桜の織り成すキセキ   作:天枷美春

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今回紅女史メインの裏設定暴露大会?
ええ。魔法界ネタなんぞ、これから先暫く出番無いでしょうし。


9話

英語、国語、数学…………学び舎で行われる授業のカリキュラムは多い。

生徒は始めて覚える内容を頭に詰め込み、そして進級や進学をするため、志が高いものはその先を考えて学んでいく。

どの科目が一番難しいかと言われると、人それぞれであろう。

だが、誰が一番大変かと言われれば――――

 

 

「――――――と言うわけだ。覚える所が多すぎるから、先ずは此処だけ覚えろ」

 

 

紅薔薇撫子、彼女であろう。

 

 

「流石に古すぎて文献すらまともに残ってないが、魔法界……と言うより、ミント王国を隔離している結界は初代女王ミントによって作られた。それが王国の歴史の始まりだ」

 

 

彼女は風見学園附属校3-1の担任である。

担当教化は世界史、世界史と言う事で人間界の世界史以外にも神界、魔界、4月からは魔法界の歴史も教える事になった。

大変なのはそれだけではなく、歩く国際問題と呼ばれる神界・魔界のプリンセス2人に加え、原因の大本の稟やそれ以外の騒動を引き起こす緑葉・杉並・朝倉、最後に新しい世界からの転入生3人ときて非常に頭が痛い事になっている。

 

 

「良いか? もう一度今日の授業の簡単におさらいする。いつ頃かは不明だが、魔法界の初代女王であるミントは、幾百名の人物を連れて現在の地に移住。そして【光の玉】を使い王国を包む様に結界を張った…………何かコレまでの流れで質問はあるか?」

 

「紅女史、ミント王国の外は現在どうなっているんです?」

 

「ほう。緑葉にしては良い質問だな…………と、言いたい所だが、その辺は良く解っていない。記録上、結界が途絶えた事は無いからな。七瀬とか、何か知っているか?」

 

「10年前くらいまで師匠が外の世界を旅してたそうですが。魔物で一杯だったそうですよ。まあ、その間に師匠は錬金術を教わってきたとか言ってたので、外の世界にも人は存在してるのでしょうけど」

 

「ふむ。それでも外との交流は行わないのか」

 

「女王は世襲制ではありませんからね、意思の統一と言うものは難しいんですよ。特定の一族による世襲なら、また色々と違った事にもなってるんでしょうけど」

 

「50年は長い気もするんだが……いや、お前等とは寿命の感覚が違うんだったな。まあ、そのことについては追々と授業で話そう、今日は此処までだ」

 

 

丁度時間であったらしく、撫子の宣言と同時に授業終了のチャイムが鳴り響くのであった。

 

 

 

 

・・・・・・

「いかんな、本格的に資料が少ない。建国付近は口伝として伝わっていると言うのに…………」

 

「…………おや。ミント王国史ですか? 撫子先生、お疲れ様です」

 

 

放課後、授業の構成を考えている途中であった。

ふわふわと、水晶球に乗ってソレイユが現れる。

見た目幼女なソレイユだが、撫子は1週間もあれば慣れてしまい、今では立派に飲み仲間である。

 

 

「ソレイユ先生……ええ、世界史と言う事で、交流先の歴史も生徒に教えねばなりませんからね。まだまだ私も勉強不足と言う事です」

 

「成程。物事を教える為には、先ずは自らが教えるに足るだけの力を持って居ないといけませんからね。私も、此方の世界の魔法や魔術等を学び、ソレをもう一度此方の生徒さんへと教えなければいけません…………ただ、知っている知識を伝えれば良いと言う訳で無いのが、教員の辛い所ですね」

 

「全くです」

 

 

ソレイユが教えている魔法学は、ミント王国式の体系化された魔法ではなく、人間界の個人個人に合わせた物である。

基礎を教えて、本格的な魔法は自分で学んで行くスタイルなのだが、その基礎からして違う為に、同じく大変なのだと感じる撫子であった。

 

 

「……………………そう言えばソレイユ先生。ソレイユ先生は、10年前くらいまで、王国の外へと出ていたと聞きましたが、聞いても宜しいですか?」

 

