桜の織り成すキセキ   作:天枷美春

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22話? 知らない子ですね。

…………納得がいく形に出来上がったら投稿します。
前後が繋がらないss形式なのに、下手に話を繋げると話を書くのが大変で大変で。


追記修正:本来この日は、学校が休みの予定って確り書いてあったから内容弄ったよ。


23話

『――――――で、時間はかかりそう?』

 

「今向かっている…………糞眠い。今何時だと思って居るんだ」

 

 

前日の疲れもあり、さっさと寝ようと布団に入り込み、寝ていた和也の下に、さくらから電話がかかってきた。

曰く、今から枯れない桜の所に来いとの事であった。

緊急性がありそうな話であったので、起きて向かっている途中である。

 

 

『にゃはは、ごめんね。でも、七瀬君が来てくれて助かるよ』

 

「気にするな、とは絶対言わん。睡眠を邪魔しやがって……で、何が有ったんだ?」

 

『人が倒れてるんだ』

 

「…………それは、俺じゃなくて警察とかその辺りに連絡した方が良い気がするんだが?」

 

『もちろん、魔法絡みだよ。変な魔力を感じたから、あの桜の木の下に向かったんだけど、そうしたら急に――――』

 

「ああ、詳しい話は直接聞く。もうすぐ到着するから携帯を切るぞ」

 

「…………? 七瀬君の家って、結構遠かった気がするんだけどな」

 

「――――別に、夜間飛行は問題じゃないだろ」

 

「わわっ!?」

 

 

簡単に到着できる距離ではないと思って居たさくらだが、桜の上から和也が降ってきた事に驚くのであった。

どうやら、全力で空を飛んできた様子である。

 

 

「人が倒れているまでは聞いた、それで何があったんだ?」

 

「あ、うん。この桜から、何か変な魔力を感知してね、ちょっと見に来たらこの人が倒れていたんだよ」

 

「ふむ」

 

 

倒れている青年らしき人物は、和也たちと同じくらいの年齢の様に見える。

息と脈はさくらが確認したとの話であり、取りあえず目立った外傷も無さそうだが、念の為に治療魔法をかけておく和也であった。

 

 

「流石に、野晒しは拙そうだが、何処かに運ぶか」

 

「ウチに運ぼうか。最終的に色々と聞かないと駄目だし……何か、魔法が関係しているのは間違い無いんだしね」

 

「…………こんな時間帯に。男を、一人暮らしの家に連れ込むのか? 色々と危険だろ。誰かに見られると後々大変だろ。隣の、朝倉も心配するだろうし」

 

「この時間、音夢ちゃんもお兄ちゃんも寝てるよ。騒がしくしなければノープロブレム。それに、この人が危険な人だったとしても、七瀬君が居るしね」

 

「そうだな……………………最悪、徹夜コースだな、俺」

 

 

厄介事に成るかもしれないこの状況を放っておけるほど和也は薄情でも無い。

取りあえず、寝ている男を担いでさくらの家まで運ぶ事にするのであった。

 

 

 

 

・・・・・・

「――――――――ん、んん………………知らない、天井だな」

 

「定型文乙」

 

「うわっ!?」

 

 

眠そうな和也に声をかけられ、目覚めた男は驚き布団から起き上がるのであった。

 

 

「だ、駄目だよ七瀬君、こういう時はちゃんと気の利いた言葉を言ってあげないと」

 

「そんな余裕はない。大体、もうそろそろ日が昇るんだぞ…………さっさと状況を説明して、芳乃家の台所で眠らなくても良くなる薬でも作って今日一日を乗り切りたいんだよ」

 

「ちょっと、ボクの家で変なお薬作らないでよ」

 

「あ、あの…………貴方達は? 後、俺は、一体?」

 

 

話に割り込める程度には元気なのだろうと結論付け、さくらが発見に至った経緯を説明する。

しかし、何か手がかりが解るだろうと思って聞いていた2人であったが、残念ながら期待した結果に至るものでは無かった。

 

 

「えっと、俺は………………誰だ?」

 

「………………記憶喪失の人って、居るんだね。七瀬君、何とか成らない?」

 

「魔法使いを便利屋と同じ様に扱うな。俺じゃなくて、回復魔法……と言うか、医術に特化した友人なら出来るかも知れんがね。まあ取りあえず、魔法とか聞いた事あるか?」

 

「魔法……とか、超能力なら、聞いたことがある……?」

 

「あー……一般用語としてか? 俺が聞きたいのは、魔法を実際に使ってるような連中見たことは有るかって聞いたつもりだが」

 

「いや、魔法だろ? 一応、俺も魔法は使える…………ほら、こうやって手から和菓子をだしたりする事くらいは出来る」

 

