戦姫絶唱×シンフォニックライダー   作:コンテンダー。

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56話 レーヴァテインの片鱗、いざ、混合戦!

巨大な煙管を担いだままのリーサは真っ向から向かってくるパズルノイズをふわりとかわすと、ギアから流れるゴリゴリのロックチューンに合わせて唄い出す。

 

「♪疾風の音が鳴り渡れよ 私の荒野と言う名の大地に」

 

彼女の魂の底から沸き上がる戦闘ソング『炎刃・レーヴァテイン』を口ずさみながら、煙管を思いっきり地面に叩きつけるリーサ。

 

すると、煙管と地面が怪しく朱に発光し、凄まじいほどの焔がパズルノイズを焼き裂いた。

 

「♪ただ前のみを見つめ 旅と言う名の道を行くのみ」

 

まずは挨拶代わりの十八番技『HEATSPLASH』を繰り出したリーサは、歌を続けると、さらにレーヴァテインをぐるりと一回転させた。

 

すると、リーサのギアコントロールに反応したのか、レーヴァテインが煙を漂わせ始めた。

 

「♪この沸き立つ魂に 熱を伝えるのは何?

身を焦がすほどの想いを 背中の十字架ーゴルゴダーにたぎらせて」

 

歌と共に広範囲に散らばった煙が焦げ臭くなる。それが、2つ目の手品の幕開けだった。

 

煙が一気に燃え盛り、パズルノイズ達を呑み込んだのだ。

 

『WAVEBURST』これもまたリーサの得意技である。

 

「火を操るギア!……やっぱり、あの人ただ者じゃなかったんだ……」

 

「炎を操るデスか?あんまりピンと来ないような、でも、分かるのは単純なギアの性能はかなり高いデスよ、あれ!」

 

一度会った事のある切歌と調は、リーサの秘めていた実力ぶりに息を呑む。

 

だが、ここからがリーサの見せどころ。煙管を地面におったてると、口を動かす。レーヴァテインが炎刃たる所以をお披露目する手筈に入ったのだ。

 

『♪奮う勇気は世界を救う灯火となる!さあ、燃え上がれ!

黄昏よ、HEAT UP! この刃に全てを掛けて

守り抜けよ、PRIDE!

この焔(ほむら)が闇を砕く

どこまでも進むなら

私が切り開いてく

レクイエムへと』

 

一気にサビまで歌い上げると、煙管から赤い刃を引き抜いた。

 

「剣が出てきた!?」

 

驚く響。そりゃそうかも知れない。隠し刃と言うギミックがこうも出てくるとは。

 

『ッ!何故、パズルノイズのアポカリプス・サウンドが響かないの!?』

 

リーサに全くアポカリプス・サウンドが利いていないことに、マグネ・アポカリプスが声を荒げてしまう。

 

「こう言うのは慣れているのよね。シャクに触るけど、あの男のおかげでもあるんだけれどね!」

 

レーヴァテインを煙管の鞘に収めると、一気に残りのパズルノイズを仕留めにかかる。

 

「切歌ちゃん!調ちゃん!」

 

「分かってるデスよ!」

 

「はい、助け合いですね!」

 

リーサの背中を響を先頭に追いかけようとする。が、リーサはそれを制止する。

 

「待ちなさい!まだアポカリプス・サウンドの対策が出来ていないんでしょ!……今日のところは見てなさい」

 

「でもっ!」

 

響が反論しようとした時だった。ついに、マグネ・アポカリプスが動き出す。

 

『どうやら時間稼ぎは出来たようね』

 

マグネ・アポカリプスの強烈なアポカリプス・サウンドと回りを強引に浮かせるほどの斥力を発生させる。

 

「ッ!やってくれたわね!」

 

「あわわわわわっ!?」

 

「ど、どうなってるデスか!?」

 

「高くなってる?いや、浮いているの!?」

 

四人は突然の揺れを感じ、ふらつく。そして、自分達がいる場所を含めた広い三角点が『持ち上がり始めている』ことに気づいた。

 

『アッハハハハッ!どうかしら?次は私の音を響かせてあげるわ!』

 

マグネ・アポカリプスは自分のフルパワーを使いながら、アポカリプス・サウンドのフルボリュームを四人に向けようとした。

 

「そうは簡単にいかないんだな!ハッ!」

 

