が、そのプロットを書いたのも黒歴史時代。
このままじゃ達人とは一体って話になりかねなかったので少し弱体化。
呪文詠唱とかマジ面倒臭い。
こじ付け合わせた、元ネタ有の俳句とか短歌とか作るのは好きですけどね。
詩を書くのは得意ではないのですよ私。
何か、もっと古い文学で、それっぽいのから引っ張れれば楽なのですがねえ。
最後に。
魔法使いが唱える詠唱とはポエムみたいな物だと思っていてくださいな。
言わなくても出せる。
けど、ノリノリでテンションたけぇ! ってなると威力が上がるカモ、的な?
魔法使いは
「閉館より2時間。これで夜の8時となった訳だが」
「ホント、夜の美術館って、薄気味悪いな。早く終わらせて帰りてー」
誰も居ない美術館に男が3人。
それぞれは既に何が起きても問題の無い状態である。
それでも、私語を続けている2人に、緊張感が無いと思う恭也であったが、逆に緊張して動けなくなるよりはマシだろうと思っておく事にするのであった。
「…………七瀬。何か引っかかったか?」
「いや、それらしいのはまだだな。ただ、この周囲に10人には満たないが居る事は居る」
「それ、全員じゃないか?」
「まだだ、まだ解らんよ」
この周囲の細かい地図にダウジングを行い人間を確認している。
人探しにはもってこいな能力であるのだが、流石に会った事もない賊を探すのは骨が折れる作業であった。
「ふむ。取りあえず2名が此方に向かってきたな。隠れるぞ」
「「了解」」
恭也は気配を殺し物陰へと隠れ、魔法使い2人は幻影を使い
禁呪スケスケを使うのも一つだと和也が提案したが、バレた後がヤバイとルシアンに必死に止められ、仕方なく止めた経緯がある。
『(さて、此処からは
『(…………待て、どうやって話せば良いんだ)』
『(話せてるじゃねえか。普通にそうやって考えてくれれば良いんだよ)』
『(成程)』
後は適当に奇襲でも行うのかと考えていた恭也であったが、まさかこんな方法で連携を取り合うなどとは思っても居なかったのであった。
その割には順応力がとてつもなく早く、普通に会話に参加し始めている。
『(それで七瀬、賊は?)』
『(まっすぐ此方に向かってきている。あと少し――――――)』
「それにしても、随分と広い所にでましたねー。此処に赤羽刀が置いてあるんですか?」
「はっはっは。美術館では静かに、気づかれてしまうかも知れないからね」
「は、はい、済みません」
この場にそぐわない声が響きながら、和也が言っていたのであろう2人が現れる。
只緊張感が無いのか、それとも相当の自身があるのか。
何やら異様な雰囲気である事が感じ取れる。
『(片方は柔道着っぽい服装のオッサンに、もう片方は……和也、ありゃなんて表現すれば良いんだ?)』
『(…………見たまま表現するしかないだろう。空手の胴着にバンテージ。服の下には鎖帷子、手には手甲。何だアレは?)』
きっと、それは服装から感じ取れるものであったのだろう。
場にそぐわないどころの話ではない、本当に何かのコスプレでもしてきているのかと思ってしまう恰好であった。
『(…………まあ、良い。恭也、俺達と同じくらいの歳の奴から殺るぞ)』
『(別に、殺す必要は……いや、解った)』
「………………所で、隠れている3人。出てきたらどうだい?」
『『『!』』』
「え゛……誰か、もう要るんですか!?」
『(恭也、殺れェ!!)』
『(……!!)』
「ああ、兼一君。避けたまえっ!」
「ふぎゃっ!?」
その言葉と共に、兼一と呼ばれた少年は蹴り飛ばされる。
刹那、その頭を恭也の鋼糸が掠めていった。
つまり、奇襲は大失敗と言う事である。
「ちぃ……! 恭也、あのオッサンの足止めは任せる。俺達はそっちのを、倒――――」
「居ない!?」
転んでいるのだからさっさと追撃してしまえば良いと考えた結果の行動である。
