でも、アレはD.C.3じゃなくてどう考えてもD.C.2トゥルーエンドその後って感じなんですが。
そろそろさくらを義之で攻略するD.C.欲しいわ。
…………さくらって作中でうにゃーとか奇声発したかな?
何か、文頭にうにゃー○○だねぇ的な喋り方する変なイメージあるんだが。
ざわめいていた体育館が、静かになっている。
剣道とは何たるかを知らぬ小学生であっても、赤星の演武に、皆が見とれているのであろう。
「流石だな、赤星」
「格好良いね~……所で七瀬君、ボクの研究発表はどうだった?」
「いや、俺は専門家と違うからな?」
既にさくらの発表も終わり、一緒に赤星の演武を見学している所である。
感想を尋ねるさくらであったが、和也は深く理解できるレベルではなかった。
当然、見学会に居る生徒も同じか、それ以上に理解できない訳で。
「そうだな。それでも言うなら、殆ど撃沈してたな。あんな発表で良かったのか?」
「うにゃー…………まあ、たかが植物なんだけど、されど植物なんだって思ってもらえれば、それで良いかな」
「数名除いて難しい事を言ってる程度しか理解して無いだろ、あの様子じゃ」
「日本じゃ飛び級してまた戻ってくる子とか少ないよね。もっと研究者として語り合えってみたいな」
「俺の知り合いで良いなら魔法科に植物の研究者が居るな。普通の花から魔法の花まで色々と研究してるし」
「へー………………」
「でも、駄目か。芳乃はこの島の管理者だったよな、あまり島外には出れないからこっちに呼ぶしかないか」
「あれ、七瀬君ボクの事管理者って…………ええええ!!?」
「何かあったの!?」
「あ、悪い。ちょっと話してたら黒いアイツが居たみたいでな、退治しておくからことりは外に出ておくと言い」
「ッ!? う、うん! 七瀬君、なるべく早くっすよ!!」
さくらの叫び声につられて、実行委員として一緒に見ていたことりが飛び込んでくる。
結構言い訳がしにくい状況であるが、流石に黒くて憎いあんちくしょうの名前を出されれば、出て行ってしまうのであった。
「ふう、行き成り叫ばないでくれ。心臓に悪い」
「な、七瀬君が驚かせる事を言うから悪いんだよ。でも、何でボクの事
「いや、
「魔法界の人なのに?」
「……………………実は、ダイルとかルシアンとかは元より、王国にも秘密にしてる話があってな。俺の母さん、元々はこっちの七瀬家出身でな。だから、こっちの世界の事についてもそれなりに詳しいんだよ」
「ああー……確かに、旧世代の魔法使いの人なら、縄張りの話は詳しそうだよね」
開門より以前、つまり魔法がまだ正式に認められていない時代にも当然魔法は存在していた。
日本においては魔法とか魔法使いとは呼ばれず、陰陽師、忍者、巫女と言った様々な形で日本全土に在った。
そして、家によって技術体系が違うので、他家に漏れないようにと、其々の地域を縄張りとしていたのだが、その名残が今も残っているのだ。
「んでまあ、お前の婆さんであるリッカ・グリーンウッドの事は、カテゴリー5で、この島の管理をしてたと、聞いてるんだが」
「詳しいね、10年前に初音島に来たことがあるって言ってるけど、その関係?」
「其の辺りは今一解らん。色々とあった時期だし、気分転換も兼ねてこっちに来たんだとは思うが…………いや、桜自体は昔から好きだったから、それも関係してるのか?」
「そんなに昔から、ボクの事を……」
「確かにさくらだけど、お前じゃないしなぁ……………………」
「ボクの渾身のボケなのに、其処までため息を吐かれると辛いね」
「いや、だって。似ても似つかないしな」
「そりゃあ、そうだけど。もうちょっとノリが良くても良いんじゃ無いかな」
少しばかり頬を膨らませて抗議するさくらを、和也は笑いながらあしらうのであった。
「…………な、七瀬君。もう、居ないっすか?」
「ん? ああ、仕留めた。が、流石に1匹居れば何とやらだ。気をつけるんだぞ」
「い、今この場に居ないなら良いよ。所で、もうそろそろ七瀬君の出番っすよ」
「意外と早かったな……まあ、演武30分は流石に長いし、そんなものか」
見た感じ疲れては無さそうだが、スポーツ剣道の技ではなく、赤星自身が修めている草間一刀流の剣道の型になっているのであった。
「そう言えば、結局朝月君居ないんだね」
「あー。そう言えば、朝月君が来るかも、って聞いてたんだけど、居ないね」
