戦姫絶唱×シンフォニックライダー   作:コンテンダー。

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さあ、ついに仮面ライダーと戦姫達の物語が始まります!

まずは各フォームの紹介もある序幕です。とりあえず、GとGXの間の話になります。

戦姫達は出てきませんが、ワードは出てきます!

それでは序幕の始まりと行こうか!


第1楽章
1話 パズルの行方


「………………………」

 

今か、今かと待ちわびるように身をベンチにゆだねる少年。

 

「………………………」

 

彼を見下ろす月は欠けていた。いつ欠けた、誰も知らない。世界の秘密主義故、知る余地はない。

 

そんな月も登りだした太陽の光によって輝きを失っていく。俗に言う『朝』である。

 

「……そろそろ時間かな?」

 

最早、月に刻まれた跡も、太陽の光も見飽きたのか、少年は軽く身体を伸ばす。そして、右腕を直角に曲げ、上げる。

 

一瞬の静寂が辺りを包んだ後、風切りが産み出した気流の乱れを肌で感じ取る。

 

「ツバメ、こっちだ」

 

ピイと少年の呼びかけに応じるかのように、月夜を切り裂き、夜には似つかわしくないツバメが、緑のメタリックボディを煌めかせ、舞い降りる。明らかに『生き物』では無い機械仕掛けのツバメは安息と共に、少年に知らせを届けに来たるのだ。

 

「じゃ、お疲れ様」

 

少年は緑のツバメの頭を外す。カチッとはまっていた一部が外れたツバメは一片、一片のパーツへと畳まっていく。

 

その様子はパズルが解けていくかのように鮮やかで、刹那的であった。

 

少年は頭のパーツを持っていたアイパッドのケーブル接続ポイントにはめる。

 

ツバメ型アンドロイドが見て回って記憶してきた映像が全て、流れていく。街の様子から、人々の様子、灯りが朝の光に消えていく様子まで……。

 

「……ハズレか……」

 

少年は探していたものが、そこに無かった事を理解したのか、静かに首を振った。

 

「………………………」

 

残念そうにしながらも、静かに頭を整理しながら、尻尾を見せないそれに少年は憤りを感じてもいた。彼はすぐにその調べていた事のデータを洗い直す。

 

アイパッドには彼が今、追いかけている怪奇な事件のデータが刻まれていた。

 

『人体発火、今月に入って8件目』やら『プラズマ』やら、オカルトの範疇に引っかかるであろう物騒なワードがズラリと並ぶ。

 

少年はオカルトマニアなのか。

 

否、それは見当はずれだ。

 

「……全てにおいて、発光の目撃あり……一昨日のケースもそうだ……」

 

彼がこの人体発火を調べるきっかけとなったケース。

 

それは夜長の事だった。

 

一組のカップルが、月の光だけが爛々と照らす夜道を歩いていた日の変わる頃、彼氏が『発火』したと言うのだ。

 

胸から、青白い炎を出し、上半身を焼き尽くして。

 

その時、生き残ってしまった彼女は音を聞いた。

 

耳をまるで貫くような終わりの音を。

 

そんな話が少年の元に流れ着いたのは、彼がフリーライターであるからであり、このような件に詳しいと白羽の矢が立ったからであった。

 

「悠長な事は言ってられないか」

 

少年は立ち上がると、人体発火のパズルを解くために、行動を取る。まるで、自分が解決せんと言わんばかりにだ。

 

改めて少年は何者か、姓は『冴刃』、名は『奏貴』、冴える刃が奏でるのは、正義と言う名の調べ。

 

止まることはない、彼の胸には燃えたぎる魂があるのだから。

 

 

ーーーーーーーーーーーーーー

 

 

「まさか、出来損ないのピースが上手くはまってくれるとは………。また、終わりの音が近づいていると身に染み渡る」

 

誰が恍惚の笑みを浮かべているのだろうか、交差点と言う無数の人間(ピース)が入り混じる中心で、何人にも触れられる事さえなく、身を白いフードに包んだ疫害は嗤う。

 

「パンドラ、笑えばいいじゃない。私は愉しすぎて、諸行無常の感情が沸き立っているのに」

 

嗤う白は女。

 

「……所詮はピース、まだ関の山さえも超えていない……」

 

その白とは対照的に表情を崩すことすらしない白ことパンドラと呼ばれた男。

 

フードに顔を隠し、無くした表情を闇に溶かすパンドラ。

 

「お堅いわね。ヨハネも手を焼くわけよ」

 

「…………ディーヴァ、つまらない冗談は程々にしておけ…………」

 

軽口を叩く女こと同じ闇の1人であるディーヴァに嫌悪をぶつけたパンドラ。

 

「参ったわね、ま、ピースにはもう少し頑張って頂きましょう?」

 

人に知られず、白い影は交差点の喧騒をモノともせずに文字通り、消滅した。

 

彼らはこの世界に『破滅』をもたらすのか……。

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーー

 

 

巨大なターミナル前の街頭に、映るモニター。

 

ー人気歌手の風鳴翼さんが……ー

 

「これは、これは」

 

白いタキシードを纏った場違いなマジシャンは季節違いのロングコートをたなびかせる。

 

彼に向けられる奇異の目すら、彼の大いなる変人ぶりの前に歯牙にさえかけられていなかった。

 

「となると、僕としては彼女よりも、優しい彼女のほうが気にかかるんだけどねえ。何て急転するんだ、ステージは」

 

ボソクサ、ボソクサと呟く様がかなり印象を悪くする。

 

だが、マジシャンはただ笑い飛ばす。

 

「さあ、さあ、まずは身を任せるとしようか、この大いなる流れにッ!アッハハハハハハッ!」

 

彼の高笑いは天まで、ロンドンまで、届く勢いであった……。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その一方で……。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「アアアアアアアアアアアアアアアアアッ!!!!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

また独り、身を焦がしていた。

 

青白い炎を撒き散らしながら。

 

『………これで9人、あと……』

 

突然の出来事であり、呆然とした人々は異変を感じていた。

 

耳を貫くように、身体をバラバラにするように、頭をぐるぐるとかき混ぜるように奇怪な音が響く。

 

そんな怪奇音に苦しむ人々を後目に、パズルのピースがその場を飛び去った。

 

そんな事を誰も知らない。

 

いや、1人だけ知っていた。

 

奴らと同じように白いフードを纏った男が、パズルの行方を睨んでいた。

 

「人間ではなく、自分の意志で終末の獣になる事を選びましたか、フレイム」

 

他の2人よりも、冷静な目で記録を続ける男は同士の姿を見て、嘆いているようでもあった。

 

「あれほど思慮が無いと管理が難しい。やはり、緒は締めておくべきでしたね」

 

だが、もはや始まった事には目をつむらざろう得ない。彼は理解すると、歩を進める。

 

「これも終焉を望む人間の業のため、私はただやるべき事をする、それだけ」

 

まるで自分に言い聞かせているかのように、人間臭さを漂わせた白はそっとその場を後にした。

 

 

 

それから数十分後……。

フリーライター・冴刃奏貴はここにやってくる。

 

「……そりゃ大変だよな……」思わず口に出してしまうほどの騒乱である。

 

警察や、救急を巻き込んだこの場所は最早、各マスコミも押し寄せるほどなのだから。

 

だが、彼はここで確信を得る。

 

「……この残響、間違いない……」

 

彼のベルトが知らせてくれた。

 

ここに事件の正体がいた事を。

 

「………………………」

 

確信を得たからこそ、奏貴は次の行動を頭に思い浮かべ、普通に取材陣の中に溶け込むのだったーー。

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