しかし、その先には誰もおらず、ではどこに行ったかと言うと、蹴り飛ばした本人に抱えられているのであった。
「なんつー速さ」
「はっはっは。最近の若い子は元気があって良いね……に、比べて、ウチの弟子は」
「ししょー……流石に、蹴り飛ばされて元気であれってのは、辛いですよ」
「本当に、解らん2人だな。作戦変更だ、俺とルシアンでヒゲのオッサン。恭也は何か小物っぽそうなのを頼む!」
「「了解!」」
「ちょっ、誰が小物だよー!?」
一人だけ、本当に一人だけ全然緊張感が無さそうであった。
かといって余裕があると言う訳でなく、非常に気分が削がれている。
「――――オッサン、名前は?」
「岬越寺秋雨。哲学する柔術家と呼ばれているね」
「そうかい。岬越寺秋雨……七瀬和也の名において命ずる。動くな」
「ん……おお?」
その言葉と共に、秋雨の動きが止まる。
動かそうにも動けなくなった自身の体に対し、とても興味深そうにしているのであった。
「聞いたことがあるねえ。言霊、所謂催眠術って奴だよね?」
「いや、俺はそっち方面は鍛えてない。只の魔法だ」
「おおう。君は魔法使いだったのか、これは随分と珍しい」
「ちょっとー! 岬越寺ししょー! 何でそんなに落ち着いているんですかー!?」
「…………ちょこまかと」
全く動けなくされた師匠に対し、必死に恭也の剣から逃げ回っている弟子の姿は、とても対称的である。
かなりコミカルな雰囲気を醸し出しながら戦っているが、恭也の攻撃を避ける事が出来る程度には手練れであると和也は評価を変える。
「この人、剣士なのに暗器まで使ってくるぅうううううう!?」
「…………はっはっは。ウチの弟子が、済まないね」
「いや全く。所で、その弟子がバッサリ斬られたく無いなら、神妙にお縄について貰えると有難いんだがね?」
「お縄に着くのは、君たちの方じゃないかね。少なくとも、刀を窃盗しようとしている人物が言える言葉じゃ無いよね?」
「は?」
「うん?」
「……………………恭也ァ! ストップ、ストップだ! 刀を止めろォ!」
和也の怒声が響き、恭也の刀が止まる。
その声がもう少し遅ければ、さっくりと刀が突き刺さっている所であった。
「……………………失礼しました。どうやら、目的は同じであった様ですね」
「その様だね~」
「し、師匠……死ぬかと思いました」
「はっはっは、人間思っただけでは死なないよ、兼一君」
「それで七瀬、目的が同じとはどういう事だ」
「…………言葉通りさ、大方この赤羽刀を守りに来たんだろう」
このまま戦闘を続けて居たら、実に無駄なことに成る所だったと笑う。
殺されかけた兼一には笑い事ではないのだが、和也たちも死んでないから良いじゃないかとどこかズレた返しをしているのであった。
「まあ、互いに自己紹介って事で。私は先ほども名乗った通り岬越寺秋雨、そしてこっちが白浜兼一。梁山泊の内弟子となっている」
「なっ……梁山泊!」
「俺そっち系の、四大奇書は三国志演義が一番好きなんだが……董卓とか良いよな」
「俺には梁山泊が何かも、それ以前に和也が何を言っているかもさっぱりだ。だけど、多分和也は違う反応をしているって事くらいは理解したから恭也に聞くが……知って居るのか、恭也?」
「聞いたことがある。スポーツ化した武術に馴染めなかった者や、孤高の達人が集まると言われている場所だ」
「それはまた……………………」
つまりは、恭也レベルの人間やめた様な技を持つ連中が沢山居る場所である。
そう解釈した和也は、対峙して無事であって良かったと思うのであった。
「それで、君たちは?」
「先ほども言いましたが、俺とルシアン……この小さいのは魔法界の人間で魔法使いです。ルシアンは本当は同い年なのですが、ちょっとした事情でこうやって小さくなってしまっているんです」
