桜の織り成すキセキ   作:天枷美春

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ゼロ、教えてくれ……私は後何回不注意で書きあがった小説をふっ飛ばせばいい!


バックアップとるかー


強引なクロスオーバーは自分の身を滅ぼす。


3話

「くっそ、和也の奴。何故ちゃんと起こしてくれないんだよ!!」

 

 

遅刻寸前、そんな中でダイルは道を走る。

尚、和也はちゃんとダイルを起こした。フライの魔法で、持ち上げ、床に叩きつけた。

悶え苦しんだ後、再び眠気に負けて寝たのはダイルである。和也の起こし方が拙いのか、それでも尚ダイルが寝ようとするのが悪いのか。

 

 

「だがしかし……だがしかし!! 食事を作っておいてくれるのは有り難い!!」

 

 

走りながら、謎の小躍りをして、そして和也が作った朝食を食べている。

通りすがりの母娘に『まま、あれ何ー?』『しっ、見ちゃいけません!』と、言われていたが、食事に気を取られて全く気にしていない。

 

 

「…………これは! チーズトースト。否、ソーセージチーズドッグと言うべきか! 齧ると口の中に蕩けたチーズ、遅れてピリ辛のソーセージが広がる。まだ4月と言う少し肌寒い季節の朝にあわせ、体を暖めてくれる! しかも作ってから軽く30分以上たっているのに全く冷めて居ないのは和也が時間の魔法を使って保温をしてくれたからであろう憎い程の心遣い! う、うまいぞぉぉぉぉお!!」

 

「ひぁっ!?」

「おおっと!?」

 

 

と、まあ。そんな馬鹿な事をやりながら走っていれば、誰かにぶつかるのも当然と言うモノであろう。

 

 

「痛……く、無い? 柔らかい?」

 

「…………胸に思い切り顔を突っ込んで、押し倒した感想がソレ?」

 

「――――――――失礼しましたァ!?」

 

 

言葉の意味を理解し次第DO☆GE☆ZAである。

誠心誠意を見せるのであればコレが一番であると、この世界に来る前に和也に学んでおいた知識が碌でもない方向で役に立っていた。

 

 

「えっと、其処まで謝られても。クライス君、ほら、頭上げて」

 

「え、俺の事……ああ、時雨先輩でしたか。重ね重ね失礼を…………ええと、手に掴まってください」

 

「うん、ありがと。真逆、パンを咥えた転校生にぶつかる日が来るなんてね――――痛っ!」

 

「先輩、怪我を!?」

 

「痛た……ちょっと、捻ったかも。でもまあ、一限は魔法学だし、サボろうかな」

 

「……………………そうっすね。サボりたいのは俺も山々ですけど、治療をしませんと。先輩、後ろに乗ってください」

 

「へ?」

 

 

先ほどまでダイルが持っていた朝食が入った袋は何処かへと消え、手には大きな箒が握られているのであった。

 

 

 

 

 

・・・・・・

「――――――――所で和也さま。今日は屋上へ来れそうですか?」

 

「んー、多分大丈夫だとは思うな、悪いな、中々ゆっくりと放す機会も無くて」

 

「そうだよ、忙しいのは解るけど、早く稟くんにちゃんと紹介させて欲しいんだから」

 

「紹介も何も、教室で普通に紹介してくれれば良いじゃないか。2人が選んだ、と言うかずっと憧れてた人物に文句をつけるほど、短い仲でも無いだろ」

 

「いや、和也。そんな事されたら俺の体力がもたない。今のですらちょっと殺気が…………」

 

 

『コレが私たちの許婚候補です!』なんて顔を赤らめながら和也に報告しようものなら、彼女達の親衛隊が黙っては居ないだろう。

まあ、そんな状況に成ったら成ったで、和也は稟を見て笑っていそうである。

 

 

「まあ。何にせよ昼に、と言う事か…………そう言えば、ダイルは遅刻か?」

 

「…………和也、起こしたんだよな?」

 

「起こしたさ。フライで持ち上げて、叩き付ける。此処までやればアレとて目が覚める。現に、うめき声を上げて転がりまわって居たぞ?」

 

 

