戦士と悪魔の外史旅行 ※打ち切り   作:基準の少年

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漸くっっっ・・・しかし駄文っっっ・・・


第拾漆話 始まりは

その日、大陸に激震が走った。

漢王朝の皇帝、霊帝が崩御したのだ。

王朝は表向きは喪に服してはいるが、水面下では次期皇帝に劉協、劉弁のどちらを即位させるかで内紛状態に有る。

そして、劉協を帝位に就けようと画策した十常侍の一派の手により漢王朝に楯突いた反逆者として何進が殺害されそうになるも、「月影」により殺害は阻止、董卓の手により協、弁姉妹は保護された。

本来なら、この情報が諸国に流れ、董卓、月影は漢王朝を救った英雄として称えられるだろう。しかし、「名家」である事を自慢し、やたらとプライドが高い袁紹がこれを聞いて嫉妬しない訳が無い。だが今ここで董卓を攻めれば自分が逆賊扱いを受けるのは必至。袁紹は涙を飲んだ。

だがこの情報は十常侍の生き残りの手により袁紹以外に流れず、「董卓は次期皇帝に劉弁を就け、裏から操り漢王朝を牛耳ろうとする逆賊である。その証拠に、洛陽では天子を保護した董卓がその権力を悪用し、圧政を行っている」という偽情報のみが流れた。「月影」の情報は一切流れていない。

袁紹はこれ幸いと各地の諸侯に檄文を発した。「董卓は漢王朝を牛耳ろうとする逆賊である。天子を傀儡に圧政を強いる董卓を討つべく、意志の有る将は立ち上がり、『反董卓連合』へ加入せよ」と。

勿論これは袁紹の董卓を陥れる為の策略だ。袁紹の人となりは諸侯に知れ渡っている。誰もがこの文を読んだ時、斥候を出そうとした。しかし文の後半に、「この檄文に立ち上がらぬ者は、漢王朝に楯突く逆賊、董卓と同じ悪漢である」と書かれていた。言う事を聞かなければ漢王朝に楯突く逆賊として討伐する――――遠回しの脅迫である。

檄文を鵜呑みにした者、この脅迫に屈した者、そして野心を持つ者達が続々と集結し始めた。

 

 

因みにこの内容、袁紹が発した本にすれば百頁は優に超えそうな檄文の、最後の十行に書かれていた物だ。この文を読み終えた者達が最初に思った共通の感想は、「檄文からお家自慢抜かんかい!!」である。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「おーっほっほっほっほ!!お久しぶりですわね華琳さん?重役出勤ご苦労様です?」

 

「皮肉を言ってる暇が有るならさっさと進めなさいよ・・・」

 

天幕内の袁紹以外が「うんうん」と一斉に頷く。しかし、「名家」の袁紹が「そんな事に気付く必要等無い」のだ。

 

ここは、洛陽に繋がる街道の途中に有る大平原。「袁」「劉」「曹」「孫」「公」「馬」「袁」等、並び立つ牙門旗がここに居る人物がいかに重要か物語っていた。

・・・若干一名、重要でありながら重要で無い人物が居るが。

 

視点を天幕内に戻そう。

 

「さて、凡そ皆さん集まられたようですので、自己紹介と参りましょうか・・・私は袁紹。この連合の発起人ですわ」

 

「副官の顔良です」

 

「同じく文醜だ」

 

金髪縦ロールの阿呆。彼女を表すのにこれほどピッタリな言葉は有るまい。「名家(笑)」の袁紹だ(「名家」の後に(笑)を付けるのは諸侯の中だけの標準だ)。

顔良。苦労人、まる。どれ程か。あの孫堅、孫策が同情する程。

文醜。袁紹の副官というより、腰巾着だろう。

 

「平原の相、劉備です」

 

「北郷一刀です」

 

二人の瞳は爛々と輝いている。袁紹の檄文(の最後の十行)を鵜呑みにした典型的な例だ。現在の彼らの最大戦力を全て連れて来ている。

 

「袁家の正統嫡子、袁公路じゃ」

 

彼女が自身を正統嫡子と言ったのには、袁紹が彼女の父親の妾だからという理由が有る。

 

「傍付きの張勲です~」

 

腹黒性悪女!以上!!

