戦姫絶唱×シンフォニックライダー   作:コンテンダー。

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43話 その勇姿は君のために

『これでどうだ!仮面ライダー!』

 

「……そう簡単に力負けしえねよ……」

 

同じパワー型であるスケルツォサウンドとエレキ・アポカリプスの戦いが雷と引き起こしながら、続く。

 

エレキ・アポカリプスのプラグによる激しい突貫を左手で弾きながら、右手の拳を思いっきりぶつけていく。

 

『……ムッ……』

 

激しい応酬に、エレキ・アポカリプスが下がった。ここで一気にファルベが攻めにうって出る。

 

「……よっ!」

 

ファルベの飛び膝がエレキ・アポカリプスのバランスを崩す。それと同時にプレーンバスターの要領で、体勢を崩したアポカリプスを豪快に持ち上げるスケルツォサウンド。

 

『ウグッ!』

 

ストレートに最短で地面にエレキ・アポカリプスを叩きつけ、反動で起き上がって見せるファルベ。エレキは口から息を漏らし、仰向けに倒れた。

 

対照的にファルベはタクトライザーを再び取り出し、エレキ・アポカリプスの次の一手に神経を尖らせた。

 

『なかなかの一撃、痺れたが……。まだまだ及ばん!』

 

コイルから身体に電流をチャージし、重々しく起き上がったエレキ・アポカリプスは首を捻りながら、ファルベに向かって進行する。

 

「おいおい……。あんだけ重い攻撃を食らっても平気なのかよ……。奏貴、私も……」

 

頭を押さえながら、銃身を杖にし立ち上がるクリス。エレキ・アポカリプスのタフネスぶりに今までのどの敵とも違う異常性を見出だしていた。

 

「……………………………」

 

だが、ファルベはクリスを止めるような仕草を無言ですると、向かってくるエレキ・アポカリプスにタクトライザーを突き出した。

 

『ハッハッ!真っ正面からか、ぶっ壊してやるよ!お前をな!』

 

エレキ・アポカリプスも、タクトライザーに対抗するようにプラグアームをぶつける。

 

「奏貴!バカかっ!」クリスが思わず、トリガーを引こうとする。

 

『そこだ!オラッ!』

 

「クリスッ!ダメだ!」

 

エレキ・アポカリプスのコイルが光る。それに気づいたファルベは力比べから脱し、プラグアームによる押しの力を使い、クリスの前に躍り出た。

 

(頭がいてえけど、イチイバルの反応が鈍くても!この一撃を!)

 

アポカリプス・サウンドの影響で頭が回らないクリスは、引き金を引こうとした。

 

だが、コイルから放たれた雷が自分の真上から落ちてくることに気づいた。

 

「しまっ!?」

 

イチイバルを盾に、襲いかかる猛威を防ごうとしたクリスの前にファルベの姿。

 

そして、閃光が落ちた。クリスの耳に残る残響が頭の中を暴れまわる。

 

「………………おい……………」

 

「……悪い、クリス。どうしても身体が動いちった……」

 

クリスが気づいた時には、身体から煙をたたせながら膝をつくファルベの姿があった。

 

「どうして出てきたんだよ!」

 

クリスの問いにファルベ/冴刃奏貴として、応じる。

 

「決まってる……。また道が重なったんだ、そりゃ、約束を守るために騎士がお姫様を守るのは当たり前だろ?」

 

奏貴らしからぬ、キザなセリフだった。クリスの顔は一気に赤くなる。どうやら、奏貴の可笑しなスイッチが入ってしまったようだ。

 

「お、お、お姫様って!私が!?スラッと変なこと言うの直ってないのかよ!?」

 

「……残念ながら……」

雷撃のダメージを抱えながら、ファルベは立ち上がる。クリスとの約束が彼を突き動かす。

 

『小娘を助けて、深刻なダメージを受けるとは!愚か事だ!』

 

「……だが、そのお陰でお前に一泡吹かせられる!」

 

小バカにしたエレキ・アポカリプスに対し、ファルベは直ぐに反論すると、サウンディカルピースをベルトから取り外した。

 

「……情熱的に行こうか!」

 

《アインザッツ!ピース・カデンツァ!》

 

ファルベは走りながら、タクトライザーを切り替える。

 

