桜の織り成すキセキ   作:天枷美春

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過去回想では朝倉の事をお兄ちゃんと呼んで居たとは言え。
美春がお兄ちゃんと主人公の事を呼ぶ度に、と言うかそういう設定を作り上げたとは言え。
…………何か、お兄ちゃんと書き込む度に背中がむず痒くなるのは、何でだろう。

筆がノらん…………今回も設定語り、そして酷い。


だからってMH3Gをずーっとやってて。
投稿日にはミラアルマシリーズ(剣士)を一式完成させてわっほいしてました。
ガンナーソロ25分針なら、普通ですかねェ、グラン・ミラオス。
早く冥海竜と戦いたい……ナルガナズチ=サンは只の雑魚だったし。


14話

「どうも、遊びに来ましたー」

 

「ああ、和也君! 良かった、良い所に来てくれた!」

 

 

天枷研究所へ顔をだしてみれば、熱烈な歓迎を受けることになった。

 

 

「おじさん?」

 

「少し、頼まれ事をしてくれないかね。貴咲博士に、届けて貰いたい物があるんだ」

 

「貴咲さんに、ですか………………」

 

 

マッドサイエンティストが多く集うこの天枷研究所で、天枷博士に並んで一際ぶっ飛んでいると評される人物である。

いったい、どんなものを運ばされることになるのかと、和也は気が重くなる。

 

 

「ははは、大丈夫だよ。私もそう無茶苦茶なものは、この研究所から出したりしないから」

 

「並み程度の無茶苦茶なものは……?」

 

「………………さて、和也君、運んでもらいたいものだけどね」

 

「おじさん!?」

 

 

やっぱり、表面上だけが普通の人なんだと理解するのであった。

 

 

「今回のは大丈夫だよ。私の物とは別口の、彼女が開発したエネルギーコアの調整が済んだから、それを届けようかと思ったんだけれどね…………ちょっと、珍しく研究が良い所まで進んで、みんな動けないんだよ」

 

「貴咲さんは今研究所に居ないんですか?」

 

「家に帰ってるよ。研究もひと段落したし、彼女は休みに入っているのさ」

 

「…………それならば、休み明けに渡せば良いのでは?」

 

「欠陥が見つかったのだよ。彼女、オフのときは電話も切っているからね、伝えようにも伝える事が出来なくてね」

 

「それならば、仕方がありませんね。俺でいいなら運びますが、貴咲さんの家は知りませんよ?」

 

「大丈夫、案内人をつけるから」

 

 

 

 

・・・・・・

「――――此方です。東部の住宅街は意外と遠いんですよね」

 

「全くだ。杖で飛んでいけば良かった」

 

 

案内人は美春であった、バスに乗り、西部の工業地帯から、東部の住宅地へと向かい降車する。

風見学園を挟んで対側の住宅街であり、また俗に言う高級な住宅街も近くに存在している場所である。

 

 

「…………所で美春、そう言えば何で貴咲さんの家を知っているんだ?」

 

「………………………………まあ、話しても良いですよね。お兄ちゃんに誤解させるのもアレですし。実は、息子さんである騎士さんが、風紀委員で作成する表側のブラックリストに載っているんです。その関係上で、家の場所も調べる事になりまして」

 

「ブラックリスト…………あの、杉並とか、朝倉で有名な。ってか、表の?」

 

「はい。風紀委員は2種類を使い分けているんですよ。主に、教員向けのと、風紀委員が把握しなければならない物の2つを」

 

「教員、向け。美春、俺は多分聞いては駄目な事を聞いてしまっているのではないか?」

 

「はい。ですけど、美春たちが黙って居れば良いことですよね?」

 

「そう……だな」

 

 

笑いながら釘を刺してくる美春に、恐ろしい娘と感じながら、和也は頷いているのであった。

そして、そこで聞くのを止めないのが和也である。

 

 

「それで、表のブラックリスト、教員向けってのはダミーなのか?」

 

「はい、似たようなものです。何と言いますか、一応ブラックリストとしては機能しているのですが、度が過ぎて学園の運営に口を出す教員の方を焙りだす役割もあるんです」

 

「おお、怖い怖い。だけどまあ、その一応は機能しているブラックリストの生徒の所へ行くのか」

 

「はい。ですけど、大丈夫ですよ。騎士さんは、確かに目つきこそ鋭いですが、売られた喧嘩しか買わず、決して自らむやみに暴力をふるう方では無いとのお話ですし。実際に見させていただいた資料とかでは、成績はいたって普通で、不良生徒と呼ばれるような方にありがちなタイプではありませんよ、ある意味では被害者とも言える方ですね」

 

「…………ほー」

 

 

