戦士と悪魔の外史旅行 ※打ち切り   作:基準の少年

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お久しぶりでございます!!二週間も間が開いてしまって申し訳有りません!!
設定とかヒロインとか考えてたら時間食いまして・・・この回も難産でしたし・・・

兎に角どうぞ!!

8/8 変更「初代・大殿御上様→初代様」


第弐拾伍話 「正義」という免罪符と、彼女の悩み

side零

 

えー、前回色々と皆さんに説明しました零でございます。

作者の都合かなんかで、連合参加者に対する処罰シーンは丸々カットオオオオオ!!ってことになったと。

説明回とか言っときながらその実設定集だった奴に許される事じゃないよね!!でも作者権限でやると。オーボーだ!オーボーだ!!

でもどうにもならないんだよねェ・・・

 

で、サラッと処罰について言っとくと、

 

曹操、孫策、袁術:六ヶ月間戦及び三ヶ月間準備禁止

 

劉備:四ヶ月間戦、及び二ヶ月間準備禁止

 

公孫賛:三ヶ月間戦禁止(元々乗り気じゃなかったから)

 

馬超:二ヶ月間戦禁止(参加理由が月達を助ける為だったから)

 

劉璋:処罰・・・というより、自分から「自らへの罰として、領主の座を降りようと思います。次期領主には人望のある劉備にでも」と言って一同唖然。その間に霞も真っ青なスピードで必要書類に印を押して、劉備に押し付けた。何でも普通の女の子として生きたかったらしい。元々人望も然程無かったから、領民も無責任だと怒るより寧ろ劉備歓迎。因みに桔梗さんと紫苑さんは済し崩しに劉備に仕える事になってた。

 

 

・・・なんだろコレ。

・・・まあ、兎に角、今アタシと明命と恋ちゃんは劉備軍本営前に来ています。理由は今まで来た事無かったから(恋ちゃんはデフォ装備化)。

 

「っつー事で、おっ邪魔っしまーす!!」

 

「いやいや何が『っつー事で』だよ」

 

「おろろ?なーんで竜殿がこちらに居られるのでザンス?」

 

劉備陣営に突撃したアタシが最初に遭遇したのは、何を隠そう我が親友竜である。

 

「その無駄に変にしようとして失敗した言葉遣いに少々話し合いたい所だがソレは今度にしておこう。疑問に答えるとだな、ほら、ウチの上司劉備になったろ?」

 

「あー軍が合体したのねー」

 

納得な表情のアタシに竜は呆れたように額を押さえる。

 

「あのなあ、非常識を治せとはもう無駄だから今更言わないが、重要な事位少しは記憶しろよ」

 

「いや覚えてたよ?ただすっかり忘れてただけだから」

 

「・・・で、ウチに何用だ?」

 

スルーしたな。だが正しい選択だ。そんなバカな事を考えていたアタシに代わって明命が用件を伝える。

 

「えー、劉備さんと正式にお話したいと思いまして。呉軍の皆さんとは元々懇意にしていますし、曹操軍の皆さんとも傭兵として共闘していた時期が有りますし、金ぴかは放っといて、公孫賛殿とは曹操軍と同じ理由で、残るは劉備さんだけなんですね」

 

「ああ、そーいや桔梗さんと紫苑さんは零の母さんと仲が良いんだってな。つか紫苑さんとは叔母姪の関係だったな」

 

「・・・しおんとききょーは弓の先生、ふぁんれんは剣の先生、あきら叔父さんは忍術の先生」

 

「豪華四点セット、ってか?」

 

恋ちゃんが挙げた名前に竜が茶化す。

 

「まっ、付いて来い。今ならど真ん中の天幕に居る筈だ」

 

竜はニッと笑いながら手首をスナップさせて付いて来るよう促してくる。そんな竜を尻目にアタシは――――

 

「忘れてた今日の分の『レニウム』と『ミンメイウム』補給~」

 

恋ちゃんと明命にギュギュギュッと抱き付いていた。

 

※レニウム:恋を抱き締める事で摂取される成分。一日一回は必ず摂取しないといけない。三日間摂取しないとイライラ、心拍数の上昇、身体の震えなど禁断症状が発生する。

 

※ミンメイウム:明命の場合で同上。

 

「オイコラ、医学の常識まで覆す気かテメエ」

 

聞こえない。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

レニウムとミンメイウムを十分補給した後、アタシは竜に連れられて天幕前まで来ていた。

 

「お?零?どうしてここに居るんだ?」

 

そしてその天幕の中から、あ!やせいのタネウマ(ほんごーかずと)があらわれた!!