《ガッキョク!ガン!》《サウンド!カデンツァ!》

 

同時にトリガーを引いたファルベの体を炎と赤い旋律が包み、フラメンコのような小気味いい情熱の電子音で、カデンツァサウンドに変身する。

 

「フッ!」

 

そして、ガンモードになったタクトライザーの銃口をエレキ・アポカリプスの左のコイルに向けると、とにかくやけっぱちのようにトリガーを引きまくる。

 

次々と放たれる炎の弾丸をエレキ・アポカリプスは捌いていく。

 

『こんなもので、一泡吹かせるだあッ!バカも休み……』

 

「どっちがだ?」

 

それはエレキ・アポカリプスの僅かな隙をついていた。タクトライザーの銃口を音もなく近寄ったファルベがコイルにゼロ距離で当てていたのだ。

 

そして、炎の弾丸がコイルに命中する。

 

『なっ!?』

 

この一撃でコイルに焦げが出来た。なんとファルベはその焦げを逐ったコイルを手でつかむと、カデンツァの炎をたぎらせた。

 

「……さて、ここからは我慢比べだ!」

 

ファルベの拳から産まれた赤い炎が、コイルを包む。

 

『何をするつもりだ!止めろ!ハアッ!』

 

エレキ・アポカリプスもファルベの全身に最強の電流を流す。

 

「ぐああああああああっ!放せない、いや、放さない!」

 

『このまま殺してやる!想いのままにな!がああああああっ!』

 

互いにダメージを受けながらも、手を離さない。

 

そして、この我慢比べは一気に動いた。

 

バチッ!と言うつんざく音と共に、エレキコイルから異常なほどの煙が立ち上がったのだ。

 

『あ、あああああああっ!』

 

貯めていたエネルギーの暴発で、エレキ・アポカリプスの体から次々と電気が溢れだした。

 

「そういう事か!コイルを融解させたのか!頭が軽いッ!これで不快な音も止まった!」

 

クリスはファルベのとった捨て身の意味を理解すると、アポカリプス・サウンドから抜け出すことができた。

 

クリスの言う通りだ。コイルの熱容量をファルベのオーバーヒートが上回った事で、焦げから一気にコイルが熱で溶けたのだ。

 

だが、代償は払った。

 

「……………………………」

 

身体に電流のダメージを残したファルベが肩でいきをつき、ふらふらと立っていた。

 

「お前!何て無茶を!」

 

ファルベに駆け寄るクリス。

 

「……クリス、大丈夫だ……。これで決める……」

 

だが、ファルベはクリスを心配させまいと振る舞うと、カデンツァのピースを外し、プレリュードに戻る。

 

《サウンド!プレリュード!》

 

ファルベは止めをエレキ・アポカリプスにさすため、ベルトからピースを外して、何とカデンツァピースをセットした。

 

ベルトが紅く発光し、ファルベは低く構える。

 

《 スフォルツァンド!プレリュード!》

 

必殺のコールと共にファルベが走り出す。

 

『まだだあああああっ!』

 

そんなファルベを最後の電気のエネルギー弾で、迎え撃とうとするエレキ。

 

「そうはさせねえ!これでも喰らえッ!」

 

クリスがサポートに回り、両手にガトリングを展開し、エレキ・アポカリプスに向かって乱射する。

 

クリスの技の1つ『BILLION MAIDEN』が嵐のようにエレキ・アポカリプスにヒットする。

 

『ぐあっ!』

 

エレキ・アポカリプスの牙城が崩れた。真上にいるは、いつのまにか飛び上がり、炎を足に宿したファルベ。

 

「はあああああああああっ!」

 

そして、必殺のキック『プレストストライク・カデンツァver』を繰り出し、エレキ・アポカリプスを貫いた。

 

『うがああああああああっ!』

 

断末魔。エレキ・アポカリプスは破れ去ったのだ。

 

着地したファルベ。そこにクリスが立っていた。

 

「ナイスアシスト」

 

「アイツに泡を吹かされっぱなしはシャクだったからな」

 

ニッとクリスが笑ってみせた。

 

だが、その時間を破る者がいた。無粋な者はパチパチと拍手していた。

 

「……お見事、エレキを撃破したその頑張り、称えましょう?」

 

シーフが再びステージに戻ってきたーー。

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