風紀委員会の情報収集能力が凄まじい事を、美春は知ってか知らずしてか話してしまっているのだが、和也はもうあえて深く話に乗らないことにするのであった。

そして、そんな風紀委員会と見た限りでは一人で戦う杉並とは、一体なんであるのかと和也は考えるのであった。

 

 

「――――――さて着きました」

 

「普通の家だな」

 

 

インターホンを鳴らし、来客を告げている美春を余所に、和也はそんな事をつぶやく。

 

 

「当たり前じゃないですか、お兄ちゃんは一体どんな家を考えていたんですか?」

 

「だって、貴咲さんの家だぞ? 一般人が近づくとミサイルとかが飛んで来たり、落とし穴に落とされて地下に監禁されるかも知れないじゃないか」

 

「……………………あ、家の方が出てきましたよ」

 

 

何か変なトラウマでも持っているのだろうかと思う美春であったが、話をスルーして進める事に決めるのであった。

 

 

「知ってる声がすると思えば、天枷か。ついに俺は風紀委員の敵になったのか……?」

 

「そう言うのは杉並先輩と、ヤンチャしていた頃の朝倉先輩だけで十分ですよ。本日は、騎士さんに用事ではなく、貴咲博士にお届け物があって、こちらに来させて頂いた訳です」

 

「お袋に……まあ良い、その届け物は何処に……って、後ろの男が持ってる奴か」

 

「どんな仕組みなのかは聞いてないから解らないが、不具合があるらしいエネルギーコアを届けに来た。まあ、貴咲さんには休日返上して不具合を直せと言う命令じゃないだろうか」

 

「は、ざまぁ無いなあのババア…………酒かっくらって寝てるから、叩き起こしてくる。それまで中でまっていてくれ」

 

 

結局、起きてくるまでにはかなりの時間を要するであろうと、お構いなしに和也たちは家に上がらせてもらうのであった。

 

 

 

 

・・・・・・

「ふう、やっと起き――――――――」

 

「ってか弥深は入り浸ってるのか。通い妻なんだな」

 

「えええ!? 通い妻って、七瀬君!!?」

 

「……………………あんた等、一体何を話してるんだ」

 

 

起こすのに時間がかかり、やっと客間に戻ってきた騎士であったが、戻ってきてみれば従姉弟である弥深子がからかわれて(?)いる現場を目撃するのであった。

そして、和也に対して面倒そうな人物だと印象を残しているのであった。

 

 

「と言うか、先輩はヤミと知り合いなのか?」

 

「クラスメイトだ。あまり付き合いは多い方ではないが、それでもクラスメイトだしな、話すことは多い。まあ至極普通の女子生徒だと思っていたら、真逆年下の男の家に通う器量を見る事になるとは…………やはり2週間程度の付き合いでは、人間の表面上しか見る事ができないな」

 

「…………………………なあ、天枷?」

 

「気にしないでください。こちらの文化には慣れていないんです」

 

「いや、流石に冗談なんだが、その言われ方は傷つくぞ」

 

「え、そうだったんですか? ほら、お兄ちゃん前にも『二十歳過ぎたらババアか…………こっちの人間は寿命本当に短いなぁ』とか言っていましたし」

 

「何だと…………アレは嘘だったのか!?」

 

「いくら何でも嘘だと気づきましょうよ。私たちの寿命は、大体100歳前くらいですから、幾ら何でも短すぎますよ」

 

「何だ、100歳前とか大体3分の1くらいか、やっぱ短いな」

 

 

そっちの種族が特殊なだけだろうと、皆はため息を吐くのであった。

 

 

「まあ、そんな事は兎も角、お袋起こしてきたから、二度寝される前にそのエネルギーコアとやらを渡してやってくれ」

 

「…………んーあー? 呼ばれたぞ、研究所から使いを寄越すとか、一体何事だ。まあ、和也君だから特にこれと言って問題はなさそう、か?」

 

「ええ。とりあえず、エネルギーコアが完成して、何か不具合があるらしいので博士にお届けに参りました。はい、休日返上で頑張って原因を見つけて下さい」

 

「なん、だと…………!」

 

まだ少し残っていたのだろう眠気と酒気も一瞬にして吹っ飛んだのであろう。

和也がいつも知る貴咲らしくはなく驚いた表情をしているのであった。

 

 

「要らないと思いますが一応、此処にコレのままで稼働させるとどうなるか書いてありますが」

 

「いや、解っているさ。コレをこのまま稼働させるとエネルギーが不足して、夜にはパワーダウンするだろうとは自分でも解っていたんだけどね。真逆天枷博士に気づかれるとは」

 

「ん……? 貴咲さん、その言い口からして、態々失敗品のまま提出したんですか?」

 