閉まっていく校門を見ながら和也は呟く。ルシアンはコイツに任せるのは止めて、俺が起こすべきなのだろうかと、ほぼ遅刻が確定した友人を思うのであった。

 

 

「和也。もっと優しく起こす選択肢は無いのか?」

 

「優しいだろう、十分に。その後朝食まで作っておいたんだぞ」

 

「食事か、ソレは羨ましい……じゃなくて、いや、ダイルもそろそろ自分で起きれる様になってもらいたいものだな。うん」

 

「クックック。だろう? と言う訳で眞子、ダイルは遅刻だ。先生にはそう頼む」

 

「…………いや、ダイル、来てるわよ?」

 

「ふ、む? 校門は既に閉まっているのは確認したが、真逆強行突破でもしてきたか…………?」

 

「強行突破、言い得て妙ね。空よ」

 

「――――――――空ァ!?」

 

 

驚いた和也が窓へと振り返ると、ダイルが箒に乗って浮いている姿が見えるのであった。

 

 

「ダイル、お前は何をやってるんだ……大体、教室は下穿きじゃ駄目なんだぞ?」

 

「知ってるよ! それ所じゃなくて、ちょっと先輩にぶつかって怪我させちまったんだよ!」

 

「や、やっほー?」

 

「亜沙先輩!?」

 

 

ダイルの後ろから姿を見せた亜沙に、稟は声を出して驚いているのであった。

と言うか、声こそ出していないが、稟以外も当然驚いており、HR前の喧騒とはまた違った騒がしさが教室を包んでいるのであった。

 

 

「つー訳で和也! 先輩を治療してくれ!」

 

「何で俺が…………まあ良い。ええと、始めまして、七瀬和也です。時雨先輩でしたね、治療するので痛い所見せてください」

 

「う、うん。よろしく……?」

 

 

和也は『強力』とラベルに書かれた軟膏を取り出し、亜沙の足へと塗っていく。

塗られている間、何か違和感があるらしく、亜沙は変な表情をしているのであった。

 

 

「よし、完了…………と、言いたい所だが、コレ、人間に効果あるのか?」

 

「おいおい和也ァ、確りしてくれよ」

 

「少なくとも、怪我させた張本人が言う科白じゃねえだろうが。大体、文句あるなら自分で治せ」

 

「うっせ、俺が魔法使えない事知ってて言いやがって」

 

「今思い切り飛んで学校入って来た人間が魔法使えないとか巫山戯た事抜かすなゴラァ!?」

 

「アレは緊急時に何か俺の中で弾けた結果空を飛べたんだよばーかばーか!」

 

「だったら先輩の足もそのハジケで治せぇ!!」

 

「あががががが…………ギブ、ギブ!!」

 

 

胸倉をつかんでからの流れるようにアルゼンチン・バックブリーカー。朝から何でこんなに元気なのであろうかと、皆の視線がそろそろ冷たくなってくるのであった。

 

 

「あ、あのさ。ボクの足、その軟膏で痛みも引いたみたいだし、その辺で終わりにしてあげて?」

 

「――――――――だそうだ。良かったな、ホレ、さっさと下駄箱に靴置いて来い」

 

「ギギギ……使えねえのは、事実、だろうが…………」

 

「ねえ。クライス君って、魔法使えないの?」

 

「んあ……先輩もアイツの妄言信じてるんですか? 見ての通り、と言いますか、運ばれての通り、アイツは空飛んで此処まで来ましたよ。魔法が使えないのは、アレの勘違い……ですよ」

 

「う、うーん?」

 

 

ダイルが先に下駄箱へと言ってしまったので、それとなく聞いた亜沙であったが、和也からは魔法は使えるとしか返ってこないのであった。

もう少し詳しく聞いてみたい亜沙であったが、HRの始まりも近いことがあり、諦めて自分の教室へと戻るのであった。

 

 

 

 

 

・・・・・・

「――――――――えー。皆さんにお知らせがあります。本日より、魔法学の担当の先生が代わります」

 

 

風見学園本校1-2、詰まる所亜沙のクラスである。

一限は親の敵、不倶戴天の存在と言った魔法を学ぶ魔法学の授業であり、亜沙としてもさっさと眠りに落ちようとしていたのだが、魔法学の担当教員であった人物がそんな事を言うので、起きて聞いてみる事にするのであった。