「外の、事ですか?」

 

「あ、いえ。流石に国家機密と言われれば、私も無理に聞くわけにもいきませんから」

 

「くすくす。いいえ、構いませんよ……外の世界ですか。私が外に出ていた頃は、緩やかなる黄昏の時代と呼ばれて居ましたね」

 

「…………終末期ですか」

 

「ええ。人類は幾度目かの黄昏の時代を、逞しく生きていましたよ。まあ、地域によって文化は様々でしたが、これは海が危険な所だと言うのもあるのでしょうが」

 

「ああ……成程。未開の地には多くの魔物が居るんでしたね。海ともなれば、どんな生態系が作られている事か…………」

 

 

大船団を編成しても、1匹の魔物に沈められる事もあるらしく、余程腕利きの人物が居ないと新天地の開拓は不可能であるらしい。

因みに、比較的安全なミント王国では如何なのかといえば、そもそも海はあるのだが外に出れないので航海技術の発達も何も有った物ではないと言うのが現状である。

 

 

「まあですが、技術力はそれなりにあるようで、一部地域には鉄道がありましたよ。浮島と浮島を繋ぐ空中鉄道ですが」

 

「は、はぁ……随分と凄い技術ですね」

 

「向こうの技術者の方曰く、遺跡より発掘された機械を、修復して使っているだけだそうで、完全に解明しきれている訳では無いそうです」

 

「それであって空中を走る鉄道ですか。滅びに向かう時代とは言え、嘗ての技術の水準は高かった様ですね」

 

 

映像などの資料が無いので、ソレイユの口から伝えられる内容を聞き、想像する事しか出来ない。

しかし、現在の此方の世界と比較しても同じかそれ以上かと言える科学が存在している世界であったのだと撫子は知るのであった。

 

 

「他に、ミント王国の外の出来事と言えば…………ああ、大事な事を忘れていました。錬金術です、錬金術がありました」

 

「錬金術、と言うと。我々の世界の錬金術とは似て非なる、魔法界の錬金術ですか。確か、本来のソレイユ先生の研究でありましたね?」

 

「ええ。あの技術は、元々ミント王国の外の技術なのです。外の世界においては、文化は地域によって違いが有りますし、魔法も此方の世界と同じ様に体系化されているわけで無く矢張り地域差がありました。しかし、錬金術だけは何処の地域で目にしても、基本的な土台は同じなのです」

 

「……………………まともな通信手段が無い世界で、ですか?」

 

「何時の時代かは知りませんが。錬金術を広めた方が居る、らしいのです」

 

「らしい?」

 

「ええ、年齢も、性別も不詳。世界各地に錬金術を広めた旅人の話が残っているのです。流石に同一人物と言う事は考えにくいですが………………」

 

「先生は、特定の誰かが広めた。そう考えているのですか?」

 

「……………………全ての地域を調べているわけでは有りませんが。まあ、言語も違えば文化も違うと言った中で、錬金術の最終目標と言えば『賢者の石』と呼ばれるアイテムが各地にあります。何を以って最終目標としたのか、誰がしたのか、それを考えればある一人の人物が広めたと考える事も出来るでしょうから」

 

 

尤も、コレは勝手な考察だと、最後に付け加える。

兎に角自分は、そんな謎の技術に興味を持ち、時間が許す限り教えを乞おうと考えたとの事であった。

 

 

「しかし、良く教えて頂けましたね。」

 

「元々、錬金術を次世代へと受け継がせる事は難しいらしいのです。研究する事ならば知識さえあれば誰にでも可能なのですが、発展させる事、つまり自らが考え、新たな研究成果を作り上げる事が出来るのは極一部なのです…………まあ、コレはどの分野にも言える事でしょうけどね。ですから、一応の最終目標として『賢者の石』があるのです」

 

「成程。古人が残した最高を、越えていく為に作られた目標ですか」

 

「ええ、私が学んだ先生は、その事については理解していたのかしていなかったのか……とりあえず、面白い方でした」

 

「お、面白い、ですか?」

 