「……………………さくら、お前の血縁者か?」

 

「ううん。他に親戚が居るって話は、聞いたことが無いけど」

 

 

取りあえず、手から和菓子を出す魔法は純一やさくらに伝わっている魔法であろう。

一子相伝ではなさそうだが、誰も開発しようなどとは思わない部類だろうと、出されたどら焼きを見ながら和也は思うのであった。

 

 

「…………おい、名無しのアンタ。さくらとか、芳乃とかに聞き覚えは?」

 

「さくら、よし……ぐっ、何だ。心の何処かに、何か引っかかる!」

 

「割とビンゴなのかも知れないな。ゆっくりと思い出せ名無し。それで、こんな知り合いとか親戚とか、さくらは知らないのか?」

 

「う、うーん。雰囲気的には、お爺ちゃんに似てるって言えば、似てるんだけど…………」

 

「清隆さん?」

 

「うん。でも、何か違う気がするんだよね」

 

「まあ、取りあえずは芳乃清隆(仮)って事にしておこう。いつか思い出したらちゃんとした名前で呼べば良いんだし」

 

 

若い頃のさくらの祖父は、こんな感じであったのだろうかと、取りあえず名付けた清隆(仮)を見ながら和也は考えるのであった。

 

 

「先刻話した通り、アンタは何処かの場所から、飛ばされてきた。記憶喪失者に脳を使わせて悪いが、何か覚えてる事はあるか?」

 

「自分に関する事は殆ど駄目かな。何処に居たとか、どうやって生きていたとか……辛うじて、この魔法が使える事くらい……と言っても、先刻聞かれて急に思い出せたんだけどな」

 

 

そう言って清隆(仮)は手からどら焼きを追加で出す。

見た限り、純一とやっている事は変わらないなと、手に取って味を確認する和也であった。

 

 

「味は普通だな。カロリー使うんだから、体調悪いかも知れないのにあまり出すなよ?」

 

「何で全部食った! 還元するために俺が喰い直せば良いだろう! ってか、何でこの魔法の条件を知ってるんだ!?」

 

「俺のクラスメイトに、カロリーを消費して和菓子を出す魔法を持ってる奴が居るんだよ。しかも、さくらの親戚でな。動作とか、似てたから当たりを付けて聞いてみたって訳だ」

 

「………………こんな魔法、俺意外に使う奴が居たのか」

「さあな。お前が開発したのか、教わったのかは知らんが、今の話を聞いて、何か琴線に触れたりして思い出せないか……? 実は終末戦争を生き抜いた魔法使い最後の生き残りとか」

 

 

あり得ない話とは解っているが、取りあえず手当たり次第喋ってみれば、何かが引っかかるかも知れないとの和也の考えであった。

勿論、もっと普通の話題が有るだろうと、横でさくらは呆れている。

 

 

「戦争…………そう言えば、大きな戦争があった様な。別に、世界は滅びてないけど」

 

「日本。この国を巻き込んでか?」

 

「ああ、世界を巻き込んだとか言う戦争だ」

 

「…………さくら、世界戦争ってたしか、半世紀くらい前だったよな?」

 

「うん、お婆ちゃんがロンドンに居たころだけど」

 

 

目の前の青年の謎が更に深まることに成るのであった。

結局、そのまま何も思い出せそうに無かったので、登校時間になるまで休むことになるのであった。

 

 

 

 

・・・・・・

「結局、清隆(仮)は、風見学園に反応こそしても、何も思い出さずか」

 

「って言うか、さくらさんの親戚って扱いで、通う事になったんだが、お金とかどうするんだよ」

 

「クックック。何の為に神王魔王両陛下を呼び寄せて話を付けたと思って居る。面倒臭い仕事を押し付けた借りを返してもらったのさ!」

 

 

魔法科校舎崩壊の一件での報酬を、清隆(仮)が元の世界に帰れるまでの学園滞在と言う形で支払ってもらう事にした和也であった。

和也には何も報酬が入っていない気がするが、面倒事を共有してもらえば十分であるらしい。

 

 

「……………………まあそれに、清隆(仮)の扱いは神隠しって扱いだからな。過去に神隠しで別の世界へ飛んだ事例は多くある。両陛下も、その辺りは確りと解ってくれるさ」

 

「だから、そんなにも珍しくないから、神隠しの転入生って言う話で、和也のクラスはすんなりと受け入れてくれたのか?」

 

「いや、それはもっと別の理由があってな…………はぁ」

 

 

