戦姫絶唱×シンフォニックライダー   作:コンテンダー。

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40話 再会と雷侵攻

「……………………………」

 

アポカリプスの尻尾を掴んだ奏貴は昨日と同じように同じ場所で海を見つめていた。

 

「……………………………」

 

なぜ彼はこの場所に来たのか?

 

ー奏貴君、彼女達動いてるみたいよ?ー

 

昨日の今日で既に連絡を入れてきた縁の仕事ぶりに思わず、恐ろしさを感じながらも、彼女を待ち受けていた。

 

「奏貴さん?」

 

どうやら待ちわびた彼女が来たようだ。くるりと、向き直るとその呼んだ声に答えた。

 

「……また会ったね、響ちゃん」

 

彼女とは立花響だった。動きやすそうな短パンが眩しいが、そんな事は奏貴には関係ない。

 

「奏貴さん、好きなんですか、ここ?」

 

「……ああ……」

 

素っ気なく応じてみせた奏貴。昨日と纏う空気が違う、一本筋が入ったような空気に響が戸惑う。

 

「……奏貴さん……」

 

「……………………………」

 

その異様な空気に響のリズムが大きく狂う。その対峙は昨日とは全く違う。

 

「……聞きたい事ばかりなんだ、悪いけど踏み込ませてもらうよ……」

 

「それはどういう……」

 

身構える響。

 

「……君の、いや、君達の事だよ。シンフォギア奏者の立花響ちゃん」

 

「ギアの事を知っているんですか!?」

 

奏貴の落とした爆弾が響の驚嘆を誘う。この流れは奏貴は覚えていた。風鳴翼が彼を問い詰めたときと同じだ。

 

「知っている……。そして、今、君達が向かい合っているモノの正体も」

 

それ即ち、アポカリプスの事なり。

 

「なら、教えてください、奏貴さん!」

 

それは奏貴が全く考えていなかった響の反応だった。

 

「疑わないのか、こんな怪しいやつの事を?」

 

自分の事を嘲りながら、響の真っ直ぐさを感じ取った奏貴。

 

「私、お人好しなんで奏貴さんを疑えませんよ!だって、奏貴さん……真っ直ぐな目をしてますから!」

 

「……………ハハハ………………」

 

ここまで愚直とは、響の真っ正直ぶりに思わず苦笑いしてしまった奏貴。これはやられてしまったとばかりにクールな表情が和らいだ。

 

「な、何が可笑しいんですか!これ以上に大切な事はないじゃないですか!」

 

「……そうか、よくわかったよ……どうも、君には敵わないな。響ちゃん、君は太陽みたいな人だね」

 

響に一本とられた奏貴。彼女が沢山の人の心を守れる理由はそこにあると認識した。

 

「た、太陽みたいって……照れますって!」

 

すっかり流され、昨日のようなやり取りに戻り始めた。

 

そんな時だった。

 

運命は、こうも偶然に噛み合うのかと言うほどに、偶然と言う名の運命を回す。

 

「ッ!やっぱりいた!って、ナンパされてんのか!?」

 

遠くから少女の声が聞こえた。何か驚いたようなニュアンスが混じっているのは気のせいではない。

 

「あっ、クリスちゃん!いや、ナンパされてないよ!?」

 

その少女の名前を呼び、否定した上で手を振る響。

 

「…………………………」

 

奏貴の頭の中で繋がり始めた記憶。

 

その声は約束した日と変わっていない。懐かしくて、懐かしくて、懐かしくて、追い求めたあの声。

 

横目で、少女の姿を見る奏貴。

 

そして、長い銀髪とその姿が完全に重なった。

 

やっと、奏貴が幼い頃から焦がれた道が重なったのだ。

 

「……………………………」

 

静かに、奏貴は下を向く。

 

「っていうか、そこの……」

 

ピタリと近寄ってきた少女/雪音クリスも奏貴の姿を見て、固まった。

 

「えっ、クリスちゃん?奏貴さん?」

 

この流れに困惑する響。珍しい構図にどうすればいいのか、分かっていないようだ。

 

「……奏貴、なんだよな……」

 

クリスは信じられないと言った様子で、奏貴に詰め寄った。

 

「………違うと言ったら?」

 

雪音クリスの姿を、思い出と照らし合わせながら、焦らしてみる奏貴。

 

「違うわけあるかよ……。その目、その声……ずっと、ずっと会いたかったんだよ、この馬鹿ッ!」

 

「俺もずっと会いたかった、クリス」

 

「ええっ!?これが一番、びっくりだよ……」

 

長い間の記憶を埋めるように会話をする二人に挟まれた響がとても不憫だ。

 

思いがけない事はやはりいつも突然、起こる。

 

奏貴とクリスは引き合うように、近づき合う。

 

「クリス、会えてよかった……。」

 

クールな彼とはイメージがつかない柔らかい笑みはクリスにとって、あの時のままだった。

 

「私だって……私だって……同じなんだよ!」

 

言葉を紡ぐ余裕はない。

 

運命は思いがけない再会を奏でたのだ。

 

奏貴とクリス、向かい合ったまま二人の世界が作り出される。

 

「え~っと……アハハハハ」

 

この線に挟まれてしまった響の苦笑が止まらないのだった。

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

「……さて、そろそろですね……」

 

シーフの姿が街中にある変電所の近くにあった。不敵に笑いながら、手をあげる。

 

それは何かの合図か、いや、合図であるのは明白だ。

 

バチッ!バチッ!と町に繋がる電線が火花を散らしながら、一斉に別々な4ヶ所が想像すらしていなかった強い電流を流される。

 

それと同時にスイッチが入ったように、漏電したかのように高熱を持つ。

 

カウントは赤い。ついに、エレキ・アポカリプスが破壊活動に移ってみせたとしか思えない。

 

仄かに染まり始めた空の下、離れた4ヶ所から火の手が上がったーー。

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