 

「幽州太守の公孫賛だ」

 

「副官の及川言います。どうぞよろしゅう頼んます」

 

もう普通と言わせない!!公孫賛も参戦。勿論佑も参加だ。

 

「袁術軍客将、孫策よ。母の代理でここに居るわ」

 

「軍師の周喩だ」

 

「・・・南浦祐司だ」

 

「南浦の副官(つま)の徐庶です」

 

ルビは決して間違ってなどいない。徐庶――――安里が祐司の副官(つま)である事は、孫呉内の既成事実だ。

 

「西涼の馬超だ。母の代理で来ている」

 

董卓の地元、西涼より馬超。母より受け取った董卓を助け出すという目的を隠して、将兵全てを騎兵にして参戦だ。

 

「劉璋だ、よろしく頼む」

 

「副官をお務めておる、厳顔という」

 

「厳顔配下、楽蛟だ」

 

「厳顔の友人として参上しました、黄忠と申します」

 

劉璋は血縁関係にある劉姉妹を助け出すと言う名目で参戦。副官の厳顔、黄忠も参戦だ。

 

「陳留の曹操よ」

 

「副官の、大河道昭と言います」

 

「黄金の御使い、天統帝だ。覚えておくが良い、雑種共」

 

流石KY、天幕内の空気は天統の一言で一気に悪くなる(「名家」の袁紹が(ry)。

 

「さて、この度の連合ですが、洛陽で圧政を敷き、民を苦しめる逆賊董卓を討つ為に召集した物です」

 

袁紹は口火を切るも、それに賛同(のふり)したのが劉備、曹操、孫策の三人のみだった。勿論真剣なのは劉備だけで、曹操と孫策はフリだ。

 

「そこで、先ずはこの連合を取り纏める総大将を決めたいと思いますわ」

 

その一言で始まった。世界一グダグダな軍議と言えない様な軍議が。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

会議は踊る、されど進まず――――この軍議の為に有る様な言葉だろう。

 

袁紹は、「私の様な者こそ総大将に相応しい」のような言葉を繰り返すが、決して自分がなりたいとは言わない。文醜は袁紹の腰巾着と言う役割を十二分に果たし、顔良は苦労人という役を200%発揮していた。

 

劉備は軍議の様子に目を回し、一刀は頭を抱える。

 

袁術は「自分こそ総大将に相応しい」という言葉を繰り返していたが、疲れたのか張勲の膝枕で寝息を立てる始末。

 

白蓮は「発起人の麗羽がすれば良い」と言っているが、影の薄いキャラのせいで全く取り合って貰えず、佑は「あのシーンって、こんな感じやったんや」としきりに感心(呆れも勿論含む)している。

 

孫策は何も語らず。周喩はしきりに斥候を放って情報を集めている。

祐司は安里の膝枕で寝ていて、安里は幸せそうな表情を浮かべている。

 

馬超も周喩に習い、斥候を放っている。

 

劉璋?既に自分の思い通りになる世界で遊び回っている。言ってしまえば寝ているという事だ。

 

曹操は孫策と同じく、語らず。大河は必死に眠気を堪えている。天統は・・・言わずもがな。

 

軍議はいつしか平行線を辿り、曹操さえも眠気を催した頃、とうとう孫策が一手を打った。

 

「・・・下らないわね」

 

「・・・貴女、今何と?」

 

「下らないと言ったのよ。公謹、後は任せたわ。自陣に戻ってるから、終わったら結果を教えて。じゃ」

 

「おい、伯符!」

 

言ってさっさと退出する孫策。勿論芝居だ。周喩とは阿吽の呼吸である。

 

「・・・全く、客将の分際で生意気な・・・」

 

「主の非礼は代わって詫びさせて頂くが、主があのような態度になるのも無理ないと思われるが?」

 

周喩はこの軍議を終わらせる為に一気に畳み掛ける。袁紹、袁術、劉璋、祐司、天統以外の全員も同じ心境らしい。

 

「では誰が、総大将になれば良いと仰るんですの?」

 

「もう袁紹さんで良いんじゃないですか?」

 

半ば投げやりに劉備が発言する。つかれた。ねむい。かえりたい。そんな雰囲気がダダ漏れだ。

 

「そうね。連合の発起人である麗羽がするべきでしょう?」

 

「私さっきからそう言ってたのに・・・」

 

白蓮の嘆き等誰も聞こえない。軍議は一気に終息へ向かう。

 

「じゃ、満場一致で麗羽を総大将に推薦するわ。まさか断るとは言わないわよね、『名家』の袁紹殿?」

 

「・・・分かりましたわ。不肖ながらこの袁本初、反董卓連合の総大将を務めさせて頂きますわ」

 

本当に不肖だ――――一刀は慌てて言葉を飲み込んだ。

 

「おい、我を無視するとはどういう了見だ雑種共!」

 

聞こえない。

 

「では、総大将として、作戦を発表させて頂きますわ」

 

「へえ、貴女に作戦を考える頭脳が有ったのね。驚きだわ。明日は世界の終わりかしら?」

 

「華琳さん、何か?」

 

