桜の織り成すキセキ   作:天枷美春

5 / 28
やっとオリ主のたーん。

「」が言葉に出してて。
『』が通話とか、回想とかその他会話で。
「()」が、思ってる事

表記ぶれないように気をつけないと。


4話

「(また、誰かの夢か)」

 

 

『誰かの夢を見せられる感覚』がする。

朝倉純一には、他人の夢を勝手に見せられる夢見の魔法があった。

 

 

「(もういい加減支離滅裂なラブロマンスとか飽きた。かと言って、ガチでホラーな何かに追いかけられるのも勘弁してほしいが)」

 

『――――――――結局、回復しなかったか』

 

 

朝倉の考えを余所に、夢の内容が再生されていく。

声は、男の声であった。

 

 

『俺の考えが正しければ、十分な睡眠、そして食事で元の様に回復する筈なんです! だのに! コレは一体どう言う事なんですか、師匠!!』

 

『外的要因の他に、内的要因が関係しているのでしょう。焦ってはなりません、この状況は彼が選んだ道なのですから』

 

「(この師匠って娘、可愛いな。ちょっと小さすぎるけど)」

 

 

何処かの研究室での話らしい。色々と機会が見える。

現在、この夢では薄い水色の髪の少女しか今は見えていない。

この夢は、夢の主の一人称視点で行われるモノなのだと朝倉は理解した。

――――――――場面が変わる。

 

 

『いい加減にしておけよ馬鹿親共!! アンタ等は娘の心配をしていれば良いんだ! 俺の、俺達の方針は既に伝えた! 何で巻き込もうとする!』

 

『落ち着いて下さい。この会議は、声を荒げて進めるモノではありません。何を、其処まで貴方は取り乱して、興奮しているのです』

 

『解らないだろうさ! 俺が、俺がどんな気持ちで、想いで今までの話を聞いていたかなんて!』

 

「(こっちの金髪の娘も可愛いな。そんな状況じゃ無さそうだが)」

 

 

次の場面は、何処かの会議室。円卓から立ち上がり声を荒げる青年は、金髪のドレスを着た少女に止められている様だ。

周囲も、一体何事なのかと驚いたような様子で見ている。同い年くらいに見える少年少女は珍しいモノを見たと言う感じに。ドレスを着た少女の横に立つ老人は、悲しそうな顔で此方を見ていた。

 

 

『解ってる、解ってるんだよ。この1年間覚悟なんて何度もしてきた、アンタ等2人の我侭の所為で、歴史が大きく動く事くらいな。だったら! だったら俺にも我侭を言わせろ、コレからどうするか。何をするかは俺が一切取り仕切る! ソレにすら文句があるなら――――――――――』

 

 

青年の声が一段と大きくなった所で、また場面が変わる。

 

 

『…………………………………………』

 

『本当に、本当にこの家には居られないの!?』

 

『ああ。この家にはもう帰さない予定だ。ウチとは縁を切って生きていく方が、幸せかも知れんよ』

 

『どうして、どうしてそんな事言えるのさ!?』

 

「(おお、何かシリアス。てか、可愛い子多いな。コイツの夢)」

 

 

次の場面は純和風の家。栗色の髪の少女と、黒髪の少女を前に話をしている。

栗色の髪の少女は、今にも泣きそうな表情で。黒髪の少女は関係なしとも言わんばかりに無表情であった。

 

 

『俺の決定が不服か? 仕方ないだろう。恨むなら一生俺を恨んでくれ』

 

『ずっと、正しい判断だったって。信じて、何時もは、信じてたのに……今だけは、駄目だよ…………』

 

「(この娘、何処かで見たことが……?)」

 

 

朝倉が何かを思い出そうとするも、少女の目から涙が流れた所でまた場面が変わる。

 

 

「(…………コイツの夢、コロコロと場面が変わりすぎだろ。断片的な何かしか見えないぞ)」

 

『――――――――――お兄ちゃん、今日は何して遊ぶ?』

 

「(あれ、この小さいの…………音夢だよな)」

 

 

そして、今の場面は桜の下。かなり幼い頃の音夢が居た。

近くには美春も居る。のだが、普段3人くらいでしか遊んでいなかったと記憶しているのに、見知らぬ女の子達が居るのであった。

 

 

「(割と真面目に誰の夢なんだ。美春が居るって事は、さくらの夢って訳じゃ無いし)」

 

『今日は6にんいるし、おにごっことか、かくれんぼでもするか?』

 

『わるい。今日は、さよならのあいさつに来たんだ』

 

 

夢の主は変わっていない感覚である。だが、声は随分と幼い。

だとすれば、随分と時間が飛んだと言う事であり、先ほどまでの一人称視点の夢の続きである。

 

 

『お兄ちゃん、どこか行っちゃうの?』

 

『家に、帰るんだ。とおい、とおい、すごくとおい所にある家に』

 

『また、会えるよね?』

 

『……………………もう、会えないと思う。だから、またね、じゃなくて、さよならのあいさつ』

 

『――――いやっ!』

 

 

美春と思わしき幼い少女が、泣きそうな顔で此方を見てくる。

この夢の主は、随分と罪作りな奴だと朝倉は思いながら、こんなシーンが果たして過去にあっただろうかと思い返す。

 

 

『もっといっしょに遊ぼう! いっちゃやだ! かずやお兄ちゃん!』

 

「かずや…………和也? ハハ。またまたご冗談を」

 

「……………………実はご冗談でも無かったりするんだがな」

 

「!?」

 

 

直ぐ横に、朝倉が思い至った七瀬和也が立っていた。

同時に、先ほどまでの映像が消え、何も無い真っ暗な空間となる。

 

 