「蓬か? あいつ、着ぐるみ被ってあそこでオーバーリアクションしてるじゃないか」
「「えっ…………」」
ナレーションに合わせる様に着ぐるみ……それも、自身が勤めるミラクルちゃんに出てくる男の子の着ぐるみを被ってリアクションを行っている。
因みに、着ぐるみと言っているが実際はパワードスーツみたいなものであり、とても軽い。
声優にパワードスーツを着せて何をやらせているんだと言う話になるかもしれないが、実は中にマイクが仕込んであり、蓬はナレーションを行いながらリアクションを行っている。
そもそも、蓬が其処まで動くとは考えて居なかったので、なんであそこまでの動きをしているのかと不思議に思っているのであった。
「…………何で、蓬君が着ぐるみを被ってるの?」
「…………結局の所、蓬が発表する時間は無いって話でまとまってな。だけど、都合よく蓬の奴があの着ぐるみを持ってたから、そっちの方向でやって貰うかと提案したんだ」
勿論嘘である。
昨日、ソレイユに手渡されたクロノ水溶液を練習目的で使用して作ったのである。
徹夜を覚悟していた製作が、1時間もかからなかったのは、クロノ水溶液の規格外の力があってこそであった。
「そ、そうっすか。蓬君って、不思議な人なんっすね」
「ハハハ…………」
『――――以上。赤星先輩の演武でした!!』
「おっ。終わったみたいだな」
「そう言えば、これ、誰の声っすか?」
「あっ、ボクも気になったんだけど、誰?」
「何か、都合がついたミラクルちゃんの男の子の声優さんを雇ったらしい。と言うか、蓬が参加できているのは、この人が仕事を請けたからだろうな。ピンポイントに着ぐるみなんて持ってても、普通は意味無いし」
「声優さん! 頼めば来てくれるものなんだねぇ」
「有名な観光地だし、来るんだろ」
物珍しそうに話を聞いている2人に適当な相槌を打ちながら、和也は和也で次の錬金術の準備を整えていくのであった。
『続いては、風見学園附属校3年1組の、七瀬先輩だよ! と言っても、少しだけ準備があるからまっててね!』
「…………じゃ、行って来る」
汗を拭いつつ戻ってきた赤星と交代する様に、和也は幕が下ろされた舞台へと上がる。
「鍋良し、火力良し…………材料、良し! OKだ、幕をあげてくれ」
『さあ、次の七瀬先輩が見せてくれるのは――――魔法界式錬金術! 何と、七瀬先輩は、魔法界からの転校生さんだ!』
蓬の紹介の声と共に幕が上がる。
先ほどまで、赤星の演武に感動していた様子は一変し、未知なる錬金術に体育館はざわめき出すのであった。
「初めまして、だな。今日は皆に錬金術を見せようと思う、錬金術ってのは、材料を混ぜ合わせることで色々な物を作り出す技術だ…………そして、材料は、コレだ!」
『食……材…………?』
予め仕込んでおいた
そして、山の様に現れた食材に、予め話を聞いていた蓬ですら驚いているのであった。
「今日は錬金術で料理を作ろうと思う。だから、何かリクエストがあっても良い様に、沢山食材を用意したんだが…………何を作ろうか………………来華ちゃん、来華ちゃんは居るかい?」
「は、はい!」
ぱっと思い浮かぶ物が無かったので、とりあえず何を作るのかと不思議そうに此方を見ていた来華を指名する。
と言うか、小学生の知り合いは来華だけなので、指名したとも言える。
「何か好物を言ってくれ」
「えっ…………さ、秋刀魚の塩焼きです!」
「渋っ!? 秋刀魚か、旬じゃないから秋刀魚は無いけど、作ってみよう!」
もう春の盛りも過ぎ、衣替えが近づいている頃である。
ほぼ正反対の時期の魚は売って居らず、仕方なく和也は適当にサヨリを手に取る。
「一つはサヨリ、一つは塩。そしてそれらを混ぜ合わせる中和剤(青+クロノ水溶液入り)を入れて、ぐーるぐーると混ぜます。混ぜること1分!」
ポンッと言う小さな音と共に、釜の中から秋刀魚の塩焼きが出てくる。
一体何が起きているのかと呆気に取られる者が多数居る中、味を確かめて貰うために来華を呼ぶのであった。
「さあ、味は!」
「……………………秋刀魚だ!」
幸せそうに、美味しそうに来華は秋刀魚の塩焼きを食べていた。
秋口にしか食べることが出来ない自身の好物を、今此処で食べる事が出来る嬉しさをかみ締めているのであった。
本当に渋い小学生である。
「さ、て。次は誰が頼んでみる? いや、何を食べたい?」