 

「そのポケモン風のネタで俺をタネウマ扱いするの止めてくれないかな!?」

 

「お邪魔しまーす」

 

「mssnnkrー!!(訳:無視すんなコラー!!)」

 

何故か母音を発音しなかった北郷君は置いといて、天幕に入って劉備と改めてご対面。あ、関羽と諸葛量が居る。張飛と趙雲も居る。鳳統・・・は居ない。

 

「はれ!?こっくさん!?」

 

「呂天って呼んでよ」

 

「劉備が言うと何か料理人みたいに聞こえるのは何故だろう」

 

横でどーでも良い事を真剣に考え始めた竜は、ヤッパリ結構な非常識に分類されると思う。まあソレは置いといてだね。

 

「いや、一対一(サシ)で話した事無かったじゃん?」

 

「・・・そーいえばそーですね」

 

「もちっと成長して大人っぽくならんかねウチの君主は」

 

子供っぽい言葉遣いの劉備に手厳しい評価を下す竜。

 

「・・・楽k「竜で良い」・・・竜殿、諦めろ」

 

そんな竜に同情する関羽。

 

「ウチの君主様と愛紗は胸と尻だけ大きくて頭が散々だからなあ」

 

「それどーゆー意味!?」

 

「星・・・それは喧嘩を売っているのか?」

 

「セクハラ発言やめい」

 

「セクハラっつーのは性的な嫌がらせって意味の筈だ」

 

趙雲のセクハラ発言に劉備と関羽が反応し、竜が突っ込み、突っ込みに一刀が補足をする。

 

「趙雲もメンマに関してのアホ頭はどっこいだと思うんだけど。劉備は子供っぽくて関羽は頭が固いって事で良いんだよね?」

 

「零頼むから場をこれ以上引っ掻き回さないでくれ・・・」

 

ヤダ。だって面白いじゃん?

 

((私達は然程胸が無いのにああ羨ましい妬ましい恨めしい――――――――!!))

 

諸葛亮に明命、頼むからそんなに殺気を込めた視線を送らないで。

 

「何の事なのだ~?」

 

張飛ちゃん、貴女はそのまま純真無垢で居てね。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

side竜

 

で、十分後。って俺視点?

 

何故か周泰、呂布、張飛、趙雲、諸葛亮が出て行った天幕内で、気を取り直して零の劉備への質問タイムが始まった。

 

「ゲフンゲフン、で、アタシらが来た目的なんだけど、劉備の目指す道を聞きに来た。華琳は天下統一に天命を見出して覇道を突き進むぜ、雪蓮と鳳姉は同じく天下統一覇道だけど、その実孫呉の平穏の為。で、アンタは?」

 

「え、えーと、私の理想はこの大陸の皆が笑って暮らせる世界です!!」

 

「俺も桃香と同じで、皆が笑い合えるハッピーエンドを作りたい」

 

劉備と一刀は自信満々に言ったは良いけど。

 

「ハーイ出ました無茶振り理想ろーん。つかアンタ馬鹿ァ?頭大丈夫?のほほんとしたまんま夢と現実の区別が付かないとか無い?」

 

と零は馬鹿にした。いきなり毒舌ですか。「のほほんと~」は割と本気で心配してるみたいだけど。

 

「なッ、貴様、桃香様の夢を愚弄する気か!?」

 

「おい零!どういうことだよ!!」

 

関羽と一刀が激昂するが、零は馬鹿にした空気を全く崩さない。

 

「そーですよー。ぶっちゃけアンタ馬鹿っしょ?無理無理そんな事。そんな穴だらけの理想論誰も求めてないから。もっぺん諸国行脚した方が良いよ?あ、アタシ斬ったら月影及び董卓軍が宣戦布告することになるから」

 

ブチ切れタイムの関羽に対して釘を刺す。こうしないと今にも薙刀持ち出して斬りかかって来たりしそうだしな。

 