「お前、人の夢に、何入り込んで……ああ、ンな事はどうでもいい。恥ずかしい、畜生、見たな?」

 

「お、おう」

 

「見られたくない物を中心に見やがってこの野郎…………」

 

 

過去を見られたことに対してかなり照れくさそうにしているのであった。

 

 

「ったく。違和感があると思ってたが、お前が覗き込んでいるなんて思いもしなかったぞ」

 

「悪い。侘びと言っちゃ何だが教えるぜ。何か俺『他人の夢を強制的に見せられる魔法』的な物持ってるんだ。ソレの所為でお前の夢を見ちまった」

 

「んー。俺の夢に入り込んだんじゃなくて、俺がお前を引き寄せたって感じか。道理で無理やり突破された感覚にならなかったわけだ」

 

「…………なあ、和也。魔法の事は詳しくないから置いといて、あの夢って、俺達って、会った事あるんだよな?」

 

「そうだな、会ってる。会ってるが、まあ詳しい話は起きてからにしようぜ。お前がこの会話の内容覚えてなかったら、別に話す必要もないし」

 

「……………………それもそうだな」

 

 

何か納得してしまう朝倉であった。そして、和也はもう一度夢を見ないように寝ると言って、朝倉を追い出すのであった。

 

 

 

 

 

・・・・・・

「――――――――――――と言う訳で、母さんは許可を取らずにこっそりと抜け出してな。こっちの世界に来てたと言う訳だ。何をしに来てたのかは解らん、話して貰えなかったしな」

 

 

屋上へと上る階段を歩きながら、確りと夢の内容を覚えていた朝倉に対して説明をしている。

夢の内容なんだから忘れてろよ畜生と言う表情が見て取れる。

 

 

「環が言っていたけど、境界線を管理する家ってのが関係してるのか?」

 

「まあ。少し、かな。家と家が簡易ゲートで繋がってるから、こっそりとこっちに来ようと思えば、出来無い事は無いって話だ。話を続けるぞ、それで初音島に1週間ほど滞在して、お前等と出会って、遊んで、帰った。ソレだけだ」

 

「それだけなら、覚えて無くても当然か。いやー、ずっと七瀬って名前に既知感が有ったんだよな」

 

「まて。それは本当か?」

 

「?」

 

 

和也の足が止まる。そして、信じられないと言う顔をしている。

 

 

「少なくとも。そう、少なくともだ、環が知っているのは理解できる。巫女だしな」

 

「巫女なのが何か関係が……いや、それで?」

 

「何でお前薄っすらとは言え、覚えてるんだ?」

 

「昔、遊んだからだろ。お前達って言う存在を忘れてても、七瀬って奴と遊んだ記憶くらい残ってても不思議じゃ無いと思うが」

 

「いや。お約束的な展開で、お前等の記憶は吹っ飛ばした筈だが」

 

「うおい!? 何物騒な事言ってるんだよ!!」

 

 

昨日、ダイルが学園生活を円満に送る為なら何でもやりかねん。的な事を話していたと思い出す。

長い付き合いでありそうな人物が言う和也の評価に、昔からそんな奴だったのかと納得する朝倉であった。

 

 

「いや、何時何処で厄介なのに聞き耳立てられてるかも解らないしな。存在しない筈の人物の記憶なんて、無い方が良いだろうと思って、俺達の記憶を消した訳だが。何で覚えてるんだろうな、お前」

 

「俺だけじゃないぞ。音夢も美春も、俺と似たような感じだし」

 

「マジか。お前等、ソレほどまでに俺の、俺達の事を忘れたく無いと…………!」

 

「止めろキモイ……で、実際の所どうなんだよ?」

 

「解らん。この世の魔法全てを理解してる訳じゃ無いんだ。世界が変われば理が違う、此方の世界で魔法を使った事が間違いだったか、俺自身に何か問題でもあったか。考えれる事はいくらでもある」

 

 

当時の様にかなり幼い時期としても、それなりの実力はあったと自負しているので、確りと魔法が効いていなかった事には不満そうな和也であった。

 

 

「さ、て。屋上に繋がる扉の前に来たし、魔法使い同士の会話は此処で終了。そして、此処から先は俺の屋上デビューと言うわけだな?」

 

「そうだな。屋上にデビューも糞もあるのか知らないけどな。最後に一つ聞いておきたいが、音夢と美春には、昔の事は話すのか?」

 

「クックック。冗談、都合があるとは言え、記憶を消して勝手に消えたんだ。既知感こそ有れ、お前と同じ様に、言われても俺だって解るわけでも無い。だったら"はじめまして"と言って、また友人になっていくのが一番だろうさ」

 

 

そう言って屋上へと繋がる扉を開く。

見渡せば、見知った顔や、まだ知らぬ顔。

此方を見て、やっと来たと喜ぶ者。見知らぬ顔だと思う者。

そして、嘗て出逢った時から数年、遥かに可愛くなっていた美春を見つけ、和也は少し微笑み、コレより本格的に始まる自身の学園生活の言葉を紡ごうとして――――――――――――――

 

 

「あ。ほら、音夢先輩! 確信しました、やっぱり和也お兄ちゃんですよ!! よくバナナ味のキャンディとかを美春達に渡してくれた!」

 

「……………………何で完璧に覚えてるかなぁ?」

 

 

――――――――――――思い切り出鼻を挫かれるのであった。

勿論、どんな関係であるかを話す事が、和也の屋上デビューになったのは言うまでも無い。




用語集?

『夢見の魔法』
朝倉純一、後何気に芳乃さくらも使用可能な祖父から伝わる魔法。


クロスオーバー何処いった。
オリキャラをメインで書くと、クロスも糞も無くなる。むむむ。


いつか、コレのプロット版を公開して。顔真っ赤にして転げまわりたい。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。