その言葉に、多くの生徒が一斉に料理を主張し始める騒がしい見学会になるのであった。
適当に十名程のリクエストを受けた後は、プログラムの流れにそって錬金術で作った食事による昼の休憩時間が始まるのであった。
尚、その時も大体はリクエストを受け付けていた和也であるが、なぜか教師からのリクエストも多くあり、学生優先じゃないのかと思ったりしたのであった。
・・・・・・
「助かったよ。この着ぐるみ凄いんだね」
「い、いや、中の人が凄いんじゃないか?」
出し物も終わり、遅めの昼食を、摂っている時の事であった。
極限まで軽く出来る様に、そして頑丈にしたのは確かだが、跳んだり跳ねたり、そんな機能はつけては居ない。
「って言うか七瀬君、朝月君とは知り合いだったの?」
「昨日からだな、ちょっとした縁があっただけだ」
「でも、結構レアだな。朝月と知り合いって、音楽室に篭るか、さっさと帰る事が多いし。俺達2組でも、人と成りは余り理解してないってのに」
「あはは……僕からしてみれば、僕以上に人付き合いが悪く見える高町君と知り合いなのが驚きだけど」
「ソレも縁って奴だな。知り合いの知り合いは知り合いって言うのを長く続ければ、人類全部が知り合いになる感じに」
クラス自体は隣なのだが、矢張りクラス間の交流は少ない。
さくら、ことりが朝倉、工藤との繋がりとしてあるのだが、双方が其処から広がらない。
だが、ダイルとかルシアンとかが居るので、別口からの切り込みにより、交流も広がりを見せては居る様だ。
「まあ、こう言う事は結構ある話だけど。余り親しくしてても、6月の桜花祭ではクラス対抗でライバル同士になるから、意外と簡単に崩れやすい友情なんだよね」
「崩れやすい友情って…………」
「そうだな。芳乃とか、七瀬とかは転入生だから今一ピンと来ないか…………風見学園の生徒はな、学園行事に全てを賭けるのさ」
「そう、皆生粋のお祭り好き。教師ですら圧倒する行動力を見せ付けるのさ」
「うにゃー…………お兄ちゃんとか、そんなイメージ全然無いんだけどな」
「朝倉の事? そっか、芳乃さんは知らないよね。朝倉は風紀委員ブラックリストに登録されているって事」
「……………………アイツが、か?」
常日頃からかったるいを口癖にしては居るが、普通に生活している様にしか見えない朝倉が何故そんな物騒な名前のリストに載っているのかと、さくらは勿論和也も解らない様子である。
「今でこそ落ち着いたけど、去年までの彼は、杉並と一緒に学園の行事を変な方向に荒らしまわったからね」
「放送室ジャックに、無許可で特大花火の打ち上げとか、まあ美味しい所を掻っ攫われたよ、朝倉と、杉並にはね」
「…………そんなのでブラックリスト入れるか普通? ってか、音夢の私怨と違うのかそれ、むしろその方が納得がいくんだが」
「七瀬君、聞いてる限りでは十分に迷惑行為だよ…………あと、音夢ちゃんはお兄ちゃんの事になると色々と変わるけれど、流石にそんな事しないよ」
「この程度なら只の迷惑行為なんだけどな。問題は杉並の方だよ」
「そう、朝倉は杉並との相性が良すぎるんだ。只でさえ風紀委員最大の敵と言われる杉並に、合わせる事が出来る人物。ソレは十分すぎるほど厄介じゃないかな?」
言い方を変えれば、2人目の杉並の出現である。
もしも、今のように大人しくなっていなければ、風紀委員は過労で倒れる人物が居たかもしれないとは、蓬の弁である。
「だから、学園行事が近づくたびに、風紀委員は臨戦態勢だよ」
「そうか……………………それは、気をつけないとな」
「うん?」
「いや、俺も、そう言うノリは、嫌いじゃない」
目を輝かせる和也に、蓬と赤星がこいつもかよと言う顔をしたのは、言うまでも無いだろう。
用語集
秋刀魚の塩焼き
魚(何でも良い)+塩+中和剤(青)で秋刀魚の塩焼きは無理があるだろボケェだって!?
じゃあ魔法の草+粉ミルク+ハチミツでカステラ作ってみろよ!!
ブラックリスト
朝倉と杉並は確定で載ってる。
内申に響く? いや、エスカレーター式だし、この学園。
他に載ってそうなのは、恋人の邪魔になっていないか考えてるサッカー部員とか、絵が描けなくなった特待生とか、教頭とか。
全員出てくるかは別。
そろそろ4月の話が終わるかしら。
6月の話題とか出すのは構わんですが、果たして其処まで行くのに何年かかるんだろう。