戦姫絶唱×シンフォニックライダー   作:コンテンダー。

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14話 ロードと言う組織

リーサの登場によって真っ向からのぶつかり合いを回避したファルベ/奏貴とスコア/光溜。

 

クールなハードボイルドと、皮肉屋でプライドの高いヤカン、まるで真逆に位置するかのような2人の相性は絶望的に合わないと言っても過言では無いだろう。

リーサを間に挟み、変身を解いた両者ではあるが、この意地の均衡は崩れない。

 

「光溜、アンタね。少しぐらい話そうとしないの?」

 

「…………フン………」

 

似た者ではあっても、そこは歯止め役。拗ねる一方の光溜のカバーに回るリーサ。

 

それでも、光溜はそっぽを向いたままだ。

 

「………さて、そっちは口を開きたくないようだし……」

ワザとらしく嫌みを言った奏貴。無茶苦茶やろうとした光溜の手段にまだ納得がいっていないらしく、眼中に入れる事なく、リーサに矛を向ける。

 

「何かしら、聞きたいことがあるんでしょ?」

 

このままでは埒も、何もあかないとばかりに奏貴との話し相手をリーサが引き受ける。

 

「………単純な事だ。君達は一体何者だ?俺の取材した限りの情報では全く網に引っかからなかったが……」

 

奏貴が示した質問はまさに明確な答えを出せるものだ。

 

「……あなた、ライターだったの?意外だわ……。それはそうと、質問に答えなきゃね。私達は天変地異、超状現象による様々な被害から人々を助ける秘密結社みたいなモノに所属してるの。もちろん、それだけじゃないわ。研究から色々やってるの。ちなみに組織の名前は『ロード』って言うんだけどね」

 

リーサは手取り足取り、自分達の事を話し始めた。どうやら、彼女は奏貴を信用するに足る人物と見たようだ。

 

アポカリプスとの戦いでの冷静な一面を見せた事がが効いているようだ。

 

「………『ロード』………」

 

同じように奏貴も、彼女の目を見て、信用するに値すると見たのだろう、静かに彼女の応じに頷いていた。

 

「………………………」

 

やはり光溜は、こんな感じであるが。

 

「天変地異の中には『怪物』との戦いだってあるの。例えば、認定特異災害『ノイズ』。あれだって、私達の相手『だった』。どこかの聖遺物の使い手さんのおかげでノイズと戦う事は無くなっちゃったけどね」

 

「………まさか、君は………」

 

話を聞いていた奏貴。詳しくは知らないが、何となく掴めていた内容まであっさりと知っている事から、2人の属する『ロード』がただの組織では無いと、認識する。

 

そして、彼の頭には彼女が自分が捜していた少女達と同じでは無いかと言う疑念が浮かぶ。

 

「あなたの思う通りよ。私は奏者」

 

「ッ!?」

 

すっかり先回りされた奏貴に、リーサは悪戯っぽい笑みを浮かべて見せた。

 

「よく分かって貰えたかしら、仮面ライダーさん?」

 

「………ああ、よく………。君達は『ロード』のそう言う部門に属しているのも、君達が今、何を追っているのかも……」

 

奏貴はすべてを頭の中で噛み砕いた。

 

ロードと言う組織がかなり大きな組織であり、恐らく『シンフォギア』の事を知っている。

 

いや、恐らくではない、目の前に適合者であり、装着者である少女がいる時点でその存在を把握していると。

 

陰ながら動いてきた彼等が今、追いかけているのは厄介な存在であると言う事を。

 

そいつらこそ、あのベルトを手にした時に蠢いていた『教団』であると。

 

「物分かりが早いと楽だわ。仮面ライダーさん、他に聞きたいことは?」

 

言いたい事を理解したと言うような頷きをする奏貴に、次の段階の質問をするリーサ。

 

となると、質問は決まってくる。

 

自分と同じベルトを持つ彼に対してだ。

 

「君はどうやってベルトを手にしたんだ?赤レザー」

 

「……赤レザー……ッ……」

 

光溜の名前を聞いていない事もあってか、怪しい渾名で彼を呼ぶ奏貴。思わずリーサも吹き出してしまう。

 

「赤レザーじゃない!俺は、高薙光溜と言う名前がある!変な名前で呼ぶなッ!」

 

奏貴に手のひらで操られているとは微塵も思わない光溜が無事に自分の名前を言う。

 

「そうか、高薙光溜か……。やっと名前を聞けたな、仮面ライダーさん?」

 

「………ッ!知るかッ!」

 

自分がようやく奏貴にからかわれていたと分かった光溜はそのまま向きを変え、歩き出した。

 

「もう光溜ッ……。仮面ライダーさん、名前、聞かせて?」

 

光溜に振り回されるリーサだが、ため息をつくと、確認して置かなければならない事を奏貴に聞いた。

 

「………俺は冴刃奏貴。フリーのライターで、仮面ライダーファルベだ……。リーサちゃん、また会おう」

 

「そうね、また会うでしょうね……。待ちなさい、光溜!」

 

奏貴とリーサは軽く別れの挨拶をすると、彼女は光溜の後を追いかける。それを奏貴は静かに見送った。

 

「………高薙光溜に、リーサちゃんか……。どうやら、波風は大きくなってるみたいだ……」

 

奏貴は波風が大きくなるだけでなく、事態が徐々に新たな局面に入りつつあるのを感じると、ネクタイの結び目を緩める。

 

「……だが、その前に……」

 

奏貴は自分の仕事に戻る。次こそ、アポカリプスの尻尾を掴むために。

 

 

ー-----------------

 

 

赤いマントが暗がりから姿を現す。それと同時に身体を構成していたピースが崩れ、コアのみが鈍く輝きながらさまよう。

 

「………連れて来れなかったんだな………」

 

ピースが辿り着いた暗がりの先には、良いスーツを纏った男が立っていた。

 

『的場晃、どうやら、仮面ライダーに嗅ぎつけられたようだぞ?』

ピースはその男に話しかける。

 

そう、アポカリプスの今回引き起こした事件には人間の協力者がいたのだ。

 

このスーツを纏った男こそ、アポカリプスにそそのかされ、欲望を形にした犯人である的場晃であった。

 

「……それでもいい。俺の夢のためにもっと才能のある奴をかき集めるんだ……。俺の金儲けのための音楽団体のために!」

 

的場はピースに指示を出す。

 

(……ちんけな夢だね。ただ、自分が目立ちたいからでプロデューサーになろうなんて……。だが、おかけで欲望のメーターが溜まりそうだ)

 

ピース状態から再び身体を構築するアポカリプス。

 

『今、隠した奴らはどうしている?』

 

的場に自分が攫った人間の様子を聞くアポカリプス。

 

「まだ、このランプの中で暴れてるよ」

 

 

的場が見せたのは、不思議なランプ。その中から声が聞こえる。

 

-出して!出して!-

 

-嫌だ!こんな場所!-

 

『ハイドの名前は伊達じゃないでね』

 

どうやら、赤いマントのアポカリプスはハイド・アポカリプスと言うランクにいるらしく、攫った人間をランプに閉じこめていたのだ。

 

『では、次なるステージへ』

 

再び、ハイド・アポカリプスは街に繰り出す。欲望に支配された男を残して。

 

「……早く、早く、早く!」

 

的場から滲み出る欲望は、ハイド・アポカリプスに伝わるとも知らずに……。

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