いや、嬉しいんですよ? あ、なんか変なのでてるな。1話だけでも読んでみようかな。って思っていただけてとっても嬉しいんですけどね。
私のなんか見るより他の方の見たほうが面白いですよ、絶対……どれだけ暇なんですか……あ、凄いブーメラン帰ってきた。
兎にも角にもですね、皆さん私なんかの小説を読んで、時間を無駄にしないでくださいと言いたかったわけでありますよええ。
それで、今回もやっぱり椅魔奈は最後にちょっと登場するだけです。次回辺りには登場するんじゃないかなぁ……でも間に合わないかなぁ……うん。
霊夢が紅魔館へと向かったのとほぼ同時刻、魔理沙もすでに目を覚まし霧の湖に到達していた。
相変わらず霧が貼っていて視界が悪いのだが、キョロキョロと周囲を見回した魔理沙は一つ頷くとさっさと移動を開始した。
「(ま、霊夢の姿が見えないってことは、ここには何もなかったかさっさと退治したかのどっちかだろ)」
向かう先は霧の湖の中央部、悪魔の館紅魔館である。吸血鬼が住んでいる危険なところ、という噂をもっぱら聞くが、実際に会ったことはない。
魔理沙自身、噂のある程度は勝手な妄想から来るものだと判断しており、結構楽観的な思考を抱いていた。
そんなわけで、紅魔館を目指して暫く飛んで行くと、やがて紅色を基調とした悪趣味な彩りの館が霧の中から姿を表した。言うまでもなく紅魔館である。
「さて、と。霊夢のやつは……お、いたいた」
魔理沙は下の方で何やらやっている霊夢の姿を確認した。
降りてみると、何やら地面に伸びている妖怪と会話しているようだった。
気になった魔理沙は、近づいて聞き耳をたててみることにした。
「――そう、つまりこの異変はやむを得なかったと、そう言いたいわけ?」
「あはは……まぁだいたいそんなところです」
「で、それで私が納得したり許したりするとでも?」
「……妹様が外で何をされるのか、私達ですら予想もできないんです。最悪、人里を襲うなんてことにも……」
「そうなったらそうなったで、私か他の奴らが始末をつけるわ。あんたらに心配されるほどやわじゃないのよ」
「妹様がどんな方か知らないから、そう思――」
「――そいつがどうかなんて、私が与り知らないことだわ。良い? 折角だから
「……これは参りましたね、しっかり覚えておくことにします」
地面に伸びている妖怪は苦笑いすると、そのまま気を失ってしまった。
霊夢はそれに大して気にもしない様子で、門の方へと歩いて行く。
その途中で、ふと思い出したかのように歩きながら魔理沙へと声をかける。
「そうそう、
「……気づいていたのか?」
「当たり前でしょ、私を誰だと思ってんのよ」
「血も涙もない鬼巫女様、だぜ」
「張っ倒すわよあんた」
「おお、怖い怖い」
魔理沙はニヤニヤ笑いながら霊夢の隣まで歩いてくる。
顔を覗き込むと、案の定ムスッとしたような顔で前を見ていた。
「ははは、霊夢のそういう顔が見られるから、弄るのは止められないってもんだぜ」
「あんたね……異変が終わったら覚悟しておきなさい」
「だったら、さっさと異変を解決しちまわないとな。私が大人しくやられるのを待っているとは思わないことだぜ」
「……ええ、そうね」
魔理沙は霊夢の返事をきくと、満足気に頷いて視線を前に戻した。
こんな他愛もない、唯のやり取りの中にも、お互いを思い遣っている感じが見受けられる。
魔理沙はわざと軽い雰囲気を醸しだして、霊夢の気持ちを軽くさせる。
霊夢は霊夢でそれを察し、あえてそれに乗ることで感謝の意を示す。
はっきりとした言葉はなくとも、二人はきちんと深いところで繋がっているのだ。
「よっしゃ霊夢、そしたらどっちが早く異変を解決できるか、勝負と行こうぜ!」
「何でよ……そんな面倒くさいこと私が乗るとでも――」
「勝った方は負けた方に暫く飯を作らせるっていうのはどうだ?」
「――乗ったわその話負けた方はご飯を作るだけじゃなくて食費も負担するってことでそれじゃ早速はじめましょうか」
「……ははは、相変わらずだなぁ」
はじめに作っていた渋面を一転させ、いきいきとした表情で館の扉目指して突き進んでいく霊夢を見て、魔理沙は呆れたため息を吐きながらも後を追うのだった。
◇ ◇ ◇ ◇
暫くして、紅魔館の扉の前に到着した霊夢と魔理沙は、一瞬だけ視線を合わせてから扉を開いた。
重々しい音を立てて内側に開いていった扉は、完全に開ききったところで動きを止めた。
外から覗く紅魔館の内装は、外見とは違って少しばかり華やかに見えるも、やはり紅色を基調としており、窓が少ないからかその薄暗さも合わさってどこかしら不気味な雰囲気が漂っていた。
「おーおー、如何にも何かやばいもんが住んでますって感じだぜ」