「それで、自分は高町恭也と言います。永全不動八門一派・御神真刀流小太刀二刀術の師範代です」
「ほう。珍しい…………御神流をこの目で見る日が来るとはね」
「…………」
「それにしても、高町さんは師範代なんですか……プレッシャー的に、
「………………いや、師範代だ。一度、子供の頃に膝をやってしまってな。もう、それ以上の高みへと上る事は無いだろうと諦めている。それに、納めていない技もまだまだあるしな」
嘗て壊した右の膝を見ながら呟く。
そして、壊した足では、決して届くことが無い高みの技を思い浮かべるのであった。
「まあ、そんな話は置いておいて。岬越寺さん達は、何故初音島に?」
「いや、私としては君たちが居る方が不思議だね。私たちは警視庁本部の方からの依頼で此方に来た訳で……そもそも、今日は何が有っても良いようにと美術館の警備も帰して貰って居る筈なのだけれどね?」
「ここ、通っている学校があるので…………リスティさん、なんでこんな警察庁が動くレベルの異変を、何で嗅ぎ取ったんだよあの人」
「警備主任を任せられる程度には偉い人だからな、リスティさん」
「もう少し情報規制を確りとしておいて欲しいねえ……じゃあ、まあ。そろそろ来る本命様に備えますか」
和也が立ち上がり、入り口の方面を見る。
話し合いをしながら、ダウジングとは別系統の索敵魔法を発動していたようで、何かが来ることを感じ取るのであった。
「所で秋雨さん。何で俺達が居る事が解ったんです?」
「うん? ああ、今まで誰かが居た様な気配があったからねぇ。ちょっと不自然だったかな」
「…………だそうだ。今のを踏まえて、もう一度奇襲をするか否かを決めようか。こちらは5人だ、何処に隠れるかも必要だろう」
「ってぇ! 七瀬さん! ボクまで頭数に数えないで下さいよ!?」
「ハァ? じゃあお前何しに此処に来てるんだよ」
「そ、それは……う、裏社会見学って奴です」
「………………………………此方は4人、何処に隠れるかとも考えたが。まあ、多分兼一とかで見つかるだろうし、正面から対峙するか」
色々と突っ込みたい事はあったのだが、もう突っ込みを入れる事は止め、そして兼一も頭数から抜き、小細工抜きにする方針にして小さく溜息を吐くのであった。
「さぁさ、刀狙いの賊のお出ましだぜ……和也、賊ってのは意外とファンキーな格好をするもんなんだな」
「クックック。知らん、俺もう何も知らんぞ!!?」
現れた人物たちは、2名ほどは普通そうな恰好であった。
只、残りが全身鎧姿に、かなり露出度の高い巫女装束の女性が1名、後普通に柔道着を着ている少女であった。
まあ、残り2名も比較して普通の格好と言うだけなのだが。
「戦う時に着る服と書いて勝負服なんだろうけど。ちょっとTPO弁えて欲しいよな」
「むう……またしても梁山泊か……!」
「あちらさんと、何か因縁でもあるんですか?」
「はっはっは。こうやって何度も赤羽刀を奪われるのを阻止しているだけさ。私は、彼らを別に見た事は無いけどね」
「ボ、ボクは全員有りますよ岬越寺師匠。しかも、あの巫女服の人、櫛灘美雲……横に居る千影ちゃんの師匠で、一影九拳です!」
「一影九拳……」
「知って居るのか恭也ァ!?」
「…………いや、解らん」
「知らんのかい!?」
てっきり何か解説が入るモノかと思っていた和也であった。
「騒がしい
「和也、緊張感足りねえぞ……?」
「嘗て無い雰囲気で戦いが開始しようとしてるんだ。そりゃ、緊張感も無くなるっての」
「童、一つ聞くが、主らは梁山泊か?」
「いや。ちょいと盗人を見過ごせない若いガキ3人だが」
「ならば、関係のない事に首を突っ込むのは如何な事かと思うがのう? 好奇心、猫を殺すとも言うじゃろう」
