戦姫絶唱×シンフォニックライダー   作:コンテンダー。

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34話 重なれよ、音

計画を遂行しようとしていたパラボナ・アポカリプスの前に並び立つ奏貴と光溜。

 

『ど、どうやってこの地点を絞りこんだんでやんすか!?オイラのジャグミングは完璧だったはずでやんす!』

 

二人に自分がいた地点を知られたことが信じられない様子だった。

 

「……お前とは初めて会うがな、俺は違うアポカリプスの反応を掴んだんだよ……」

 

そのパラボナの問いに奏貴が答えた。

 

「そうなのか!?」

 

素直に驚く光溜。

 

「……ああ、ツバメがとらえた旋律の乱れは、俺が一度倒したアポカリプスの旋律だ!」

 

パラボナ・アポカリプスの背後を指差す奏貴。

 

「シーフ・アポカリプス!お前だ!」

 

指差されたコアはいつの間にか、身体を構成し、この世界に返り咲いた。

 

『……お見事、冴刃奏貴!』

 

前よりもさらに怪盗らしくスマートになった白赤ツインカラーのアポカリプス。見間違うはずもない、シーフ・アポカリプスだ。

 

「まさか、パラボナ野郎、組んでやがったのか!なら、両方……」

 

もうエンジンに火がついた光溜はシーフ・アポカリプスにも食って掛からん勢いで、次々と唾を飛ばす。

 

「……いや、高凪……。どうやら、全く想像もつかない展開になっているみたいだ……」光溜を羽交い締めし、奏貴が冷静に耳打ちする。

 

「おい、放せ!お前!」

 

こんな向こう見ずなプライド高な男を上手く手懐けていたリーサの気苦労に感嘆すら覚えてしまう奏貴。

 

彼の見た通り、事態は思わぬ方向に進んでいた。

 

シーフ・アポカリプスはパラボナ・アポカリプスを同族として見ようとはせず、見下したような口調で話し始めた。

 

『パラボナ、あなたは上手く事を運んではいましたが、如何せん、首を絞める行為が多かった。何故、カイケル博士を始末しました?彼は丁重におもてなしすべき存在であったのにも関わらず!」

 

シーフ・アポカリプスの紳士的な口調からは想像もつかないほど、語尾は強まり、怒りを隠さないでいた。

 

『そ、それはでやんすね……』

 

『もういい、パラボナ。あなたはもう既に見切られているのは存じませんでしたか?』

 

シーフ・アポカリプスの口から次々と暴露され始めた事実に、パラボナ・アポカリプスは呆然とする他に出来ることはなかった。

 

『ま、シーフ!まさか、お前……』

 

ようやく、シーフ・アポカリプスがコアの状態で自分の元にやって来たのかが理解できた。

 

『そう、あなたはすでに売られたのと同じなのですよ、パンドラによって……ね』

 

シーフ・アポカリプスがパラボナ・アポカリプスの元にわざわざ現れた理由。それは単純に明快だった。

 

パラボナ・アポカリプスはもう『いらない』と言う事実を突きつけに現れたのであったのだ。

 

『……ま、まさか……』

 

『最後までシャトルを落としなさい。それがあなたと言う廃棄物に残された助かる唯一の道です?アッハハハハッ!」

 

シーフ・アポカリプスは最後に生き残る条件を与え、消え去る。

 

『もうおしまいでやんす!こうなったら、全部、シャトルも、遺産もメチャメチャにしてやるでやんす!お前らも!』

 

ついにタガのはずれたパラボナ・アポカリプスは今まで以上のボリュームで電波を放ち、二人にもメチャメチャに鞭を振るい始めた。

 

「……教団のやり方には同情ぐらいはしてやるが……」

 

鞭の軌道を読みきった奏貴はパラボナの運命を哀れみながら、かわしていく。

 

対称的に光溜はと言うと……。

 

「お前の罪は消えねえ!覚悟を決めやがれえええっ!」

 

叫びながら、真っ正面から鞭を掴み、力任せに背負い投げを繰り出す。

 

『おああっ!』見事に宙を舞い、地面に叩きつけられたパラボナ。

 

「それじゃ、本番といこうかっ!」

 

「……うるさい……」

 

のって来た光溜に、耳を押さえながらも奏貴も構える。

 

互いにサウンディカルピースをベルトにセットする。

 

《ピース!プレリュード!》

 

《ピース!トロイメロイ!アンダスタン!》

 

光溜は右手を力強く握りながら、左手をトリガーに添える。

 

「……被ってる……」

 

奏貴は自分の変身ポーズが光溜と被ってることに気づいた。

 

手をクロスさせ、一回転回し右拳をつき出すスタイルが被っている。

 

奏貴はすぐに新しいポーズを取る。右手を真上から真っ直ぐ下ろし、目線の高さで止める。

 

そして、二人が同時に叫ぶ。

 

「「変身ッ!」」

 

光溜はそのままトリガーを引き、奏貴はぐるりと手を大外で回し、回転を利用し左手でレバーを押して、手を広げた。

 

《サウンド!プレリュード!》

 

《フォルテッシモ!サウンド・トロイメロイ!》

 

そして、二人は旋律を身に纏うと、ファルベとスコアに変身した。

 

「さあ、俺の音を聴いていきな!」

 

「お前の運命、終焉といこう!」

 

『……望むところでやんす!シャトルが墜ちるのを感じて、絶望するでやんす!』

 

電磁波を広範囲に放ち、向かってくる二人の仮面ライダーを受け止めようとするパラボナ・アポカリプス。

 

「そんな柔なものじゃ、止まんねえんだよ!」

 

メトロセイバーを一気に振り上げ、電磁波を貫くスコア。

 

「やれやれ……」

 

ファルベはそんなスコアの横を走り、タクトライザーを構える。

 

「「ハアッ!」」

 

二人の息の合ったキックがパラボナ・アポカリプスに命中する。

 

『ぐっ!』派手に後ずさるパラボナ。

 

『例え、オイラを倒してもシャトルは……』

 

パラボナ・アポカリプスはまるで脅すようにシャトルを引き合いに出す。

 

しかし、二人のライダーは全く動じていなかった。

 

「……お前には聞こえないのか?空から響く歌が……」

 

ファルベは指を上に向けた。

 

彼の言うとおり、空から歌が聞こえた。

 

それは……少女達が命を救うために唄う歌。

 

ーその手は何を掴むためにあるー

 

ー多分待つだけじゃ叶わないー

 

ーその手は何を守るためにあるー

 

ー伝う!熱は!明日を!輝かす火種ー

 

『オイラの電磁波が、歪められたでやんすか!』

 

「……違う!お前には分からないだろう!想いを貫く歌は、負けない!」

 

ファルベはらしくない口調で熱くなった。

 

「なら、俺達はその想いをを守る!何人にも、通させない!」

 

「お前、そういう所もあったんだな……」

 

この戦いの音は、重なり合っていた。

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