「貴様ッ・・・!!桃香様の理想n「アンタは黙ってな。アタシは今劉備と話してんだ。アンタは何、君主同士の話にしゃしゃり出て割り込んで来るような無礼者な訳?分かる?アンタはソレも解らないような馬鹿?アタシに対する侮辱として戦吹っかけても良いんだよ?アタシらが勝つけど。簡潔に纏めると、邪魔だから黙ってろしゃしゃり出んなどクズ」なっ・・・」

 

「うっ・・・」

 

うっわ、容赦ねえ・・・しかも笑って言いやがったし。俺もコレはビビるわ。ほら、一刀もビビッてる。

 

「ちょっと、ソレは言い過ぎじゃないの!?」

 

「劉備、関羽、ついでに一刀、止めとけ。分が悪すぎる。それにコイツが言った事は正論だ。暴言は混じってるが、コイツは本気でやりかねん」

 

「だが・・・!!」

 

「だけど・・・!!」

 

「俺だけ何でついで扱いなんだよ!!」

 

「だがも何もねえよ。関羽の口出しはつまり、『貴様如きに主が出る必要など無い。私が代わりに聞こう』的な侮辱な感じで受け取れるぜ?」

 

「ぬう・・・」

 

「でも・・・」

 

「スルー!?」

 

俺が諭して漸く押し止まる関羽。どうやら今自分が何してたか解ったようだ。ただ劉備は未だ分かって無いらしい。一刀?何ソレ美味しいの?

 

「だからでもじゃねえよ。テメエは未だ自分が居る立場を分かってねえ。交渉とか、他国との対話なんざ非情なんだよ。そんな甘っちょろいこと言ってるといつか足元掬われるぜ?下手すると徹底的に叩き潰されるな。捕虜にされたってどうせテメエ、『こんなの私の理想じゃない!!』とか言って反乱起こしそうだしな。そうすっと斬首決定だ」

 

漸く分かったようだな。はあ疲れた。劉備は関羽の件で謝罪しようとするが、零に先に遮られる。一刀?未だに不満顔だけど取り敢えずここは黙る方向で行くらしい。

 

「ああ、謝罪とか要らないから。誠心誠意謝罪するなんて今うっとおしいだけだし。無駄だし。そもそも聞きたくないし。で、劉備、アンタの理想論が穴だらけな理由、分かる?」

 

「・・・分かりません」

 

だろうな。理想ばっかで後振り向いて無いなコイツ。

 

「やっぱり?アンタはさ、『皆が笑っていられる世界』って言ったよね?じゃあさ、()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()?」

 

「それは・・・!!」

 

零に穴を突かれて押し黙る劉備。代わりに関羽が怒鳴る。

 

「賊など切り捨てて当然だろう!!彼奴らは無辜の民を幾万も殺してきたのだぞ!!私達は『正義』の元に斬って来たのだ!!」

 

「だからしゃしゃり出るなと・・・まあ良いや。賊だろうが何だろうが、ソイツらも『大陸の皆』に含まれてるわよ。勿論、アンタらが『悪』だと決め付けて討ちに行った月――――董卓もね。

 

アンタ袁紹の檄文の裏取った?取って無いでしょ?他の皆は最初から董卓が無実だって分かってたわよ。鵜呑みにしたのはアンタらだけ。ソレが理想主義のアンタらと他との違いよ。現実を見てる。

 

そもそも、賊とか月とか、悪と決め付けられた中にもマトモなのも居るわよ。来夏達は元々腐敗した漢王朝に嫌気が差して決起。大事な家族を食わしていく為に賊になった奴も居る。黄巾党だって、元々は天和達の歌を聞きたいだけの善良な民が殆ど。それをアンタらは殺してきたの。お分かり?アンタらが守るって言った奴らを自分で殺してンだからざまァ無いわね。

 

だからこそ、皆が幸せなンて有り得ない。賊を討って討って討ちまくって、その遺族は?彼らが本当の幸せを掴むなんて有り得ない。アンタらは彼らからしたら唯の仇でしかねェしな。身の丈以上の物を望むなんて愚の骨頂。笑い話にすらなンないわァ。甘過ぎて反吐が出る。

 

