二万人規模の傭兵団と、黄巾の乱決戦地から消え失せた一万の黄巾党。そして、張三姉妹。
「でも、ホントに良いの?ちぃ達を匿ってるなんて知られたら、評判ガタ落ちだよ?」
地和が話しかけたのは、血で染めた様な燃える赤色の髪を持ち、漆黒の外套に身を包んだ一人の少女。背負った漆黒の大剣は、固定もしていないのに落ちる気配は無い。
「別に良いのよ評判なんて気にして無いし。アタシらはやりたい事をやって、やりたい様に民衆を守ってるだけ。そこに評価なんて要らないよ。ただ『守れた』という事実が有りゃそれで良い」
「そもそもウチの棟梁殿に常識を求める方が間違ってるよ。『道理と常識と仕来りと掟はぶっ壊す為に有る』というのが口癖だから」
少女の補足をしたのは、長い黒髪を持ち、背中に大きく長い日本刀の様な物を背負った少女。真っ白の仔猫を抱き抱えている。
「長いわね!?」
「基本は四つの内一つだけを取ってるから、然程長くないよ。今のは纏めた奴だから。『道理はぶっ壊す為に有る』みたいな?ねー
「ニャー」
「あはは・・・」
苦笑する地和に代わり、人和が赤い髪の少女に話しかける。
「それで、ホントに私達を守ってくれるのよね?」
「疑い深いなあ人和ちゃんも。そもそもウチの半分から助命嘆願出てんのよ?守らない訳無いじゃない」
「まあ、それもそうね・・・」
少女が右手を差し出す。人和は、その手を握り返した。しっかりと握った手に、期待と希望を込めながら。
「これからよろしく頼むわ、『黒狼』」
「ようこそ。傭兵団『月影』へ」
基準「どーも、どーもお久しぶりです」
零「確かにお久しぶりです。今までどうしてたの?」
基準「1日からの一週間は春休みの宿題のラストスパートで、8日に始業式。担任に落胆しながら翌日の実力テストで(結果はまだ出てないけど)惨敗。で、初授業して、今日が健康診断で午前だけだった。」
竜「詳しい説明をどうもありがとう」
基準「初めて長期休みの課題で夜更かしせずに済んだ!」
竜「それはおめでとう」
零「今回は竜・凪と張三姉妹の話だったね」
基準「前回の宣言通り、今回で黄巾の乱は終了です!次回から、反董卓連合編に向けて走ります!」
零「まだ出てない子ってイッパイ居るよね」
基準「それも出せたらいいな・・・それに張ってる伏線も回収しなくちゃだし」
竜「伏線と呼べる代物かどうかは分からんが」
基準「フッ、そんな事どうでもいいんだよ、明智君」
竜「誰が明智だ。まあいい、そろそろ終わりにするぞ」
零「凪ちゃんとイチャイチャしたいから?」
竜「違わあ!凪に稽古つけてやるんだよ!」
零「本音は?」
竜「凪マジ天使、って違う!マジに稽古だ!」
基準「はいはいそーいう事にしときましょ。それでは次回の『戦士と悪魔の外史旅行』ー」
竜「何かもういいや。次回は・・・俺のヒロイン2の話?誰?」
零「一応の予定なんで期待しないで下さい。それではまた次回~♪」