 

 

「魔法界の方が先生としてこれからは授業を行ってくれます。もし、私に用事があるのならば、魔法科の校舎、私の研究室まで来てね……それでは先生、どうぞ」

 

「はい」

 

 

言葉と共に入ってきた教師を見て、クラスに衝撃が走る。

確かに教師と呼ばれた人物は、どう見ても少女、下手すると幼女と呼ばれても可笑しくない体格であった。

 

 

「魔法界より派遣されて此方に来ました、ソレイユ・ブリリアントです。皆さんには、今日から1年間魔法学の授業を担当しますので、よろしくお願いしますね」

 

「ソレイユ先生は、魔法界でも屈指の研究者であり、その功績を讃えられ紙幣として発行されている大賢者様です。専攻は錬金術との事です」

 

「ええ。最近はホムンクルスの研究を行っています、無より生命を作り出す技術ですが、如何せん難しいものです…………ああ、皆さん。私は肉体こそ見た目通りですが、年齢は既に魔法界の平均寿命を超えていますので、子ども扱いはしないでくださいね」

 

「ふふ。長い間若いというのは、女性にとってはとても羨ましいですわ……それではソレイユ先生、後はお願いします」

 

「解りました。では皆さん、早速ですが魔力と肉体についての講義と参りましょう。先ず、魔法界住人の平均寿命をご存知の方居ますか――――――ええと、カレハさん」

 

「はい。確か、魔法界の方々は、他の三世界と比べて極端に長く、300歳程度まで生きると聞いていますわ」

 

「正解です。魔法界の住人の平均寿命は約300歳、まだ世界が繋がって2週間程度しか経っていませんのに、よく勉強していますね」

 

 

テレビ等で既に知っていた者、逆に知らなかった者、全員が気付いた事として、ソレイユは平均寿命よりは長く生きていると言った。つまりは300歳は越えている計算であるのだった。

 

 

「魔法界の住人は、魔力の量によって寿命が決まると言っても良いでしょう。そして、魔力の量とは、潜在的な物ではなく、外的要因によって増加する事も有ります。例えば、私は目が見えません。遥か昔、本当に私が子供であったころに視力を失いました、それでも私は諦めずに生活をしようと努力をした結果、精霊を通じ、周囲のイメージを脳内へと投影する事が出来る様になったのです。精霊と通じ合うと言う事は、すなわち精霊の力をより強く感じると言う事です。気付けば私は老化を極限まで抑える魔力の持ち主になっていました」

 

 

ふわふわと浮かびながら、昔を懐かしむように語るソレイユは、姿こそ子供であったが、長く生きて来た者の風格を醸し出していた。

 

 

「まあ尤も、肉体の成長が極端に遅れるのは女性のみですけどね。男性は緩やかに遅れる程度です。転校生3人は、それぞれに素晴らしい魔力の持ち主……特に和也君、ああ彼は私の弟子ですよ。彼等は普通に成長しています。自然界においては、雌の方が個体数が多い様に、我々もそうやってバランスを図られているのかも知れません」

 

「女性の方のみ、極端に遅れるのですか?」

 

「ええ。私の同級生に、王宮勤めの方が居ますが、もう良いお爺さんですよ…………そう言えば、我々の様な存在を表すのに、此方の国の言葉では、確か……そう、合法ロリと言うのでしたよね? きっと、魔法界の女性は、そう言う存在なのですよ」

 

 

この教師は何を言っているのかと、全員の意思が一つになったが、ソレイユの講義はまだまだ続くのであった。

 

 

 

 

 

・・・・・・

「結局、和也君来なかったねー」

 

「まあ、お師匠様が教師として転任して入らしたのであれば、挨拶も必要でしょうし…………」

 

 

ソレイユが来たと聞いて、和也は昼休みに挨拶をしに行くことにしたのであった。

そんなわけで、今日も和也は屋上に合流できていない。

――――代わりと言っては何だが、別の人物が屋上にきていた。

 

 

「ダイルさん、お久しぶりですー!」

 

「なっちゃん!? こっちに来れたのか!?」

 

「はいっ! ソレイユ様のお手伝いとして、此方の学園に来ました!」

 