「まだ年も20代ごろの女性だと言うのに、その王国…………あら、共和国でしたか? ええと、たった10年も前の事を思い出せないとは、歳ですねえ。とりあえず、その地域一体に名を轟かせる錬金術師の方に学んだのです――――くすくす、そう言えば、私が見た目的には子供にしか見えない事もあり、良くソレイユちゃんと子ども扱いされたのも良い思い出です」

 

 

100年を軽く越えて生きる大魔女相手にちゃん付けでよぶとは、怖いもの知らずな事であるのだろうが、これも役職も何も関係が無い外の世界であるから起こり得た貴重な体験であったとソレイユは思い出したのであった。

 

 

「そんなこんなで、学んだ技術を研究して、私は現在ホムンクルスの研究へと手をつけていると言う事です――――――――あら、外の世界の歴史についてでしたのに、何処で話がそれてしまったのでしょう」

 

「はは、そうですね。ですが、色々と興味深い話でした。因みに、魔法界で、錬金術はソレイユ先生だけが使える技術なのですか?」

 

「いいえ。持ち帰った技術として大々的に公表しましたから、国家の専門機関としても一つできていますよ…………まあ、色々と面倒なので、余り学ぶ人も少ないのですがね。一応、弟子である和也君は当然として、ダイル君のように、現在の大賢者の中で有望そうな子達には叩き込んでみましたが…………」

 

「おや、矢張りクライスは魔法は使えるのですか?」

 

「んー…………錬金術は、魔力こそ消費をしますが、技術の一種ですからね。まあ、区別は面倒な所ですね」

 

 

疑問におもった事を聞いてみた撫子であったが、ソレイユも判断に困っている様子である。

魔力消費と魔法行使は、厳密には違うと言う事らしいのであった。

 

 

「ところで撫子先生。この後のお話は、何処かの飲み屋で行いません?」

 

「…………ソレイユ先生も、好きですね」

 

「本拠地から離れた場合、楽しみになるのは食事ですよ。特に、私みたいに精霊の力を借りてでしか周囲を感じ取る事が出来ない者は特に、です」

 

 

まだ終末には程遠い、そんな日にちであるのにソレイユは飲みに誘う。

尤も、汎用性が高い魔法の一つに二日酔い防止の魔法があり、当然ソレイユはソレを使う事が出来るので、撫子も飲みへと着いて行く事にきめたのであった。




用語集……

ミント王国史
まず、君達に話さなければいけない事がある。
2なんて無かった、良いね? だが、それでも確認したいなら……
大体の流れは、18歳未満ならPS2版の魔女アラ2買ってプレイするか。
18歳以上なら小説版魔女アラ2かPC版魔女アラ2買ってプレイして確かめてね。

魔法界全体の話。
神界や魔界の様に、無限に広がる土地を持っている訳ではない。
黄昏の時代はアトリエシリーズのもの。
元ネタの幾度目かの黄昏の時代には王国とかそう言った制度が存在してるのか解らないけど、遺跡から機械とか資源とか出てくるのは共通してるので同じ時代として採用。
何か、アトリエシリーズの最新作で、アーシャが居た地方を黄昏の大地と呼ぶなら、あの地域だけが大破壊だろうが狂界戦争だろうが解らないけど起こっていてもおかしくないかなと。
まあ、アーランドと黄昏の大地が同じ場所にあるって事じゃなくて、世界規模なら全シリーズ混ざってもおかしく無いよねと。
序に今回スルーされてる空飛ぶ列車は偶然にも空飛ぶ郵便屋さんの作品と、神の居ない辺獄都市を舞台にした作品がそれなりにマッチしたから。

『世襲制ならば~』
メタ的にはオリジナルの王家でアイリッシュ・L・クレージュなる人物出したかったけど。
多分今回のだと普通の方法では出てこれないねぇ……

20代前後の女性。
少なくともアストリッド・ゼクセスではない、そもそもこの人の年齢…………
おや、誰か来た様だ。

賢者の石
錬金術における最終目標。
アトリエシリーズ皆勤賞!!
…………と、言いたい所だが、実はエターナルマナシリーズ、マナケミアシリーズ、そして現状最新作であるアーシャのアトリエには、無い。
何という事だ!?
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