「ああ、そうだよ。私だって偶には長い休みが欲しかったからな、仕様書だけ提出して、完成してから直すつもりだったが、書類見ただけで気づくか普通…………」

 

「いやあ、仮にもあの研究所の所長ですし、と言いますか、我の強いあなた方を存分に使いこなせる人ですし……?」

 

「まあ、良いか。もう少し弄れば、エネルギーも長く稼働させることが出来るとは気づいては居たし。最終的に、太陽発電による昼間のエネルギー補助を行えば……………………」

 

 

最適解は既に持って居たらしく、あとはシステムをどうやって組み込むかをブツブツと言い始めるのであった。

その辺りをまじめにやっていればこんな宿題みたいな物を出されなかったのでは無いのかと思う和也であった。

 

 

「お父さんって、すごい人だったんですねえ…………」

 

「いや、自分の名字が入ってる施設を経営してるだけでも十分に凄い事だろ。ってか、あの人の娘なんだから、美春は研究職に向かいたいとは思ったりしないのか?」

 

「ふえ!? さ、流石にそんな先の進路の事まだ考えたりなんかしていませんよ。私勉強は普通程度ですから」

 

「いかんな、いかんぞ美春。只でさえ短い寿命なのに、最高学業機関……こちらでは大学か、大学を卒業するまで何も考えてないとか、そういう人間になってしまうぞ」

 

「ま、まあ、それに関してはなるべく早くから決めておいた方が良い事くらい知っていますが、じゃあ和也お兄ちゃんは如何なものなんですか?」

 

「む? とうの昔から七瀬神社()を継ぐ事だって決めてるよ。一応長男様だからな」

 

「そうなんですか……」

 

「尤も、決めていた人生設計なんぞ当てにならなくなったがな。主にあの神王魔王様(オッサン共)の所為で」

 

「良いじゃないか、人生なんて思い通りに行かないのが普通だ。和也君の性格だ、どうせ新しい人生設計を作るんだろう? 新しい可能性に賭けてみるのも一つかも知れないな」

 

「常に未知を目指す科学者らしいお言葉をどうもです……そうですね、名誉職とは言え、賢者の名を貰って居るわけですし、只家を継ぐと言う事では終わらない事にでもしますよ」

 

 

折角の世界間交流が始まったのだから、もう少しは外の世界にも目を向ける必要が出てくる時代になるのだろうと思う和也であった。

 

 

「進路かー…………今年で私も卒業なんだよね」

 

「まあ、まだ何も考えてないなら、エスカレーター式に上に上がれば良いだろう弥深は……そもそも、色々と選択出来るだけの力をつける必要がある気もするが」

 

「あうう…………」

 

 

たった2週間で和也が確実に理解したことの一つに、美作弥深子は物腰柔らかく、美人で、そして成績優秀そうに『見える』と言うものであった。

見えるだけであり、実際の成績はかなり悲惨である事は、よく解っているのであった。

 

 

「先刻の話になるが、美春とかもどうなんだ。血がどうのこうの言うつもりは無いが、あの天枷のおじさんの娘なんだし…………」

 

「…………成程、確かにそれを考えれば、あの博士の血を受け継いでる訳だしな。美春ちゃん、一回勉強してみないか?」

 

「か、考えておきます」

 

 

何かその血は遺伝するのではないかと、天枷博士を知っている2人は少し興味を持ったように美春に尋ねるのであった。

 

 

「所で和也君。資料の修正を渡すから、研究所まで運んでくれるか?」

 

「………………時間によりますね」

 

「まあ、この程度だ。2時間もあれば書きあがるだろ」

 

「流石に、知り合ったばかりの後輩の家で2時間も自由に寛げるほど、神経は図太くないつもりですが…………と、言いますか、これから研究所に行って書けば良いじゃないですか。今まで寝てたんでしょう?」

 

「そりゃ私だって寝るときは寝るよ。私があまり寝てないのは、遊んでいる……研究している時間の方が有意義だからな」

 

 

研究者もここまで来ると、自身の研究とは遊びと同義になるのかと、目の前にいるたちの悪い研究者の言動にため息を吐くのであった。

 

 

「まあ、美春を家まで送り届ける必要がありますし、勘弁してください」

 

「何か、ワープとか持ってないのか? 魔法使いなんだろー?」

 

ワープ(空間転移)ですか? 出来ない事も無いですけど、こっちの世界の人を一緒に運んだ事はありませんから、何が起こるか解りませんよ?」

 

「――――――おっと、流石に実験材料になるのは勘弁だ。私は普通に研究所に向かうとするよ!」

 

 