「いえ?何も?」

 

うっかり揚げ足を毒舌で取ってしまった曹操。突っ込み役の白蓮は未だに地面にのの字を書いている。

 

「それで、どんな作戦なのかしら?」

 

いつの間にか起きていた全員が、聞き逃さない様に耳を澄ます。間違っても聞き直しては恥だ――――

 

「『雄々しく、勇ましく、華麗に前進』ですわ!!」

 

『『『・・・』』』

 

いちどー、ぜっく、まる

 

「あの、袁紹さん、出来ればもう一度・・・」

 

「あら劉備さん、聞き逃してしまいましたの?良いですわ。私は寛大ですから。『雄々しく、勇ましく、華麗に前進』が作戦ですわ」

 

・・・聞き間違いでは無いらしい。劉備、聞き直した事は恥ではない。だから気にするな――――そんな視線が幾つも集中する。

 

作戦内容が「戦力集中による短期決戦」や、「兵糧攻めによる降伏を狙う」等ならまだしも、「雄々しく、勇ましく、華麗に前進」が作戦とは――――

 

 

正直、呆れない方が可笑しい。

 

 

だがこの作戦、裏を返せば、「雄々しく勇ましく華麗ならば、どんな手を使っても良い」と言う意味にも取れる。これほど馬鹿馬鹿しく、これほど便利な作戦は他に無いだろう――――いや、有るまい。

 

だが、諸侯はこう思った。

 

 

それはさくせんといわない。

 

 

「さて、劉備さんでしたか?」

 

「は、はい?」

 

微妙な空気の中、袁紹は気にせず劉備を呼ぶ。

 

「貴女の発案で総大将になれましたわ。感謝致します。お礼と言っては何ですが、先陣を切れる権利を差し上げますわ。」

 

「え・・・ええっ!?」

 

一刀の頭の中に言葉が浮かんだ。

 

それは、おれいといわない。

 

「武士の本懐を遂げられるのですから、嬉しくなくて?」

 

全然、嬉しくない。

それもその筈、劉備は、諸侯が五桁の軍勢を率いる中、八百というダントツの少人数なのだ。

こんな状態で突撃などかませば、三桁が一桁になる事間違い無しだろう。

劉備は断ろうと――――

 

「あ、これは総大将命令ですので」

 

――――出来なかった。憐れなり、劉備。

済し崩しに、先鋒が決まってしまった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「――――だって?」

 

「作戦という言葉に謝れ!!って言いたいですね」

 

シ水関、広間。居たのは、女が六人。

紫色の髪にサラシの女。

銀髪に若干露出の多い服を着た女。

水色の髪をサイドテールにした女。

金髪をツインテールにした女。

長い黒髪を持ち、猫を抱いた女。

そして、血で染められた様な髪に、漆黒の服を着た女。

 

「・・・作戦、ねえ・・・」

 

「幾ら元黄巾賊の私でも、流石にこのような『画期的』な作戦は思い付きませんでしたね・・・」

 

「幾ら元猪の私でも、下策中の下策としか思えんな」

 

「先鋒が劉備、やったっけ?じゃあ、関羽とはウチにやらしてえな!一遍()ってみたかってん!」

 

夫々が思い思いの言葉を吐く。

 

(しあ)?あくまで策は篭城だからね?打って出ないからね?」

 

「ガーン!!」

 

「翼さんも、侮辱されて打って出ない様にして下さいよ?」

 

「いつまで私を猪にするつもりだ・・・」

 

「こっちの情報は、主将が霞と翼って流してるのよね?」

 

「はい。他は私と来夏のみと流しています」

 

「じゃ、私達の情報は流れて無いんだね?なら、油断を誘えるかもね。アッチは『原作知識』から霞と翼以外の将は知らないし」

 

「その翼も矯正されてるから、向こうは混乱間違い無しやな!」

 

「そー言う事。って事で皆!」

 

彼女の一言で全員が彼女の方を向く。

 

「この戦、勝つよ!!」

 

『『『おう(はい)!!』』』

 

ここに、反董卓連合戦が正式に開始した。

 

ここまで、原作がかなり壊されている。

 

孫堅の存命。

 

周泰の呉不加入。

 

楽進の蜀参入。

 

張三姉妹の魏不加入。

 

天の御使いの増加。

 

反董卓連合、一体どうなるのか――――

 

 

 

――――誰にも、分からない。

 




基準「漸くここまで来たね・・・」

零「さて、どう展開していく?」

基準「五話位で終わらせる予定だよ。一応」

竜「ちゃんと俺の出番出せよ?」

基準「分かってる。時間が無いので、今回はここまで!!」

零&竜「次回も宜しく!!」
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