戦姫絶唱×シンフォニックライダー   作:コンテンダー。

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26話 奏者の予感

少女達は空を見上げていた。

 

「マリアさん達は事もありますし、無事に戻ってきて欲しいですね」

 

ガングニールと呼ばれるシンフォギアを纏う女立花響が同じようにシャトルが飛び去った空を見上げるふたりに声をかけた。

 

「そうだな、きっと無事に帰るに違いない。だが、急転直下になる不測の事態も考えうる。気は抜けないだろう」

 

独特の言い回しをしながらも、響に気を引き締めろと言いたいのだろう。さらりとクールな口調で続けたのは同じくシンフォギア奏者である風鳴 翼である。

 

「そん時は私達が何とかすんだよ、な、先輩」

 

そんな翼に返して見せたのは3人目の奏者、雪音クリスだ。

 

「その通りだが、なかなか言うじゃないか、雪音」

 

「先輩ほどじゃありませんよ」

 

「クリスちゃん、大胆になってきたね!ホレホレ」

 

ニコッと笑い、クリスにセクハラまがいの言動と手を胸に回そうとする響

 

「ッ!?止めろッ!?このっ!」

 

赤くなりながらも、バチコンと響をいなすクリス。これももうお馴染みになりつつあった。

 

3人はそんなやり取りをしながら、何もないことを願う。

 

だが、そうは問屋が卸さない。誰かが願いを食い散らかさんとしているのなど、誰も知らなかったのだ。

 

そして、3人は再びシャトルと関わりを持つ事になるのはこの時点では誰も考えていなかった。

 

ただ、雪音クリスの胸に沸き立つ予感があった。まるで、その予感はいつかの彼と同じように……。

 

(……何か引っ掛かってんだよな……。私に声をかけたアイツの事、どうして?)

 

運命の悪戯が戯れ始めた……。

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

一方、電車が通る陸橋の下ではパラボナアンテナを笠のように頭に被り、亀の甲羅にも見えるこれまたアンテナを背中に背負った青い怪人がある人物に追われていた。

 

『ひいっ、まさか見つかるとは……。計算外でやした……』

 

一体何時代何だと思わず言いたくなるような古い言い回しをしながら、逃げる怪人。

 

こいつこそアポカリプスであるパラボナ・アポカリプスだ。

 

「……そのムカつく言葉使いが二度と出来ないように粉砕してやる!」

 

パラボナ・アポカリプスの後ろを追いかけるのは仮面ライダースコア/高凪光溜。

 

自慢のメトロセイバーを肩に担ぎ上げ、青いバイクに乗り、差を詰めようとする。

 

『いやあ、参ったでやんす……。ホレッ!』

 

電磁力を使い、地面を滑るように逃げていくパラボナ・アポカリプスはアンテナの形をした円盤を取り出すと、スコア目掛けて投げつける。

 

「効かえねんだよ!」

 

パラボナ・アポカリプスの円盤投げに対し、スコアはらしいと言えばらしい、メトロセイバーの強引な振りで次々と円盤を砕いていく。

 

『ヒイッ!?無茶苦茶でありやす!?』

 

スコアの脳筋全開のラフな運転に声をひきつらせるパラボナ・アポカリプス。だが、すぐに攻め手を切り替えた。

 

『なら、コードリールを喰らうでやんすよ!』

 

何処からか、コードを伸ばしそれを鞭のように振るい、スコアを足止めしようとするパラボナ。

 

「そんなモノで……うおっ!た、タイヤに!?」

 

一薙でコードを弾こうとしたスコアではあったが、変則に軌道の変わったコードがバイクのタイヤに絡み付いた。

 

『もらいでやんす!』

 

グイッと強くコードを巻き取るパラボナ・アポカリプス。すると、見事にスコアはバイクのバランスを崩してしまっていた。

 

「くそっ!うあああああああああっ!」

 

バランスを大きく崩し、スコアは地面に叩きつけられたまま、後ろに吹き飛んでいった。

 

『いよっし!振り切るで……』

 

そのまま逃げようとしたパラボナ・アポカリプスであったが、突然目の前に現れた現象に驚いた。

 

『ま、ま、まああああああっ!燃えてる!?』

 

なんとパラボナ・アポカリプスの前に炎の壁が立ちふさがったのだ。

 

「……来るのが遅かったわね……。飽き飽きしてたとこ……」

 

炎の壁の上に腕を組んで立つ少女。純白のドレスをイメージさせる騎士甲冑に、ドレススカート、黒いニーハイと黄色の宝石を纏ったブーツ。

 

そして、ヘッドギアを纏った彼女/リーサ・アンダルテは巨大なキセルを背中に背負っていた。

 

『聖遺物がまだあるとか聞いてないやんす!?』

 

「悪いわね、乙女は秘密主義者なのよ!」

 

パラボナ・アポカリプスに向かって、キセルをハンマーのように振りかざしたながら、降下しようとしたリーサ。

 

『だああああああっ!おさらばでやんす!』

 

だが、炎の壁を貫いて、パラボナ・アポカリプスはスタこらと逃げていった。

 

「……予想外の速さだわ……」

 

リーサはキセルを降ろすと、ため息をつく。そんな所に、光満は破損したバイクを引っ張って来た。

 

「逃がしたか……」

 

何となく良いところがなくがっかりした様子の光溜の肩をリーサが叩く。

 

「大丈夫よ、私も出し抜かれたから」

 

「……しかし、奴は何を……」

 

同情を胸に抱えながら、光溜は不思議に思う。

 

あのアポカリプスがいきなり街に現れ、なにもせずに逃げ出したことを。

パラボナ・アポカリプスを裏で動かすモノは一体何なのか、そして、何が目的なのかをーー。

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