流石に科学者である。

危険な可能性がある、データ不足である、この2つが重なった条件では、どの程度リスクがあるかを即座に考え、自分の部屋へと帰って行くのであった。

 

 

「いや、空飛んで行く方法も…………遅かったか。美春、聞いての通りだが、杖の後ろに乗っていくか?」

 

「あ、はい。お願いします…………和也お兄ちゃん、本当に、空間転移は何が起きるか解らなかったりするんですか?」

 

「んー…………別に、問題ないとは思うんだがなぁ。時々、俺が空間跳躍系の魔法を使うと、変な所に飛ばされるんだよ」

 

「七瀬君が使うと、失敗するの?」

 

「失敗、失敗と言うわけじゃ……いや、確かに、目的の場所に到着と言う意味では失敗しているのかもしれないが。空間跳躍と言う意味では成功しているんだな、これが。弥深が想像してる失敗ってのは、女の子がシャワーを使ってる真っ最中の場面に飛び込んでいく感じだろう?」

 

「いや、どんな例えだよそれ」

 

「あ、でも結構そんなイメージだよ」

 

「当たってるのかよ………………言った本人もビックリだよ」

 

 

どうやら、空間転移の失敗とは、弥深子の中ではとても愉快な事になって居る様なので、訂正しながら話を進める。

 

 

「魔法の失敗とは、発動しない事だな。発動しても制御できない場合は暴走するわけだが……そして、俺のは失敗じゃなくて暴走だな。魔法すると、何か時々、想定してない場所に飛ばされたりするんだよ。どれだけ念を押して成功確率を上げても、暴走のリスクを下げても。何かに引っ張られて時々別の…………別の世界に飛ばされたりするわけだ」

 

「そ、それって、帰る事は出来る……んですよね、現にお兄ちゃん、此処に居ますし」

 

「まあ、自力での帰還は物凄く難しくてな。後輩にショコラって言う娘が居るんだが、その娘に失踪した先を探し当てて、戻して貰うって言うのをかなりの回数やってたのさ」

 

「……………………よくそんなに飛ばされて、向こうの学校は大丈夫でしたね」

 

「時間の流れは、世界によって違うからな。珍しくも、自力で魔法界に戻った時なんか、1年以上その世界で過ごしてたからな。まあ、1年過ごした所で、魔法界に戻ってみれば3日も経って居なかったと言うそんなオチが待ち受けていましたとさ」

 

「あれ、って事は、七瀬君私たちより更に1つ上になるの?」

 

「肉体年齢的にはそうかもな。だけど、戸籍上の年齢はちゃんと弥深と同じなわけで?」

 

「…………良いのか、ソレ?」

 

「はっ、どうせン百年生きる種族さ、1年や2年程度時間を消費したところで、何か無駄になったって訳じゃない」

 

 

まあしかし、当然人間界の住人からすれば理解できる事では無い訳で。

結局の所、本当に和也はこっちの文化に慣れているのか疑問になる1日なのであった。

 




用語集

結城騎士
漫画家『白雪しおん』先生の作品『にこプリトランス』の主人公……?
このss2作品目となった4コマ漫画クロス元ネタ作品。
この作品は、双子のロボットと騎士(+弥深子)が色々ドタバタとコメディーしながらラブいロマンスする作品。
双子のロボット? まだ貴咲博士完成させてませんが何か? つまり原作開始前って訳です。

美作弥深子
にこプリトランスのヒロイン……?
アホの娘。
主人公(?)とかヒロイン(?)とか(クエッションマーク)がついている理由は、この漫画では色々な人物が、色々なストーリーを……と言っても、普通に把握できる程度の量だが、織り成して居るから。
もちろん、結城家+弥深子を主軸として話は進んでいくので、物語全体の主人公は彼ら…………じゃなくて、タイトルになって居る通り双子のロボットが主人公かも?
どうして原作開始前の設定でss書いてるんだろうこの人……とか、生暖かい目でお願いします。
尚、ss内で和也に言われていたが、通い妻と言うよりは、原作的に表すと熟年夫婦。
家が隣同士で、従姉弟である。
因みに筆者、このss書いてて、しばらく弥深子が騎士と同じ年齢だと錯覚していたでござる。

結城貴咲
にこプリトランスのサブキャラ(マッドサイエンティスト)
主人公の母親で、胸とスカートがなかったら男にしか見えないとか作者に言われた。
多分、このss的には、天枷博士のロボット研究とは、また別口でのロボット研究を成功させた人。
早く完成させてしまわないと、物語がいつまでたっても進まないぞ畜生…………!

空間転移の失敗
時代が違う所に飛ばすには、ちょうどいい設定。
ついでに、魔法界の人間は長生きなので、年齢に執着しないという都合のいい(ry
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