「やばいかどうかは置いておいても、誰か住んでいるのは確実ね。こんなにも清掃が行き届いているんですもの」
「どっかの貧乏神社の境内とは大違いだな?」
「あんたはつくづく私にはっ倒されたいようね……?」
「おいおい霊夢、押し倒すだなんてこんな真っ昼間から大胆な」
「あ・ん・た・はぁ!」
「――夜中なら良いというわけでも無いと思うわ、歓迎されていない不法侵入者さんたち?」
突如声をかけられて、二人は少し驚いたような表情で声の下方向へと顔を向けた。
そこにはいつの間にか、青服の上に白いエプロンを掛けた、いわゆるメイド服と言われる種類の服に身を包んだ、やや長身で銀髪の女性がひっそりと立っていた。
その出で立ちからは、洗練された強者の風格を漂っているように感じられた。頭にはご丁寧にカチューシャまでのせられてる。
「なんか一家に一台あると便利そうな奴だな」
「そうね、
「残念だけど、私はレミリアお嬢様以外に仕える気はないわ」
「ははは、見事に嫌われたな霊夢」
「忠誠心が高いってわけ? だったら何をしてでも持って帰って、寝返らせれば……」
「おい霊夢、それだとお前完全に悪役のセリフだぜ」
「全くもって。博麗の巫女というのは恐ろしいわね」
黒い本音がだだ漏れの霊夢に、魔理沙は呆れを含んだ声で応じ、メイド服の女性は若干怯えを込めた声で返した。
やがて正気に戻った霊夢と魔理沙は、改めてその女性を眺める。
立ち振舞は完成された人間そのもの、隙が殆ど無くその瞳は鋭利でまるでナイフのようだった。
先ほど言ったレミリアという人物に心からの忠誠を誓っているようで、霊夢にこそ若干怯えを孕んだ視線を向けているも、その眼差しは概ね友好的と呼べるものではなかった。
「それで、この紅魔館へはどういった用?」
「あーそうそう、あの変な霧を出してるのはあんたたちでしょ? あれやめてくれないかしら、迷惑なのよ」
「そういうわけにもいかないわ。此方にも事情があるのよ」
「それで納得しろと?」
「別に納得してもらわなくても構わないわ。事が終わるまであなた達を此処に足止めしておけばいいだけですもの」
「あっそう、それじゃ早速任務失敗のようね、メイドさん?」
「……? そう簡単にこの十六夜 咲夜を突破できるとでも?」
「事実、約一名はもうすでに突破してるわ。気が付かなかったの?」
「…………あ」
慌てて咲夜が周囲を見回すも、そこにはさっきまで確かに居た魔理沙の姿がなかった。
幾ら霊夢のほうが危険度が高いとはいえ、鼠一匹でも侵入を許してしまったのは手痛いミスだ。
咲夜はキッと霊夢を睨みつけながら、若干低い声で尋ねた。
「……貴方達、まさかはじめからこれが狙いで」
「んなセコイ真似しないわよ。大体魔理沙から目を離したあんたが悪い、あいつはゴキブリ並みにどこにでも湧くんだから」
「そ、そう……なら良いわ。ゴキブリ如き、中にはいったところでお嬢様のお夕餉になるのが関の山。私はあなたを此処に足止めできればそれでいい」
「そう? あんまり
「ふふ、私には足止めする手段なんて山ほどあるわ。それこそ、時を止めてでもね!」
◇ ◇ ◇ ◇
一方、咲夜の目を掻い潜り紅魔館内部へ無事潜入を果たした魔理沙は、取り敢えず宛もなくさまよっていた。
「んー? 外からじゃわからなかったが、中は結構広いんだな……っていやいや、幾らなんでもこれは広すぎだぜ。どうなってるんだ?」
一人呟きながらも魔理沙は、近場にあった比較的大きな扉を押し開けて中にはいった。
そして部屋の中を見回した魔理沙は、その光景に一瞬言葉を失った。
見渡すかぎりに立ち並ぶのは、ぎっしりと本の詰まった棚。
それは横だけでなく縦にも広がっており、上を見上げれば薄暗い視線の先、視界が途切れるまで何段にも棚は重なっていた。
「うお……ぉ……これはすごい眺めだぜ。一体何冊くらいあるんだ、これ……?」
「さぁね、億はいっているんじゃないかしら」
「……ッ!」
ふと漏らした魔理沙の独り言に思わぬ返事が帰ってきて、魔理沙は若干焦りながら声の主を探した。
見回すと、少し離れたところに長机に本を置き、簡素な椅子に座って読書をしている少女に気がついた。
その少女は顔を魔理沙へと向けては居なかったが、恐らく声の主で間違いないだろう。
「へぇ、億か。そりゃまたすごい単位だぜ。どっからこんな大量に仕入れてきたんだ?」
「殆どは外の世界の魔道書よ。あなたのような人間には理解できないような世界の本」
「魔導書ね……これだけあるんだ、一冊くらい持って行ってもバチは当たらないよな?」
「持って行かないで頂戴。私が直々にバチを与えてあげましょうか?」
