戦姫絶唱×シンフォニックライダー   作:コンテンダー。

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51話 彼の複雑な気持ち

「仮面ライダースコアか……。どうやら、我々の知らないことはまだまだあるようだ」

 

切歌と調、そして、二人の仮面ライダーとマグネ・アポカリプスの戦いを見守る事しか出来なかったS.O.N.G本部。

 

弦十郎は奏貴と変身を解いて、通信を繋いでいた。

 

「……ええ、教団が再び動き出して、同じようにそろそろ動き出すと思っていたんで、彼等が……」

 

「君は彼らが何者か知っているようだね。教えてはくれないか?」

 

S.O.N.G司令室は固唾を呑んで、奏貴と弦十郎のやり取りに注目していた。

 

「いずれ出てくるとは思っていたんですか、まさか、真っ先に血の気をたぎらせて出てくるのは予想してなかったんで……。簡単に言えば何ですが、彼等はロンドンに本拠地を置いている秘密結社『ロード』のメンバーです」

 

「……ロードか……」

 

何か弦十郎には思い当たる節があるらしく、腕を組み考える。

 

「……欧州に国連や諸国に繋がれる事なく、様々な活動を行っている組織があると聞いたことがある。1つの噂によればだが、聖遺物を保有しているともされていたな……」

 

「間違いないと思います。仮面ライダースコアを止めた少女も『聖遺物』を所有していると本人から聞いたことがあります」

 

数ヵ月前、始めてリーサと出会った時の事を思い出しながら、奏貴が言う。

 

「そうか、分かった。そのロードのメンバーとどうにか接触を図れるか、友里」

 

「やってみます」

 

どうにかして話を聞くため、ロード側との接触を進め出すS.O.N.G。

 

やはり、その一方では早急なアポカリプス対策と、今回の件の捜査が必須なのは用意に想像できる。

 

「切歌君と調君の迎えには響君が向かってくれている。奏貴君、マグネ・アポカリプスの目的を探ってみてくれ」

 

「言われなくてもやりますよ、風鳴司令」

 

奏貴はここで通信を切り、ネクタイを絞め直した。

 

「……切歌ちゃん、調ちゃん、響ちゃんがこっちに来てくれるみたいだ。俺はマグネ・アポカリプスの目的を調査してみるから。またね」

 

奏貴は切歌と調に手をひらひらとさせると、ライドシンフォニーに向かって歩き出した。

 

「……ちょっと待つデスよ!」

 

その背中に大きな声が刺さった。切歌の制止だ。

 

「……ハハッ、何か話があるみたいだね……」

 

「話も、何も、まだ全然納得いかないデス!悪い人じゃないのは分かるんデスが、まだまだ知りたいことがあるのに、話してくれないんデスか?」

 

「……切ちゃん……。でも、それは本当です。あなたと私達は協力していますよね、信用してくれていないんですか?」

 

辛辣な言葉でもあった。奏貴がまだ信用しきれていないからこそ出た言葉であろう。

 

それでも、奏貴は静かに首を振る。

 

「……それは無いよ。だけど、実は君達を巻き込むのを心ではさせたくないって余計なお世話をかけているのかもしれない……」

 

それは奏貴の本心だったかも知れない。

 

「……そんなの無いデス!」

 

「切歌ちゃん?」

 

切歌は奏貴に強い否定をぶつけてきた。

 

「一緒に戦う事になった以上、同じ方向を向いているデス。なら、助け合うのがジョーシキってものデスよ」

 

「私も切ちゃんと同じです。あなたと一緒に戦う以上、それが当たり前ではないんですか?」

 

「……まさか、年少組に言われるなんてな……」

 

奏貴は苦笑いすると、二人に返した。今、自分が抱いた事を。

 

「……確かにその通りだ。君達も誰かを守りたい気持ちは一緒だ。なら、俺は君達のその想いを守り抜いていかないとな………」

 

らしいクールで、キザな言い回しをして、その場から歩き出した奏貴。

 

「……奏貴さん……」

 

ただならぬその背中には何か刻まれているようだった。

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

「マグネの働き、素晴らしいでしょ?流石、私の部下ね」

 

闇に閉ざされた洋館のロビー。

 

熱心な信者達の声が聞こえる中、ディーヴァがパンドラとの対話に望んでいた。

 

「……確かに素晴らしいですね。我々が奇跡と言う名を欲しいままとする事を示さんとする上でね……」

 

パンドラは不適な笑みを崩さず、ディーヴァの差し向けたマグネ・アポカリプスの活動を褒め称えていた。

 

「楔を打ったのは2ヶ所。あと、1ヶ所打てば天を揺るがす地を浮かせますわ」

 

「……それは楽しみですね……」

 

マグネ・アポカリプスを使い、ディーヴァが推し進めている計画とは何か。

 

「……やれやれ……」

 

その様子を楽しそうに見るのは、ヨハネとシーフ。

 

「いいのか、お前におあつらえ向きのような仕事なのに、任せて?」

 

ヨハネの問いにシーフは紅茶を注ぎながら、笑みを隠す。

 

「任せて?いや、任せてなんていないさ……。私はもうやる事はやりました。昨日のステージに触発して、大それた事をディーヴァもしようとしている。実に笑みが溢れてしまいますねえ」

 

「……シーフ、また何か裏で動かしていると言うのか?」

 

そのシーフの言い方から、ヨハネはまた新たな計画を進めていることを看破した。

 

「……既にロンドンで動いていますよ……フフフッ」

 

ロンドンに、驚異と言う名の霧がかかり始めていた。

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