S.O.N.G本部。
響、クリスと共に司令室に彼は現れた。その扉の前で落ち着きなく、ネクタイを緩めては締める仕草を繰り返している奏貴はどうやら、どう説明しようか悩んでいるようにも取れた。
「……ここがタクスフォース、S.O.N.Gの司令室か……」
冷静沈着に、ポツリと呟いた背中にクリスが一声の助け船を出した。
「話をじっくり聞くには最適だろ?ま、オッサンも話が分かるから、ぶちまけちまえ」
「ちょっと逞しくなったな。このヤロ、そういう強がりは直らないな」
「強がりじゃねえし」
「でも、素直じゃないのは変わらない。昔のクリスのまんまだ。いわゆるつんけんしてるって所か?」
「つんけんってなんだよ!昔の話を持ち出して、勝ち誇ったような顔すんなっ!」
「可愛いな」
「あああっ、もうっ!誤魔化すなよ!」
運命の再開をしたばかりとは思えない、息の合いぶり。壁がどれだけ隔てていても、二人の親しさは全く誇りを被っていなかった。
「むむむっ……」
対照的に置いてきぼりを食らったままの響は複雑そうだ。
「……ごほん……お熱いですね、お二人とも。……奏貴さん、クリスちゃんのこんな頃のお話、聞きたいです」
「はあッ!?お前、変なこと言い出すなよ!絶対真に受けんなよ、奏貴!」
これは響の悪ふざけにセクハラまがいを混ぜてきたモノだと直ぐに理解したクリスが響の口を塞ごうとしながら、真っ赤になる。
「………どうしようかな、響ちゃん……何が聞きたい?」
ここで乗らない手はないとばかりに奏貴がにっこりと返した。別な意味で、息があっている奏貴と響。
「だああああああっ!馬鹿っ、乗るなあああああっ!」
クリスが見事に二人にコントロールされている。チョロいん、クリスちゃん……と言うのは伊達じゃないようだ。
「……先輩達、なにやってるんデスか? 」
「……何だか見ちゃいけないものを見てしまったような気がする……」
「ハッ!?」
クリスは気がついた。自分の後輩がいつの間にか後ろにいて、生暖かい目で見ていた事を。
「うあああああああっ!馬鹿ッ!後輩に見せる顔がないじゃねえか!?」
クリスは思いっきり叫んだ。
そんなこんなで、暁切歌と月読調も加わり、司令室に場面は移る。
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「ようこそ、S.O.N.Gへ、冴刃奏貴君。私はS.O.N.Gの総司令である風鳴弦十郎だ。以後、よろしく頼む!」
「……よろしく、お願いします……」
奏貴は弦十郎を始めとしたS.O.N.Gのクルーに迎えられていた。ただ、奏貴は弦十郎の姿を見て、直感的に感じるものがあった。
(……いやだ、この人、強そう……)
あながちどころか、否定すらしないレベルで強いのだが、それは今は語らない。
「キャロル・マールス・ディーンハイムです!よろしくお願いします、お兄さん!」
キャロルも出来る限りの挨拶を奏貴にした。
「よろしく、キャロルちゃん……。さて、弦十郎さん、俺は何から話しましょうか?」
自分がここに来た最大の理由を実行するために、奏貴がここで切り出す。教団が本格的に動き出した今、隠しだてする事はしないと決めたようだ。
「うむ、では率直に聞こう。仮面ライダーとは何だ?」
「仮面ライダー……ううん、何処かで聞いた事があるデス……」
「響さん、あの冴刃さんと言うかた……仮面ライダーなんですか?」
ファルベの戦いを見ていなかった切歌は首をかしげ、調が響に確認を取る。
「仮面ライダー……ううん、ピンと来ないかな。でも、すごくかっこよかったよ!」
「響さん、見たんじゃないんですか?もう」
調にダメ出しを受ける響。ちょっとだけ切ない。
「……かっこいいんデスか!?ワクワクするデス!」切歌のテンションは流石だ。
「……はい……」
奏貴は語りはじめた。仮面ライダーと言う存在を。
「誰かのために、手を伸ばせる力を手にし、人びとの笑顔を守るために戦う仮面の騎士……。いや、要するに『シンフォギア』を纏う彼女達と同じような存在と思っていただければ」
「……何、カッコつけてんだよ……」
思わず、奏貴らしからぬ様子にクリスが突っ込んでしまった。
「……俺が戦っているのは、アポカリプスと言う怪物です。人の欲望を喰らい、欲望を促進させ、進化する……」
奏貴は一連の話を迷いなく話し始めた。
ー奏貴の話が終わる。
「………成る程、我々が知らなかった無知数の敵か……」
弦十郎は腕を組んだまま、現れた新たな脅威の存在の事を考えていた。
「……………奏貴君、私のわがままだが聞いてくれるか………………」
出した答えがあった。
新たな敵『教団バベル』に対抗しうるには、奏貴/仮面ライダーファルベとの協力が必須だとたどり着いた。
「S.O.N.Gは君の力を借りたい……。いや、借りねばならない。力を貸してくれないか?」
「……答えは……」
奏貴が出した答えは……。
「もちろん、この力で『彼女達』の支えになれるならば……」
その言葉を皮切りにワッとS.O.N.Gの司令室に、歓迎の風が吹いたーー。