開発センターを遠く離れた研究所の跡地。カイケル博士はパラボナ・アポカリプスと共にシャトルの様子を通信していた。
『いい光景でやんす。このまま、希望が墜ちて、世界は匣を開けるきっかけを作るのでやんす』
頭のパラボナアンテナを回転させ、仕込みをしていたシャトルと開発センターをターゲットに、アポカリプスサウンドと電磁波を放つパラボナ・アポカリプス。不敵に笑いをあげる様は完璧に仕事を果たしたと確信を得たようだった。
「……………………………」カイケルはシャトルの中から聞こえる悲鳴にショックを隠せないでいた。
『どうしたのでやんすか、博士?あなたが願った復讐の狼煙が上がった記念すべきときでやんすよ?』
「………違う………」
パラボナ・アポカリプスの言葉にようやく自分が利用されていたことに気づいたカイケル。彼は小さく呟き、何度も何度も首を振った。
『違うわけ無いでやんすよ、博士!これがあなたが望んだ結果でやんす!』
「クソオッ!」カイケルはパラボナ・アポカリプスを止めようと躍起になって飛びかかった。
自分の罪を理解した上で、出来る僅かな贖罪のために。何よりも自分の欲望を乗り越えるために。
『やれやれ、ここまで愚かとは予想もつかないでやんすなあっ!』
パラボナ・アポカリプスのターゲットに新たに加えられたカイケル博士に、最強クラスの電磁波が放たれる。そして、頭の中を燃やし尽くす。
「あがあああああああああっ!」最期に人に戻れたカイケルは、電磁波の影響でのたうち回りながら、脳味噌を狂わせられたーー。
『ふう、あともう一踏ん張りでやんすね』
カイケル博士を狂死させたパラボナ・アポカリプスは再び、ターゲットをシャトルに絞り混んだ。
落下までのカウントは速まっていった。
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同時刻
「……………………………」
どこかの指令室では緊迫する事態に手をこまねいていた。
「まだか、まだなのか」
腕を組み、お偉いさんの決定を待つのはシンフォギアを保有する日本の特異災害対策機動部二課の司令塔である風鳴弦十郎。
只者ではない凄みと、その存在感は間違いなく彼が強いことを物語っていた。
だが、戰場をかける彼を立場が縛り付ける。
「藤堯、友里!ジャグミングの発信地はどうだ!」
「それがやってはいますが……」
「電波の発信地と思われるエリア全体から別な妨害電波が流れて、絞り混みきれません」
オペレーターの一人である藤堯朔也、友里あおいと言う優秀なスタッフを持ってしても、アポカリプスの能力に翻弄されていた。
「司令、奏者のスタンバイ完了しました」
司令室に慌ただしい中、するりと緒川が入ってきた。ただ、眼鏡を外し、マネージャーから弦十郎を支える右腕になっていた。
「……うむ……。後は……」
国連の了承が来るのを待つだけとなった二課の司令室。
刻一刻と時間は迫るーー。
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『……フフフッ……』
ジャグミング電波を発し続けるパラボナ・アポカリプスは満足げに笑っていた。
『これで、パンドラ様もお喜びになるでやんすね。そうすれば、オイラも……』
パラボナ・アポカリプスは自分がパラボナに取り立てられることをイメージしていた。
『愚か者ですねえ、パラボナ。あなたは何も知らないでしょう』
そのパラボナ・アポカリプスの姿を嘲笑うように、彼の目の前にピースが降り立つ。
それは、シーフのコアであった。
『仮面ライダーに負けたシーフがいったいなんのようでやんすか?』
どうやら、シーフはパラボナ・アポカリプスに忠告を言いに来たようだ。
『いい事を教えてあげましょうか、パラボナ。あなたは仮面ライダーにこなごなにされます』
シーフの宣言に首をかしげるパラボナ・アポカリプス。
『大丈夫でやんすよ!』
「……………………………」
たかをくくっていたパラボナ・アポカリプスの 元に、それはすぐに訪れた。
「よお、パラボナ野郎」
『な!?』
そんなパラボナ・アポカリプスの前に、二人の仮面ライダーが腰にベルトを巻き付け、現れたのだ。
仮面ライダーファルベと仮面ライダースコアの二人が今、揃った。