 

ソレイユが作り出したホムンクルスのバージョン7、故に名前はナナ。愛称はなっちゃん。

撫子の愛称と何気に被っている。和也に挨拶をした後、ダイルに会うために屋上に来たのであった。

 

 

「そうか、良かった」

 

「ダイルさんは、お体はもう大丈夫なのですか?」

 

「見ての通りだ、未だに魔法は使えないけどよ」

 

「あー、なっちゃん? コイツ今日空飛んで学校来たからな、魔法使えないってのは噓だからな」

 

「――――――――ダイルさん! 噓はいけませんよ!」

 

 

ナナはとても表情が豊かであるようで、ダイルの言葉にかなり悲しそうな顔をした後、ルシアンの言葉で笑顔になり、そして怒るのであった。

 

 

「ルシアンもかよ、全然魔法使えないだろ俺。アレは偶々だって」

 

「『ホウキに乗れない魔法使いは泳げない魚と同じ』だって話だ。少し意味合いが違ってくるが、お前は飛べたんだ、十分に魔法使いだ。ま、和也は別の事を言っているんだろうけどな」

 

「やれやれ…………」

 

「…………結局、クライス君って、魔法が使えるの? 使えないの?」

 

 

和也とルシアンは使えると言い、ソレイユは中々の魔力持ちであると評価して、ナナは魔法が使えないと言う言葉を信じて、ダイルは使えないと言い張る。自分に怪我をさせたダイル・クライスと言う人物が、全く解らない亜沙は、直接本人に聞いてみる事にするのであった。

 

 

「使えませんよ、先輩。コレは、先輩が魔法嫌いだからこう答えてるのでは無く、事実俺は魔法を使えないポンコツ落ちこぼれなんですよ」

 

「またお前はそうやって。和也に聞かれたら巫山戯るなとか言ってまた大喧嘩になるぞ」

 

「そうですよ! 私なんか、ソレイユ様に頂いた精霊の指輪か、和也さんに作って頂いた魔法のマラカスが無いと、魔法も使えないんですから!」

 

「はいはい、先輩、とりあえず外野が何か言っていますが、魔法は使えないと言う事でどうか」

 

「う、うん?」

 

 

謎が謎を呼ぶ話しであったが、元々亜沙としても魔法関連は深く聞くつもりも無く、雰囲気も悪くなりそうなのでこのあたりで打ち切って食事を進める事になるのであった。




用語集?

『だがしかし~』
ヴァシュロンダンス

「パンを咥えた~」
この国に伝わる裏技の発生方法です。
1.遅刻しそうになります。
2.学校へ全力で走ります。
3.パンを咥えた転校生とぶつかれば成功です。
その後、パンツを見放題になったり、胸を揉み拉いたり、唇を奪ったりと、一定時間のラッキースケベが発生します。

水越眞子
朝倉のゲームのヒロイン。勝気なお嬢様。
桜の魔法が関係してなかったり、パラダイムノベルズ刊行の小説では抱き合わせ商法されたりと非常に可哀想。
リメイク(?)ではちゃんと魔法関係有ったよ! やったね眞子ちゃん!
『ダ・カーポ ~第2ボタンの誓い~』は、眞子の心情を表している曲に思える筆者です。

ソレイユ・ブリリアント
ダイルのゲームのサブキャラ。そしてロリ。可愛い。超可愛い。
盲目の大賢者で、フリーザ様の如く謎のボールに乗ってふわふわとしている。
オリキャラの師匠をやってもらいました。

精霊
精霊魔法、魔法界の魔法は基本的には精霊に語りかけて魔法を行う。精霊自体は沢山居る。見える人も居る。
このssにおいては13種類と言う設定にしておくが、ここで語りだすと黒歴史ノートから邪気眼と共に名状しがたき悪意が復活するので、密に、密に……。

ナナ(Version7)
×『へぇ、あんたもナナっていうんだ』
寿命が2年しかない純粋無垢な女の子型ホムンクルス。
胸の大きさは多分製作者の趣味。


誰かの視点、誰かの物語って訳じゃ無いので、張った伏線は何時回収されるのかもわからない。
うーん。難しいねえ、話を作るって。
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