命を無駄に捨てに来たのかと、美雲は嗤うのであった。
非常に傲慢な態度であるのだが、それを簡単にやってのけるだけの実力はあるのであろう。
雰囲気がそう語っているのであった。
「関係ない……ね。アンタ、この刀使って、何やるんだ?」
「知らぬ、わしは元より無手。使い道なぞどうでもよいが、まあ刀と言うからには人を斬るのがスジでは無いか?」
「だろうねえ。アンタ等の様に、戦いに狂った連中は何時だってそうさ。人を殺すなんて言う楽な道ばかり選びやがる。人を生かすのがどれほど大変かを理解する気が無い。そんな連中にコレは渡せんだろう、一期一会を嫌う俺だが…………縁結びの魔法使いの名に懸けて、此処でスパッと縁斬ってやらァ!」
「若いのう」
和也の啖呵が、戦いの合図となった様である。
武器を持った3人に対し、和也とルシアンでペアを組み、他はそれぞれ一人ずつ相手をするのであった。
「小僧、そのような貧弱な体で、我が斧の一撃を耐えれると思うてか!!」
「…………! この感じ、アンタ技巧は並み程度のようだな?」
「ぬうう…………!」
「ルシアン、遠慮なく燃やせェ!」
「火の精霊よ、熱波刃の形に成りて敵を撃て! 『フランベルジュ』!」
和也が障壁を以て戦斧の一撃を受け止め、其処にルシアンが炎の魔法をぶち込む。
恭也の様に、斬撃が徹る事も予測して、ガードしている方の腕を即座に修復できるように準備していたのだが、取り越し苦労の様であった。
何にせよ無茶苦茶な戦法であると、後ろで見ている兼一は思っている。
「殺ったか!?」
「私の防具は、鎧だけでは無い。下には防刃や耐火を兼ね備えた服を着込んでいる。その程度の炎では火傷一つ成らぬ!」
「科学の力ってすげー……ルシアン! デカいのを大量に頼む」
「それはお前の方が得意だろ……いや、昼限定だったか」
ルシアンが少し長めの詠唱を始める。
好機とばかりに戦斧の男はルシアンを狙うのだが、其処は和也が割り込んで全力で障壁を張る。
恭也が使う徹しの斬撃こそ無いもの、全力で突っ込んでくる車を難なく弾く和也の障壁を少し揺るがせる力を持っている。
矢張り武術家は魔法使いの天敵足りえる存在だと思いながら、ルシアンが用意しきるまで防ぎ続けるのであった。
「――――――出来たぜ和也! 全部ぶち当ててやれ!」
「おう!」
「ふ、この鎧姿で鈍重と思われても困るな。一度は見た技、そう何度も簡単に喰らう様では闇人などやっては居れぬ!」
「フン。だったら、避けてみろよ」
「ぬぐう!!」
避けたつもりなのだが、火球を喰らっていた。
そうこうしている内に一つ、また一つと炎が迫りくる。
激痛如きで動けなくなる程ヤワな鍛え方はしていないと自負をしている。
なのに、なのに――――
「何だと言うのだ! 何故だ、何故動いた先に、見越した様に火が迫る!」
「言ったよな、縁結びの魔法使いの名に懸けてって。アンタ、今日は火達磨になるめぐり合わせになったんだよ…………必死過ぎて聞けねえか」
「ぐおおおおおおおお!!」
和也が呟いている間にも、火球は次々と鎧の男に襲い掛かる。
結局、和也の宣言通り、一つの炎を避けることなく受けてしまうのであった。
「…………科学力ってのは、本当に凄まじいねえ。一体どんな進歩があれば、魔法をあれだけぶつけられて人の形を保っていられるのやら」
「ぐ、ぐむ…………ぐ……ふ、ふは、はははは!」
「あ?」
「小僧ども、良いぞ。良い殺気だ、思い切りもある! 活人拳と戦う時とは違う清々しい気持ちで命のやり取りが出来る! 喜ぶが良い、貴様ら存分にその破壊の力を振るう事が出来る、久遠の落日が――――――――――」
「…………元気なオッサンだったな」
「そうだな」
自身の敗北を笑いながら和也たちに語りかけていたのだが、何かを言おうとした辺りで体に限界が来たらしく、そのまま倒れてしまうのであった。
