戦姫絶唱×シンフォニックライダー   作:コンテンダー。

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19話 ロードの基地

新たなアポカリプスが動き出した時、光溜とリーサはハイド・アポカリプスと対峙した神社を訪れていた。

 

「何か、変わった事はないか?」

 

「いいえ、今のところ、教団はアポカリプスピースを遊ばせているみたいね」

 

「フン、どれだけ本当の考えを林に隠そうとも、炙り出してやるよ。ま、俺の手腕に期待しとけ」

 

またしても、自信満々な面を見せた光溜。

 

「手腕に期待ねえ?アンタ、私がいなかったら、ノータリンじゃないの?」

 

「は?」

 

「だから、ノータリンじゃないの?脳筋って言われちゃった人♪」

 

ストロングな煽りっぷりを見せつける相棒の言葉に、光溜の額が動く。

 

「…………悪いが、俺は回りくどいのが嫌いなんだ!分かるか!」

 

やっぱり沸騰した光溜の口がくるくると回る、回る、回る。

 

「………その直情径行が色々掻き回すのよ、分かる!?」

 

我慢の緒がぷっつり行ったリーサも口を尖らせ、言葉を吐き出していく。

 

哀しいかな、同じレベルの争いは似た者同士の特権である……とか言う言葉は無いが、明らかに似た者であるのは否定はできない。

 

そんな争いの間を、止める出来事が起こった。

 

「………通信よ、アンタの鳴ってる」

 

「ん、確かに」

 

光溜の端末に連絡が入ったらしく、ロックサウンドのギターがかき鳴らされている待機音がけたたましく鳴っていた。

 

「………高薙だが………」

 

光溜はその連絡を聞くと、熱が冷めたように静かになった。

 

「……分かった。」

 

「あら、熱が冷めるくらいな衝撃があった?」

 

「……支局に顔を見せろだとよ……」

 

「やっぱりね、それじゃ行っておきましょうか?」

 

「ッチ」

 

目に付くようにわざとらしい舌打ちを鳴らした光溜は、リーサに手綱を握られるがまま、ロードの支局に向かった。

 

 

 

そして、今−−。

 

 

「やれやれ、流石、日本支局は進んでるねえ」

 

光溜とリーサの目に広がる特撮によるある防衛軍のような丸いテーブルを中心にした作りと、書庫や研究室がゴチャゴチャになったような部屋があった。

「……まだ、メンバーは揃ってないみたいね」

 

「局長は呼んでおいて、これか」

 

日本支局は2人と、研究者も含め、6人いるはずのなのだが、誰もおらず、がらんどうになっていた。

 

「帰るぞ、リーサ。次、また来ればいい」

 

「もう……勝手なんだから……」

 

2人は呆れたように、支部を後にしようとする。

 

「まあまあ、相も変わらず辛抱ならないお方ですわね」

 

そんな言葉を紡ぎ、机の下から顔を覗かせたのは紫の髪を腰まで伸ばしたリーサとは対照的な少女であった。

 

「……やはり、お前が抜擢された訳か……」

 

ロードの一員である彼女に参ったような表情を浮かべた光溜。

 

「素敵な言葉ですわね、悪意たっぷり受け取っておきます」

 

「千華(センカ)、あなたね……」

 

出来る限りお嬢様こと、ロードの一員である彼女こそ、日本支局長でもある久瀬原 千華(クゼハラ センカ)である。

 

「まだメンバーは全員来てませんけれども、これから頑張っていきますわよ!」

 

千華の拍子抜けするような全力の叫びに、光溜が複雑そうな表情を浮かべていた。

 

どうやら、ロードはあくの強い奴らが集まるらしい。

 

 

とにもかくにも、一匹狼の奏貴とは対照的に教団を追うロードは癖のあるチームで動くのだった。

 

 

-------------------

 

 

奏貴の足は、欲を失った謎の心変わりをした人々の元に取材をしていた。

 

どの住所に来ても、人が良くなったようにモノを渡され、話も聞けない状況の中、最後に来たのはあの社長の元だった。

「………あの………」

 

奏貴は社長と向かい合い話を聞こうとするのだが、彼の視線はどこか落ち着かない。

 

「お越し戴いたのに、何もあげないなど失礼にあたる……。さあ、さあ、こちらのはしたないモノを!」

 

ズイッと出される札束。

 

「……いえ、そういう事ではなくてですね。話を聞かせてもらいたいだけなんですが……」

 

奏貴は社長を落ち着かせようと、ゆっくりと、はっきりと彼に言い聞かせる。

 

だが、全く社長は話を聞く素振りをみせず、急に頭を高いガラスの机にこすり始める。

 

「た、足りませんでしたか!?申し訳御座いません!こちらを!」

 

さらに札束を追加し、頭をこすりつける社長。

 

「どうか、お受け取りを!」

 

「………………………」

 

これでは全く話のしようがない。奏貴は気味悪さを感じ、取材を切り上げる事にした。

 

「………ありがとうございました、また取材させて下さい……」

 

「ま、待ってくれ!私は、こんなものいらないんだあああああああっ!」

 

奏貴はそそくさとその部屋から飛び出すと、締めていたネクタイを緩めた。

 

「………あそこまで執着を無くすのはやはり可笑しい……。何かが、性格をねじ曲げたとしか思えない……」

 

釈然としない何かを感じながらも、奏貴はライドシンフォニーに跨がると、自分の事務所に向かって、エンジンを始動した。

 

 

 

「何故、欲望を失ったのか。実に簡単な答えだ。僕がマジックで人を驚かせたいと思うのと同じ。アポカリプスは物欲を欲しがっている!これは明白だな」

 

奏貴がレバーを引こうとしたその時、目の前に白いタキシードを身に纏った怪しい人物が飛び出してきたのだ。

 

「………………………」

 

おそらく内心では何だ、コイツといわんばかりの牽制をしながら、目はタキシードの男を捕らえているしかないのだ。

 

「おや、僕の華麗な登場に驚いて……」

 

「ウザい」

 

「スバッと来たッ!?」

 

奏貴の鋭い一言で脱落したタキシードの男。

 

奏貴は付き合ってられないとばかりに、バイクを走らせ、その場から立ち去った。

 

「……やはり、受けなかったか……」

 

 

 

白いタキシードの男、神城航は奏貴の生真面目に頭をかくのだった。

 

これが、運命の出会いと知るモノはいなかった--。

 

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