それに『正義の元に』?ハッ、ふざけンじゃないわよ。そンな傍迷惑な正義なンざ誰も求めてねェッつの。アタシに人の『正義』にとやかく口を出す権限無いけどさ、一方的にアンタらの正義押し付けてんじゃねェよ。

 

ハイ一刀君!ここで問題です!『正義』って幾つ有る?」

 

ここで振るかコイツに。

 

「え・・・一つじゃないのか?」

 

「「お前/アンタ・・・頭大丈夫(か)?」」

 

即座に俺と零でぶった切る。馬鹿だ。コイツ馬鹿だ。

 

「二人揃って俺を馬鹿扱いすんじゃねえよ!!」

 

「いやだけどな・・・」

 

「まぢ馬鹿だよ?その回答。ほら、力こそ正義、知識こそ正義、血筋・家系こそ正義、徳こそ正義・・・色々有るでしょ?例えば某正義の味方見習いなら、人助けこそ正義って言うでしょ?」

 

零は一刀(サル)でも解る説明で解説してやる。とっても解りやすい。

 

「誰がサルだッ!・・・なら、何で『悪』は一つしか無いんだよ?」

 

「「コイツ本気(マジ)で馬鹿だーーーー!!」」

 

つい二人で叫んじまった。今は反省している。でも後悔はしていない。

 

「まあ確かにさ、『悪』は一つって言われて、納得出来ない事は無いけどさ」

 

「・・・つまり、己の正義を貶める物は全て悪だ、ということか?」

 

ここで来るか、関羽。だけどな。

 

「ソレが分かってながら何故に矛盾に気付かない・・・」

 

零が頭を抱える。同感だ。心のそこから同情するぜ。

 

「まあいいか、そういうことだ。一刀、劉備、今から挙げる四人を『正義』と『悪』に分けてみろ」

 

圧政を敷く君主。

 

賊へと堕ちてしまった者

 

他人を害した者。

 

他人を害した者を討った者。

 

「勿論、最初の三人が『悪』で、最後の一人が『正義』だよ!!」

 

と、劉備は思いっ切り自信満々に言う。が。

 

「・・・なあ、コレって、全員が『正義』で、『悪』じゃないのか?」

 

「一刀、正解だ。今挙げた四人を『正義』と『悪』に分ける事は出来ない」

 

「え、え、何で!?」

 

劉備が疑問の声を上げるが、零がソレに対する答えを言う。

 

「圧政を敷く君主には、高額な賄賂を渡さなければ娘を殺されてしまう、みたいな、ソイツなりの『圧政を敷く理由』が有る。賊に堕ちてしまった者には、生活苦で家族を養っていけるだけの蓄えが無いから、やむなく他者の者を奪うしかないといった、『賊に堕ちる理由』が有る。残り二人も同じ事。まあ全員か全員、そんな綺麗な理由であるとは言わないけどね」

 

「劉備、結局はな、『人間』っつー生き物は、究極的には全員自己中心的で、利己主義者なんだよ。極論だがな。劉備が他人を救いたいと思う。それは別に構わんが、結局はそれも助けられた人間以外から見れば、『人を助けて名声を手に入れ、自軍の勢力を拡大し、自身の正義を押し付ける利己主義者』としか写らねえんだよ」

 

「で、でも、私達賊に襲われた人を助けて恩を着せて、食べ物を奪うとかはして無いよ!?」

 

「それも『無欲を装って人の心につけ込んでいる悪党』として捉えられる事も有るぜ」

 

「そんな・・・!!」

 

ショックを受ける劉備だが、今更こんな事に気付くって、どれだけ楽観的だったんだよ・・・

 

「つまりアタシが言いたいのは、『正義』を理由にするなって事よ。幾ら正義掲げたって、そんな物は人を殺す『免罪符』にはならない。そもそもアンタらが使ってる正義とアタシが言う『正義』の意味が違う。アンタらは正義を『人の道にかなっていて正しいこと』って意味で使ってるのかもしれないけど、アタシが言う『正義』っつーのは『己が誓った信念』っていう意味。人と人の争いは正義と正義の対立。自分の『正義』は所詮は他者から見れば自らの正義を侵す『悪』でしかない。正義を掲げて賊を討つって事は、『コイツは自分の正義に反して気に入らないからブチ殺す』っていう究極の利己主義なのよ。お分かり?」