「さて。他の2人に加勢でもしますかね」
「こっちはもう終わってるよ~」
「ぬうう……恐れ入った。梁山泊に、二度も……負けるとは………………」
秋雨と戦っていた日本刀を持っていた人物は、美術館の床が凹むほど強く叩きつけられ敗北していた。
現状戦い続けているのは、恭也だけであった。
「――――――アンタの刀も、割と良い刀じゃないか!」
「…………この刀も、渡しはしない!」
流派こそ違えど、2人の戦い方は良く似ていた。
近寄れば互いに二刀で凌ぎ合い、離れれば女は投げナイフ、恭也は飛針と言った暗器を使い互いに一撃を入れようと凌ぎ合う。
「本当に、いや。刃金の真実に比べれば幾段と劣るが、それでも尚良い刀である事は理解が出来る」
「下らんな……刀だけで戦う訳では無いだろう」
「ふん。
「そうか…………」
戦闘スタイルが似通っていても、思想はどう足掻いても相容れない模様であった。
自身の刀も、赤羽刀も、決して渡すわけにはいかないと、再確認に至る。
「言うだけ無駄だろうが、先に言っておく。この刀は、技は、誰かを守る為に使う。そう言う物だ」
「綺麗事を!」
「…………かもしれんな、だが!」
「!」
相手に受けさせる一撃それぞれに徹を乗せる。
防いだククリ刀から持っている手へとその斬撃が伝わり、武器を手放してしまう。
がら空きになった防御を狙い、恭也は容赦なく胴を蹴り上げ――――
「その綺麗事を行える様に俺は、俺達は修行をしている…………御神流の技の一つ、
持ち上げた足を突き立てながら、女を地面へと叩きつけたのであった。
そして首筋へと刀をつけ、詰みの宣言を行う。
「終わりだ」
「ガキだと思って油断したかな……お前何者だ」
「永全不動八門一派・御神真刀流小太刀二刀術、師範代……高町恭也」
「――――あの、御神流か。その腕で師範代とは、本当に惜しい一族だったな」
驚き、目を見張り、そして納得したように気絶するのであった。
「さて、残るはあの女だけだが。白浜とやら、あの女が何だと先刻言ってた?」
「一影九拳ですよ。裏世界の、武術者集団を束ねる10人です。個人的にはあまりあの人は知らないのですけど、其処の千影ちゃんって娘のお師匠さんって事くらいですね」
「最初に喋った情報から殆ど進展してないぞ…………横の小っちゃいのの師匠だとは先刻聞いたが、あーやだやだ。妹と同じ名前の子供を捕まえないといかんとは」
「吼えたな童。わしらを捕まえると?」
「……………………なあ、和也。あの人は人間なのか?」
「俺に聞かれても困るなぁ」
和也達は取り囲まれていた、当然1人にである。
その場には櫛灘美雲、そして弟子の櫛灘千影以外居ないと言うのに、また伏兵も居ないと和也は解って居たのに、何処かから現れた大量の櫛灘美雲に取り囲まれていた。
「コレが……ジャパニーズニンポウ、分身の術って奴か…………」
「は、童。中々面白い発想じゃの。じゃが、これは気当たりによる残像じゃ、其処にわしが居る様に感知しておるだけじゃよ」
「クソッタレが、どっちにしたって変わらねえよ! 闇の精霊よ、其の影織り成し地に縛る楔と成れ! 『影牢』!」」
それぞれの足元の影が実体を持ち檻の様に周囲に出来上がる。
名の通り、影で檻を作り上げ拘束するつもりだったのであろう。
「………………いや、残像じゃ無かったのかよ。何でこんな空の檻が沢山」
和也が本体を認識できていなかったからなのか、それとも精霊すらも欺いたのか。
櫛灘美雲の分身にすら見える残像があった場所に、影の牢屋が作り上げられているのであった。
「ふ、童。動作がちと遅いのう」
「本体は、影すら掴めずか。本当に忍者じゃねえのかよ…………」
「逃げおおせる時間を稼ぐのも面倒じゃの。良い、全員倒した褒美としてくれてやるわ」