そんな隙の出来たマグネ・アポカリプスの背後に強い衝撃が走った。

 

『ウグッ、何!?』

 

振り向こうと身体をターンさせたマグネ・アポカリプス。まるでそれに合うかのように、真上から疾風がサマーソルトの形で落下してきた。

 

「ハアッ!」

 

一瞬のスピードについてこれず、マグネ・アポカリプスは一撃を許した。

 

『アアアアアアアアッ!』

 

そして、勢いよく地面に真っ逆さまに落ちた。

 

「奏貴さん!……新しいフォームだ!」

 

その疾風、仮面ライダーファルべだ。響の声に応じるように素早く身体をひねり、マグネ・アポカリプスが落ちた場所に着地する。

 

『仮面ライダーファルべ、遅かったわね……。もう計画は達成したわ』

 

よろりと立ち上がるマグネ・アポカリプスに対し、ファルべは関係ないとばかりに口を開く。

 

「何てことはない……要するに……完全に持ち上がる前にお前を倒せばいいんだろ。さあ、俺の音を聴いていきな!」

 

『ムダな事を……』

 

ファルべとマグネ・アポカリプスの立ち回りが始まった。

 

「……さて、光溜が遅いのが気になるけど、先にこっちね……」

 

リーサは改めて、パズルノイズと向かい合う。

 

「いいところ、奪われてたまるかよ!」

 

ファルべの乱入と同じように上空から雨あられの弾丸を降り注がせ、もう一人の乱入者が見参した。

 

「……雪音クリス……」

 

イチイバルの奏者。リーサが先程会っていた、クリスだ。

 

「すまねえ、遅くなった……。その分はしっかり返させてもらうぜ!それに、いけ好かないヤツに私の獲物、取られちゃ敵わないからな」

 

クリスはまず、響、切歌、調に目をやると、リーサに最後に目をやり背けて見せた。

 

「とんだご挨拶ね……。なら、私もあなたに活躍する場をとられるのはちょっとね」

 

「言うじゃねえかよ」

 

バチバチと火花が散る二人の間。

 

「「ハッ!」」

 

何も打ち合わせはしていないのに、二人ともパズルノイズに突進していった。

 

「……のけ者にされた気分デス……」

 

「うん、でも、やるしかないよね!」

 

「負けずにバチンとやっちゃおう!」

 

「「はいっ!」」

 

二人に触発された年下達はボルテージを振り切って、戦いに飛び込んだ。

 

そして、浮き始めた土地にも異変が起きている事には誰も気づかなかった。

 

それはーー。

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

「……グウッ!力が足りないか!」

 

三角点の力の歪みを強引にぶち破ろうと、メトロセイバーを地面に突き刺す仮面ライダースコアがいた。

 

既にグラビトンを発動しているが、なかなか力が足りていないようだ。

 

ー聞こえますかしら?ー

 

「……あ!?千華、忙しいときに通信してくんな!」

 

『パワー不足なのは分かりますわよ。だからの通信ですわ。新しいヤツ、使ってみませんこと?』

 

通信で千華が言っていることにピンとこないスコアは首をかしげる。

 

「なんだ、新しいヤツって!?」

 

『これなんだよ、コウモリ!』

 

その千華への問いを奪い、鷲谷のテンション高い声が聞こえた。

 

キイッ!それに合わせたかのように、スコアの前に漆黒のボディを輝かせた蝙蝠型の機械が舞い降りた。

 

「……ッ!新しいパズルドロイド!そして……」

 

それは鷲谷が懸命に調節していたパズルドロイド、コウモリロイドと手に持たれたベース型のサウンディカルピースであった。

 

『最新ボディのロックサウンディカルピースだ!さあ、掻き鳴らしたまえ、力強いサウンドを!』

 

「……ケッ!もらっといてやるよ!」

 

スコアは取り敢えず鷲谷に悪態をつき、コウモリロイドからベースのサウンディカルピースを受けとると、直ぐに交換する。

 

《アインザッツ!ピース!ロック・アンダスタン!》

 

ベルトは新たなピースと適合する電子音をコールし、ビートを速めた。

 

「さあ、聞いてけ!」

 

豪快にトリガーをひいたスコアの回りを大地から流れる分厚い旋律が踊った。

 

そして

 

《フォルテッシモ!サウンド・ロック!》

 

スコアの姿は踊る旋律を全身に受けたーー。

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