戦姫絶唱×シンフォニックライダー   作:コンテンダー。

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13話 その考えはぶつかるのか?

仮面ライダーファルベの登場に真っ先に反応したのは、赤マントのアポカリプスだった。

 

『まさか、こんな状況になるなんて、計算はいつも役に立たないね』

 

赤いマントを跳ね上げ、左手を突き出す。

 

「のあッ!?フッ!」

 

ファルベが素早く反応し、タクトライザーで隠し武器を受け流しながら、先制のフライング状態からの強烈な蹴りを胸に向かって叩き込む。

 

が、ファルベがそうしたように目にも止まらぬスピードで反転し、蹴りをかわす。最初の時点で、かなりのトリッキーなやり取りがあったのだが、そんな事は構いやしないのがスコアであった。

 

「どこを向いてるんだ、この亡霊のなり損ないよぉ!」

 

スコアが真後ろからナックルバートをアポカリプスに必中させたのだ。

 

もはや、テクニックなんてくそ食らえと言わんばかりのパワー全振りの一撃は振り向いたアポカリプスの顔面をぶらしたのだ。

 

『グアッ!?』

 

あまりの衝撃に回転しながら地面に叩きつけられるアポカリプス。

 

「……良かったな、赤いマント。これで成仏させてやるよ!」

 

メトロセイバーの絵に装着されている錘を一番下の天秤の絵が書かれたスロットにセットするスコア。

 

《セット!グラビトン!》

 

メトロセイバーから流れる電子音声と共に、スコアの動きが重くなる。

 

「くらえ!オラッ!」

 

大きな、隙だらけの軌道を描いたメトロセイバーが地面に刺さる。すると、刺された場所を中心に、段々と地面が陥没し始める。

 

「これはッ!クッ!?」

 

ファルベはスコアのメトロセイバーの引き起こした事象に気づくと、横っとびで陥没した場所から放たれる波動から逃れた。

 

『な、何を………』

 

明らかに尋常では無いファルベの動きを見たアポカリプスも、自ら動こうとするが全く身体が動かない。いや、動けないのだ。

 

そこで漸くアポカリプスはこの事象に気づいた。

 

今、自分はスコアのメトロセイバーから繰り出された重力の波に捕まってしまっていると言う事に。

 

「どうだ?さあ、行くぞッ!」

 

地面に、剣先による抉れを刻みながらスコアはアポカリプスに近づくと、思いっきりメトロセイバーを振り回す。

 

鈍い斬撃の音がアポカリプスに太刀が繰り出された事を示す。

 

『グアッ!』

 

「オラアッ!」

 

最早、火のついたスコアの戦いはラフファイトなど目にもならない、力任せの攻撃を繰り出しまくる。その勢いは嵐のこどき。

 

「………アイツ、何も分かってない……」

 

その容赦も、微塵も無い荒々しいスコアの戦いに、呆気に取られていたファルベが漸く我に戻る。

 

もし、あのアポカリプスが神隠しの犯人ならば、倒された時点で事件は迷宮をさまようこととなる。

 

だが、もしだ。もし、アポカリプスが倒れても神隠しにあった人々が戻って来なかったら……。

 

間違いなく、事件の鍵を握るのはこのアポカリプスなのは間違いない。

 

ファルベは様々なケースに対応した上で、決着をつけるべきだと考えたのだ。

 

このままスコアがアポカリプスを倒せば、最悪のケースもあり得ると弾きだしたファルベはタクトライザーを、無理矢理スコアとアポカリプスの間にねじ込んだ。

 

「……少し待って貰おうか……。仮面ライダーさん?」

 

攻撃力の差ではスコアに上がるが、ファルベにとってそんな事はどうでもいい。タクトライザーを上手く力の入らない場所に潜らせ、攻撃を止めたのだ。

 

「白いのッ!邪魔だ!」

 

すっかり血が煮えたぎった様子のスコアがファルベに、斬りかかる。重い一撃が強引なコースを通って、ファルベの頭上から現れる。

 

「ッ!少しは話を聞けッ!」

 

思いっきり舌打ちをしたファルベ。面倒臭い奴だと直ぐに理解すると、前転で攻撃の軌道から逃れながら、スコアの右脇に蹴りを叩き込む。

 

「ッ!」

 

素早い動きに足をとられてバランスを崩したスコアだったが、直ぐにメトロセイバーを地面に突き刺し杖のように使ってみせる。

 

「今の仮面ライダーのトレンドは自分の手柄を作ることか。大層、ご立派だな!」

 

 

スコアの嫌みったらしい言い回しに対し、ファルベは首を振って応じる。

 

「大層なのはそっちだろ?後先知らず、剣を振り回して……。レディを危険な場所に置いておくだけでなく、今、あのアポカリプスを倒したらどうなるか……分かってないのか?」

 

ファルベの痛い場所をつく質問に、肩を振るわせるスコア。

 

「煩い!」

 

 

最早、激突は免れないか。スコアは一気にファルベに向かって走り出した。

 

「……煩い?……いきなり、アポカリプスをぶっ倒される訳にはいかないんだよ……」

 

ファルベは落ち着き払い、横目でアポカリプスを見る。

『………クソッ………』

 

完全に複雑な流れに組み込まれつつ、アポカリプスは厄介になったとばかりに2人のライダーを見る。

 

そして、マントで浮遊しているかのように、宙に舞い上がる。

 

確かにアポカリプスにとって、この瞬間は願ってもいないチャンスでもあるし、危険性も孕む。

 

いずれにせよ、2人の仮面ライダー、ファルベとスコアが自分のステージにずけずけと上がって来たことは、自分の計画の尻尾を掴まれたと同じ意味を指す。

 

だからこそ、赤マントのアポカリプスは体勢を立て直す事にしたのだ。

 

「逃げたッ!?おい、どうしてくれるッ!」

 

アポカリプスが逃げた事に気づいたスコアは物凄い剣幕で、ファルベに迫る。

 

「………………………」

 

だが、何もファルベは答えようとせず、ベルトからサウンディカルピースを取り外した。

 

 

エフェクトに包まれ、変身が解けるとファルベは奏貴に戻っていた。

 

「君は神隠しの件を知っているのか?そのことを知らなかったかもしれないが、何故、女の子を放り出して、戦いに向かった?」

 

奏貴はスコアを冷静かつ、感情を押さえた声で責めていた。

 

「まずはアポカリプスを始末する……。それが当たり前だろう?」

 

全く自分の意志を曲げようとしない奏貴とスコアは睨み合う。

 

 

 

「……何をしてんのよ……」

 

そんな2人の様子をどこかで見ていたのか、リーサ・アンダルテが現れた。彼女のスコアに向けられた目線は、呆れたような意味を込めていた。

 

「………君は、この仮面ライダーの知り合い?」

 

奏貴はスコアと話しても拉致が開かないと思ったのか、リーサに話を振った。

「光溜、さっさと変身を解きなさい。……ごめんなさいね、うちのバディが」

 

明らかに落ち着いていたリーサはスコア/光溜に変身を解くように言うと、奏貴に挨拶する。

 

「……ああ……」

 

どうもリズムを掴みきれない奏貴に、リーサの言葉が響く。

 

「宜しくね、『日本』の仮面ライダーさん?」

 

と。

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