盗人も、一向に起きる気配が無いので諦めたのか、美雲は千影を肩に乗せてそのまま出ていくのであった。
赤羽刀の防衛には勝利した和也達であったが、納得がいかないのであった。
「まあ、取りあえず勝ちは勝ちだな……こいつら、どうしろって言うんだよ」
「ウチで何とかしておくよ。丁度お誂え向きの施設を知ってるからね~」
「ではよろしくお願いします」
「…………んで、和也はこの刀をどうするつもりだ? 昨日、誰かに連絡してたみたいだけれど?」
「ダイルだよ。ダイルに殆ど同じ見た目の刀をコピーさせたんだよ」
そう言って、転移魔法でコピーしたと言う赤羽刀を取り出す。
殆ど見た目は同じように見える。
「んで、この刀を本物と交換してだ」
「本物はどうする」
「後は、お前が言った様に隠すんだよ。もう知り合いに頼んであるから、世界超えて宝物庫に入れてしまえば手出しは出来ないだろ?」
万が一、もう一度赤羽刀を狙いに来ると言う賊が現れたとしても、手にするのは偽物。
しかも、これは誰にも話していない事なのだが、和也の意向で手痛いトラップを仕込んでいるのであった。
「あ、あの、七瀬さん。偽物を勝手に交換しても良いのですか?」
「ん? ああ…………勝手じゃ無いさ。ちょっとどこかのお偉いさんに、この刀を手に入れてくれないかって交渉してもらったからな」
「……………………何か、
「兼一君、目的の違いだよ。そう言った事は、
金と権力に物を言わせて偽物を展示するようにと仕向けたのである。
本当に、やってる事は悪人と変わらない。
「はい、込み入った話は終わりにして、そろそろ解散しますか……岬越寺さん達は、コイツらどうにかしたら帰りますか?」
「そうだね~。バスは勿論、ちょっと電車も厳しい時間だろうし……兼一君、歩いて帰ろうか?」
「――――此処から神奈川までどれだけあると思っているんですかー!?」
「あー………………ウチに止まります? 俺、一人暮らしなんで、2人を泊めた上で、食事とかも大丈夫ですよ?」
「――――――是非! ね、師匠! 七瀬さんにお世話になりましょうよ!!」
「仕方ないね~」
余りにも無茶苦茶な事を平然と言う秋雨の前に、和也も無理だと思ったのか、家に泊めると言う提案で今日の締めくくりとするのであった。
用語集!
やったか?
やってない。
言霊
秋雨さんが言った様に、催眠術・自己暗示のタイプの言霊と
和也が言った様な言葉に魔力を乗せて発動する言霊の2種類がある。
尚、今回和也が使ったのは、呪いの一種であり、相手の本名を知って居る為にうんたらかんたらな代物。
とはいっても、時と場合によって変わる名字は知って居る必要は無く、名前だけ知ってれば使えるのが魔法での呪い。
梁山泊(史上最強の弟子ケンイチ)
武術を極めた達人や、スポーツ化した武道になじめない豪傑達が住む道場とは連載初期からの説明である。
いつの間にか活人拳の象徴として、存在していることに成っているのだが。
全員が全員多分死合いの結果の殺害経験はあると思う(言ってたシーンが冗談でなければ)
本来は7人だが、所用で出ている1人を除いて6人が、今連載中に居るメンバー。
所で、月間の方で連載されていた時に所用で出ている~のシーンで、香坂しぐれともう一人、鎌もったシルエットが居たけど、まさかとは思うが八煌断罪刃のミハイ・シュティルベイの元ネタではない事を祈る。
達人級
マスタークラスと読む。
史上最強の弟子ケンイチで良く出て来る単語で、武術家は弟子→妙手(弟子でも達人でも無い時期)→達人とランクアップしていく。
今回かなりかませ扱いされてた3人の達人さんは、実際どうなんだろうねぇ…………?
尚、この作品で行けば恭也は師範代なので妙手の扱いになるのだが、御神流って達人級ともなると雑魚でも異常集団だから……ね?