 

「・・・・・・」

 

だんまりを決め込む劉備。代わりに関羽が零を詰問する。

 

「ならば、貴様の『正義』とは何だ!!」

 

「アタシの正義?んなモン簡単よ。ちょいと長いけど」

 

一呼吸置いてから、零は軽く宣言する。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「『例え全ての世界(いのち)を虐殺する事になろうとも、この世全ての悪(アンリ・マユ)を背負う事になろうとも、我が異能(ちから)は家族の為に』、コレがアタシの正義よ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「・・・どういうことだ・・・?」

 

一刀が呻くように呟く。零の言葉が瞬時に理解出来なかったらしい。零は噛み砕いて説明する。

 

「そのままの意味よ。家族を害するのなら、例え胎児でも容赦せずに殺す。世界の全てが牙を剥くなら、あらゆる人、あらゆる生き物を虐殺する。例え殺人鬼と呼ばれても、殺戮者と言われても、世界中から憎しみを向けられても、この身が狂気に支配されても、命の灯火が消え去っても、『アタシ』という存在が世界から完全に忘れ去られるまで、この力はたった一握りの家族を守る為に。ソレがアタシの『正義』よ」

 

「「「・・・」」」

 

予想外に重すぎた零の「正義」は劉備には辛すぎたようだ。顔を俯かせ、悩み始める。関羽も同じ顔をして黙り込む。

 

「ま、精々悩んどきなさい。また今度、アンタらの甘っちょろい無駄でしかない『覚悟』がどう変わったかを聞きに来るから。じゃあね~」

 

零はあっけからんと言い放ち、天幕から出て行った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

俺は天幕から出て行った零を呼び止めた。

 

「俺の天幕でちょっと良いか」

 

「おn?なになに?若しかして我慢出来なくなってナニのお誘い?」

 

(ちげ)ーよ!!」

 

馬鹿な事ぬかしやがる零を無理矢理引っ張っていく。

 

天幕に着いた後、零を椅子に座らせ、もう一つ有る椅子に俺が腰掛ける。

 

「で?アタシをここまで連れて来て何用で?」

 

「先ず率直に疑問。陳宮の姿が見えないが」

 

コレはずっと疑問に思っていた事だ。紹介された董卓軍の中に、陳宮の姿は確認出来なかった。

 

「ああ、鳳姉の所、つまり呉よ」

 

「はい?まさか先に寄越してたのか?」

 

「まあね。マスコット的な感じで」

 

陳宮マスコットかよ。つか何で孫軍は罰が重い――――ってああ、秘密にしてたのか。なら仕方が無い。

 

「で?他に何か?」

 

「・・・お前、俺と親父達と伯父さん達以外に未だ『家族』居ねえだろ」

 

ニヤニヤと笑っていた零の顔が一瞬で凍り付く。

 

「・・・悪い?」

 

「悪い。お前この世界に親父達居ねえから、現段階で心の支え俺だけだろ。そんなんじゃいつか『ぶっ壊れる』ぜ?」

 

「・・・そんなこと、さいしょからわかってるもん」

 

言葉を全部平仮名にしながら、零は椅子の上で膝を抱える。瞳からは自信満々に輝いていた光が消え、塗りたくったような濃い灰色をしている。所謂「死んだ目」だ。

 

「そーいう竜だって、『あの事』話してないんじゃないの」

 

・・・耳が痛え。俺は聞こえないフリをして耳を塞いで目を逸らす。

 

「・・・ひとのこといえない」

 

「・・・だけどなあ、お前の『源性(ちから)』は初代様御2人が『禁忌』とされた代物だ。俺が咄嗟に誤魔化したから良かったが、暴走しちまったら『闇氏(ウソ)』がバレるぜ?幸い二人は優しい奴みたいだからな。比較的すんなり受け入れられる筈だ」

 

「・・・でも・・・」

 

「怖いのか」

 

俺の一言にビクリと身体を振るわせた零。ハァと溜息を吐いて、俺は零を抱き締める。

 

「・・・りゅう?」

 

「だーかーらー俺をもっと頼れって言ってんだ。未だ人に離せないなら今は俺を頼れば良い。全部受け止めてやっからさ」

 

「・・・つよいね、りゅうは」

 