「おーおー、器の狭い魔女様だこと。そんなんじゃ他人に嫌われるぜ?」
「別に構わないわ、好かれようとなんて思っていないから」
先程から魔理沙と話している少女だが、一向に顔をあげようとしない少女に魔理沙は段々と腹が立ってきていた。
直接的に馬鹿にされているわけではないのだが、まるでまともに取り合う気がないと言われているようで。
これが霊夢だったら、相手もちゃんと対応していたんじゃないだろうか。そう馬鹿な発想に至ったところで、魔理沙は頭を振って考えを締め出す。
少し呼吸を整えると、いつもの軽い調子でその少女へと問いかけた。
「おいおい、人と話すときは相手の顔を見ろって、母親に教わらなかったのか?」
「あなたこそ、人の家や部屋に邪魔するときは、ノックくらいしろって教わらなかったの?」
「質問に質問で返すのか?」
「なら答えてあげる。あなたのような無礼な奴に合わせる視線なんて無いわ」
「……言ってくれるじゃないか。だったらこの際、どっちの主張を通すのか勝負で決めようじゃないか。勿論弾幕勝負だぜ」
「あら、何故侵入者の貴方の提案を、私が受けなければいけないのかしら?」
その少女は漸く顔を上げると、魔理沙へと視線を向ける。
しかし、その視線は絶対零度のように冷たく、重い殺気に溢れていた。
この少女、パチュリー・ノーレッジは、見た目こそ幼いが実年齢は軽く三桁を越している。
幾つもの修羅場を超えてきたであろう彼女が発する殺気は、その気に当てられただけで気を失いそうなほど濃厚だった。
対して魔理沙は、生まれたまだ十数年しか立っていないし、修羅場なんて場面には遭遇したことすら無い。
こうやって殺気をもろにぶつけられること自体、初めての体験だった。
「その、【スペルカードルール】だったかしら? それを私が律儀に守る必要なんて無い。貴方は私達のテリトリーを土足で荒らしているんだから、此処で殺されたって文句を言える立場じゃないでしょう?」
「くぅ……ぐ…‥」
「特別に2つ選ばせてあげるわ。今此処でさっさと尻尾を巻いて逃げ帰るか、それとも私と戦って無様に殺されるか」
パチュリーは相変わらず冷たい目で魔理沙を見据える。
一方の魔理沙は、恐怖故か肩を震わせたまま何もしゃべらない。
暫くその状態が続いていたのだが、やがてパチュリーがその視線をスッと魔理沙から外した。
そして、僅かにため息を吐きながら魔理沙に告げる。
「(所詮、こんなところよね。たった一人でここまでこれたのだから、如何程のものかと思ったんだけど……いや、私の殺気で意識を失わなかっただけマシか)」
「ほら、さっさとしなさい。逃げるところを襲うなんて真似はしないから」
「…………」
「はぁ、世話が焼けるわね……ほら、こっちへ来なさい。館の外へ飛ばしてあげ――」
「――いや、その必要はないぜ」
パチュリーは、魔理沙のその一言で動きを止めた。
そして、再度その瞳に殺気を込めると、魔理沙をじっと睨み据えた。
しかし、魔理沙はその視線に怯むことなく、パチュリーを見つめ返す。
「私の聞き間違えかしら? 私は館の外へ飛ばしてあげるといったのだけど」
「あぁ、それに対して私は、その必要はないといったぜ」
「……正気?」
「正気も正気、狂気なんて裸足で逃げてくほど正気だぜ。此処で一つ私から提案だ、弾幕ごっこで勝負をしないか?」
「だから、私がそれに応じる必要が――」
「おっと? 何歳かは知らんが、恐らく大魔法使いであろうあんたが、たかだか虫けらのような私に勝負を挑まれて、逃げるのか?」
「何を言って――」
「いいぜいいぜ、別に私の方は逃げてもらっても。それで私は大魔法使いを倒した普通の魔法使いって二つ名を手に入れられるわけだしな!」
その瞬間、パチュリーのまとっている雰囲気が変化したのを、魔理沙は感じ取った。
顔を見れば、表情には出ていないものの僅かに頭にきているだろうことは、想像がついた。
そしてパチュリーは、魔理沙が望んだ通りの返答をしてくれた。
「はぁ、良いわ。そこまで言うのなら乗ってあげるわよ。そのルールに則ったうえで貴方をボコボコにすれば、文句はないでしょう?」
「あぁ、無いぜ。ただし、私を倒せたらの話だけどな!」
「魔法使いの強さは知識量でほぼすべてが決まる。この圧倒的な
「感じる……お姉ちゃんが戦っているのを感じるよ……ッ」
「椅魔奈って時々というか、変な行動が目立つよね……」
『キュー?』
「変なって……酷いよフラン、僕がいつそんな行動をとったっていうのさ」
「つい今、なうで」
『キュー!』
「むぅ……いいよ、僕はお姉ちゃんを助けに行くから!」
「あ、ちょっと待ってよ椅魔奈! フランも行く!」
『キューキュー!』