一影九拳
強さにばらつきがありすぎる裏社会を武器一切なしでまとめ上げる10人。
まあ、梁山泊の師匠方に戦って負ける人達も居れば、ラスボスでも違和感無さそうなのも居る。
けど、武術に対する有り方として、無様な負け方をした人物は今の所居ない。
ただまあ、この中でも上位の実力者はもう人間やめてるような連中が多い。
一期一会を認めない
和也の座右の銘。
一生に一度しか会えないなんて、そんな悲しい事は無いじゃないですかー! 的な渇望。
ポジティブな意味での一期一会としては使って居ないのであしからず。
縁結びの魔法使い
○○の錬金術師的な、二つ名っぽい何か。
七瀬家固有の魔法である縁結びの魔法とは、SAOにおけるユニークスキルみたいなものです。
でまあ、それの能力に特化して、縁を結ぶとか斬り離すとか恋人の味方にでも敵にでもなれる実に地味な能力として設定。
二つ名っぽい何かは、本人が持ってる能力によって色々と追加されると言う事で、そう言ったのはまあssに出てきたら紹介でいいや。
白浜兼一
漫画家『松江名俊』先生の作品
『史上最強の弟子ケンイチ』及び月刊連載版であった『戦え!梁山泊 史上最強の弟子』の主人公
先ず、感じるであろう言葉はお人よし、素直馬鹿。
虐められっ子で、武術の才能無しと言われ、唯一ある才能と言えば努力の才能とか言われる人。
やってる武術は漫画が続くごとに少しずつ色々なのが増えていってる。
師匠同士の戦いに参加できるわけじゃ無いから、師匠同士の戦いは主に見学。
今回は本当に見てるだけだったけど、この段階だと妙手レベルで弱い訳じゃ無い。
前話で赤羽刀の話を書いたから解ってる人は解ってただろうね、ケンちゃん出るの。
岬越寺秋雨
兼一の作品の登場人物で、兼一の師匠。
哲学する柔術家と呼ばれるように柔術家。
あらゆる芸術等でも名を馳せる本当に天才じゃないのこの人って感じの人。
良く発明を作っているのでドラ○もんとか呼ばれている。
今回櫛灘美雲との対決を書くべきかと考えたけど、あの婆さんの気当たりによる残像って動くのよね。
対して、秋雨さんの気当たりによる残像って動かないのよね。
あの婆さんどんだけ化け物なのかとって言う話になるから、今回は弟子たちが一撃でやられない様に影分身してる美雲のバーサンから守って居たのです。
櫛灘美雲
兼一の作品の登場人物。
結構なババア、多分第二次の大戦の頃からは生きてる筈。
この人の二つ名は妖拳の女宿と一発変換できなくて困る。
今回この人見てただけだけど、だって武器組に態々力貸す必要ないじゃん、欲しいなら自分で赤羽刀奪えよって感じのスタンス。
戦闘になった場合、多分全滅させられてたんじゃないかな、このメンツ。
櫛灘千影
兼一の作品の登場人物。
居 た だ け 。
一言も喋ってないけど、実に絡ませ辛いよねこの子。
神童と呼ばれて、幼いながら妙手レベルと凄い娘なんだけどね。
じゃあなんでこの場に居たかと言うと、兼一と同じく裏社会見学っていう話。
偶然出くわしたと言っても、魔法使いへの対策辺りを学んで帰ったんじゃないですかね。
闇人(鎧)
兼一の作品のかませ
ハルバードを構えた全身鎧のオッサン。
割と真面目に、達人にはピンキリ居て、多分そこまで強くない人。
いや、弟子とか妙手レベルは瞬殺できそうだけどね。
闇人(ククリ刀)
兼一の作品のかませ2
二刀・暗器と意外と恭也と似てた人。
でも一番弱いんじゃないかなぁ、原作でも武器に頼り切りだったし。
それを言うと防具に頼り切ってる鎧の人とかも強そうには見えない不思議。
闇人(日本刀)
「ピュー」とか「恐れ入った」とか「剣道三倍段(中略)うぬは空手二十四段か!」とか中々に変なセリフを残す人。
逆鬼師匠に多分遊ばれてて、得物ブチ折られて一撃で気絶と、彼もまた、強いのか弱いのか解らん人間であろう。