「ばーか、強かねーよ。俺だって(こえ)ーけど、凪と焔耶は裏切らないって信じてる。俺は『受け入れられ易い異能』だからな」

 

「・・・そうだね」

 

俺達は口を噤む。暫くしてから、零がポツリと言った。

 

「・・・ないて、いい?」

 

「今なら誰も聞いてねえ。胸貸してやる」

 

零は顔を埋めて静かに泣き始めた。俺は零を抱き締めながら、優しく頭を撫でてやった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「いやーアリガト!お陰でスッキリしたよ!」

 

零が泣き止んで暫くしてから、俺は見送りに陣の入り口まで来ていた。零は憑き物が取れたようなスッキリとした笑顔をしている。

 

「スマホ有るし、いつでも連絡しろ。流石に最中とかは繋がらねえけどな」

 

「そこまでKYじゃありませんー!!」

 

べーと舌を出す零に苦笑しながら、俺は周泰と呂布に耳打ちする。

 

「零を頼む。アイツこう見えて実はかなり心が弱くてな。しっかり支えてやってくれ」

 

「・・・分かってます。『堕ちる時は一緒』ですから」

 

「・・・零姉は、恋が守る」

 

「ハハッ、頼もしい。じゃあ後もう一つ。どんな事が有っても、アイツを信じてくれるか?」

 

「「勿論!!」」

 

元気良く返してくれる二人に俺は安堵する。遠くから零が呼んでいた。

 

「ちょっと明命!恋!早く行くよ!!」

 

「ああ、ちょっと待ってよ零!!ではコレで失礼します!!」

 

「・・・待って、零姉」

 

走り去っていく三人の背中を眺めながら、俺は口の両端が吊上がっているのを感じた。

 

 

 

――――良かったな、零。お前の『家族』は直ぐ近くに居るみたいだ。

 

 

 

 

 

 

~オマケ~

 

「もしもし凪さんに焔耶さん?どうして俺の両腕を掴んでらっしゃるのでございますか?」

 

「「・・・他の女の匂いがする」」

 

「いやソレはだな、零の相談に乗っていたからで――――イダダダダダ!!関節はダメだって!!」

 

「「やっぱり・・・他の女と・・・」」

 

「ヤンデレ!?ヤンデレでございますかコンチクショー!!俺的にはヤンデレよりかは普通の嫉妬の方が未だ良いんだけど――――って俺を引き摺ってどこに!?」

 

「「勿論、埋め合わせをシて貰いに逝くんですが/だが、何か?」」

 

「待て!?二つ程気になる文字が――――」

 

 

次の日、真っ白に燃え尽きた竜と、肌が艶々になった凪と焔耶が目撃されたらしい。

 

 




基準「更新遅れて申し訳ゴザイマセンでしたああああああああああ!!」

零「ホントだよ駄作者!!」

竜「言い訳を聞こう」

基準「いやそれが、問題集の宿題が大量に出たり、問題集の宿題が大量に出たり、友達に色々と相談したりしてたらこんなに遅く・・・それにこの回、この前書いてたやつは結局某魔術師殺しの人生譚になっちまったから書き直してたり」

零「そーいえば必死になってカリカリやってたよねー」

竜「・・・答えを丸写し、何てマネはやってないだろうな」

基準「したくても出来ませんって!!そもそも解答が答えだけで、解き方とかを解説した冊子は先生が所持してるんですから!!」

竜「バカテスの明久みたいに――――」

基準「いや無理だからね!?そもそも職員室に強襲かける事なんて出来ないよ!!」

零「作者の根性なし!!」

基準「君にだけは言われたくないっ!!」

竜「ハァ・・・で、今回は劉備ボッコ&零の秘密回だったな」

基準「難産でした・・・私も人生経験浅いし・・・」

零「お疲れ様です」

竜「というか何だ最後のは。綺麗に終わったかと思えば俺搾り取られてるじゃないか」

基準「いやオチは付けないとね。・・・ふぁ~あ、そろそろ眠くなってきました」

零「じゃあそろそろ締めますか!それでは『戦士と悪魔の外史旅行』ー!!」

竜「次回投稿は未定だ。作者の学校が期末の二週間前だからな」

基準「期待せずに、気長にお待ち下さい」

零「またね~!!」
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