魔法科の学生が一気に普通科に編入されることになっていたのを知ったのは、この日の朝の事であった。

何でも、校舎自体は完全に修復したそうなのだが、どうしても魔力を持った備品を全部集めるには半年以上かかるとの事であった。

ならばいっそ普通科に組み込み、今年一年はもう普通科で面倒をみようと言う方針になったらしい。

だからこそ試しに運用してみようと、休みの日を潰して登校させた形になった。

と言っても、振り替え休日が今週の金曜へと入り、しかも半ドンで帰宅できると言う事になったので、生徒からは何も不満は出ていないようである。

 

 

 

「にゃはは、だからボクのクラスにも、春姫ちゃんとかが来てたんだよね。清隆(仮)君は、七瀬君の所だったよね?」

 

「さくら……良いなぁ、お前の所は魔法科の『姫』さんが来て。歓喜の声が学園中に鳴り響いてただろ」

 

 

待ち合わせに合流したさくらが自身のクラスの状況を伝えて来る。

思い出せば、一時間目は凄まじくあちらこちらが五月蠅かったような気がした。

 

 

「男で悪かったな」

 

「ああ、可愛い娘だったら100点で花丸だったんだがな」

 

「――――――七瀬、少し話がある」

 

「恭也?」

 

 

そんなくだらない話をしていると、恭也が呼びとめてきた。

何やら大事な話であるらしいので、さくら達は先に歩いて行って貰うのであった。

 

 

「それで、内容は?」

 

「明日の深夜、ルシアンを借り受けたい」

 

「…………………………うん? 良いぞ?」

 

「……その間は何だ」

 

「いや。深夜に一体何をする気なのかと思ってな。討ち入りでもするのか?」

 

「討ち入り……逆だ」

 

「お前も厄介事か……!」

 

 

普段と何も変わらない様子で恭也は答える。

大事な話なのだから軽口を挿むなと少し呆れ気味の恭也であったが、冗談にしか思えないようなことを普通に行っている事に和也も呆れているのであった。

 

 

「で、何で俺にそんな話をするんだ。ルシアンはもういく事は決まっているんだろう?」

 

「いや、お前に許可を取ってからにするつもりだった。一応、2人のまとめ役なんだろ?」

 

「んー……まあ、そう言う事なら別に好きにさせてやって良いんじゃないか。別に、ルシアンなら放って置いても死なないだろうし」

 

「解った、それだけだ」

 

「ん、武運を祈っておくさ」

 

 

初音島自体が危険に巻き込まれると言う訳ではなさそうだったので、後は恭也に任せて先に帰って行ったさくら達を追うのであった。

 

 

 

 

・・・・・・

「――――――こんな所に居たのか」

 

「あ、七瀬君遅いよー」

 

「浜辺に居るって言われても解るかっての!?」

 

 

本気で人を探そうかと、地図を買ってダウジングを行おうかと考える程度に曖昧なメールであった。

結局、海岸に沿って全力で杖に乗っていたのであった。

 

 

「それで、何で海岸……浜辺なんだ?」

 

「音夢ちゃんとが言うには、違う環境に連れて行ってみると思い出すかも知れないって」

 

「…………清隆(仮)、何か思い出したか?」

 

「海が綺麗だって感想ぐらいさ、此処まできれいな海は、初めてかもしれない……なんとなくだけれどな」

 

「海ねぇ。確かに、俺としても人を襲うような巨大生物が跋扈していない海と言うのは良いと思うが、そんなに綺麗か?」

 

「あまり海とか、行って無い気がする。死人の怨念に、支配されてるとか言われてた様な気がするし。実際に、色々と沈んでた気がするんだ」

 

「またそれは随分と…………」

 

 

確かに、半世紀以上も前の人間なのだとすれば、迷信などが染みついていても不思議ではないと和也は考える。

ましてや、戦争の時代に生きていたのであれば尚更であろうと考えるのであった。

 

 

「あまり良い想い入れが無いなら帰るか?」

 

「いや、今見てる海は綺麗だから……もう少しだけ」

 

 

結局、何かを思い出す事は無かったのだが、暫く海を見続けている清隆(仮)なのであった。

 




用語集

芳乃清隆(仮)
取りあえず、D.C.の主人公さんであって、私のオリキャラではございません。
まあ、この時代に生きていない事は確かなのですが。
取りあえず、(仮)が外れたら正式な紹介をしようかなーと考えています。
(仮)が外れるまでにエタったら済みません。


クロスオーバーの弊害で海もカオスなことに成りそうだわー。
まあ、暫く出てこないだろうから、取りあえず清隆(仮)が居た時代には、海はそんな感じになっていたと考えてください。


今回の用語集は大人しめ。
まあ、仕方ないね、新キャラ1人だし、其処まで世界観語ってないし。
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